眠るまで


『眠るまで』

夜更け、冷えた身体で 床に入り
重い寝具を 肩まですっぽりと 掛ける
正面には、光を失ったまるい蛍光灯
薄明かりの中 
しんとした部屋のあちこちに目をやる
目の行く先は
必ず最後には 蛍光灯の中の小さい光
眠るまでの考え事には
この小さな光を見ながらがいい
心の中の自分と会話をゆっくりと楽しめる

会話が途切れたら・・・
やわらかい光にほんのり照らし出された
ずっと以前から置き去りになっている
タンスの上のガラスケースの人形に語りかける
そして、また・・・
やさし小さい光を見つめる
心の中の自分が今度は語りかけてくる
心地よく体が温まってくる
心も温まってきた
睡魔がいつしか瞼を閉じさせる
今夜もやさしい光に包まれて・・・・


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