☆煩悩注意報☆

☆煩悩注意報☆

2004年02月06日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
*軽いヤオイ(男同士)を含みますので、お嫌いな方は見ないようお願いします。

わがままな微熱

外は久しぶりに晴れて
南向きの部屋のカーテンの僅かな隙間からは
眩しすぎる光が僕の目を突き刺してくる
こんな誰もがウキウキする様な日なのに
僕は風邪をひいて布団の中でうずくまっていた

この前の大雪の日に
嫌がるあいつの手を無理矢理引っ張って

僕は雪の中を転げ回っていた
何年かぶりの大雪に
まるで動物園の白クマやペンギンの様に
はしゃぎまくっていた

「風邪ひくから帰ろう」

何度もあいつがそう言っていたのに
ムッとしているあいつに向かって
僕は雪玉を投げ続けた

案の定僕は風邪をひいた
これでもう5日も熱が下がらない
そしてあいつからの連絡も途絶えた

熱が下がるのを拒否し続けるかのように
いつまでも火照ったままでいた

布団の中でじっと寝ていても
怒ったあいつの顔が頭に浮かんできて
辛くて辛くて

その涙に日の光が突き刺して
僕はもう
僕の何もかもが壊れてしまう様な気がした

その時僕の部屋のドアが開く音がした

「やっぱり熱出してたか 俺も風邪ひいちゃってさ」
あいつはいきなり部屋に入ってきてそう言うと
外を歩いてきて冷たくなったその大きな手で
僕の火照った顔をやさしく包んで冷やしてくれた
そしてコートを脱ぎそれを放り投げると
布団の中に入ってきて
熱のある僕の体をぎゅっと抱きしめてくれた

「風邪移るよ」

僕が熱と涙でぐしゃぐしゃの顔でそう言うと

「今度はここで寝込むからいいよ」

そう言って優しく微笑んで僕の頭を撫でた

わがままな僕の体は
あいつが来た途端嘘の様に熱が退いていった
だけどわがままな僕の心は
まだまだこうして甘えていたいって訴えていた

これでもかって程わがままな僕をいつも抱きしめてくれる
僕はそんなあいつが好きで好きでたまらない
僕のわがままに効く唯一の特効薬のあいつのことが

しあわせな温もりで満たされた布団の中で
あいつの胸の鼓動を聞きながら
そう感じて何時しか僕は安らかな眠りに落ちていくのだった





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最終更新日  2004年02月06日 21時26分45秒
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