思いは優しいキスで NO.2


2人で雑談をしていた

「エンドールには、私の妻が経営している店がありましてね」
「まだ、勇者さんと旅に出る前は、毎日おべんとうを作ってくれましたよ」
ネネのおべんとうは、とても美味しかったな

「うむ、それはとても良いことですな」
「勇者殿は、勇敢であり、ぜひバトランドの戦士になっていただきたい」
あれほどの、剣の才能を秘めた人間は、そういるまい

そうして、みんなが騒がしくしている中で
勇者は一人外へ、出て行く

一人で、ワインを傾けていたピサロはそれに気づき
気配を消して、近づくことにした

「勇者、なぜ外へ出る、お前なら騒いでいた方がいいんじゃないのか」
俺は、なぜこいつを追いかけたのだろう・・・

「いや、いいんだよ」
「外の風に当たりたくってな、それよりもなんで、騒いだほうがいいなんて言ったんだ?」
ピサロが追いかけてくる・・・?なぜ、そんなことを

「まあな・・・、俺はお前の村を滅ぼした、ひとり残らずな」
ピサロの顔が俯き、小声になる

「ああ、シンシアも父さんも、母さんも・・・全員」
勇者は拳を握り締めて、小刻みに震えていた
そして、涙声で言う

「だから、それを忘れるために騒げと?」
冷たい石畳の道に、雫が落ち
灰色のシミをつくる

「そうだ、俺はお前に何もできない、せめて仲間と楽しく・・「馬鹿だろ!」
ピサロが喋っている最中に、勇者が声を荒げた

「そんなので、忘れられるかよ!」
「みんな、みんな死んで、俺だけ生き残った、シンシアが犠牲になってな」
「それも、自分勝手なお前のせいだ!」

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