アイテムなぞ使ってんじゃねぇ!

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超家出:4



夜になった。携帯で「ディアーズ」を確認する。

「新着メッセージ」が新しく入っている。

たいした内容ではなかったが、大量のメッセージがあった。

斉藤の部屋は散らかっていた。今斉藤はPCをいじっている。

やはり「ディアーズ」を見ているようだ。

「ディアーズ」は携帯からはSNS要素のみ、PCからはゲーム要素もある。

光も大抵はPCから入っていた。PCは家にあるため、PCからはネット喫茶から入るしかない。

携帯から日記を更新した。

――ただいま「アシッド」の家に居候中。「アシッド」は美容師になりたいようで髪を切ってもらった



日記はいつも短文で終わらせる。

あまり光は長文を書くのは得意ではない。

斉藤とは格闘ゲームをしたりして遊んでいた。

時間はあっという間に過ぎ、0時を回った。

さすがに睡魔が襲ってきたので寝ることにした。





朝がやってきた。

洗面台を借り鏡を見ると昨日とは違う自分がいた。

そうだ。髪を切ってもらったんだ……

変わった自分を自覚した。

しばらくして斉藤が起きた。

「あ~……そういや朝ねーや。ちょっとさ、コンビニが近くにあるから一緒に朝飯買おうか」

携帯と財布を取り、帽子をかぶり靴を履いて外に出た。

歩いてすぐのところにコンビニがあった。

光はおにぎり2つとサラダ、斉藤はパンとインスタントのコーンスープを買った。

会計を済まし外に出る。

(コンビニで朝飯を済ませるなんて初めてだな……)

いつもは母さんが朝を作ってくれる。だがそれもない。

だんだんと家出という自分の起こした行動を自覚してきた。

「あ、悪い。ちょっとここで待っててくれないか?」

斉藤はもう一度コンビニへ入っていった。

光は暇つぶしのため携帯を開く。げ、もう9時か。

まあ今日は日曜日だし学校とかはないんだろう。

携帯をいじっていると、自転車を止める音がした。

顔を上げると警官がいた。

光は少し焦った。が、不審に思われるのはまずいため平静を装った。

警官は辺りを見回した。

光に、話しかけた。

「えっと……君……ちょっといい……かな?」

「え?あ、はい。なんすか?」

動揺はしている。だが相手には気づかれていない。

「訊きたいことがあるんだけど……これを見てくれないか?」

そう言って警官が見せたのは顔写真だった。

俺の。

季節外れだが汗が額を流れた。

帽子をかぶり直した。

「この子を捜してるんだが知らないかな?」

まずい。父さんの手はすでに喉元まで来ている。これが決定づける証拠と言ってもいいだろう。

だがここで不用意なことも言えないし、あまり長考しては感づかれる。

「え……う~ん……見たことないっすね……」

演技した。精一杯。どうだ。バレるか。

「そうか……わかった。すまないね」

警官は写真をしまい、店内に入り、店員に話しかけていた。

入れ違いで斉藤が帰ってきた。

「悪いな、トイレ行ってた」

ズボンをはき直し言う。

「斉藤、もう父さんの手がここまで回ってる。俺がここにいればじき見つかる」

斉藤は後ろの警官を見た。光は先ほどの件を話した。

「そうか……ここまで回ってるなら多分都内は危ないな。他県にいきな」

「そうだな……泊めてくれてサンキューな」

斉藤の家に戻った。荷物を取り、早々に電車に乗った。


つづく


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