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恋招き
私は幸運ではなかった。毎年のお御籤は大吉をひいても恋愛のところだけは良くなかった。
何回振られたかな?
この招き猫が来るまで・・・。
1年前。
とある神社。
私の目に付いたのは1匹の招き猫
右手を上げ小指を立てている
口には薔薇の花をくわえ細目の招き猫
千佳「恋招き?」
最初はふざけてるようにしか思えなかったけど
新しい貯金箱も欲しかったし
この招き猫を買う事にした。
千佳「変な顔」
お世辞にも可愛くはない
場所も取るし
まずは勉強机に置いた
千佳「なんだこれ?」
お金を入れる小さな窓に紙が入っている
~恋招き~
このたびは恋招きをご購入して頂き、誠にありがとうございます。
恋招きは、大変効果が高い物とされています。
そのため、利用者には高いリスクを背負うことになりますが、
その覚悟上で購入されていることを願います。
また、注意事項があります。以下に記載しましたので必ずお読み下さい。
1、恋をしていない時は貯める事
2、恋招きの中にどれだけ入ってるか確認をする事
3、恋招きには100円玉しか入りません
4、たくさんの人と付き合えばそれだけの負荷がかかります
5、あなたが願う恋だけが叶います
千佳「よくわかんないけど。私の恋が叶うってことかな?
ってそのためにあるんだよね、この招き猫。」
11ヶ月前。
新学期を迎え
久々に会う友達に恋招きの話をした。
千佳「ねぇ?招き猫かったみたんだ。恋が叶うのってやつ。」
里美「なにそれ?」
千佳「まだ効果は出てないんだけど。そのうち付き合うかもよ?うちさ!」
里美「え~?信用できるの?」
千佳「まずは試しってやつよ。」
里美「ふ~ん。まぁ、がんばりなよ。」
千佳「信用してないな!」
里美「そりゃそうでしょ・・・。てか、千佳、好きな人いるの?」
千佳「え?今はいないよ。」
里美「まずは、見つけなくても良いの?」
千佳「理想の人はできてるからさ。その人が現れないかな?って。」
里美「全部願いなの?」
千佳「そうだね。」
里美「いいけど。私は。」
千佳「とにかく待つべし!」
里美「がんばりなよ。」
千佳「うん。」
10ヶ月前。
久々に彼氏ができた。
告白は彼からの方。
他の学校だけど、長く続くと思ってた。
この日は絢が家に来ていた。
絢 「彼氏とはどうよ?」
千佳「え?仲良くしてるよ。」
絢 「最近だったよね?」
千佳「うん。今2週間。」
絢 「他の学校の人なんでしょ?」
千佳「そうだよ。」
絢 「なんで知り合ったの?」
千佳「同じ中学だったの。」
絢 「そうなんだ。」
千佳「前から好きだったらしいよ、私のこと。」
絢 「ほんと?それ?」
千佳「誠人が言ってたんだし。私は信じる。」
絢 「とか言って、二股だったりして?」
千佳「今は幸せだから良いかな?」
絢 「ならいいけど?」
千佳「絢もがんばりなよ。」
絢 「うちはまだ良いもん。」
千佳「ほんとか?」
絢 「なわけないじゃん。」
千佳「やっぱりね。」
絢 「ねぇ?それなに?」
千佳「え?」
絢の指先には招き猫があった。
千佳「これ、恋招き猫って言うんだ。」
絢 「なにそれ?」
千佳「恋を招く猫。」
絢 「だからなにそれ?」
千佳「これにお金入れて・・・。」
あれ?
招き猫を持ち上げた時、なんとなく入れたお金が
減ってるような軽さだった。
でもこのときは気のせいだと思って気にしなかった。
絢 「それで恋が叶うの?」
千佳「まだ、効果ははっきりとはしないよ。」
絢 「でも、付き合えたって?」
千佳「そんなカンジ。」
絢 「うちも買おうかな?」
千佳「これ?」
絢 「うん。どこで売ってたの?」
千佳「え?秘密の神社。」
絢 「どこー?」
9ヶ月前。
1ヶ月付き合ったけど、
すぐに別れてしまった。
彼から
誠人「ごめん、この前告られたんだ。」
って言って来て
別れた。
彼から告白して来たのに・・・。
でも、恋愛はそんなものだと
その時は思ってた。
8ヶ月前。
ずっと置いてある恋招き
まだ目つきには慣れていない。
可愛くない。
千佳「あんた。本当に効果あるの?」
なんで・・・
招き猫と会話しているのだろ?
千佳「可愛くないし」
バカみたい。
今更後悔してる。
私。
7ヶ月と2週間前。
久々に招き猫の話が出た。
里美「おっはよ。」
千佳「おはよう・・・。」
里美「元気ないぞォ?どうした?」
千佳「どうしたもこうしたも。里美は良いよね。」
里美「何が?」
千佳「彼氏がいてさぁ・・・。」
里美「でも、最近だよ。」
千佳「それでも3ヶ月でしょ?今。」
里美「うん。」
千佳「うちも誰かと付き合いたいな・・・。」
里美「あれ?招き猫はどうしたの?」
千佳「1回しか効果ないよ・・・まだ。」
里美「ちゃんと願ってるの?」
千佳「う~ん?」
里美「それに、貯金箱として買ったんじゃなかったの?」
千佳「う~ん・・・。」
里美「それに、なんか対価とか必要なんでしょそれ?」
千佳「うん・・・。あれにお金入れるけど、減ってる気がするんだ。」
里美「ほんとに?」
千佳「わかんないよ。でも、付き合ってた時に、ちょっと軽くなったかな?って思うときが何回かあってさ。」
里美「そうなんだ。」
千佳「今は減ってないよ。重くなってる。」
里美「貯めてるって事?」
千佳「うん。」
里美「そうなんだ。」
千佳「結構貯まったから、効果でても良いのにな。」
里美「効果出てもって・・・。好きな人は?」
千佳「いないよ・・・。」
里美「紹介しよっか?」
千佳「まじ?」
里美「うん。友達で、メル友募集の人がいてさ。」
千佳「大丈夫だよね?」
里美「何が?」
千佳「まあいいや。」
里美「わかった。じゃあ・・・夜アド送るから。」
千佳「ありがと。持つべき者は良き友だよ。」
里美「なに言ってるの?」
千佳「とにかく・・・今さびしい・・・。」
里美「それは彼氏いない人みんなだって。」
千佳「そうだね・・・。」
里美「がんばれ!」
千佳「うん。」
それで、2人目の彼氏となる人とは
その夜からメールを始めて
7ヶ月前。
私は少し前からのメル友と付き合う事になった。
この日は彼氏が来てたのかな?
千佳「ごめんね。散らかってて。」
聡志「俺の家の方が散らかってる。」
千佳「それは・・・、負けてたらショックだけど。」
聡志「やっぱ女の子の部屋はきれいだな。」
千佳「散らかってるって。」
聡志「これくらいが良いかな?これ以上きれいだと、落ち付かない。」
千佳「そっか。」
聡志「音楽とかよく聴く?」
千佳「うん。あ、でもここにあるのは、クラシックばっかりだよ。」
聡志「流行りの曲とか聞かないの?」
千佳「そうじゃなくて、前は吹奏楽だったから。クラシックの道に行こうともしてたし。」
聡志「そうなんだ。」
千佳「下の部屋にはあるよ。取って来ようか?」
聡志「いや。大丈夫。カラオケとかいくのかな?って思って。」
千佳「いくよ!友達とだけどね。」
聡志「結構あるな。CD。」
千佳「うん。興味あるの?」
聡志「あんまり。でも、昔は聞いてた。寝る時聞くとよく眠れるとか聞いたけど。」
千佳「そうなの?」
聡志「でも、最近は、速いテンポのほうが頭使って疲れるからよく眠れるとか?」
千佳「それ知ってる。ロックとかでもでしょ?」
聡志「ロックは聞かないな・・・。」
千佳「聡志ってどんな曲聞くの?」
聡志「・・・ラップ?」
千佳「そか。」
聡志「ねぇ?」
千佳「なに?」
聡志「これなに?招き猫?」
千佳「うん。変でしょ?」
聡志「可愛くはないね。」
千佳「そうなんだぁ・・・。」
聡志「貯金箱?」
千佳「う~ん?恋招きってやつ。」
聡志「そんなのがあるんだ。」
千佳「うん。」
聡志「信じる方なの?」
千佳「何を?」
聡志「占いとか。」
千佳「良いのだけ信じる。」
聡志「そうなんだ。」
千佳「聡志は?」
聡志「信じると思う?」
千佳「あんまり・・・。」
聡志「全然信じないよ。」
千佳「そか。」
聡志「なんか未来読めるのって気持ち悪いじゃん。」
千佳「そうだよね。」
聡志「だから信じない。占いとか、名神とか。」
千佳「ふ~ん。」
聡志「信じるのは悪くないと思うけど、それに頼ってばかりだと成長はしないと思う。」
千佳「・・・うん。かもね。」
聡志「占いとか、予言はあくまでも忠告だよ。って、俺預言者じゃないけど。」
千佳「それでなくても良い言葉言ってるかもよ?」
聡志「ありがと。」
千佳「どうもです。」
なんとなく
私の理想なのかもしれない
彼が。
でも、
だから、
恋招きの力を私は借りた。
毎日100円づつ入れる。私。
6ヶ月前。
恋について相談を受ける。
久々の話だ。
だって今までは相談を持ちかけてた方だもん。
でもこの時。
自分自身、強くはなく
弱い者だと感じた。
勝者ではなく敗者なのかもしれない。
香苗「どうしよう?」
千佳「なにが?」
香苗「ケンカして・・・。それで・・・。」
千佳「連絡取れないってこと?」
香苗「連絡は・・・取れる。」
千佳「取れるけど?」
香苗「怒った口調で返ってくる。」
千佳「そうなんだ。」
香苗「どうしよう・・・。」
千佳「なんでケンカしたの?」
香苗「うん・・・。褒めたつもりだったけど。傷つけたみたいで。」
千佳「それで?」
香苗「機嫌悪くした。」
千佳「謝ったの?」
香苗「謝ったよ。・・・けど。許してくれない。」
千佳「謝り方が足りなかったとか?」
香苗「そこは、聞かれてもわかんないよ。それ聞きたいんだし。」
千佳「そっか。」
香苗「うち悪い事した?」
千佳「機嫌悪くしたって事は、やっぱり悪い事したのかも。でも、謝っても許さないのも悪いと思うよ。真剣なんだし。」
香苗「うん・・・。そうだね。でも・・・。」
千佳「でも?」
香苗「ううん。なんでもない。また謝ってみる。」
その日の放課後
その事を彼に話す私。
聡志「・・・で?」
千佳「え?」
聡志「いやだから。俺に話て何を言って欲しいの?」
千佳「参考までに、意見聞きたいなって。」
聡志「そういうことね。」
千佳「うん。あの二人にはまだ付き合って欲しいし。」
聡志「う~ん?なんだろ?」
千佳「なんで怒ったかはわかるの?」
聡志「褒めて傷つけたのなら。自分自身が、納得のいかないところを褒めたからじゃない?」
千佳「そっか。」
聡志「だって、2位で喜ぶより、やっぱり1位で喜びたいだろ?」
千佳「2位でも英雄だよ。」
聡志「男子はそうもいかない奴がいるんだって。女子でもいると思うけど。」
千佳「いるね。」
聡志「自分の納得の行くところまで行かないと、褒められたくはない。あたりまえじゃない?」
千佳「う~ん?」
聡志「やっぱ。かっこいい所見せたいんだって。」
千佳「そんなことでずっと怒るの?」
聡志「それはないと思うよ。」
千佳「じゃなんで?」
聡志「あいつだろ???う~ん?」
千佳「・・・?」
聡志「たぶん。それは、彼女の方にあるんじゃない?何かはわからないけど。」
千佳「わからないって・・・」
聡志「だって彼女、香苗さん?知らないから。」
千佳「そっか。」
聡志「彼女を知ってたら、何か言えるかもしれないけど。」
千佳「わかった。ありがと。明日言ってみる。」
聡志「何を?」
千佳「だから、怒ってる理由。」
聡志「あくまでも推測だよ。」
千佳「いいよ。参考にはなる。」
と、
結局、聡志から聞いた話を話す前に、
香苗は笑顔で登校して来た。
怒ってたは理由は、聡志の言う通り
自分の目標までいかなかったけど
彼女がそれでもスゴイ。という事を言ったから。
でもそれ以上に、
何回も謝る彼女が好きじゃなかったとか?
だから彼の方も
彼 「わかった。許すし、謝る俺も。だから、もう謝るな。謝るのは1回で良い。だから、前のように仲良くしよう。」
だってさ。
ケンカするほど仲が良いって言うのかな?
5ヶ月前。
久々に、恋招きとにらめっこをする。
いつでも不敵な笑いをする猫
可愛くない。
お金の等価値
なんだろ?
絢 「やっほ!」
千佳「やっほ!」
里美「何その挨拶?」
絢 「なんとなく。」
里美「まあ、いいけど?」
絢 「どうなの?お2人さん最近は?」
千佳「なにが?」
絢 「とぼけて・・・。彼氏さんとは?」
千佳「仲良くやってるよ。」
里美「私も。」
絢 「いいな・・・。」
千佳「絢にも紹介してあげたら?里美。」
里美「え?今いないもん。紹介できる人。」
絢 「ええ・・・。」
里美「あの時は、誰か紹介してって言われたからだし。」
千佳「そっか。」
絢 「じゃあ!千佳が紹介してよ。」
千佳「うちは、この学校の人としかしてないよ。メール。」
絢 「そっか・・・。」
里美「そういえば?あれはどうしたのよ。千佳。」
千佳「あれって?」
里美「恋招きだっけ?」
千佳「ああ。使ってるけど。まだ。」
里美「効果あったの?」
千佳「たぶん。」
絢 「ええ!効果あるの?」
千佳「偶然かもしれないよ。」
絢 「それでも今付き合ってるじゃん。」
千佳「そうだけど。」
里美「どうなの?」
千佳「恋招き?」
里美「じゃなくて。楽しいのかな?って。」
千佳「楽しいよ。彼やさしいし、頭良いし。」
里美「なら良いけど。」
千佳「ん?なんで?どうしてそんなこと言うの?」
里美「なんか、彼たぶん怒るなって。」
千佳「え?」
里美「ごめん。今度その事話すわ。絢いるし。」
絢 「ごめん。どこか行くわ。」
里美「違う違う。やっぱ楽しい話しなくちゃ。」
絢 「いいの?」
千佳「良いよ良いよ。里美とはいつでも話せるし。」
絢 「ありがと。」
千佳「ごめんね。」
絢 「うん。」
って・・・
うちはあの後の話は全然覚えてない。
で・・・
結局、彼が怒る理由聞かなかったし
と言うか、教えてくれなかったのかな?
4ヶ月前。
彼とずっと話してて
たまに彼が下を向き
悲しそうな顔をしてるのを見かけてた。
声はかけてたけど
聡志「なんでもないよ。」
と、言って
話を反らす。
愛の等価値
なんだろ?
聡志「付き合ってどれくらいになる?」
千佳「3ヶ月だよ。」
聡志「そっか。3ヶ月か。」
千佳「なんで?」
聡志「長く感じるのかな?」
千佳「うちと一緒にいるの嫌?」
聡志「そうじゃないけど・・・。」
千佳「じゃぁ?なに?」
聡志「千佳は?俺と居て楽しい?」
千佳「楽しいにきまってるじゃん!」
聡志「ありがと。」
千佳「なに?」
聡志「楽しいなら良いけどさ。」
千佳「なんか時々へんだよ。聡志。」
聡志「そう?」
千佳「うん。下ばっかり向いてる気がするし。」
聡志「つかれてるのかな?」
千佳「悩み?」
聡志「う~ん?」
千佳「良かったら話してよ。」
聡志「お金の等価値って何だと思う?」
千佳「え?」
聡志「いろいろなものは、お金に変える事ができる。
けどお金を何かに変えるとき、それは物に変わる。
目に見えない物に変える事もできるけど、それはサービス。
サービスは、本当にその金額が妥当かはわからない。
サービスは人によって受け止め方が違うから。
だけど皆、同じ金額を払う。価値が違うはずなのに
そうじゃない?」
千佳「お金の等価値。」
聡志「お金に変わらない物。なんてあるけど。思い出はお金には変えられない。」
千佳「そうだけど。」
聡志「だけど、今は思い出もお金で買えるような時代になってない?」
千佳「・・・。」
聡志「お金で買えない物はない時代になっても、買ってはいけない物もあると思う。」
千佳「ぅん・・・。」
聡志「・・・。」
千佳「・・・。」
聡志「ねぇ?」
千佳「なに?」
聡志「俺といて楽しい?」
千佳「うん。楽しいよ。」
聡志「もし、おまじないの力でも?」
千佳「え?」
聡志「恋招きの力でも?」
千佳「あれは名神で・・・」
聡志「名神も力の1つ。」
千佳「・・・ぅん。」
聡志「どんな時代になっても、お金で買ってはいけないモノもあると思う。」
千佳「・・・ぅん。」
聡志「忠告だよ。」
千佳「・・・ぅん。」
聡志「・・・。」
千佳「・・・聡志は?」
聡志「なにが?」
千佳「うちといて楽しい?」
聡志「楽しいよ。」
千佳「うちのこと好き?」
聡志「好きだよ。でも、嫌いなところもある。」
千佳「おまじないに頼るところ?」
聡志「ちがう。」
千佳「・・・?」
聡志「おまじないは悪いわけじゃない。」
千佳「じゃぁ?どこ?」
聡志「それは教えられない。」
千佳「・・・そっか。」
聡志「教えた所で、千佳は変わらない気がするから。」
千佳「変わって欲しいの?」
聡志「そこだけなら。」
千佳「・・・ぅん。」
わかるわけがなかった。
自分の性格なんて、
一番わかってないのが自分だもの。
これも彼から教わった言葉だけど。
いつもそうやって感じている。
3ヶ月前。
ずっと彼と付き合って来た。
もちろん、仲良くしている。
でも、まだ自分の答えを出していなかった。
人の等価値
なんだろ?
里美「なんか沈んでるよ。」
千佳「わかる?」
里美「うん。遠くからでも。」
千佳「まじ?」
里美「悩みでもあるの?」
千佳「うん。」
里美「彼の事?」
千佳「わかるの?」
里美「この前彼に会った。」
千佳「え?」
里美「そんなのじゃないよ。大丈夫。」
千佳「うん。」
里美「ちょっと話した。」
千佳「そっか。」
里美「何話したか気になる?」
千佳「それはねぇ・・・。」
里美「千佳のことも話したよ。」
千佳「なんて?」
里美「良い子だって。」
千佳「ほんと?」
里美「ほんとだよ。」
千佳「ほかには?なんて?」
里美「仲良くしてる。って。」
千佳「聡志。怒ってない?」
里美「何の事に?」
千佳「怒ってないなら良いけど・・・。」
里美「ケンカしたの?」
千佳「そうじゃないけど・・・。」
里美「彼はほとんど怒らないよ。」
千佳「うちに嫌いなところあるって。1ヶ月前に言ったけど。そのあとは何も言わないからさ。」
里美「言って変われる?千佳は?」
千佳「変われないかも・・・。聡志も言ってたし。」
里美「だから言わないと思う。気付いて欲しいと思う。」
千佳「わかんないよ!気付いて欲しいって言われても。」
里美「わかろうとした?」
千佳「わかろうとした。」
里美「自分を一番よく知ってるのは自分自身。」
千佳「でも、自分の背中は自分じゃ見えない。」
里美「それは、見る努力をしてないから。見ようと思わなければいつまでも見えない。」
千佳「どうやって?」
里美「道具を使う事よ。」
千佳「・・・。聡志と同じような事言ってる。」
里美「彼がそう言ってた。」
千佳「え?」
里美「いろんなこと言って、彼も矛盾してる部分はいっぱいあるわよ。」
千佳「でも、一つ一つの言葉がうちの胸に突き刺さる。」
里美「それは、自分が受身だから。」
千佳「・・・。」
里美「たまには自分から、自分から何かをはじめる事も大切。」
千佳「・・・。」
里美「何かに頼る事をやめた方が良い。」
千佳「恋招きの事かな?」
里美「千佳はわかってない。彼の気持ち。」
千佳「彼女失格かな?」
里美「ちがう。彼は、千佳を見放したりしないはず。」
千佳「ほんとに?」
里美「100%保証はできないけど。きっと。」
千佳「信じるよ。」
里美「・・・うん。」
千佳「里美は?聡志が嫌ってるところわかるの?」
里美「彼の性格なら、そこかなって言うのは。」
千佳「教えてくれないよね?」
里美「教えられない。千佳のためにも。」
千佳「うん。ありがと。」
里美「自分の事を信じなよ。」
千佳「うん。」
里美「深く考えない!案外簡単なところに答えはあるものだよ。」
千佳「だといいけどなぁ。」
里美「近くにあるよ。」
悲しみは近くにある
喜びは遠くにある
簡単に喜びを手にする事はできない
だから人は努力をする。
2ヶ月前。
努力も無しに何かを得ようとした時
気付かないうちに何かを失っている。
気付いた時にはもう遅い
私はすべての物を失っていたのかもしれない。
彼氏の等価値
なんだろ?
千佳「ひさびさだね。一緒帰るの。」
聡志「うん。」
千佳「元気してる?」
聡志「元気してるけど?」
千佳「なら良いけどさ。」
聡志「千佳は元気?」
千佳「うん。」
聡志「そか。」
千佳「・・・。」
聡志「・・・。」
千佳「聡志はさ。心強いよね。」
聡志「いきなり?」
千佳「あきらめた話とか聞かないなって。」
聡志「0な事は最初からしてない、1あるならそれに賭ける。そんな感じだよ。」
千佳「それがスゴイと思うけど。」
聡志「自分を信じる心だねぇ・・・。」
千佳「そうだけどさ。」
聡志「千佳もきっと強くなるよ。」
千佳「うん。」
聡志「・・・。」
千佳「・・・。」
聡志「・・・。」
千佳「どうしよう?」
聡志「なにが?」
千佳「進学。まだ1年あるけど。1年しかないって言うし。」
聡志「時間が経つのは早くなるからね。」
千佳「聡志はもう決めたの?」
聡志「いちようね。県内の私立に進学しようと思ってる。」
千佳「そっか。がんばってるんだ。」
聡志「道はいっぱいある。どの道を行けば、自分にあった道に辿り付けるか、しっかり考える事だよ。」
千佳「わかってるよ!わかってるけど。なかなか決まらなくて。」
聡志「きっとうまく行く。そう信じなさい。」
千佳「うん。」
聡志「・・・。」
千佳「・・・。」
聡志「・・・。」
千佳「・・・。」
聡志「まだ使ってるの?」
千佳「なにを?」
聡志「招き猫。」
千佳「え?」
聡志「恋招きだっけ?」
千佳「・・・うん。」
聡志「そっか。」
千佳「・・・。」
聡志「・・・。」
千佳「・・・。」
聡志「俺ってそんな価値か。」
千佳「え?」
聡志「1日100円。そんなので俺は、付き合ってるのかな?って。」
千佳「そんなんじゃない。」
聡志「でも、まだ使ってるんでしょ?」
千佳「そうだけど。」
聡志「そうだけど?」
千佳「それは関係ない。」
聡志「じゃなんで使うの?」
千佳「なくなったら、別れそうな気がして。」
聡志「だから使う。
だから、お金を払えば彼氏はずっといてくれる。
だから、あれを手放す事はできない。別れたくないから。」
千佳「・・・。」
聡志「俺は100円の価値かぁ!」
千佳「違う!」
聡志「ごめん。別れよう。」
千佳「だから違うってば!」
聡志「じゃなに?」
千佳「それは・・・。」
聡志「それは?」
千佳「・・・。」
聡志「結局、自分自身に答え出してなかったんだ。」
千佳「聡志は、そんな安い価値なんかじゃない。」
聡志「・・・。」
千佳「わかった。」
聡志「なにが?」
千佳「恋招きを、壊せば良いんでしょ?」
聡志「誰がそんなこと言った?」
千佳「聡志。」
聡志「俺はそんな事は言ってない。」
千佳「じゃあ何?」
聡志「壊したところで、千佳の心は変わらない。」
千佳「じゃあ?どうしたらまだ付き合ってくれる?」
聡志「嫌いなところあるって言ったよね?そこに気付くだけで良い。」
千佳「わかんないよ!いろいろ考えたけど。」
聡志「そっか。」
千佳「・・・。」
聡志「自分自身を強く生きさせる。簡単で、難しい。」
千佳「・・・。」
聡志「じゃ。」
千佳「さっきの・・・。ヒント?」
聡志「答えかもよ?」
千佳「・・・わかった。」
聡志「君のためにも別れる。」
千佳「・・・。」
わけわかんない。
私のために別れるくらいならまだ付き合っていて欲しいし
結局、自分のために別れている気がする。
恋招き振っても
お金の音はしなかった。
1ヶ月前。
彼からメールは来るものの
別れたことで噂は広まっている
きっぱりと別れたわけじゃないし
聡志も曖昧な答えを出してるとか言うし
わけわかんない。
千佳「・・・。」
里美「で?どうするの?」
千佳「どうするもなにも。別れたことになってるんじゃないの?」
里美「それでいいの?」
千佳「聡志がそれで良いって言うなら。」
里美「良くないから、曖昧な答えだしてるんじゃないの?」
千佳「しらないよ!」
里美「聞いたの?」
千佳「私は別れたくないんだもん。」
里美「じゃ、そう伝えれば良いじゃない。」
千佳「伝えたところで・・・?」
里美「それはぁ・・・。返ってくる言葉待つしかないでしょ?」
千佳「それが怖い。」
里美「今の千佳じゃ無理ね」
千佳「え?」
里美「私もそうだったかもしれないし。」
千佳「どういうこと?」
里美「今のは無し!無いことにして!」
千佳「いいけど。」
里美「・・・。」
千佳「・・・。」
里美「ねぇ?」
千佳「ん?」
里美「自分をもっと強くしない?」
千佳「・・・うん。でも、どうすればいいの?」
里美「何かに頼る自分をやめて、自分に信頼を持ちなさい。」
千佳「・・・うん。」
里美「きっとうまくいく。」
千佳「大丈夫だよね?」
里美「大丈夫。」
千佳「でも・・・。どういう風にしたら良いのかな?」
里美「それも自分で考える!」
千佳「うん。」
そして今日。
私は恋招きをベランダに持っていき
2階から落とした。
鉢が割れるような音ともに
彼からの着信音が鳴り響く
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