小説2


単にお互いの気持ちをまだ確かめ合って無いだけで普通の恋人同士と言えた。彼
女も仕事を覚え始め研修が始まってから二週間が過ぎようとして居たある日周り
からのクレームが出始めていた。私のえこひいきでは無いか?職務怠慢で主任の
役目を果たしていないでは無いかなどの声だった。私は通常の業務として新装開
店における営業企画や顧客管理など事務的な仕事をこなさなければいけない立場
だった。それをこの二週間の間手を抜いていたのが周りからのクレームとなって
居た。そろそろホールに出る事も限界にきて居たがお互いに気持ちを伝えられず
時間だけが過ぎていた。そんな時に私は彼女にさりげなく誕生日を聞いて見た。
。「岡村は誕生日っていつなの?」…ホール側を向いて私は目を合わす事なくさ
りげなく聞いた。「もう終わっちゃったんですよねー」(笑)…「そっか。もしか
して別れた彼氏に祝って貰ったとか?」(笑)…‥しばらく苦笑いして居るとスロ
ットコーナーのランプが付く私は彼女に目で合図を送る。すると少し足早に点滅
してる台へと向かった。
彼女は作業を終えて戻って来ると少しすねた声で…「誕生日なんて誰も覚えて無
くてサッと過ぎてきましたよ。」と言った…「そっかで?いつだったの?」…「
9月4日」…ホールが少し賑やかになりとぎれとぎれながら会話は続いた。私は
思い切ってデートの誘いを切り出して見た。「明日さぁー予定あるの?」…「明
日とかって言うよりいつも暇してますよ。」(笑)…彼女は少し戸惑いながら私の
目を眺める様に笑って居て私はその目をそらした。「明日さぁー20日遅れの誕
生日を祝ってやるよ。」…「本当ですか?またまたそんな事言って喜ばして置い
て嘘とか言うんでしょ?」…のぞき込む様に私の目を見る「マジだってイヤなら
いいけどね。どーする?」…私は相手に伝わるのではと思うぐらい心臓がバクバ
クとしていた。少し不機嫌そうな顔をしてホールに目を向ける。彼女はランプを
追ってお客の対応をして居た。戻って来た彼女は顔を赤らめて恥ずかしそうに一
言「じゃー明日は楽しみにしてますね。」と言ったまま口を閉じてしまった。私
は身体の力が抜けて行くのがリアルにわかった。足がふるえ腰が抜けた様な気分
で手も震えて居た。もー遠い昔に忘れ
て来た感覚だった。その後彼女とどう接したらいいか分からず。就労時間が終わ
った。その日は早番で夕方五時までだったが私の場合はそれからしばらく主任と
しての職務が待って居た。私は明日の事を考えて今日中にある程度の仕事を終わ
らせ班長の斉藤に明日の事を打ち明けた。「あのさー明日なんだけど俺定時であ
がっていいかな?」…「うーん。いいんじゃないっすか?なんか用事でもあるん
すか?」…

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