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勿忘草~戯曲集~
vol.1 起承の章
健夫 おい!
玲子 はい?
健夫 あのネクタイ何処だ?
玲子 あの?青いの?
健夫 そう。
玲子 無いの?
健夫 無いから聞いてるんだ!
玲子 タンスの引き出しは見たの?
健夫 引き出し?
玲子 まだ一回も使ってないでしょ。箱に入ったままなんじゃないの?
健夫 あ・・・。
健夫 部屋を出て階段を上がる
玲子 感謝の言葉って言うモノはないのかしらねぇ・・・。大体「おい!」って何よ、「おい!」って・・・。
玲子 独り言を言いながら再び料理を始める
玲子 再び朝食の準備を始めると、祖父が入ってくる 祖父 健三 72歳
健三 おはよう
玲子 お義父さん、おはようございます。何されてたんですか?
健三の首にかけられたタオルに気付いた玲子は尋ねた
健三 庭の草がちょっと伸びてきたモノだからね。
玲子 言って下されば、後でやっておきましたのに・・・。
健三 いやいや、何もしないとボケちゃうからね。
玲子 そんな・・・。何時頃、起きられたんですか?
健三 5時頃かな?いや~もう春だね、5時でも大分明るいよ。この間までは真っ暗だったのにねぇ。
玲子 そうですか、大分暖かくなってきましたものねぇ。
健三 いや、全く。・・・ん?今日はみんなパンかね?
玲子 ええ、朝くらいゆっくりとご飯食べれば良いと思うんですけどね・・・。でも、お父さんにはちゃんと、用意してますから。
健三 すまないね、私の為だけに手間かけさせてしまって・・・。
玲子 いえ、私も朝はご飯の方が良いので、自分の為ですよ。
健三 そういってもらえるとありがたいね・・・。
玲子 もうすぐ出来ますので、ちょっと待って下さいね。
健三 私は後からで良いから、構わないよ。
健三はそう言いながら、新聞を手に取り居間へと向かう
健三 眼鏡はどこに置いたっけかな・・・。
玲子 テレビの上にありましたよ。
健三 おおそうか、ありがとう。
玲子 でしょ?感謝の言葉ってのは必要なのよ、全く親子だってのに何であの人は、それが言えないのかしら・・・。
玲子 また独り言を言いながら料理を続ける
玲子 出来上がった料理を食卓に並べている
健夫 階段を駆け降りてくる
健夫 あったよ、あった。
玲子 今日って何かの日でしたっけ?
健夫 何で?
玲子 だって急にそのネクタイなんて言い出すから。
健夫 ああ・・・いや別に。なんとなく気分。
玲子 そう。
健夫 朝食を食べ始める
健夫 ちょっと黄身柔らかくないか?
玲子 そう?
健夫 ああ。
玲子 その位が美味しいと思うわよ。
健夫 それは、おまえの私見だな。俺はそう思わん。
玲子 作り直します?
健夫 いや、いい。
玲子 健夫に聞こえるか聞こえないかくらいの声で
玲子 じゃあ、言うなっての。食べるんでしょ?結局。
健夫 ん?
玲子 いえ、別に。
玲子 健夫にコーヒーをいれる
健夫 朝食を食べながらふと顔を上げ居間をみる
健夫 あ、親父おはよう。
健三 おはよう。・・・お前なあ・・・。
健夫 ん?
健三 子供じゃないんだから、もうちょっと早く起きるとか考えたらどうだ?
健夫 (うるさそうに)ああ、そうだな。
健三 毎朝毎朝、バタバタして・・。
健夫 すいませんね。
健三 大体朝飯くらいな・・・・
健夫 やばっ!行かないと!
健三 おい!話は終わってないぞ!
健夫 はい、分かった分かった。
健夫 逃げるように立ち上がる
健夫 あ~じゃあ行ってくる。
玲子 いってらっしゃい。
健夫 早足で部屋を出て行く
健三 すまんねえ。あんな奴で。
玲子 いえいえ・・・じゃあ慌ただしい人もいなくなったし、ご飯にしましょう。
健三 そうだな・・・。あ、琴美は?
玲子 まだ寝てるんじゃないかしら。
健三 学校は大丈夫なのか?
玲子 さあ?遅刻なら遅刻で。
健三 まあ、それもそうだな。あの子も子供じゃないんだから。
玲子 ええ。それに私、誰のコトも起こさない主義なんです。
健三 え?
玲子 起こされなければ起きられないなら、いつまでも寝ていればいいんです。逆にいつまで寝られるのか見てみたいものです。
健三 確かにな、健夫も目覚ましをかけず、誰も周りにいない状況だったらいつまで寝てるんだろうな。
玲子 確か・・・30時間、一度も目覚めずに寝てたコトがあるって自慢してるの聞いたことありますよ。
健三 それ、知らない人に見られたら死んでると思われるぞ。俺がそんなコトしたら、間違いなく火葬場行きだな。
玲子 そんなこと・・・さ、ご飯にしてしまいましょう。
健三 ああ。
健三 食卓に向かう
健三は玲子と朝食を食べている
健三 ・・・健夫は最近帰ってくるの、遅くないか?
玲子 そうですね、なんだか忙しいらしくて。
健三 俺が起きてる内には、帰ってきてないモノな。
玲子 ですね。12時はまわってますね、最近は。
健三 だよな。玲子さんは何か言ったりしないのか?
玲子 仕事だと言われたらそれまでですから・・・。
健三 まあ、そうだな・・・。母さんが生きてればなぁ、それとなく窘めることもできるんだろうが・・・俺は駄目だな。どうしても喧嘩腰になってしまって。
玲子 別にいいんですよ。お義父さんにこんなこと言うのもなんだけど、お金さえ持って帰ってきてくれれば。
健三 すまんな。不出来な奴で。
玲子 いえ、そんなコト・・・。
健三 玲子さんがいなければ、母さんもあんなに安らかには逝けなかっただろうにな。
玲子 私は特別なにもしてませんって。
健三 いや、母さんが最期までこの家に居られたのは間違いなく玲子さんのおかげだよ。俺にはよう出来ん。寝たきりになって最後はちょっとボケてきた母さんを俺は見てられなかったよ。
玲子 そう言って頂ければありがたいですけど・・・。
健三 俺のこともよろしくな。
玲子 変なコト言わないで下さいよ!
健三 いや、本当に。健夫はあてにならないし、ここで玲子さんが別れるなんて言い出したら一体どうなっちまうことやら・・・。
玲子 お義父さんは元気だから大丈夫ですよ。
健三 ま、念の為にだよ。俺が死んだら家も貯金も全部やるから、そうなった後なら好きにしてもらって構わないから。
玲子 はいはい。ところで今日は何処かに行かれるんですか?
健三 いや、特に考えてないけど、何かあるのか?
玲子 ちょっと午後から出かける用事があるので・・・。
健三 ああ、それなら気にせず行ってくればいいよ。じゃあ今日は出かけずに家にいるとしよう。
玲子 すいません。
健三 構わんよ。
玲子と健三が朝食を食べていると娘が起きてくる 娘 琴美 21歳
琴美 おはよう
玲子 おはよう。
健三 おはよう。今日は学校無いのか?
琴美 うん。今日は休み。
健三 そうか。
玲子 今日は出かけるの?
琴美 午後からバイト。
玲子 そう。
健三 そうだ、聞きたいコトがあったんだが。
琴美 何?
健三 琴美のトコの喫茶店で、コーヒーを頼むと小さい入れ物に入ってミルクが出てくるじゃないか?
琴美 うん。
健三 でも、あのミルクを全部使う奴はそういないよな。
琴美 まあ、そうだね。
健三 だろ?あれ全部使ったらコーヒーじゃなくてカフェオレってやつになっちまうからな。
琴美 あ、ホントだね。でもウチ、コーヒーもカフェオレも値段一緒だから大丈夫だよ。
健三 おお、そうなのか。ってことはお任せの分量でカフェオレを飲みたい奴はカフェオレを頼んで、自分でミルクの量を調節したい奴はコーヒーを頼めばいいってことだな。
琴美 うん。でも、コーヒーに付いてくるミルクを全部入れても、ウチのカフェオレにはならないの。
健三 なぜだ?
琴美 それにはミルクが少し足りないの。
健三 なるほど、上手く考えられてるな。
琴美 それに、ミルクも違うし。
健三 何!そうなのか?
琴美 カフェオレに使ってるのは牛乳なんだけど、コーヒーに付いてるのはミルクのようなモノなの。
健三 何だと!
琴美 見た目はミルクなんだけど、ミルクじゃないの。
健三 じゃあ何なんだ?
琴美 濃いミルク。
健三 ミルクじゃないか。
琴美 違うの、濃い~ミルク。
健三 ジャージー牛みたいなモンだろ?
琴美 違うの。人工的に作った超ジャージー牛乳みたいなモノ。
健三 良くわからん。つまりは濃縮牛乳だろ?コンデンスミルク。
琴美 知ってるんじゃん。
健三 俺は琴美より3倍以上生きてるんだぞ。知識も3倍以上だ。
琴美 忘れる速さも3倍以上だけどね。
健三 それを言ってくれるな。
琴美 じゃあ、何が聞きたいの?
健三 残ったミルクはどうするんだ?
琴美 使い切らずに残してったミルクってコト?
健三 そうだ。
琴美 捨てるよ。
健三 もったいない!
琴美 しょうがないじゃない。
健三 ちょっとも使わない奴だっているだろ!
琴美 だろうね。
健三 それでも捨てるのか!
琴美 うん。
健三 もったいない。それに非経済的だ。
琴美 そうでもないよ。コンデンスミルクは大きな容器に入って来るんだけど、それはリサイクルなの。で、ウチで小出しにしてる容器も洗浄してまた使うでしょ?ほら、ゴミ出ない!
健三 おお。本当だな。
琴美 おじいちゃんの3倍以上の知識にもまだまだ隙間がありそうね。
健三 そりゃそうさ。
笑う琴美と健三
玲子 不毛なお話はその位にして琴美もご飯食べなさい。
二人 不毛じゃない!!
その日の夕方 16時 健三 居間で詰め将棋をしている
健三 ・・・ん~・・・・・ん~・・・・銀は斜め後ろには下がれない、金は真後ろには下がれない・・・・ん~・・・分からん!何で桂馬はこんな変梃な動きなんだ!意味が分からん!(ため息)いかんなあ・・・老人らしい遊びを発掘しようとはしてみたものの・・・いかんなあ、向いてない・・・何か楽しみを見つけなければ!日々つまらなさすぎる・・・・。出会いを求めて散歩にでも行ってくるか・・・。
健三 立ち上がり家を出る 程なくして玲子が帰ってくる 手には紙袋を持っている
玲子 ただいま~・・・・お義父さん、でかけたのかしら?・・・・都合がいいわね。
玲子 紙袋から箱を取り出す
玲子 買っちゃったよ・・・完熟マンゴー・・・。さてどうしようか・・・。みんなで食べるには少ないし・・・じゃあ誰と食べるの?お義父さん?琴美?・・・あの人?それはない。・・・誰と食べても、絶対バレるわ。ここは独り占めか・・・。ん~でも、問題はいつ食べるか、ね。それにしても、お義父さん何処行ったのかしら・・・。しばらく戻らないなら今食べちゃうんだけど・・・。
玄関の戸が開く気配がする
玲子 あ、誰か帰ってきた!どうしよう!これ!!
玲子 バタバタと慌てながら冷蔵庫の上に箱を置く
健三 お?おかえり。
玲子 ただいま。お出かけだったんですか?
健三 いや、ちょっと散歩でもしようかと思ったんだけど、財布を忘れちゃってね。
玲子 あ~そうだったんですか。
健三 ん?どうかした?
玲子 え、何か?
健三 いや、若干挙動不審っぽいが・・・。
玲子 そ、そんなコトないですよ!
健三 そうか?ならいいが・・・。あれ?
玲子 な、なにか?
健三 財布何処に置いたっけかなぁ・・・。
玲子 財布ですか?
健三 ああ・・・ここに置いたと思ったんだがなぁ・・・。
健三 タンスの引き出しを開けて見ながら言った
玲子 ポケットとかに入ったままなんじゃないですか?
健三 ポケット・・・いや、最近このズボンばっかりだったから・・・・あ!
玲子 な、何か?
健三 そう言うと冷蔵庫の方に向かう
玲子 そ、それは違うんですよ。
健三 何のコトだ?
玲子 だから、それは・・・。
健三 冷凍庫を開け、中から財布を取り出す
健三 あった、あった。
玲子 財布!?
健三 ああ、昨日テレビでお金を冷やすと長持ちするって言ってたんで入れてたんだ。
玲子 長持ち?
健三 ああ。
玲子 あ~そうだったんですか・・・。
健三 今、何か言ってなかったか?
玲子 え?いえ別に。
健三 そうか?・・・じゃあ、行ってくる。
玲子 はい、いってらっしゃい。
健三 出かける
玲子 見送る
玲子 ふ~危ない、危ない。でも、これでしばらく誰も帰って来ないわね。それじゃあ・・・。
そう言って玲子 冷蔵庫の上の箱を取ろうとするが、慌てて載せたために手がギリギリで届かない
玲子 んっ!ほっ!んあっ!!・・・駄目だ、届かない・・・。もう・・・。
玲子 仕方なく椅子を持ってきて、その上に載る 手を伸ばしたところで、健三が帰ってくる
健三 いや~やっぱりやめた。
玲子 えっ!?
健三 何してるんだ?
玲子 あ、えっと・・・。れ、冷蔵庫の上なんて久しく掃除してなかったので、ちょっと拭いておこうかなあと思いまして・・・。
健三 手で?
玲子 え?
健三 だから手で拭くんですか?
玲子 あ、嫌だ。私ったら急に思い立ったので雑巾を忘れてしまったみたいです。
健三 (笑う)
健三 台所の雑巾を椅子の上の玲子に渡す
健三 はい。
玲子 あ、ありがとうございます。
玲子 冷蔵庫の上を拭きだす
健三 居間に行きテレビを付ける
玲子 そっと箱を取り気付かれないように茶箪笥の棚に移動させる
玲子 あ、私、まだ着替えてなかったわ。
玲子 そういうと台所を出て2階へ向かう
健三 それを背中で察知して立ち上がり、台所へ向かう
健三 ・・・怪しい。何かがこの当たりに眠っている・・・。しかし、何だ?その何かとは?・・・ん?待て、あの動揺・・・過去にも何処かで・・・あっ!あれは5年前、1コ1万円の烏骨鶏の卵で作られたカステラを隠していた時の動揺に・・・似ている。とりあえず、怪しいのは冷蔵庫の上だな。
健三 そう言って冷蔵庫の上を探す
健三 何もないじゃないか・・・。さてはこの瞬間に移動させたか・・・まさか!部屋に持っていった?いや、何も持ってなかった・・・多分。それに玲子さんはダイニングかリビング以外で何かを食べるのを非常に嫌う・・・ってことは、やっぱり、この辺だ。
玲子 階段を下りてくる
健三 うわっいかん!
健三 慌てて椅子を片づけ居間へと戻る
健三、居間に戻る途中で躓いて、うつ伏せに倒れ込む
健三 うぐっ!肺、打った!
玲子、戻って来て、健三の様子に気付く
玲子 お義父さん?何を?
健三 え?いや、ほら、もうすぐ夏だからね、クロールの練習を・・・。
玲子 はあ・・・。
健三 息継ぎのタイミングをど忘れしてしまってね。でも思い出した、思い出した。
玲子 それは・・・良かったですね。
健三 ああ、良かった。
健三、起きあがり、座り直す
玲子 今日の晩御飯はどうしようかしら。
玲子、呟くと 健三 思いついたように
健三 なんか無性にウナギが食べたいな。
玲子 ウナギですか?
健三 ああ。
玲子 でも・・・。
そこへ琴美、帰ってくる
琴美 ただいま~
玲子 おかえり。
健三 お、琴美、いいトコに帰ってきた。お前ウナギ食いたくないか?
琴美 ウナギ?いや別に・・・
健三、慌ててアイコンタクトを必死で送る
健三 そんなことないだろ。ほら、この間、ウナギ食べたいって言ってたじゃないか。
琴美、健三のアイコンタクトに気付く
琴美 え?あ、ああ、そう言えば・・・
健三 だろ?ウナギ食べたいだろ?
琴美 う、うん。ウナギ食べたい!!
玲子 あなたも?
琴美 思い出したら、無性にウナギが食べたくなってきた!
健三 わしも食べたい!
玲子 ・・・分かりました。・・・じゃあ買ってきますね。
玲子、出かけようとする
健三 財布は忘れずにな
玲子 あ・・・危ない、危ない。
玲子、バックから財布を取り出し、出かける
玲子が出かけたのを確認し、琴美、健三に話しかける
琴美 何なの?おじいちゃん。
健三 事件だ。
琴美 事件?
健三 ああ。
琴美 どういうこと?
健三 琴美は覚えてるか?5年前のカステラ事件。
琴美 カステラ事件?
健三 ああ。
琴美 お母さんが1万円のカステラを独り占めしようとしてた、あれ?
健三 ああ!
琴美 それが、どうしたの?
健三 事件再来だ。
琴美 今度は何?
健三 それはまだ分からん。
琴美 じゃあ、何で分かったの?
健三 あの様子は・・・。
琴美 様子?
健三 ああ、あの時と似ているんだ。
琴美 それだけ?
健三 それだけって何だ!?とにかく調べよう。きっと、あっと驚く仰天の代物が出てくるはずだ!
琴美 おじいちゃんさあ・・・。
健三 何だ?
琴美 いくら暇だからって、事件をわざわざ起こすコトは無いんじゃないの?
健三 そんなんじゃない!
琴美 私も子供じゃないんだから、おじいちゃんの探偵ごっこに付き合ってる暇はないの。
健三 あ~そうですか。じゃあ凄いモノが出てきても、お前には食わさないからな。
琴美 じゃあ、おじいちゃんの見解では今回は何だと思うの?
健三 そうなんだよ、それなんだよな・・・。メロンか?
琴美 おじいちゃんの中で高級品って、いつまでメロンなの?
健三 いつまでもメロンだ!!永遠に!ぼやぼやしてると玲子さんが帰って来ちまうじゃないか!探すぞ!
琴美 お~。
健三 元気ねえなあ。ま、いいや。
健三と琴美は台所へ向かう
健三 多分、この辺りだ。
健三、冷蔵庫周辺を指差す
健三 あ、あと今回は健夫には絶対にバレないように気を付けよう。
琴美 そうね、前回は、しばらくスネたお父さんの扱いに困ったものね。
健三 ああ。それじゃあ探すぞ!
琴美 お~!
健三、琴美 冷蔵庫周りを探し始める
茶箪笥は、健三がこの辺と指差したエリアからは微妙に外れている
琴美 でもさあ、大きさの目安が無いと探すって言ってもねえ。
健三 う~ん。そんなに小さいモノでは無いと思うんだ。多分、最低でも手のひらにギリギリ載るくらいのサイズ・・・。
琴美 多分とかそんなのばっかりじゃん、さっきから。
健三 しかたないだろ、そんなコト言ったって・・・。
二人、それぞれ探すが見つからない
そこで、冷蔵庫の中を琴美が探し出す
健三 冷蔵庫の中にはないぞ、きっと。
琴美 なんで?
健三 冷蔵庫を開けた気配は無かったからな。
琴美 そんなの気付かない内に入れたのかもしれないじゃない。
健三 まあ、確かにそうだが・・・。
琴美 冷蔵庫から何かを見つける
琴美 ん?
健三 何だ!
琴美 ・・・これは。
健三 うぉ!それは・・・・
健三 冷蔵庫から小瓶を取り出す
健三 これはっ・・・ごはんですよっ!ただの海苔の佃煮じゃねえかよ。
琴美 ただの、じゃない!この味付けは自分じゃできないでしょ!
健三 いや、そこに問題は・・・。
琴美 うるさい!「ごはんですよ」をただの海苔の佃煮と言ってる内は、おじいちゃんに未来はないわね。
健三 だから、今、探してるのさぁ~・・・。
琴美 それじゃないよ。
健三 え?
琴美 それじゃなくて、その裏にあるさあ・・・
健三 これはウニの瓶詰めだろ?
琴美 それ、ずっとそこに置いてない?
健三 ・・・確かに。
琴美 でも食卓に、ウニの瓶詰めが出てきた記憶は・・?
健三 無いな。
琴美 でしょ?
健三 開けてみろ。
琴美 私が?
健三 おまえが見つけたんだろ?
琴美 それが、私が開ける理由になるの?
健三 当然だというように頷く
琴美 不満そうに
琴美 何で?
健三 いいか?もしこの瓶にまだウニが入っているとしたらどうだ?
琴美 そりゃ、もう食べられないでしょうねぇ。
健三 だろ?
琴美 3ヶ月・・・下手すると半年以上かも・・。
健三 そうなんだよ。そうすると、中身は既に食品の中でも上位ランクに位置づけられていた頃の面影は消え失せ、ただの腐った臓物と化している可能性が高い。
琴美 でしょうね。
健三 往々にして、そういった代物はかなりの異臭を放つものだ。
琴美 うん。
健三 そんなものの臭いを嗅いで、ショックで心臓が止まっちまったらどうするんだよ!
琴美 おじいちゃんは十分に生きた。
健三 そんなチャレンジを犯すくらいなら、琴美がやった方が、若いんだしリスクが低いだろ?
琴美 仮定の話をしているわけだから、ショックで心臓が止まるとしたらどっちの方が良いか?って方が正当じゃない?
健三 もう、そんなコト言ってる間に玲子さん帰ってきちゃうだろ?ほれ!
健三 瓶を琴美に渡す
琴美 しょうがないなあ・・・。
琴美 渋々瓶の蓋に手をかける
琴美 おじいちゃん。
健三 何だ?遺言か?
琴美 死ぬこと前提で話を進めないで。
健三 違うのか・・・。
琴美 なんで、不満そうなのよ。そうじゃなくて蓋を開けようとすると両手が塞がっちゃうでしょ?
健三 だから何だ?
琴美 鼻。
健三 鼻?
琴美 鼻つまんで。
健三 おお、頭いいな。任せとけ。
琴美 お願いね。私の命はおじいちゃんに預けるわ。
健三 琴美・・・。・・・すまん、俺が、俺が不甲斐ないばっかりに・・・。
琴美 いいのよ。それに、今こうしてみて分かったけど、この瓶の蓋・・・あなたの握力では少々心許ないわ。
健三 隊長ーーーっっっ!!!
琴美 手に力を入れる
琴美 さあ、行くわよ!
健三、琴美 顔を見合わせる 瓶の中にはお金が入っている
健三 ・・・お金??
琴美 食べ物じゃないじゃん。
健三 ・・・そうだな。
琴美 な~んだ。
健三 すまん・・・。
琴美 ・・・どうしよっか、これ。
健三 そうだな・・・困ったな。
琴美 もらっちゃう?
健三 すぐばれるだろ。
琴美 表には出てこないお金だよ?ばれても言えないって!
健三 まずいって、それは。
琴美 ・・・だよねえ、戻しとこっか。
健三 そうしよう。・・・しかし、考えたな。
琴美 何が?
健三 賞味期限をはるかに越えたウニの瓶詰めだろ?絶対開けたくない。
琴美 確かに。たとえ気付いても、開けずに聞くよね「アレ何?」って。
健三 な。
琴美 また蓋を閉めて瓶を元の場所に戻す
冷蔵庫のドアを閉めたところで、玄関のドアが開く気配がする。
健三 いかん、帰ってきた!
二人走って居間に戻ろうとするが、途中で躓いて転ぶ
そこへ玲子入ってくる
玲子 二人とも何してるの?
琴美 い、いや~そろそろ夏じゃない?泳ぎ方忘れてないかの確認を・・・。
玲子 また?
琴美 またって?
健三 ・・・忘れちゃって。
玲子 そうですか・・・。
玲子 買い物袋を開けながら
玲子 丼と重どっちがいいんですか?
琴美 何の話?
玲子 うなぎ。
琴美 うなぎ?
玲子 うなぎが食べたいんでしょ?
健三 あ、鰻重がいいかな。
玲子 はい。
健三 肘で琴美を突く
琴美 ごめん、忘れてた。
玲子 料理を始める
琴美と健三 玲子に聞こえないように
琴美 どうする?
健三 とりあえず知らんぷりしとこう。
琴美 そうだね。
その日の深夜1時
比較的静かに玄関の戸が開く気配がする
ダイニングのテーブルに玲子 座っている
健夫 入ってきて玲子に気付く
健夫 ただいま。
玲子 おかえりなさい、今日も随分遅かったのね。
健夫 ああ、最近ちょっと忙しくてな。
玲子 そうですか。ご飯は?
健夫 食べてきた。
玲子 そうですか。
健夫 どうせ作ってないんだろ?
玲子 ええ。
健夫 じゃあ、聞くなよ。寝るわ。
玲子 はい。
健夫 そう言い残し寝室へと向かう
玲子 寝室のドアが閉まるのを待って不気味に笑い出す
玲子 ようやくこの時がやってきたわね。
玲子 そう言うと茶箪笥から箱を取り出す
玲子 さてと。
玲子 箱をテーブルに置き、包丁を探す
玲子 あれ?包丁がない・・・何処に置いたっけ?えっと・・・料理に使って・・・あ、新聞まとめて縛った時、紐を切るのに使った気がする・・・ってコトは・・・外に出しっぱなし!
玲子 そう言って勝手口へと向かう
健三が入って来る
健三 いや、ちょっと喉が渇いてしまってね・・・って誰もいない。じゃあ何で電気が点いてるんだ?消しなさいよ、ちゃんと・・・。本当に誰もいないな・・・。あ~気になって眠れやしないよ。絶対違うんだよ、あんなへそくりに私は騙されませんよ。絶対、別の何かが・・・ん?
健三 テーブルの上の箱に気付く
健三 何だ?これ。
健三 そう言うと箱の包装紙を剥がし始める
全てを剥がして、いざ開けようとすると、階段を誰かが下りてくる気配がする
健三 やばい!
健三 とりあえず包装紙だけ持って、居間の方へ隠れる
琴美が入ってくる
琴美 いや~喉が渇いちゃって・・・って誰もいないじゃん。何で電気点いてるの?消してよ、ちゃんと・・・何コレ?
琴美 テーブルの上の箱に気付く
健三 琴美であることを確認し出てくる
健三 何だ、琴美か。
琴美 うわっ!びっくりした!何処にいたの?
健三 いや、誰か来たからとりあえず隠れねばと・・・。
琴美 もう、驚かさないでよ。
健三 すまん。
琴美 箱を見遣る
琴美 で、コレ何?
健三 俺も気になったんだが、まだ見てない。見ようと思ったら琴美が入ってくるから。
琴美 じゃあ・・・。
琴美 恐る恐る箱を開ける
琴美 これって・・・
健三 まさか・・・
琴美 噂の・・・?
二人 完熟マンゴー!!
琴美 おじいちゃん凄い!
健三 だろ?俺の眼力もまだまだ衰えてないな。
琴美 本当に。で、どうする?食べる?
健三 そりゃあ、食べるさ!
琴美 だよね~。
玲子 勝手口から包丁を持って戻ってくる
玲子 見たの?
健三、琴美 声に驚き振り向く
健三 れ、玲子さん!
琴美 ・・・お母さん!
二人 玲子の持っている包丁に気付く
健三 ま、待て、話せば分かる。
琴美 そうそう、まだ食べてないし。
玲子 包丁を向けたまま二人の方へ歩き出す
玲子 二人に歩み寄り
玲子 そう、見たの。
健三 いや、見てない。全く見てない、な?
琴美 ええ、全然知らない。
健三 琴美 怯えるように立ちすくむ
玲子 ・・・もう、いいわよ、別に。
二人 え?
玲子 一人で食べるのも後ろめたいと思ってたし。
健三 (裏返った声で)そ、そうなのか?
玲子 どうして、そんなにしどろもどろなんですか?
健三 いや、だって、そんなモノ向けられてたら・・・。
玲子 え?
玲子 自分が包丁を向けていたことに気付く
玲子 ああ、すいません。それ切ろうと思って。
健三 なんだ、そうなんだ・・・。
琴美 驚かさないでよ。
玲子 別に驚かせるつもりわないわよ。あなた達が勝手にココにいたんじゃない?
琴美 それはそうだけど・・・。ところでさ、これって完熟マンゴー?
玲子 そう。
琴美 買ったの?
玲子 ええ。
琴美 いくら?
玲子 1コ1万円。
琴美 高っ!
玲子 さあさあ、食べましょ?
琴美 そうしよう、そうしよう。
玲子 マンゴーを切り分ける
玲子 さてと、いただきます。
二人 いただきまーす。
おいしそうに談笑しながら食べ始める3人
3人マンゴーを食べながら
玲子 ところで、なんで分かったの?偶然?
琴美 何が?
玲子 マンゴー。
琴美 おじいちゃん。
玲子 え?
健三 いや~すまん。
玲子 何で、分かったんですか?
健三 玲子さんの雰囲気で。
玲子 雰囲気?何か変でした?
健三 変って言うわけでは無いんだが・・・強いて言えばじじいの勘だな。
琴美 あなどれないわね、じじいの勘。
玲子 本当に。じゃあ、冷蔵庫拭いてたときから気付いてたんですか?
健三 まあ、薄々とな。
玲子 怖い。お義母さんも、浮気とか絶対できなかったでしょうね。
琴美 食べ物の時だけよ、レーダーが働くのは。
玲子 そんなことないですよねぇ?
健三 ・・・・
琴美 ほらね?
健三 いやはや、面目ない。晩御飯のメニューは帰る前から何となく分かるんだが、母さんの浮気は見抜けなかった・・・。
琴美 おばあちゃん、浮気してたの?
健三 ああ。
玲子 全く知りませんでしたわ。
健三 まだ、健夫が小学生くらいの頃だよ。
しばし3人 沈黙する
玲子 さ、夜も遅いし寝ましょう?
健三 そうだな。
3人立ち上がろうとすると、健夫が入ってくる
健夫 なんだ、まだ起きてるのか?
3人 え!?
健夫 なんだ、3人揃って・・・
健夫の目は完熟マンゴーに釘付けになっている
健三 いや、ほら、日本の将来について3人で、な?
琴美 そうそう。温暖化を利用して何か出来ないかってね?
玲子 そうです、そうです。冬でも泳げるわねって、ね?
2人 そうそう。
健夫 全く聞いてない
健夫 そ、それは・・・太陽のタマゴ!太陽のタマゴだろ?
玲子 ええ・・・。
健夫 俺、まだ食ったこと無かったんだよ!
琴美 そうよね・・・どこでも品切れらしいから・・・。
健夫 そうそう。
健三 それに、高いしな。
健夫 そうそう。俺の分は?
3人 沈黙
健夫 何で黙るんだよ。
健三 さ、寝るか?
琴美 そうね。
玲子 おやすみなさい。
琴美 おやすみ~
健三 健夫の肩を叩き
健三 おやすみ。
3人 立ち去る
健夫 完熟マンゴー!!!
次の日の午前中 10時
玲子 掃除をしていると 健三 入ってくる
玲子 お義父さん。どうですか?
健三 ああ、もう大丈夫だろう。
玲子 そうですか、良かった。
健三 でも、応急処置だからね。あとで、ちょこっと材料を買いに行ってくるよ。
玲子 何が原因だったんですか?
健三 雨樋を支えてる金具がね、錆びて外れてたんだよ。今は、それを外してビニール紐で仮留めしてある。
玲子 でも、そんな金具売ってるんですか?
健三 ホームセンターに行けば売ってるよ。
玲子 そうなんですか。もう、私、何処に修理頼めば良いんだろうって・・・。それしか頭にありませんでした。
健三 さすがにね、雨樋自体が劣化して割れたりしてたら、業者に頼んだ方が早いかな?って思うが、この程度なら自分でやった方が早いし、安く済む。
玲子 そういうもんなんですね。
健三 居間へ向かい新聞を読もうとする
玲子 お義父さん、朝ご飯食べなくて平気なんですか?
健三 怪訝そうに
健三 朝ご飯?
玲子 ええ。
健三 食べましたよ。
玲子 笑いながら
玲子 食べてませんよ、私まだ、お出ししてませんよ。
健三 食べましたって。
玲子 じゃあ、何食べました?
健三 何を食べたか?・・・・・何だったっけか?
玲子 ほら、やっぱり食べて無いじゃないですか?
健三 いや、何を食べたかを思い出せないのであって、食べたは食べたんだよ。
玲子 きっとゆうべ遅くにマンゴーを食べたものだから、そんな風に感じてるだけですよ。
健三 そうかなあ、食べたと思うんだけどなあ・・・。
健三 納得できないように首を傾げる
玲子 健三の様子を見ている
玲子 じゃあ、もうすぐお昼になりますから、お茶、煎れますね。
健三 ああ。
玲子 お茶の準備を始める
健三 無理矢理自分を納得させるが今度は、何かを探している
玲子 お茶を持って居間へと来て、健三の様子に気付く
玲子 どうされました?
健三 いや、眼鏡がね・・・。
玲子 眼鏡?また、無いんですか?
健三 ああ。
玲子 今日はお使いになられました?
健三 今日?ん・・・使ってないと思うが・・・。
玲子 寝室じゃありませんか?
健三 寝室・・・寝室か・・・。ちょっと、見てくるよ。
玲子 ええ。
健三 部屋を出る
玲子 掃除機を片づけ始める
健三 戻ってくる
健三 あった、あった。ほら昨日はみんなが寝静まるまで起きてなきゃいかんと思って、本読みながら待ってたんだ。
玲子 そんなにまでなさらなくても・・・。
健三 いやいや、こんなコトくらいしか日々の楽しみが無くてね。
玲子 それじゃ、私も定期的に何か買って来ないと・・・ですね。
健三 あ~ありがたいねえ。
玲子 でも、本当は、お義父さんが気付いてないだけで、もっと食べてるかもしれませんよ。
健三 そうなのか?
玲子 さあ?
玲子 はぐらかしながら、自分の分のお茶と大福を持って居間へと来る
玲子 健三の前に大福を出す
健三 大福かい?
玲子 ええ。
健三 大福を一口食べ、すぐに吐き出す
健三 吐き出したモノを見ながら
健三 ぐぇ!なんだコレは!?
玲子 パイナップル大福です。
健三 パイナップル!?
玲子 ええ。
健三 先に言ってくれよ。
玲子 言ったじゃないですか、大福だって。
健三 ・・・仕返しか。
玲子 ええ。
二人 パイナップル大福を食べ、お茶を飲む
健三 お茶は合わないな・・・。
玲子 ええ・・・。
二人 更に食べ、お茶を飲む
健三 慣れるかと思ったが、そうでもないな。
玲子 ・・・ええ。
健三 しかし、健夫も大人げないな、たかがマンゴーくらいで。
玲子 マンゴーだからじゃないですか?
健三 どういうことだ?
玲子 お義父さんの息子ですから。
健三 ん?
玲子 お義父さんも仰ってたじゃないですか、食べ物の時は勘が働くって。
健三 ん?
玲子 つまり、3人で温泉行って来たよとか言っても、あそこまでヘソを曲げるコトはないってことですよ。
健三 食べ物だからってコトか?
玲子 ええ。お義父さんもそうなんじゃないですか?
健三 ・・・ん~確かにそうかもな・・・。玲子さんはそこまで分かってて、何故あえて食べ物を選ぶんだ?
玲子 私へのご褒美とささやかな仕返しです。
健三 そうか・・・仕返しか・・・。
玲子 ええ、やられたらやりかえすのが私の信条ですから。
健三 ハムラビ法典だな。
玲子 ええ。
健三 納得したように頷く
健三 一旦納得したように思ったが首を傾げる
健三 ん?やられたらやりかえす?
玲子 ええ。
健三 何か、されたのか?
玲子 ・・・
健三 浮気か?
玲子 確証はないんですけど・・・。
健三 ん~これは、血筋の影響もあるからなあ・・・。
玲子 ・・・お義母さんのですか。
健三 いや、それだけなら薄まっているだろうが・・・。
玲子 え?まさか・・・。
健三 ああ、俺もな・・・。
玲子 そうだったんですか・・・。
健三 だから確実に、その血が流れてしまっていると思われる。
玲子 ・・・
健三 母さんの時は、お互い様だから、なんとか関係修復できたんだが・・・玲子さんは、そういうタイプじゃ無さそうだものなあ・・・。
玲子 出会いもありませんしねえ・・・。
健三 そうだなあ・・・だから、食べ物でその恨みをってコトか。
玲子 ええ。
健三 ・・・まあ、それなら、思いっきりやってくれ。
玲子 ため息をつく
健三 離婚はいかん、離婚はいかんぞ。そうなったら誰が俺の面倒を見る?誰も見ないぞ。そうなったら、琴美だって家出るだろうし、健夫と二人で?いやいや無理だ。あいつとはなあ・・・昔から、反りが合わないんだ・・・。
玲子 親子だっていうのに?
健三 それに、あいつが俺の面倒見ると思うかい?
玲子 ・・・いえ。
健三 だろ?俺は料理も洗濯もできんし。
玲子 あの人もできませんしねえ・・・。
健三 出来ない奴が2人集まってもなあ・・・。
玲子 ですね。
健三 だから、離婚だけは・・・な?
玲子 はいはい。別にまだ、そこまで考えてるわけではありませんから。
健三 そうか?
玲子 ええ。
玲子 そう言いながらお茶の用意を片づけ始める
健三 立ち上がりながら
健三 あ、今日は昼飯はいらないよ。
玲子 あら、何処かへ行かれるんですか?
健三 ああ、大工の源さんとランチに行こうって話になってるんだ。
玲子 源さんって、あのお寿司屋さんだった?
健三 ああ、消防団の源さん。
玲子 そうなんですか。・・・考えてみると、凄い経歴ですよね、あの方。
健三 ああ、少々節操がないがな・・・。
健三 寝室へと向かうが、すぐに戻ってくる
健三 あ~度々申し訳ないんだが・・・。
玲子 何ですか?
健三 帽子知らないですか?
玲子 帽子?
健三 ああ。
玲子 帽子?帽子・・・。帽子なんて持ってましたっけ?
健三 いつも被ってるヤツだよ。
玲子 いつも被ってる・・・?
健三 茶色でこんな形でこーなってる・・・。
健三 帽子の形状を手振りで説明する
玲子 ん~じゃあ、座布団の下とかになっちゃってるんじゃないでしょうか?
健三 座布団の下?まさか・・・。
健三 座布団を持ち上げてみると潰れた帽子が出てくる
健三 あった。・・・玲子さん凄いな。
玲子 昔から探し物は得意なんです。
健三 うん、納得。じゃあ、行ってくるかな。
玲子 お帰りは?
健三 多分、夜になるかな。
玲子 分かりました。
健三 じゃあ、いってきます。
健三 出て行く
玲子 はい、いってらっしゃい。
玲子 健三を見送り振り返る
玲子 ・・・あれ?私、何しようとしてたんだっけ?
つづく
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