E★C★E ♪アメリカ幼児教育とゆかいな子供たち♪

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奇跡のファエロ


生まれてくるときに、脳にまで酸素が回らなかったのが原因だと聞いた。

初めて彼を見たのは私がEarly Head Startで働いていたときの事だ。
彼は両足に歩行強制ギブスのような物をつけており、更に車つきの歩行器を使っていた。
それでもどうにか前に進める、といった感じで誰かの助けがなければそのまま床に倒れこんでしまうほどのものだった。
私も何度も彼のひっくり返る姿を見ており、彼の世話をする時はいつも気が気でなかった。

また彼は、言葉を話すこともできなかったため、よく彼の言いたい事を理解してあげる事ができずもどかしい思いもしたりした。

彼に付いていた専門家は、彼はもはや歩く事も話すこともほとんど不可能であろうと言っていた。
しかしそんな彼に奇跡が起こったのだ。

それは私が夏休みを日本で過ごし、また次の学期にここに戻ってきた時のこと。
今まで何をやっても自分で歩く事はもちろん、立ち上がることさえできなかったファエロが、
歩行器具を両足につけたまま、自分の力で立ち上がることができるようになっていたのだ。
更にはその後、数歩歩く事まで可能になっていたのだ。

そして月日は流れ、いつのまにか彼は歩行器具も何も使わずに、自分の足で座ったり立ったり、
不安定ながらも長距離を自分の行きたい方向に歩く事ができるようにまでなった。
また更に、sign language(手話)を使って私たちとたくさん会話ができるようになったのだ。

これにはみんなびっくりしていた。

しかしファエロはもともと頭の良い子で、私たちが彼の言いたい事を理解できなくても
彼は私たちの言ってる事を全て理解できていたのだ。
そして、そんな彼を決して甘やかさず普通の子と同じように接してきた先生たちのお蔭で
彼はここまで成長する事ができたのだと思う。




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