ニッポンとアメリカの「隙間」で、もがく。

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医療チーム



Diabetes(糖尿病)チーム
医師 4名
看護婦 2名
栄養士 2名

Obstetrics(産科)チーム
医師 1名
看護婦 1名

そのほかにソーシャルワーカーもいる。

糖尿病チームの医師は、普段の糖尿病の主治医とは異なる。
妊娠を希望すると、普段の糖尿病の主治医の診察はお休みとなり、
糖尿病チームの医師に担当が変わる。
妊娠を希望する3ヶ月前から、この担当医の下に
食前95以下食後120以下の血糖値を目標とし
HbA1cを5.9%以下にする治療が始まる。
月に一度、血糖値の記録を持って担当医の診察を受ける。
5.9%以下になると妊娠許可が出て、妊娠するまで同じく月に一度の診察が続く。
妊娠後も同じく月に一度、血糖値の記録を持って担当医の診察を受け、
必要に応じてインスリン量の変更の指示を受ける。

妊娠前、妊娠中期に栄養士の指導を受ける。
妊娠前はこれまでの食事内容の確認、
妊娠中期には体重管理、カルシウムなど妊娠に必要な栄養素が取れているかの確認。

このチームの中には特記されていないが、眼科検診ももちろんある。
妊娠前に1回、妊娠中は3ヶ月ごとに眼底検査を受ける。

産科チームの医師は、1人で糖尿病妊婦患者を一気に請け負っているから
とにかく忙しくて、特に問題がなければ、ものの5分ぐらいしか診察してくれない。
でも、それは入院体験記にも書いたように、トラブルがないということなのだ。
この医師が15分以上も診察を始めたら、それは妊娠・出産にリスクが伴っているということで
あまり喜ばしいことではないのだ。
糖尿病についての知識はもちろんあるが、糖尿病の管理そのものについては
糖尿病チームの医師に任せている。

この、やたらと忙しい医師の文字通り右腕となっているのが
産科チームのおばあちゃん看護婦さん。
この看護婦さんも糖尿病妊婦患者専門。
よくも悪くも理論的で無駄がなく、時には冷淡な印象を与えがちな医師を
このおばあちゃん看護婦が温かい人柄でうまく補っているという感じで、
そういう意味では、この2人は絶妙なバランスのとれたチームだと思った。

妊娠初期と中期のあいだに、妊娠のストレスなどで
少々ウツっぽくなってしまい、診察時に医師に伝えたところ
ソーシャルワーカーを紹介してくれた。
カウンセリングを受けることなど初めてで、あまり期待してはいなかったのだが、
2回のセッションは非常に有効だった。

このように、妊娠中の
糖尿病の管理については「糖尿病チーム」
産科の領域については「産科チーム」
心の問題については「ソーシャルワーカー」
と専門と責任範囲が分かれているが、
チーム間はお互いをよく知っておりカルテも共通で
しかも誰に会っても糖尿病の専門であるから話も通じやすく
患者にとっては大きな安心となっていた。

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