西新オレンジ通り日記

西新オレンジ通り日記

保険の解約は確実に!


「新契約が成立してから、今の保険は解約してくださいね。」
と申し上げると
「いや、『面倒な解約の手続きをしなくても、会社に言って
 給与引落しを止めてもらうだけでいいから!』と今の保険会社の担当の人に言われたんですけど・・」
とおっしゃる。
「え?解約の手続きをとらないと言うことですか?」驚いて聞き返すと
「それで止められるんですよね?」
「・・・・」

どこからお話したらいいのか、一瞬迷ったが
お時間を確認して、最初からお話をさせていただいた。

「一か月分の保険料が落ちないと、次の月に2か月分請求がかかります。」
「それはわかります。」
「次の月にも保険料が落ちないと、普通は契約が失効するんですよ~。」
「はい。」
「でもね!<自動振替貸付制度>と言うのがあって、2ヶ月保険料が落ちないと自動的に保険会社が、保険料を立て替えてくれる場合があるんですよ。」
「え?じゃあ、止めても保険はなくならないんですか?」
「解約したら戻ってくるはずのお金がなくならない限りは。」
「え~!」

うっかりお金を入れ忘れたり
一時的に資金が不足したりして
保険料の払込猶予期間を過ぎても、保険料の払込がなかった場合
保険会社が自動的に、保険料を立て替えてくれる制度が
<自動振替貸付制度>である。

この制度は、保険の契約時に希望しなかったり
満期保険金や解約返戻金などがない
まったくの掛け捨ての保険には、適応されませんし
契約してすぐの、返戻金のない契約にも適応されません。

貸し付けてもらえる金額は
解約返戻金の範囲内で
利息は会社所定の利率により、たいてい複利で計算されます。
返済方法は、全額返済のほか、分割でも返済できますが
解約したときや、死亡保険金が支払われるときには
貸し付けの元利金を、
解約返戻金や死亡保険金から
差し引き清算されることになります。

保険会社によっては「立替え」と呼ぶところもある。
「じゃあ、ちゃんと解約しないと、戻ってくるお金が減ると言うことですか?」
「そうなんですよ~。」
払込猶予期間の3カ月以内に解約手続きをすれば
貸付はなかったものとして、手続きをしてくれるけれど
それが過ぎると、必要のない保険の保険料を払った上に
利息まで取られてしまう。

「じゃあ、きちんと解約した方がいいということですね~。」
「解約返戻金も、解約手続きをしないと戻りませんよ。」
「そうですよね~。自然に手続きされて、振り込まれるのかと思ってました。」
「そんなことはないんですよ~」

以前、手続きをしないままにしていて
百万円以上、知らずに保険会社から借りていることになってしまった人もいた。
保険料を払わなくても、保障があったといわれればその通りだし
中には、そのおかげで失効したと思っていた契約の
死亡保険金がおりた人もいるだろうけれど
本来、きちんと手続きしていれば受けとれるお金を
受けとれないのは、やっぱり問題。

会社契約などで、目的が保障ではなく
退職金の引当てなど、積立が目的の場合には
この制度をあらかじめ希望されない場合もある。
引落し金額が大きければ、利息も大きいので
仮に失効しても、復活した方が
手続きは面倒でも、余分な経費が発生しないからである。
健康に不安がある人は、復活できないと困るが
そういう選択もある。

契約を消滅させたくないために、「払わなくてもいい」と
担当者が言ったのだとは思いたくないけれど
不親切な人だな~と
同業者の言動に、ちょっとムムム!

生命保険は、なんせ紙切れ一枚でお金が動く「契約」なので
なんにしても、きちんとした手続きを踏むことが必要です。
「ん?」と思ったらそのままにせず
入り口でも出口でも
しつこくしつこく尋ねて、すっきりされることをお薦めします。


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