天使の絵本

天使の絵本

からめるぽっぷん



「ぶたちょきやってんのも楽じゃねぇぜ。」

なんて。

いっちょまえな事を言う。

私は一人お風呂のなか。

ぶたちょきが排水口に灰を捨てる。

「考えてもみろよ。
他のはどうかしらねぇが、
俺達ぶたちょきは取りだし口がついてねぇから最期は割られる運命なんだよ。」


小さなアロマオイル。
頭の上にはバスロックCD。

お湯で濡れてテカピカのぶたちょきはあさっての方向を眺めつつ軽くシャウトする。


「俺達貯金箱にとってお金が貯まる事は至上の幸福なわけよ。」

「…だけどな」

とぶたちょき。

「だけどな…」

とぶたちょき。

静かに流れるJ.K.スティルツキンのマスターシェイカー。

ポップな様なクラシックな様な。
何だかよく分からない曲。

お父さんの選曲。

「お金が貯まるたび考えるんだ。後何日だろう…って。」

クレイジーでスイートなイカした曲…らしい。

私は一人お風呂のなか。

ぶたちょきが排水口に灰を捨てる。

「この体の重みはぶたちょきの勲章だってのに…。」


「くうっ…」
と小さなうめき声。

ぶたちょきがふーっと白い煙を吐き出す。

お風呂の湯気と混ざって消える。
私は一人お風呂のなか。

ぶたちょきがいっちょまえな事を言う。

「だから俺はな。」


「おもいっきり反抗してやるつもりなんだ。」

そう言ってぶたちょきは不敵な笑みをもらした。

お風呂の湯気の不思議な魔法。



からめるぽっぷんv

















……後日談であるが。

次の日の朝、背中に天使の羽を生やしたぶたちょきが声高に何か叫んでいたけれど。
やっぱり私にはただの口パクに見えました。

ちなみに、あの日からちょくちょくぶたちょきの声が聞こえるのは秋ちゃんには内緒(*^_^*)


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