9


夏だというのに長い髪を腰までたらしている。
日焼けなどしたことないような肌は彼女にとても似合っていた。
今にも倒れそうな足取りで、ふらふらしている。
疲れたのか、手を額にあてて、立ち止まった。
次の瞬間、彼女の意識は途絶えたのだった。

「なんで謝ってくれないんだ?俺が嫌いなのかよ!?」
「何、今更言ってるんだ?」
「うわぁー。こんな奴だよな!騙されたぜ!」
充は拳を握り締め、殴り飛したいのをぐっとこらえていた。
が、稜は素知らぬ顔で追い打ちをかけた。
「騙してないだろ。お前の勘違いだ。
 バカじゃないのか?その区別もつかないなんて。
 どうかしてるぞ。それに今から体育だっつのに、体力おとさせんじゃねえよ。
 俺はお前と違って、バカな方向に体力使いたくないんだ。」
ふるふると肩がふるえているが、必死に我慢しようとしている充だが・・・。
キレたのだった。
「やっぱお前ってムカツクやつ」
だと言いかけたが、稜によって遮られた。
「おい!大丈夫か!?」
「大丈夫だぜ?」
お前じゃない!と言い捨てて走って行った。
むっとしながらも充は稜が走って行った方を目で追った。
そして、素早く状況を把握すると充も走って稜に駆け寄ったのだった。

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