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John Steinbeck


John Steinbeck、初版、1939年
怒りの葡萄、上巻 2015年新訳

1930年代のアメリカ、大恐慌時代
オクラホマなどでダストボウル
砂嵐で農地がダメになり、借金で土地を失い
トラクターなどの機械化で農場での働き口も失い
多くの人が家財道具を売り中古車を買い
route66をたどりロッキーを越え
希望を求めてカリフォルニアに向かった
そんな実際にあった出来事を小説にしたものです

The Grapes of warth、怒りの葡萄

どうしてそんなタイトルなのだろうと
子供の頃、思っていましたが
たまたまオクラホマのタルサで録音した
Taj Mahalのアルバムを聞いたのですが
タルサ、作中にも出てきますがroute66が通る街で
ダストボウルを歌った
ウディ・ガスリー・センターがあるそうです

ウディ・ガスリー
確かボブ・ディランがノーベル賞受賞講演に
代えて寄せたメッセージで
聞くようにと言ったミュージシャンで
ウディ・ガスリー・センターに隣接して
ボブ・ディラン・センターもあるそうです

小説では土地を失ったジョード一家が
希望と不安を胸に旅に出るのですが
旅の過酷さの中、お母さんが必死に家族を支えたり
自分たちも困っている中
旅で一緒になったウィルソン夫婦が手を差し伸べたり
ジョード一家と当時の様子が作者の目でつづられていて
当時の社会や当時の人がどういう気持ちだったのか
それがよくわかるような感じで
さすがにピューリッツア賞を受賞した
今にも通じるものがあると思える名作です

当時の事情をある程度知ってから読んだ方が
この小説の率直さや深さが
より、わかりやすいかもしれません
  26・1・30・FRI
・・The Grapes of warth
John Steinbeck、初版、1939年
怒りの葡萄、下巻 2015年新訳

何とかカリフォルニアにたどり着いた
農夫のジョード一家ですが、そこで待っていたのは
旅の苦労などまだ可愛らしいような現実で

当時のカリフォルニアの農業
季節労働者に頼っていたそうですが
その働き口の何倍もの何十万という人が
カリフォルニアに来ていて
探しても探しても働き口は見つからず
やっと見つけたそれは、低い賃金で

飢えた人々の周りには休耕地があり
出荷しても採算が取れない野菜や果物は
収穫されず腐りゆき

子供が飢えているのに

5エーカーの土地があれば
野菜を植え家族が暮らせるのに

怒りがふつふつとわく、矛盾に満ちた状況で

小説はジョード一家だけではなく
いろんな視点から話がつづられています
それが小説に奥行きを与えていて

困った人に着るものと食事を
誰しもそう思いますが
家の隣に、そんな人たちが何十万とやってきたら?
同じ仕事を、半分のお金で働く人が大勢やってきたら?
そんな人たち相手に
会社から言われた通りに物を売っているのに
来る人来る人に高いと悪態をつかれたら?
そんな人たちが、集まってたくさんやってきたら?

スタインベックは、この小説は
五つの層からなっていると言ったそうですが
いろんな立場のいろんな人の話が挟み込まれ
それが世の中の複雑さを伝えていて

困難の中、家族が一人かけ、二人かけ
それでも何とか助け合い
力を合わせて暮らしていくのですが
そこにさらなる困難が降りかかってきて

たすけてくれるのは、そういうひとたちだけだから

さすがにピューリッツア賞を受賞した名作です

Tom Jodeはジョード一家の次男ですが
1940年、Henry FondaがTom Jode役で
怒りの葡萄、映画が公開されたそうですが
Woody Guthrieはその映画を見て
Tom Jodeという曲を作ったそうです

Bruce Springsteenがこの小説に影響を受け
The Ghost of Tom Joadという曲を歌っています
Tomがお母さんと最後に交わした会話を題材にしたものです
Bruce SpringsteenがTom Morelloと一緒に
歌っているものもあります

ネタバレになるかもしれませんが
昔読んだ、海外で日本語講師をしていた漫画家さん
その人が書いていたエッセイで
確か外国の駅で、若い女の人がお年寄りに乳を含ませる
とても不思議な光景を見た話を書いていたのですが

チャウシェスク政権下では飢えた子供に
輸血していた話があったと思うのですが

極限下

この小説を読んでいて、個人的にふと思い出したのは
貧しき人々の群れ、という言葉で
そんな曲でもあったかなと思ったのですが
曲ではなく、実際は本で
昔の日本について書かれたものですが

極限状態など無縁な平和、それが大事で
   26・2・2・MON-2・6・FRI
・関連曲

Down Home Blues

小説の中で、官営の野営施設で行われていた
ダンスパーティーで演奏されていた曲
日本語訳に訳注が書かれていますが
1921年にEthel Watersが録音したヒット曲が有名だそうです
歌の内容は失恋の歌でしょうか

翻訳者のあとがきにも関連曲が出てきますが
Woody GuthrieやBruce Springsteenは
小説や映画から曲を作りましたが
1937年、ダストボウルの中で生を受けたのはMerle Haggard
ご両親はオクラホマに住んでいたそうですが
家族と一緒にカリフォルニアに移住して
その後、生まれたのがMerle Haggardだそうです
お父さんが早くになくなり
お母さんが育ててくれたそうですが
Merle Haggard、強盗などで刑務所を行き来することになり
その刑務所で出会ったのが慰問に来ていたジョニー・キャッシュ
その姿に感銘を受け、改心してミュージシャンになって

1965年、Mama’s hungry eyes
1967年、I'm a Lonesome Fugitive
1968年、Mama Tried
などの曲があり、Tom Joadのように
逃げ行く姿を歌うような曲や
息子を立ち直らせようと
お母さんが心砕いた歌などがあるようです

当時のカントリー、失恋の歌などのラブソングが多くて
貧しさといった、こういった内容の歌は画期的だったそうです

刑務所、悪いことをしたから、入るところですが

こういう形で改心するというのが
かつてのアメリカらしい感じがしますね
     26・2・11・WED
・パン

この小説の中で印象に残ったことの一つが
官営の野営施設が出てくるところで

カリフォルニアに流れてきた人たちが
暮らしていた場所の一つですが
水洗式のトレイやシャワーといった設備が整っていて
人らしい暮らしができて、そこでは住んでいる人が
施設の中の仕事を分担して生活を守っていて
いわゆる住民による『自治』があって

その施設を使う条件が、使用料を払うか
そこで働いて払うことで
つまり、そこにいる人はお金がなくても
施しを受けているわけではなく
みんなが何かに貢献して対等な関係で

その施設ではダンスパーティーが開催されていて
それは羽目を外したようなものではなく
近隣の人が家族連れで来ても問題がないようなもので
施設にいる人の楽しみになっているだけではなく
それがあるおかげで、野営地の人たちが
地域に健全な楽しみを提供できる
きちんとした人たちだと認められ
一目置かれることになっていて

農地を失った困った人がいれば
パンと着るものを、みんなそう思いますが
家の隣にどんな人かよくわからない人が
大量にやってきたらみんなやっぱり怖くて

きちんとした施設ときちんとしたダンスパーティー

お互いうまくいくことになった理由でしょうが
困った時、まずはパンと着るもの
次が住むところでしょうが
衣食足りて礼節を知る
ということわざが古くからありますが
その次は、尊厳ということなのかなと思えて

官営の施設では人扱いを受けられる

そういった話が小説の中で出てきますが
尊厳、人が大事にされ
その人らしく暮らせること、かなと思えて

Bob Dylanの曲にDignityという曲があります
Dignity
何のことかと思えば、尊厳という意味だそうです
歌の内容は尊厳を探す歌で、探していると
どうもダメなことをしているような
扱いを受ける箇所もあるのですが
そういえば怒りの葡萄の中で
官営の施設から来た人が
扱いなどで不当なことを言うような人だと
話す人が出てくるところがあって

官営と他では、どうしても施設に違いがあり
相手はただ聞いただけでも
同じようなことを言われ続ければ
言われ続ける方は態度も硬くなるかもしれませんが

話は変わりますが、日本は災害が多いですが
避難所での生活、食べるものは救援物資が届けば
なんとかなるそうですが
困ることの一つはお風呂だそうです

大きな避難所だと、自衛隊の人が
野営のお風呂を設置してくれることもあるのですが

まず食事、ですが

人が暮らす、パンのみにあらず、ということのようですが
   26・2・16・MON

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