変わったお客様3

変わったお客様・その3


これは私がキャッシャーだったある日、 のろのろと仕事をこなしていた夜の出来事です。 ある50代前後のオーストラリア男性が私の方に向ってきました。


お客様  「君、どっから来たの?」           

 「出身は日本です。」

お客様  「じゃあ、日本の歌、何でもいいから歌える? ちょっとここで歌ってみてよ。」

 「えっ、今ここでですか?」( ̄。 ̄;)

(フロントまんまん中にいる私、そんなところで歌えるような雰囲気の場所ではないのです。 とっさに思った私は・・・・)

 「日本を離れて長いですからねー、曲調は覚えていますが歌詞のほうはどうも・・・。」と言うと

お客様  「歌えないって事は日本からじゃないでしょう。」 (目が本気・・(・・、))

 「いえ、本当に日本からなんですよ。」

お客様  「いや、日本の歌が歌えないんじゃ信じられないなー。」(まだ目が本気・・(・・、))

お客様 「僕だってちゃんと日本の歌はうたえるぞ。一緒に歌おう!」

と言うと、綺麗な日本語で「さくら」を歌いだしたのです。完璧に最後まで。「二番も歌えるぞ」と二番突入。なんなんだこのオジサン。通りがかったお客様方はジロジロこっちを見てるし。 助けてー。(; ;)


お客様  「君、何で歌えないいんだね。」

我に帰った私。とっさに

 「そっ、そうですね。この国には長いので半分オーストラリア人化したといいますか・・・。」下手なうそである。

お客様  「じゃ、こっちの歌を歌ってみてくれ。」

このお客様はどうしても歌わない限り離してくれそうにも無いと思い、小さな声で「ウオルチィング・マチルダ」をちょっとだけ歌いました。

お客様  「本当にオーストラリア人化しとるのー。」


お客様、ちょっと感心した風に嬉しそうに去っていきました。何だったんだ。(T^T) その直後マネージャー登場。

マネージャー 「何があったんだ?」と緊張した顔つきで聞いてくる始末。

 「歌を歌わさせられましたぁ。」(>。<)

マネージャー 「何も失礼は無かっただろうねっ。」(-。-;)

「何でですか?」 (’’;)

マネージャー 「あの人知らないのか? ○○氏じゃないか。」

そっか、どっかで見たことあると思ったら かつて、アン○ット航空が極地に陥ったときそれを救おうと、その航空会社を買った2人のうちの1人だったのです。 あの頃随分ニュースでも騒がれてたのを思い出しました。 すごい人なのになぜ私に歌を歌わせる!? ( ̄□ ̄;)!!



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