愛いっぱい 介護生活の便利な介護グッズ♪♪アンチ寝たきり byホームヘルパー愛

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ボケが治る?音楽療法~歌う


「せん妄が治った!」

痴呆の症状に効果をもたらす「音楽療法」が、注目を集めています。無表情な顔に喜怒哀楽が生まれたり、会話が増えたりといった効果ばかりではありません。寝たきり防止や、難聴治療にも活用される、というのですからびっくり。いったい、音楽療法にはなぜこのような効力があるのでしょう。その医学的バックボーンについて、財団法人東京ミュージック・ボランティア協会理事長 赤星多賀子さんにお話を伺いました!


■□赤星多賀子理事長
さくらふぶきの素材小屋





「財団法人東京ミュージック・ボランティア協会は、1971年に活動を開始、1977年に公益法人として発足した、日本における音楽療法のパイオニア。障害児や痴呆のお年寄り向けに療育音楽(音楽療法)を実践、全国で啓発活動を続けており、すでに700以上の介護施設がそのプログラムを取り入れています。その活動はNHK、ラジオ、新聞など各種マスメディアでもたびたび取り上げられてきました。


音楽療法の効果を検証!

―痴呆症状が改善されるということですが
定期的におこなうことで、かなり効果が期待できることがわかっています。99年に老健の高齢者を対象に実施した調査(国立精神神経センターと同協会の共同研究事業における)によれば、週に3日、音楽療法をおこなったところ、「徘徊」「睡眠障害」などの症状に悩むお年より15人のうち、14人に改善が見られたそうです。わたしたちの音楽療法を受けておられるお年寄りの中にも、実際、よくなられた方が大勢いらっしゃるんですよ。


―いったいなぜ、音楽療法は痴呆に効き目があるのでしょう
プログラムでは、歌いながらリズムに合わせ、手や指を動かすため、振りつけしたり、楽器を使ったりする工夫をしています。指先や手首、身体の動きによって脳の神経細胞が刺激されるわけですね。
また、昼間、こうしたケアをおこなうことで、乱れたサーカディアンリズムが正しくなります。昼間、眠ってしまうお年よりは、夜、なかなか寝付けずに、徘徊したり、せん妄に陥るケースが多いのですが、こうした現象は、昼間の活動によって防ぐことができます。
サーカディアンリズム・・・生体に内在する、毎日のリズム。


―痴呆症状は昼間の過ごし方で起こることも多いのですね
痴呆の原因としては、「アルツハイマー」と「脳血管障害」という、2つの病気があることが知られていますね。でも実際には、無気力状態から寝たきりとなり、会話や表情を失っていくという「病因なき痴呆症状」も多いのです。こうした方々の場合はとくに、音楽療法がよい刺激となり、改善につながりやすいようです。


■□音楽療法によって痴呆症状が軽くなる理由
指先や手、身体を動かす→脳の神経細胞を刺激
日中に心身機能を活性化する→サーカディアンリズムが戻る




ADL向上にも効き目あり

―身体面での効果にはどのようなものがありますか
プログラムでは、胸式や腹式呼吸によって肺活量を増やし、大きな声で発声してもらいます。そうすることによって、体内に酸素を大量に取り入れられる一方、炭酸ガスが排出されますので、内蔵機能が高まり、血行もよくなります。


―有酸素運動は身体だけでなく、精神面にもよい効果がありますね。脳内ホルモンが活性化されて、抑うつ症状が改善されるとか・・・
また、手指を使うことで、関節が柔軟になるんです。これはADL(日常生活動作)を維持するうえでとても大切なこと。それに身体のバランスをとりながらリズムを刻んでいると、座位が保てるようにもなります。上半身を揺らすときは、どうしても足を踏ん張りますから。


■□音楽療法が身体に及ぼす効果
胸式・腹式呼吸をおこなう→内蔵機能が向上し、血行が促進 手指を使う→関節が柔軟になり、ADLが向上(維持)
身体のバランスをとる→座位が保てる




―好きな歌を歌って爽快な気分になることや、自己表現できることも、おおいに関係しているのでしょうね。難聴の人の場合にも効果はありますか
110デシベルでやっと聴こえるという、難聴の赤ちゃんに音楽療法をおこなったところ、3ヶ月で70デシベルにまで改善されたという事例があります。音の振動に対する感覚をトレーニングすることによって、聴覚能力が向上したためでしょう。お年寄りにも十分、効果は期待できます。耳の不自由なお年寄りに音楽療法をおこなう場合は、低めの音を強調した演奏を心がけ、キーを低めに設定すれば、振動が骨に伝わり、音も聴き取りやすくなります。
デシベル・・・音の大きさを表す単位。健常者が聴き取れる最低水準は約60デシベル



第二次世界大戦後のアメリカで、戦地から戻った軍人向けにおこなわれるようになった、という音楽療法。日本ではどこでどのように行われているか、まだまだ一般的に知られるにはいたっていませんが、手軽にできる療法として、もっと広がってほしいものですね。

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