れいんぼータウン

れいんぼータウン

思い・想い












































「忍足、あの女・・最近見かけねぇがどうした?」
「ん?美波のコトか?叶わない恋なんて捨ててしもたんとちゃうか?」
「何言ってやがる・・・」



俺の隣のクラスの女、淺川美波。
数週間前からやけに俺のこと気に入って周りをちょろちょろしてやがった。


なのに最近アイツの姿が見当たらねぇ。

アイツと従兄弟の忍足に聞いても茶化した答えを返すだけで
本当のことをいわねぇ。





腹が立つ。


さんざん俺の周りでにこにこしてやがって
急に消えるなんてよ。



「跡部!」

「っ、・・?」


「何ボーっとしてんねん。帰るで。」


「・・あぁ・・」







前なら
アイツが俺の腕をとろうとしながら隣を急ぎ足であるいてる。

俺が笑って少し歩調を緩めてやると嬉しそうな顔しながら
俺の腕を自分の方に引き寄せる。



最近やっと
素直な表現ができてきたような気がしてたのに





「べ、跡部・・跡部!」


「・・・なんだよ」

「ほんまにお前どうしたん?美波がいないことに戸惑っとんのか?」




図星、なのかもしれない。


「そんなわけねーだろ。ちょっとな・・」


「・・ならええけど。美波のことはもう忘れろや」




分かれ道で俺と正反対の方向に向かう忍足の腕をつかむ。


「・・どういう意味だ?」


「・・・・・・・・」



そこで忍足は押し黙った。
ひたすら俺の目をみて。



周りから見たら怪しい光景だったかもしれない・・(笑)


「はァ、やっぱお前、美波のコト気にしとるんやないか」




「・・だからアイツ、どうしたんだよ」













「持病がでて今入院中や。・・峠越えられへんらしい」



















時間が止まることをホンキで願った瞬間だった。
心が凍てつく感じを覚えて
美波のコトを改めて認めた。

美波がいないコトの寂しさにやっと
自分自身気がついて


車呼びつけて病院へ向かった。





忍足の最後の言葉がいっそう俺を急がせた。






「医者が言ってた寿命は










昨日で終わりや」











































看護婦とかが受付すっとばしてすすむ俺を止めようとしたけど

後ろからついてきた忍足を見てすぐに受付席に戻っていった。




忍足は何度も来てたってことかよ










1027室。
美波が存る場所。





そこに生命が在るのか、それとも抜け殻だけなのか。
俺には検討がつかなくて

扉を開けるのが怖い気がしたけど。


それでも美波の姿を確認したくて
扉を開けた。




































モノクロな世界だった。

白いベッドのそばに立つあいつの母親らしい人が顔を手で
覆っている。
父親らしい人は窓の方を向いて
肩を震わせている。



ベッドには



透明な物体が存在していただけだった。





心を持たない闇人形がそっとこっちを見ているだけだった。








「・・美波・・・・・・?」




光景を信じることはできなくて

闇人形に話しかける。

「っ、美波!美波!!」



ベッドに駆け寄ろうとする俺の体を
忍足がうしろから止めた。









病室に


俺のアイツを呼ぶ声だけが


こだましていた。













『人』のもろさを感じた瞬間
『大切な人』の大切さを改めて感じた瞬間




『美波』を

切実に欲しいと願った瞬間



『美波』の大切さに
『美波』がいないことの寂しさに





早く気づかなかった自分が
許せなかった。

















涙でかすむ俺の瞳に
美波の笑顔が写った。



真っ白い服を着て
俺の涙をそっと救い上げる。





「あなたが 好 き でした」














俺に声は届かなかった。





そっと風に流れるように吐息が
俺の心を揺らした。







あいつの気持ちが流れ込む。




























忘れられない『思い』『想い』


































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