青みがかったトーンの街並は、寒々とした冬のウィーン。とあるホテルで、かつてのナチの将校と収容所にいたユダヤの女性が再会するところから物語は始まる。 オペラ「魔笛」の旋律が随所に流れる。 元ナチス親衛隊員だったマックス(ダーグ・ボガード)は、告発から逃れるための秘密組織のメンバーであり、ホテルの夜勤のポーターとして働いていた(原題は『The Night Porter』)。一方、ユダヤの美少女ルチア(シャーロット・ランプリング)は、マックスにユダヤ人収容所でサディスティックで偏執的な愛情を受けていた。