徒然歌

徒然歌

レッスンその1


レッスンその1

私がレッスンをしてもらっていたT先生の教室について。

この教室では、高校生以下の生徒は『レッスン生』、大学生以上、かつ試験に合格した者は『研究生』と呼ばれた。
基本的には、小学生未満、小学生、中学生、高校生、大学生以上の五つに分かれており、その中で更にランク分けがしてある。
このランクは定期的に行われる試験ですぐに変動するもので、上から順に、S、A、B、C、D、Eがあり、グループレッスンは学年別ではなくランク別に行われる。

先生はT先生を含めて4人いて、それぞれピアノやソルフェージュもおしえていた。
声楽の個人レッスンに関しては、Bランク以下の者はT先生に見てもらえない。
今思うとすごく厳しい制度だったと思う。

生徒はレッスン生だけで60人はいたと思う。
研究生は、レッスン時間が違ったり他の地域の大学に通っていたりで何人くらいいたのか未だにわからない。
グループレッスンだけに通ってくる子も多かったため、正確な人数は知らない。
T先生しか把握していなかったんだとおもう。

小学校を卒業するまでは、週に一度の声楽のグループレッスンと個人練習、ピアノとソルフェージュを週に各一回ずつ通っていた。
中学に入るとグループレッスンがなくなり、二日に一度個人レッスンに通った。
これはレッスン生でも特例で、身体が弱く入院してしまうと凄く遅れをとるのが悔しくて仕方なく、どうしても上手くなりたいといって先生に泣きついて考えてもらった打開策だった。

高校に入ると『指導法演習』なる授業が入ってくる。
小学生のグループレッスンを実際指導して(もちろんT先生の監督下)自分の成長につなげるというものである。
これが本当に厳しかった。
模範で歌って聞かせたりしなければならないのだけど、後輩の前でも普通に怒鳴られる。
何度も小学生の前で悔し泣きをした。
でもこの練習はすごく自分を成長させたと思う。

私はもともと音大受験を考えていたから、レッスンも凄く厳しかった。
結局音大には進まずに京都の大学に進学が決まったけれど、研究生として籍を残してもらうことにし、時々地元に戻ってはレッスンを受け、怒られている。

T先生はスパルタ教育で、そういう指導に疑問を感じてやめていく人も多かった。
けれど私のような根性のない人間にとって、あの厳しさはある意味救いだったように思う。
私は先生を本当に尊敬している。


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