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高山に来て18年で開業します 平成2年に高山に来て18年、体力の限界を悟り、とうとう小児科勤務医をやめざるを得なくなりました。 私は、平成2年まで、仙台の東北公済病院の未熟児センター14床で、小さいものは25w600gくらいまでの児を24時間診て、時々心カテ心エコーのお手伝いをするという毎日を送っておりました。 ネオンと雑踏のない生活には未練もありましたが、平成2年、ご縁があって、高山で小児の地域医療をさせていただくことになりました。 比較的身体が丈夫であったため、患者数は少ないながらも、自分の体も省みずに、24時間小児の受け入れをして、生涯一研修医というようなバカな妄想にとりつかれておりましたが、平成18年、人生の岐路に立たされてしまいました(I先生の仰るとおり平成13年に実家に帰っていればよかった)。 S町内会の7組組長とF神社の神社委員という2つの役が当たってしまったのです(断ることはできない!小児科なんて関係ない!ヤオシ!?)。 小児医療以外には全く何も知らなかった私は、町内会の役というものがどれだけ恐ろしいものかを思い知らされました。 肺炎の児を点滴しようと思っているところに「仕事はすぐにやめて社務所に来るように」仕事も患者の命も関係ないのが町内会でした。母親が「役なら仕方がない」と納得するところがさらに驚きでした。 5月5日にはカミシモ(持っているのが普通?)を着て、ふだん万歩計が800歩/日の私が(BP:170/120mmHg)炎天下に2万歩も歩きました(高血圧でも死んでも歩けと言われた)。 夜中に集金で家庭をまわると罵声を浴び、マリファナ?を配り、大みそかの深夜には氷点下の極寒にM団子を焼いて甘酒を配り、人生で初めての貴重な体験(ストレス)でした。 昨年の3月31日、年度末に「明日11時から引き継ぎをするからノートを作っておくように」レセプト急患・紹介状・急患・診断書・急患で大混乱の中、徹夜でノートに領収書やらビラやら貼っていたら、強い頭痛が始まってしまいました。 4月6日頃から構音障害が出始め、とうとう4月12日には脳圧亢進症状が顕著となり左内包のラクナ梗塞で2ヵ月間入院するはめとなってしまいました。 運良く?手足のマヒは認められないものの(字が下手になった程度)、高血圧++頭痛++構音障害+顔のしびれ+、小児科勤務医28年飛騨に来て17年でバリバリの小児科勤務医は断念せざるを得なくなりました。 もともと、高山市民の地域医療をという依頼を受けて来高しましたので「17年前のお約束はまだ有効でしょうか?」と伺ったところ、開業のお話が来てしまいましたので、このまま小児の地域医療を細々とお手伝いさせていただきたいと思います。 飛騨のことはこれから勉強させていただきますので、何卒、よろしくお願いいたします。
2008年09月30日
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「同じY小学校?」「溶連菌が出たので来ました」「溶連菌(-)マイコ(+)です」「同じ症状でも違うんですね」「いろいろ流行ってるからね」 2日前から顔が真っ赤に腫れて、近医でステロイド(ネオメドロール、レダコート)を処方された9歳の女の子。症状がどんどん悪化するので、知人に聞いたら、同じクラスの児が(蕁麻疹がなかなか改善せず、回り回って毒多ぁを受診したら)溶連菌感染症だったと聞いて、当科を受診しました。 鼻粘膜と咽頭扁桃が真っ赤に充血しておりましたので、感染性の蕁麻疹を疑い溶連菌迅速検査をしましたが(-)でした。 目が開けられないくらいひどいので、点滴がてら血液検査をしたら、イムノカードマイコプラズマ抗体(+)でした(IgE:180、ダニ4、HD4、杉3、イネ科1)。 同じクラスだから溶連菌と思ったら、ハズレ(マイコ)なのでびっくりでした。 最近、マイコと溶連菌が入り乱れて流行っております。 感染性の蕁麻疹が、何軒か回ってみんな当科に集まってくると、溶連菌検査とマイコプラズマ検査ばっかりで、保険からまた大目玉をくらいそうです。恐い恐い。
2008年09月29日
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「舌見せて」「???」「舌厚くなっとる」「えっ!?」「俺も舌腫れたんや」 以前勤務していた診療所の検査技師さんが、降圧剤を内服していたら頻繁に舌を噛むようになったので、よくよく見たら自分の舌が大きくなっていたそうです。 あわてて、薬の副作用を調べたら「舌腫脹」と書いてあったそうです。 不安に感じて、同じ降圧剤のブ○プレスを内服している人を探したら、毒多ぁが同じものを内服しておりましたので、早速、舌を見せてほしいと言われました。 恥ずかしいけど、見せたら「舌が厚くなっとる」。 最近滑舌が悪いのは脳梗塞後遺症かと思っておりましたが、降圧剤の副作用かもしれません。副作用で舌が大きくなるなんて、知らなかった・・・恐い恐い。
2008年09月27日
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「イクラ丼を食べたら顔が真っ赤に」「魚卵の説明を忘れておりました」「・・・」 生後1ヵ月からアトピー性皮膚炎の5ヵ月の男の子(IgE:28、卵白3、ミルク2、小麦1)。 除去食+インタールでかなり改善しておりましたが、うかつにも魚卵の事を説明するのを忘れておりました。 授乳中の母がイクラ丼を大盛りで食べたら・・・児の顔が真っ赤に腫れてしまいました。 卵アレルギーの場合、卵白が最も強力なアレルゲンです(卵蛋白の中でもオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチームの4種が強力)。 卵黄に含まれる卵蛋白(リボビデリン、ホスビチン、レベニンなど)の抗原性は卵白よりは弱いのですが、魚卵にも卵黄と同じ様な卵蛋白が含まれておりますので、卵アレルギーの児は原則魚卵は禁止です。 イクラ、筋子、タラコ、数の子、子持ちわかめ、子持ちカレイ、子持ちシシャモ、カラスミ・・・全部毒多ぁの好きなものばかりです。 卵アレルギーの児は、鳥つながりで(親子だからね)、鳥肉は(鴨も鶉も駝鳥もね)要注意ですが、卵つながりで魚卵も要注意なのに、時々言うのを忘れてしまいます。恐い恐い。
2008年09月26日
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「3種混合お願いします」「9月28日以降にお願いします」「保健士さんが9月になれば良いって」「昨年9月28日にしているのでダメです」「たった3日なのに・・・」 鼻炎で通院中の1歳半の女の子。3種混合の追加接種に来ましたが、母子手帳を見たら、昨年の9月28日でしたので、お断りしました「3日早かったね」。 よくよく聞いたら、保健士さんに9月になればだいたい1年で良いと言われたようです。 以前、1日早く接種して(老眼だからね)、市の健康推進課で大目玉をくらった毒多ぁは、お役所仕事はきちんと守ります、医学的には良さそうでも、お役所仕事ですのでたった1日でも絶対ダメ!、3日なんかとんでもない!。 3種混合は、間隔よりも回数が優先します。追加接種は7才6ヵ月の前日までに受ければOKです。
2008年09月25日
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「8ヵ月になったので血液型をお願いします」「???」「8ヵ月になったら変わらないって」「お母さんとお父さんは何型ですか?」「私はO型で旦那はA型です」「臍帯血ですればOKでしたね」 生後8ヵ月の女の子。出産の時にスタッフに「血液型どうしますか?」と聞かれて「お任せします」と答えたら「8ヵ月までは血液型が変わる」という意味不明の説明をされて臍帯血の検査は行わなかったそうです。残念! 血液型が変わるということはあり得ません。胎盤はルーズな組織ですので、臍帯血には母と児の血液が混じっておりますので(胎児胎盤間輸血)、臍帯血の血液型は母+児の血液型です。 しかし、母がO型ですので、臍帯血の血液型は、そのまま児の血液型ということになります。 正しい助産師の態度は「お母さんがO型ですので臍帯血はそのまま児の血液型です。調べておきましょうか?」ということになります。 血液型が変わるとか、8ヵ月になったら血液型が変わらないとか、素人が考えてもウソだと分かりそうなものですが、医療関係者の一言がいかに重いかを痛感させられました。 毒多ぁも、外来で嘘八百の指導するのは控えめにしておきたいと思います。
2008年09月24日
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☆手足口病で蕁麻疹!☆「全身蕁麻疹ですね」「保育園で手足口病流行ってます」「あ、手足口病ですね」 3才の男の子、全身ボコボコの蕁麻疹でしたので、溶連菌の検査をしようかどうしようか考え始めたら「M保育園で・・・」よくよく診たら、蕁麻疹の陰に隠れて、手と足に小さな水疱がありました。 毎日のように蕁麻疹と紅斑が来ますが、溶連菌とマイコプラズマの他にウィルス性の蕁麻疹も来ますので、注意が必要です。 夏カゼのエンテロウィルス(約70種類)は、いろいろな形の発疹が出るので、水痘や風疹など他の発疹性疾患と間違えて、小児科医もよくだまされます。 その中でもA10、A16、71番、の3つのウィルスは、手と足と口にきれいに発疹が出て、英国の医師が「手足口病」などという変な病名をつけましたので、保育園によっては意味もなく騒ぎます。 しかし、ただの夏カゼの手足口病も、アレルギー体質が強いと、手足口ばかりでなく、全身に発疹が出たり、蕁麻疹まで出ることがありますので、注意が必要です。 診察にあたっては、家族や、保育園での流行など、問診が大切なことは言うまでもありませんが、頭が壊れている毒多ぁは、ついつい手抜きをしてしまいます。恐い恐い。
2008年09月22日
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「鼻炎と扁桃腺と中耳炎ですね」「皮膚を診てほしいんです!」「溶連菌(+)です」「・・・」「塗っても治らないので抗生剤内服してください」「今まで診ても検査せずに処方したんですか!」「毒多ぁに言われても・・・」 1ヵ月前から前額部と眼周囲と腕に発赤があり、抗ヒスタミン剤を塗っても内服しても良くならないとして受診した1才8ヵ月の女の子。 鼻粘膜と咽頭扁桃と鼓膜が赤いので、感染性の蕁麻疹あるいは紅斑として説明を始めましたが、皮膚の話ではないのでご不満のようです。 なんとかお願いをして溶連菌迅速診断をさせて頂きましたら、陽性でした。 蕁麻疹や紅斑は皮膚の下の血管に起きるアレルギーです。それも感染性のものが多いので、皮膚病であると思い込んでいる母に納得していただくのはなかなか困難です。 溶連菌が検出されたら、今度は、これまでに溶連菌の検査をせずに薬を処方していたことを叱られてしまいました。 今まで診ていたDr.に言って欲しい・・・毒多ぁに言われても困ります。
2008年09月20日
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「ビール飲むなって言われました」「殺菌消毒は?」「ステロイド塗ってます」「カビ対策が必要ですね」 生後からアトピー喘息がありステロイド漬けだった35歳の男性。何軒か転院して、やっと半年前に生まれて初めて血液検査したら、IgE:2500、ダニ6、杉5、ビール酵母2、ブドウ球菌2、ピティロスポリウム2、食物マルチ1、でした。 しかし、食事指導の好きな主治医だったようで、「ビール×」「卵も牛乳も×」というような極端な指導+ステロイド塗布で、まったく症状が良くならないので当科を受診しました。 食事制限はせずに、強酸性水+イソジン液で殺菌消毒と抗真菌剤(ニゾラールとラミシール)塗布をしたらどんどん良くなりましたが、半年ぶりの血液検査で、IgE:2900、カビマルチ3、ピティロスポリウム2、ブドウ球菌2、でしたので、ラミシール錠内服を開始したら、すっかりきれいになってしまいました。 ビール酵母は、イースト菌(カビ:Saccharomyces cerevisiae)です。ピティロスポリウムは皮膚に常在するカビです。 したがって、ビール酵母が陽性だからビールを飲んで悪いわけではありません。カビアレルギーを持っているのでカビ対策が必要であるということになります。 カビを増やす最も悪いものはステロイドです。ステロイドの主作用は消炎作用(赤みかゆみを抑える)ですが、副作用は免疫抑制作用(カビ・バイ菌を増やす)です。塗ると上っ面の赤みかゆみは抑えられますが、その裏でカビ・バイ菌が増えます。ステロイドのリバウンドとは、皮膚感染症(カビ・バイ菌)に他なりません。 カビとブドウ球菌は菌毒素(スーパー抗原)を出しますので、他のアレルゲンとは比較にならないほど強力です。カビ・バイ菌対策をせずにステロイド漬けにしていると他の努力は全部チャラです。 カビが陽性なのに食事制限してステロイド塗布なんてピントはずれもいいところです。 えっ?、今はビールはどうしているのかって?、カビ対策をしながら控え目にに飲んで何ともないようです。
2008年09月19日
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「冷え症の肝障害と思うけど・・・」「冷え症はありません」「生理痛で痛み止めとか・・・」「生理痛はありません」「腹証も全然問題ないし」「そういえば昔酒飲んでバファリン!」「それですね」 今年から目の下にクマと肝斑が出て受診した40歳の女性。鼻粘膜と舌が浮腫みっぽいのと腹証でわずかに気うつ・於血・胸脇苦満を認める程度で、便通も生理も順調でした。 肝斑やシミ・ソバカスは冷え症の肝障害ですので、冷え症かどうか聞いたら冷えものぼせもありません。 家族歴やらなんやら聞いてもヒントがありませんでしたが、よくよく聞いたら、10年前頃に、連日深酒をして翌日二日酔いがひどくてバファリンを常用していたとのことでした。 お酒は(東洋医学では)冷える食品にあたります。お酒を飲むと一時的にはアルコールが燃焼して身体が温まったように思えますが、アルコールは血管拡張剤ですので、ラジエーターのようにどんどん芯の熱を逃がします。お酒が切れた後は体が冷えますので、お酒は最終的には冷える食品にあたります(香辛料も同じように発汗した後で冷えるので冷える食品)。 バファリンは解熱鎮痛剤ですので、思いっきり身体を芯から冷やします。 本人の自覚はなくても冷えて肝臓が弱るのが肝斑ですので、桂枝茯苓丸+補中益気湯で様子を見ることとしました。 少し薄くなっているようですが、エステ亀クリとしてはメルスモン(プラセンタエキス)注射も併用する予定です。
2008年09月18日
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「2ヵ月間咳が止まりません」「五虎湯は実証の漢方なので変えますね」「冷え症なんです」「PL顆粒は解熱剤で危険ですよ」「痰がのどに張り付いて切れません」「去痰剤出しておきますね」 乳児期に喘息、10年前から鼻炎のある36歳の女性(HD・杉・ヒノキ・イネ科・ブタクサ・陽性)。近医で五虎湯とPL顆粒とアストミンを処方されておりましたが、見るからに冷え症で夏バテのようです。 喘息は冷え症のアレルギーですので、「冷え」と「汚染」対策が必要です。 もっとも身体を冷やしてよくないのが解熱剤です。解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンを含むPL顆粒は喘息を悪化させます。× 五虎湯は喘息に頻用される漢方ですが、実証の漢方ですので、弱った人(嘘証)には合いません。× アストミンは中枢性の鎮咳剤(咳止め)ですので、病気が治るわけではありません。△ 漢方薬を補中益気湯に変更し、ムコダイン(去痰剤:痰をサラサラに柔らかくする)とダーゼン(消炎酵素剤:痰をバラバラに分解する)内服と念のためにシングレア(喘息の予防薬:ロイコトリエン受容体拮抗剤)を併用したら、すっかり良くなってしまいました。 冷え症の喘息の人は、処方された薬で悪化することがありますので、注意が必要です。
2008年09月17日
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「カンピロバクター腸炎でした」「???」「みんな罹れば食中毒です」「何から来るんですか」「鶏肉が多いですね」「焼肉パーティーしました!」 先月溶連菌感染で全身蕁麻疹が出た5才の女の子。先週39℃の熱と水様下痢10回あって受診しましたが、便培養でカンピロバクター(Campylobacter jejuni)が検出されました。 よくよく聞いたら、前夜に焼肉パーティーをしたとのことでしたが、家族はみんな大丈夫だったとのことです。 9月になったら、涼しくなって、食中毒が激減しましたが、まだちらほら来ます。10人胃腸カゼが来れば1人くらいでしょうか。今月は病原性大腸菌3名(O-74:2名、O-6:1名)、黄色ブドウ球菌2名、カンピロバクター1名です。 病原性大腸菌は牛に多くみられ、カンピロバクターとサルモネラは鶏に多くみられます。 買ってきた食材は、すべて、無菌ではありませんが、少数ならば食べても問題ありません(不二家の事件では厚労省の衛生基準10万個/gを勝手に100万個/gまで基準を緩めて問題になった)。胃酸で殺して腸内細菌叢100兆個で勝てます。胃酸の薄い児や腸内環境の悪い児は発病します。 たとえば、卵を割って溶いて、細菌が何個か居てもすぐに食べれば問題は起きませんが、用事が出来て、数時間放置して、何万個にも培養してから食べれば、発病します。増やすと危険です。 したがって、当たり前の食中毒の注意(古いものは食べない、火を通す、良く洗う、冷蔵庫は過信しない・・・)が、大切です。
2008年09月16日
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「1年前から蕁麻疹が出ます」「鼻炎+扁桃炎ですね」「体力が落ちると出るって言われてます」「感染性の蕁麻疹でしょう」「病原体で蕁麻疹が出るんですか?」「溶連菌(+)です」 1年前から蕁麻疹↑↓を繰り返している4才の男の子。近医で検査も指導もなく「体力が落ちると出る」と説明されて抗ヒスタミン剤のみ処方されているようです。 診たら、鼻粘膜と扁桃腺が真っ赤に腫れておりましたので、感染性の蕁麻疹と思われましたので、溶連菌迅速検査をしたら、陽性でした。 抗生剤内服で良くなりましたが、母が不安を感じておりましたので「食べ物じゃないんですか?」、念のために血液検査をしたら、IgE:19、RASTすべて0でした。 体力が落ちると蕁麻疹が出るということはありません。体力が落ちて○○に反応して蕁麻疹(あるいは○○で蕁麻疹が出て体力も落ちた)ということですので、そのアレルゲンが問題です。 小児の蕁麻疹で最も多いのは感染性のものです(病原体がアレルゲン)。溶連菌、マイコプラズマなどが激しく出ます(スーパー抗原)。 食べ物の場合はすぐにわかります。生まれて初めて食べた、いつも1個しか食べないのに10個食べた。腐っていた。分かります。分からなければ感染性です。 もちろん、アレルギーは複合汚染ですので、食べ物も大切です。「油ものとお菓子は控えめにね」「悪いものほど欲しくなるから好きなものはほどほどね」程度の指導はいたしました。
2008年09月13日
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「最近喘息起きないね」「鼻づまりだけです」「皮膚もきれいだね」「先週脱脂粉乳大丈夫でした」「腸が丈夫になったんだね」 生後からアトピー喘息があり、昨年まで牛乳成分でアナフィラキシーを起こしていた6才の女の子(IgE:780、ダニ6、牛乳5、卵白4、ヤマイモ3、犬3、トマト3)。 昨年までは、ヤクルトやら、野菜ジュースやら、保育園のお菓子やら、アナフィラキシーを起こして頻繁に受診しておりましたが、最近来ないなと思っていたら・・・ 先週保育園で脱脂粉乳入りのカレースナックを間違って出され、食べてしまいましたが、何も起きなかったそうです。 鼻づまりで受診しましたが、皮膚もきれいで喘鳴もなく、とてもアトピー喘息には見えません。乳児期から努力している児は、数値が高くても、みんなきれいです。 来年の小学校入学(最大の難関学校給食)まで、しばらく除去食+インタールは継続していただくこととしました。 母と家族と保育園、協力体制のある児は幸せです。
2008年09月12日
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「きれいになりましたね」「中国のほうがきれいなんですね」「まだまだ日本には追いつけません」 1才頃から全身ガサガサの2才の女の子(血液検査はすべて陰性の隠れ型)。除去食+殺菌消毒で良くなりつつありましたが、今夏1ヵ月ほど中国に里帰りしました。 里帰りの前に、中国に行っても大丈夫か?と聞かれましたので、母の実家はどこか訪ねたら黒竜江省とのことでしたので、OKでした。 中国は汚染大国と言っても、まだまだ世界一の汚染大国日本には追いつけません。北京などの大都会、重慶などの工業地帯など、酷いところは恐ろしいほど酷い汚染ですが、田舎はまだまだきれいです。 汚染ミルク事件などと騒いでも、日本のヒ素ミルク事件(1955)よりも50年も遅れております。 汚染後進国の中国とロシアが、汚染最先進国日本を追い抜くのはもうすぐです。がんばれ日本!ぼやぼやしてると追い抜かれるぞ!
2008年09月11日
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「健診でGPT90でした」「最近調子悪くないですか?」「だるくて体重減ってます」「鼻炎と中耳炎ですね」「血液検査は?」「まず体調良くしてからにしましょう」 市の健診で肝機能障害GPT:90を指摘された35歳の女性。診たら鼻粘膜と鼓膜が赤く、腹証では気うつ・於血・胸脇苦満・小建中湯証でした。 体重減少して倦怠感が強いとのことでしたので、マイコプラズマ感染あたりを疑いましたが(抗生剤必要かも)、薬物アレルギー(クラビット×ムコダイン×)があるとのことでしたので、とりあえず補中益気湯内服としました。 無事症状が良くなってから血液検査をしたら、肝機能は正常(GPT:26)でしたが、IgE:80、ダニ2、杉1、でした。 夏バテ+アレルギー+何か感染、でした。 健診の要検査の書類を持ってこられたら、検査だけするのが、手際の良い開業医の姿です。毒多ぁは説明やら指導が長すぎますので、まだまだ開業医としては初心者と言えるでしょう。
2008年09月10日
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「運動会までに治してください」「喘息って言われてますか?」「何の説明も検査もありません」「喘鳴はないけど鼻粘膜と扁桃腺真っ赤ですね」「マイコプラズマじゃないですか?」「よくご存じですね」「近くの児が点滴1回で良くなったって」「マイコプラズマ抗体(+)です」 2週間前から激しい咳が続いて、近医で喘息の薬(シングレアとホクナリン)をもらっている4才の男の子(母が全く効かないと)。 先週強い胸痛を訴えて受診した3才児(マイコプラズマ陽性点滴1回で改善)の母から知恵をつけられてきたようです。 ご希望通り点滴をしたら良くなってしまいました。もちろんマイコプラズマイムノカード(+)で、IgE:480、ダニ3、HD3、杉2、ミルク1、卵白1でした。 1ヵ月ほど少なかったマイコプラズマがまた増えてきており、毎日1名点滴しております。しかし、アレルギー体質のあまりない児は重症化や長期化はありません。マイコプラズマは菌毒素(スーパー抗原)を出しますので、アレルギー体質の児には強力な病原体です。しかも、細菌とウィルスの中間の構造をしておりますので、あまり抗生剤が効きません。「最後は自力」みたいな病原体です。 そうそう、マイコプラズマの特効薬のミノマイシンが品薄なので、当科でもジェネリックのミノペンに変更しました。
2008年09月09日
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「運転中にめまいがあって停車しました」「鼻炎と中耳炎ですね」「何とかして下さい」「今日はヒスタグロビン注にします」「漢方は同じでいいですか?」「ヒステリーおばさん用に変えます」「・・・」 小児期からのアトピーと喘息は良くなったけれど、更年期症状(ホットフラッシュ)でメルスモン注射と桂枝茯苓丸内服中の45歳の女性(IgE:500、ダニ6、HD5、杉3、蛾2、犬1、稲科0、雑草0)。 鼻粘膜の腫脹充血と鼓膜の経度発赤を認めましたので、鼻炎+過労によるめまいとして鼻炎の注射(ヒスタグロビン+ノイロトロピン)と加味逍遥散に変更したら、良くなりました。 稲科の2回目のピークが過ぎて菊科(ブタクサ・ヨモギ)の花粉症が続々来ておりますが、蛾も秋のアレルゲンですので、蛾が陽性の人も調子が悪いようです。 更年期の駆於血剤(子宮の漢方)では桂枝茯苓丸が一般的ですが、冷え・疲れ・イライラ・不眠・などの症状が伴う場合には加味逍遥散の方が効果的です。 えっ?、ヒステリーおばさん漢方なんて言って良いのかって?、わかりやす過ぎて、みんから顰蹙をかってます。
2008年09月08日
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「運転中めまいがあります」「鼻炎と扁桃炎と中耳炎ですね」「貧血とメニエルって言われてます」「貧血治ってますね」 今春から、毎日、午前中ふわっとして、めまいと倦怠のある43歳の女性。近医で貧血+メニエルとして加療しておりましたが、良くならないとして受診しました。 鼻粘膜が赤く腫れて、鼓膜と咽頭扁桃も発赤を認めましたので、鼻炎+扁桃炎+中耳炎と思われました。腹証では冷えのぼせ気うつ於血の体質でしたので、冷えのぼせ対策とアレルギー対策が必要と思われましたが、貧血の血液検査のみ希望されました。 よく聞いたらエビ・サバで痒くなることがあり、児がソバアレルギーでしたので、アレルギー検査もお願いしたらIgE:78、杉4、イネ科1、ダニ1(貧血なし)でした。 今のところは抗アレルギー剤内服だけで何とかなっておりますが(イネ科ももうすぐ終わるしね)、いずれ漢方薬(駆於血剤)もお勧めする予定です(今回は断られたけどね)。
2008年09月06日
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「26400に上がってますね」「下がってないんですか?」「上がるのが普通です」 乳児期からステロイドを塗っている全身アトピーの24歳の男性。1年前に外来受診してステロイド離脱し症状も改善しつつありましたが、1年ぶりの血液検査は上昇しておりました(IgE:26400、イネ科6、カビ4、杉4、ダニ4、カボチャ4、ブドウ球菌3、雑草3、タマネギ3、牛肉2、ミルク1)。 23歳でIgE:17300(イネ科6、カビ4、ブドウ球菌4、ダニ3、杉3、ジャガイモ3、雑草3、胡麻3、ソバ3、小麦3、米2、キウィ2、イチゴ2、大豆2、リンゴ2)ということは、生まれた時をゼロとした直線グラフの単純計算でいえば1年間に730上昇していたということになります。しかし、生まれて初めての検査のIgEが、去年も今年も来年も17300なのか、昨年は5000だったのがぐんぐん上昇している17300なのか、昨年は20000だったのが努力し下がりつつある17300なのかは分かりません。 したがって、検査値が高い場合は2ポイントやって初めて意味を持ちますので、1年間あける意味はありません。 昨年から9100も上昇しておりますので、単純計算で行けば2年前はゼロだったことになります。つまり、1年前(23歳)の1gE:17300は、ぐんぐん上昇している17300だったのでした。 当科最高記録のIgE:10万を更新しないことを願うばかりです。 えっ?数値が高いと指導は違うのかって?、数値が高くても低くても指導は同じです「上昇しないように食い止めてね」気合いの入り方が違うだけです。
2008年09月05日
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「殺菌消毒してください」「覆った方がいいですか?」「どちらでもいいです」「・・・」「その時の都合でいいです」 生後3ヵ月から全身アトピーでステロイド塗布している生後5ヵ月の男の子。良くならないとして受診しましたが、ノドもハナも真っ赤で、黄色ブドウ球菌を検出しました。 どうやらアトピーにステロイド(免疫抑制剤)を連用してブドウ球菌だらけにしてしまったようです。 抗生剤内服と殺菌消毒と除去食+インタールで徐々に良くなりつつありますが(IgE:88、チーズ2、ミルク2、卵白2)、皮膚感染症・ジクジク↑↓を繰り返しております。 アトピー+ステロイドには皮膚感染症はつきものですので、創傷処置が必要ですが、覆うのが良いか、覆わないのが良いかは、議論の分かれるところです。 医療は不安の上に成り立ちますので、誰かが「心配」と言った時点で医療が発生します。 児が「助けてお母さん」と言ったら当然医療が必要です。児が「大丈夫」と言っても母が不安を感じたら医療です。親子で大丈夫と思ってもジジババが騒いだら医療です。一家全員大丈夫と思っても町内会と保育園が騒いだら医療が発生します。 医療は社会とのお付き合いですので、創傷処置も、昼は傷口を乾かすために開けておくが夜は布団にすれるのでガーゼを巻いておく、昼は婆ちゃんがうるさいので覆っておくが夜は誰もうるさくないので開けておく、というようにその時の都合で結構です。 黄色ブドウ球菌は菌毒素(スーパー抗原)を出しますので、ジクジクを放置するのは危険ですが、感染対策さえきちんとされていればOKです。
2008年09月04日
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「汗と日光と土ですね」「卵も肉も食べるなって言われたんや」「食事も普通で内服は必要ありません」 70歳過ぎてから手が荒れ始めた80歳の農家の女性(IgE:3、RASTすべて0)。毎年夏に悪化しておりましたが、1年前から、主治医から食事制限を厳重に指導され、さらに悪化して、当科を受診しました。 当科でも、乳幼児には除去食の指導をしますが、80歳の農婦に除去食が必要とは思われません。農作業で夏悪化したら、当然、汗と日光と土(農薬)を避ける(よく落とす)ことが大切です。手袋をして、農作業の合間にこまめに拭いてうがいをして、内服は全部やめて、強酸性水消毒をして、軟膏を弱くしたら・・・ 2週間後に再診したら、すっかりきれいになっておりました。 アレルギーは複合汚染です。いろいろな原因が重なって起きますので、全部ほどほどで、一番大きな原因、一番やりやすいところから手をつけていくのが基本です。 明らかな食物アレルギーもないのに、80歳の農婦に食事制限の指導をして、合わない軟膏を塗っていたら、悪化しても当たり前です。
2008年09月03日
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「メロン狩りに行ったら蕁麻疹が出ました」「鼻粘膜と扁桃腺真っ赤です」「メロンは陰性でした」「感染性の蕁麻疹でしょう」「検査してください!」 先週隣県のG町までメロン狩りに行った6才の男の子。全身に蕁麻疹が出て、近医で血液検査をしてもメロン陰性で(IgE:200、牛乳1、ダニ、卵白、ピーナッツ、メロン、イネ科、雑草0)、内服しても軟膏を塗っても良くならないとして当科を受診しました。 鼻粘膜と咽頭扁桃が真っ赤でしたので、感染性の蕁麻疹として説明を始めましたが、血液検査がご希望でしたので、当科でも行いました(IgE:170、カビ、杉、HD、小麦、ゴマ、ソバ、大豆、エビ、ジャガイモ、イカ、バナナ、ブドウ球菌、すべて0)。 蕁麻疹で最も多いのは感染性のもの(病原体がアレルゲン)です。食べ物の場合は「あ、あれだ」分かります。生まれて初めて食べた、いつも1個しか食べないのに10個食べた。腐っていた。分かります。不明な場合は感染性のものです(溶連菌、マイコプラズマ、夏カゼのエンテロウィルスなど)。 アレルギーは複合汚染ですので、隠れ型のアレルギー+メロン狩り(疲れ?メロン畑の○○?)+最後のダメ押しが夏カゼ?、でしょうか? えっ?、病原体は何だったのかって?、ご希望がありませんでしたので、溶連菌などの検査は行わずに、適当に抗生剤処方致しました。
2008年09月02日
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「久しぶりですね」「手袋をすると手がガサガサになります」「ラテックス・フルーツかも?」「イソジンとバンドエイドが合いません」「CSかも?携帯は?」「頭痛します」「ESもあるかも?」 手荒れでガサガサの18才の女の子。5年前、中学校1年の時、朝食後に部活の朝練で花粉の中を疾走してぶっ倒れて運動誘発性アナフィラキシー(EIA:Exercise induced anaphylaxis)を起こし、アトピー体質が分かりました。IgE:1200、ダニ5、HD5、杉3、猫3、イネ科2、蛾2、犬2、ブタクサ1、ヨモギ1、兎1、グレープフルーツ1、エビ1、トウモロコシ1、バナナ1。 その後果物で口腔アレルギー症候群(OAS:Oral allergy syndrome)も発症しましたが、努力したら、症状が良くなって、来なくなりました。 最近、家の手伝いでゴム手袋をしたら、手荒れがひどくなって、久しぶりに受診しましたので、ラテックス・フルーツ症候群を疑って血液検査をしましたが・・・ はずれでした。IgE:300に低下し、ダニ4、HD3、以外は全部陰性になっておりました◎ よくよく聞いたら、イソジン液が合わなく、強酸性水もイマイチ、バンドエイドでかぶれるそうです。そのほかにもタバコもあれもこれも×、どうやら化学物質過敏症(CS:Chemical sensitivity)が始まっていそうです。 もっとよく聞いたら携帯電話で頭痛があるとのことで電磁波過敏症(ES:Electrical sensitivity)まで疑われました。 中毒はg単位の毒物、アレルギーはmg単位のアレルゲン・汚染物質・炎症性物質で起こりますが、化学物質過敏症はpg,ng,単位の極々微量の化学物質に反応します。 CSやESの人は、いきなりCSやESになるわけではありません。小児期からのアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎などのときに(軽症でも)、何年もかけて解毒能力のバケツをイッパイにすると、最終的には極微量のものに反応するようになりますので、遠回りのようでもアトピーや喘息の人と同じような地道な努力が必要です。
2008年09月01日
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