MOOMIN KINGDOM 2

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1・4 彼女との出会い

翌日僕は保護された人達のいる施設へ行った。

とりあえず誰かに会って話をしてみたいと思ったのだ。

「こんなところで保護されてるんだぁ・・・」

施設の外観は特に変わった印象は受けなかった。

でも中に入ってみるとひどいざまだ。

コンクリートはむき出し、部屋のしきりはあるのだが、入り口にはドアがない。

入り口には一応カーテンがしてある。

まだ名前は全て書ききられていないようだ。

それもそうだろう。

2日前に保護された(というより拘束された)この人達からそれぞれ情報を得るのは大変すぎる。

とりあえず誰かに声をかけてみよう。

僕はそんな事を考えながら施設内のコミュニティールームと呼ばれる談話室で誰かが来るのを待っていた。

すると一人の8歳くらいの女の子がやってきた。

よし、ちょっと声をかけてみよう。

「ねぇ、君。」

こんな感じでいいのかな??

「はい・・・」

やっぱりテンション低いんだな。

「あっお兄ちゃんそこどいた方がいいよ。」

「えっなんで??」

「はやく!!」

僕は言われるがままに席を立った。

その時

(ガシャーン!!)

振り向くとそこにコンクリートの破片が落ちている。

上を見ると天井が抜け落ちている。

なんなんだ、これは・・・。

「君、なんで分かったの・・・?」

「分かんないけどそんな気がしたんだ。」

どういうことだ・・・夢かこれは・・・

この子、絶対調査しなければ!!

「ねぇ君、今お兄ちゃんとお話する時間ある?」

「大丈夫だよ。」

「じゃあさ、名前聞かせてくれる?あっ僕は大河雅人っていうんだ。」

「まさとお兄ちゃんだね。わたしは遙。沢下遙。」

「遙ちゃん今ここにいて楽しい?」

「う~ん・・・あんまりかな。家に帰りたい。」

「家はどこなの?」

「分からない。今だって2007年なんでしょ?私1994年だと思ってたもの。」

「どういうこと?」

「私ね・・・(次話へ)」


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