ル三パン世のつぶやき

ル三パン世のつぶやき

事情聴取



私がガンジャ(マリファナ)を始めて吸ったのは、ロンドンで通っていたスクールのティーチャー宅でのパーティーだった。

よく覚せい剤とマリファナを同じように扱って議論している人をみるが、この二つは全く別ものだ。

私は覚せい剤は断固反対だが、ガンジャは愛用していた。

覚せい剤と違い常用性や中毒性はない。
むしろタバコのほうが中毒性があるのではなかろうか。
喉に悪いのもタバコだ。
その証拠に、紙巻にしてタバコの葉っぱとガンジャを混ぜて吸うとタバコを吸ったことがない人は必ず咳き込む。

~正しいガンジャの吸い方講座~
1、まずタバコのように肺の奥まで吸い込もう
2、はい、ここで息を止めて
3、数秒間、肺の中に溜めよう
4、ゆーっくりと吐き出そう。ほうら気持ちいい

しかし、タバコを吸ったことがないと咳き込んでしまい肺に溜めることができないのだ。
100%ガンジャを吸うと全く咳き込まない。
つまり喉に悪いのは、タバコの葉だ。

タバコよりも体に悪くないにもかかわらず、なぜ違法かというと(合法な国も数多くある)これを合法にしてしまうと世界経済のバランスが大きく傾いてしまうのだ。

それほど「売れる」のだ。
事実日本でも「ガンジャ合法」に反対しているのはタバコ産業とお酒業界にすぎない。

ちなみに私も健康には気を使っているので(?)ガンジャを吸うときは喉に悪くないようにシルバーのカード型携帯用パイプを使っていた。
これは煙がシルバーの中を通過するときに冷えて喉に優しいのだ。
丸洗いもできて清潔なうえに、フィルターを通さないのでよく効く。

または水パイプを使用する。
今ではペットボトルとストロー、アルミホイルがあれば、「できるかな」のノッポさん気分で「簡易水パイプ」を作れるようになった。

私はアルコールが全く飲めないので、お酒に酔った感覚との比較はできないが普段より少しだけ一歩前に浮いた感じだ。
ほんの少し浮いた感じなだけで、そんなに体に悪いものではない。

ただ、周りでしゃべる友人の言葉が「音的」に聞こえることがある。
神経がものすごく研ぎ澄まされた感がある。
音楽を聴いても普段耳に残らない細かな楽器の音まで聞こえるのだ。

集中力が増すのかもしれない。
ガンジャを吸ってSEXをすると気持ちがいいのも集中力が増しているからか。

確かに安物は頭が痛くなったりするが、私はマンチェスターの友人から仕入れていた。
ロンドンで買うよりも4割ほど安い。
イギリスでは個人で消費する量であれば所持していても罪にはならない。

しかし、ここは取調室だ。
そんなものが出てくれば面倒なことになるのは目に見えている。


1998年3月14日
午前0:00
~取調室

「カード型のパイプじゃねえか」

このポリスは明らかにマリファナ用携帯型パイプを知っていた。

ここで私に要求されるのは、
「うそぉぉぉ!?
カード型のアクセサリーと思って買ったものがマリファナ用のパイプだったなんてぇぇぇ!?
しかもこんなときに発覚するなんて、なんて俺は運が悪いんだぁぁぁぁあ!
オーマイガッ!」
という演技だ。

私は懇親の演技力でこの場を乗り切ることにした。

軽く首を振り、空をあおぎながら頭を抱え込む・・・・・私の演技がきいたのか、なんとかそれ以上は言及されずにすんだ。

取調べが続き何十枚の書類にサインをしただろうか。


午前1:20

「弁護士は呼ぶかい?」
しかし、手持ちのお金は空港で全部使いきった後だ。
私の所持金は日本円にしてわずか・・・・・24円。

「お金がない」
「大丈夫、誰にでも弁護士を雇う権利がある。国選弁護人を呼ぼうか」

タダで弁護してくれるとは凄い。
国選弁護人・・・・・オウムの裁判もそうだったのを思い出した。

弁護士が到着するまでの間、両手の全指紋を採取された。
その後、写真を撮られる。

「T2063060××」と描かれたボードを胸の前に抱え、正面からパシャ。
横を向いてパシャ。
反対側を向いてパシャ。

気分はユージュアル・サスペクツだ。

深夜ということもあり弁護士の到着に時間がかかるため、独房に入れられることになった。

そこで、私を待ち受けていたものは!!

午前2:10
・・・・to be continued.


★第三章『独房』★



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