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Aug 31, 2005
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カテゴリ: 人生
東野圭吾の『時生(トキオ)』を読んだ。
この2~3年、ビジネス系の本ばかり読んでいたので、
ほ~んと久しぶりの小説である。

昔はよく通勤途中に小説を読んでいた、しかも読みやすく
重くない東野圭吾の作品は、ほとんど持っている。
彼は、学園を舞台にした本格推理小説『放課後』でデビュー
してから、コミカルなものまで、ミステリーのあらゆる
分野を手がけている。
今回の『時生』は、死んだ息子が過去にタイムトリップ


著者の作品の中では、母と娘の心が入れ替わる大ヒット作
『秘密』に通じるファンタジー小説に分類されるだろう。
推理小説ではなく、ミステリーと言っていいのか、SFと
言っていいのかわからないような感じの作品だが、
相変わらず彼の作品はどこか男くさい・男目線。


遺伝的な難病におかされ、その命が尽きようとしている時生。
そんな息子を目の前にして、父・拓実は若き日に出会った
ある青年のことを思い出す。
うまいよなぁ。
作品の形としては、『秘密』なんかと同じような、SF系の
流れを汲む作品だけど、70年代の高度成長期の一方で泥臭さ



自堕落であり、自分に甘いけれども正義感(?)は人一倍強い
若き日の拓実と、その拓実をなんとか良い方向へと導こうと
一生懸命になる時生。
何故だかなんだか温かいものを感じたり何か通じるものが
あると感じて、時生を無意識に守ろうとしたり、時生の前

方向性は違うんだけれども、どちらも「若い」とか「青い」
とか言われそうなどこか似ている2人。


読者としては、時生が将来からやってきた拓実の息子だと
知っているから、時生の言い分も理解できるし、一方で、
拓実の考えることにも共感できる部分がある。
そのあたりのさじ加減が相変わらずうまい。
そして、現代に戻ってきて、父親となった拓実の最後の台詞。
この台詞を読むために全部読んだ感じ。

そして、何度か繰り返される

  「明日だけが未来じゃない」

という時生の言葉に代表される、登場人物のセリフも物語に
厚みを出している。
この言葉の意味や重みがラストになるに近づいてひしひしと
伝わってくる。体中を駆けめぐる感じ。


ダメ男は『男』になっていく。
『息子』との出会いによって。
人それぞれにとっての『未来』
『大人』になるということを考えさせられた。






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Last updated  Sep 3, 2005 04:07:14 PM
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