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2004年03月20日
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(※注:例によってメンタルな部分が原因で微妙に不眠のまま書いておりますので、長いくせにものすごい乱文です。これでも色々随時訂正してるんですが多分まだ変です。いつもながらわかりにくい文章ですいません;;)


唐衣 また唐衣 唐衣 かへすがへすも 唐衣なる

源氏物語にこういう和歌がある。


私はもうあの自己陶酔的に(まるで自分の手柄でも自慢するかのように)平家物語やら源氏物語を話す国語の先生というのがわりかし嫌いだった。っていうか嫌い。よってもう高校の授業なんぞでははっきり言って古典も漢文もものすごい勢いで嫌いだった。孔子なんて素であの思想が嫌いだし。老子とか荘子とかは嫌いじゃないんだけれどね。

と、脱線しても仕方ないので古文の話ですが、あんな古めかしく読みにくい文章など嫌いだったわけだけども、一度”受験勉強”ってのから離れて、文法も単語も義務的にやる必要がなくなって”現代語訳”を後ろめたい気持ちなく読むことが出来るようになると、あの文章の所謂”内容”の良さが初めて分かってきたのでした。

んで、源氏物語などは”あさきゆめみし”などで漫画化もされているし、アニメ化もされているし、(あんましどうかと思うが)昨今また映画化されたりもしているので、ちらほら知っている人は居るのだろうと思います。瀬戸内寂聴のものはまったく目を通していないけれども私が高校か中学くらいに出てた”窯変源氏物語”なんかは全く現代の小説のようなノリで書かれてて個人的にはお勧めだったりもします。(与謝野晶子の現代語訳はもう今読むともう既に古文に近いような気もする。なんか疲れる)原文までは正直読めないけれどもきちんと最初から最後までの話をマンガやら小説で読んでみるのはとても面白い。

そんな中でも、内容をはしょりつつ四コマでおもしろく書かれている”まろ、ん?―大掴源氏物語”というマンガがある。っていうか今日図書館で借りてきた(笑)それに目を通していて見付けたのが冒頭に書いた和歌なのです。

この和歌は源氏が末摘花という姫に送った歌です。末摘花とは源氏物語の中でも源氏を取り巻く並みいる姫君達の中でも黒髪の美しさがピカイチで、身分もそれなりなのですが、その他では容姿や色気、才能、金銭、服のセンスもなく、間も悪くて、なんやらかんやらと、至る所で恵まれないながら、思いがけず訪れた源氏との縁を、周りに見捨てられイヤミを言われながらもひたすらに信じ続ける姫です。

 末摘花は最後までその愚直なまでに源氏を信じる心をつらぬき、それにちょっとした運も働き、二条院に迎えられるという他の幾多のやんごとなき姫君たちもうらやむような寵愛(というか待遇?)を受けることが叶うのです。(例えは悪いけど、愛人がマンション買ってもらうみたいな感じか・・・こう書くと聞こえ悪すぎるな・・・)




わが身こそうらみられけれ唐衣君がたもとに馴れずと思へば

適当訳:とっても悲しいの、貴方の傍に居られないから
                  by 末摘花


もうお祝いとは何も関係ないただ、源氏への恨み言を書いた和歌です。喪服色の衣を送るというのも・・・極端に言うなら、成人式のお祝い入れたのし袋に”御香典”って書いて渡す位の勢いのことです。ちなみに本人は贈り物も和歌も全く悪気はなくて、ものすごい”天然”なわけです。

”唐衣”というのはこの場合”たもと(袂)”という言葉を引き出す為の枕詞なのだそうです。正直あまり歌の得意でない末摘花は、以前にも、何度もこの”唐衣”という枕詞をつかった和歌を源氏に送っているのです。それで何度も何度も”唐衣”という枕詞を使った和歌を送ってくる末摘花に対して源氏はちょっと茶化して冒頭に書いた


唐衣 また唐衣 唐衣 かへすがへすも 唐衣なる

適当訳:また唐衣かい!(ツッコミ)
           by 源氏


という歌を返すわけです。素敵だなぁと。思ったのです。末摘花も源氏も。

源氏の返歌というのはとらえようによっては和歌の下手な末摘花を馬鹿にしてるように見えなくもないですが、実はとても暖かい返事なのではないかと思うのです。まず祝いにとても縁起の良くなさそうなものを送ってしまったことに関してはまったく触れていない。きっと末摘花に悪気がないことを分かっていて、それを咎めるようなつもりはないのでしょう。

そして唐衣唐衣と詠んでよこす末摘花も、無い才能を振り絞って、なんとか思いを伝えたいと、少ない語彙の中から”唐衣”という言葉に導かれるものに”これだ!”と、源氏に伝えたい気持ちを見付けて何度も一生懸命自分なりに伝えようとしたのじゃないかと思うのです。



”もう、そんな何度も言わなくても十分過ぎるほど、分かるよ”

とああいった、茶化した和歌の中に詠んでいるんじゃないかと思うのです。おっちょこちょいな可愛いヤツだと源氏は思ったに違いないなぁと思うとこの短いやりとりの中にも深いものがあるなぁと思うのです。

あ~なんだか自分が冒頭に書いた自己陶酔な国語の先生みたいになってきた。

_| ̄|○

いや、それでなにを思ったか。



かへすがへすも 好き好き好きよ

くらいなもので。 (うわぁ・・・やっぱ文才ねぇなおい・・・)
末摘花が色々おっちょこちょいとか天然を繰り返しながらも、源氏に心を伝えることが出来たように私も彼女に伝えること出来るだろうか。

問うまでもなく私とて信じているのだから

末摘花と源氏にあやかって

かへすがへすも、唐衣





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Last updated  2004年03月21日 09時10分25秒
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