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EP82スターレット・サーキット走行最高! 警察は?( ^ ^ ;
その18-3以降
いつものパターンなら、悠々とデジカメを取り出し、記録をとりながら警官の言う事を拒否するのでしたが、この日はデジカメが使えないということで、一度止まったあとまたスクーターを発車させたのでした。その瞬間!!!
ガシッ!!!!
いきなり私の右腕を右後方からつかまれました。引っ張られる右腕、そして目の前に再びたちはだかる別の警官。これは危ないです。ブレーキをかけて止まりました。その直後、駆け寄ってくる警官が+4人も!!(ウソ~ん、多すぎ!!(^_^; ) そして怒声が聞こえました。
警官A「何逃げてんだ!」
このあとの警官の動きは非常に素早いものがありました。私の左に駆け寄ってきた警官は即座に私の左腕を抱えました。わたしの両腕は完全につかまれて自由が利きません。とほぼ同時に私の前で体を塞いだ警官が私のスクーターのカギを取り去りました!!!
警官B「こっちに来い!!」
GT 「ふざけんな、何すんだよ。」
まぁ、検問しているところを素通りしようとすれば止めにかかるのは予想通りとして、人のスクーターのカギを勝手に取るのは許せません。それは犯罪です。窃盗です。
警官C「逃げようとしたからだ。止まれと言ったの聞こえたでしょ。」
GT 「人のスクーターのカギ取んなよ。返せ!」
警官が強行手段に出てますので、私も丁寧な応対などしません。ふざけんなモード全開でした。そりゃそうです。いきなりわたしの両腕を掴んで自由を奪った上で、カギもとられてしまったのですから。
その18-4
スクーターのカギを盗られ、両腕を掴まれて身動きができなくなってしまいました。
警官B「こっちに来い。取り調べだ!」
GT 「はぁ?」
警官D「話聞いてやるから来い」
GT 「やだよ」
警官C「後ろ渋滞してるでしょ。迷惑なんだよ!早く動きなさい」
何が迷惑だって?迷惑を受けてるのは私自身です。いきなり両腕を掴んでカギを取り上げることこそ無法であり、それに抵抗して渋滞を起こすなら、それは警官自身のせいです。冗談ではありません。ちょっとヤバイ感じですが、ここまで来て白旗を上げるつもりにもなりません。動くつもりもなく「ふざけんなよ」とかいいつつこの後どうしようかと考えてました。
すると後ろの渋滞を気にしだしたのか、警官二人が後ろにまわり強引に私のバイクを引っ張って道路脇へ寄せました。さすがに警官5人に囲まれて威圧され、強制的に移動させるのを防ぐことができませんでした。そこで後ろに止まっている軽自動車のナンバー確認をしました。「ナンバー○○○○だな。」声に出すことで自分自身の記憶の助けになりますし、目撃者の記憶を私がしたことを警官に示すことになると思ったからです。
GT 「ふざけんなよ。何の権利があってこんなことできるんだ。どけ!カギ返せ!」
警官A「警官が止まれと言ってるんだ。それを止まらないからだ。」
警官B「止まれって言ったの聞いただろ。それをアクセル吹かして逃げようとするからだ。」
GT 「逃げようとしたんじゃない。1回止まっただろ。そして行こうとしただけだ。」
警官A「じゃ何か?警官引いてもいいってのか?目の前に警官いたのにアクセル吹かしたじゃないか。」
GT 「何いってんの。そんな話じゃない。警官なんて引くつもりないし、行きたいから行こうとしただけだ。それをいきなり腕つかんでそっちが危ないじゃないか!なんでそんなことするんだ」
警官B「おまえ逃げようとしただろ。止まれって言ったの聞いただろ」
警官C「検問やってんだから、警官が止まれって言ったらそれは聞かなきゃいけないんだ」
警官D「警官には止める権利があるんだ」
いや~、ひどいですね。こうやって警官は私たち国民の人権を侵害していくのです。検問はあくまで任意のものです。検問に応じて協力するもしないもこちらの自由ですから。警官には権利なんてありません。
GT 「大体ここで何やってるんだ。検問だったら任意だろ。こっちは応じる気はないね。早く俺を通せ。前開けろ。警察呼ぶぞ!」
警官B「呼んでみろよ」
ということで私は携帯を出して110番しました(え!!??そんなのあり??と思った読者のみなさん、アリですよ、有り)。そして道の途中でいきなり5人の男に囲まれて困っていることを伝えました。棒を持った男たちに囲まれてカギも取られた、まずい状態なので助けて欲しいと。電話したのは本当です。私のカギを取ってしかも拘束しているわけですから、刑事事件に関係します。とりあえず同じ警官ではありますが、検問をしている当事者ではない警官に事実の現認をしてもらえるといいかもしれないと思いました。
その18-5 ピ~ンチ!!
そして場所がどこなのかを説明している間に更に冷静な自分が戻ってきました。さぁ~て、どうするかな。
警官C「まわりにいるのが警官だって言えよ」
警官A「警察暑のものです。飲酒検問やってまーす!」
電話の相手に聞こえるように大声で話す警官。( ̄д ̄”)ホントむかつきます。それを察知したのか電話先の警官も、そこに警官がいるのか聞いてきます。さすがに違うとはいえず、警官がいることを電話先に伝えました。そうしたら、そういった場合はそこの警官の指示に従うように言ってくるではないですか!ヤバーイ!!形勢は不利でした。う~ん、どうしよう・・・。
GT 「でもいきなり腕つかんで拘束してきたんですよ。しかも人のスクーターのカギも勝手に取っていったんです。こんなことしていい訳ないですよね。おかしいですよ。」
電話先「いやでもですねぇ、そういった苦情とかは別のセンターに言っていただくことになるんです。今回は警官がそちらにいるわけですから、そういった場合はやはり警官とのお話になりますから、指示に従ってもらえますか。」
どうやら警官に来てもらうのは無理そうです。ここは話を終わらせることになりそうです。そんなとき、電話の最中に・・・
警官A「飲酒の検問だ。調べるから息吐いて」
といきなりアルコール検知器を私に突き出してきました。棒状のもので根元に赤いランプがチカチカ光ってます。もちろんこんなのに応じるつもりはありません。
GT 「ちょっと待って」
小声で警官を制する私。そりゃそうです、今警察と電話してるのですから。警官は私が飲酒を逃れようと疑っているのでしょうから、検知器でチェックをして、とっとと私を飲酒で捕まえたいのでしょう。とりあえず警官を制止したまま、警察との電話を終えました。なおも息を吐くことを迫ってくる警官でした。
GT 「やだよ。大体任意でしょ、この検問は。嫌だって言ってんじゃん」
警官C「じゃ検知拒否だな。」
その18-6 攻防
キタァ!!ホントにこれだから警官は嫌です。自分の思い通りにならないとすぐに脅しをかけようとしたりしますから。あぁ、検知拒否(アルコール濃度を検知する機械に息を吐くことを拒否すること)ってことは罰金が30万円だかついちゃうことですね。確か道交法改正の前は飲酒の罰金(正確には反則金だったかな?)が30万くらいで、検知拒否が5・6万とかだったから、酒を飲んでしまって飲酒で罰金を払わされるより格段に安く済むということで検知拒否する人が結構いたんだよなー。だから検知拒否を防ぐ意味もあって飲酒と飲酒の検知拒否の罰金額を同等に引き上げたんだよな。こんなので30万円コースなんて冗談ではありません。
GT 「はぁ??警察比例の原則守れよ!大体俺は酒飲んで運転なんてしないし、明らかに酒臭いとかそんなことは無いからな!」
あくまで飲酒検問は任意のものです。息を吐いて酒臭いとなったら警察比例の原則に基づいて(詳しくはフリーページ「警察と!!??」シリーズのその3・その4・その5をご覧下さい)アルコール検知となります。この段階で拒否すれば間違いなくアルコール検知拒否ということで30万円コースです。しかし、酒臭いとか空の酒ビンを持ってふらふら運転しているとか、明らかに私が疑わしいという状態でなければ同様に警察比例の原則によって、強制的に私の息を吐かせることはできないのです。警官が怪しいと思ったらそれだけで一般市民を拘束できるなんていうことは許されません。図星だったのか、別の要求をしてきました。
警官C「免許証見せてもらおうか。」
GT 「見せる必要ないね。」
次は免許証見せろときました。免許証の提示義務についても以前紹介した通りです。道交法に基づいて、わたしには提示義務はありません。飲酒もして
ないですし、無免許でもないですし、疲労・大型資格外運転でもないですから。
警官A「免許は持ってるのね?」
GT 「当たり前じゃん。持ってるよ。」
警官は免許持ってるかの質問をしてきますね。ここでさぁね、とかでもいったら無免許の疑いありということで改めて免許証の提示を求められるかもしれません。無免許だという合理的な疑いがあるとき(もちろんこれにも警察比例の原則が適用されます)は、道交法により警官は免許証の提示を求めることができますし、その場合は私たちドライバーには免許証の提示義務があります。ということでそんな疑いをはっきり否定すべく、免許を持っていることをはっきり伝えました。
その18-7 転機
警官A「免許は持ってるのね?」
GT 「当たり前じゃん。持ってるよ。」
無免許の疑いあり、なんてことにならないように免許を持っていることをはっきり伝えました。それでも無知な警官がいるもので、法律無視で言ってきました・・・・・・。
警官C「警官が見せろといったら見せなくちゃいけない・・・・・・」
警官A「ちょっと待って」(警官Cを制止するように)
GT 「見せる必要ないって言ってんだろ!」
私の前にいる警官Aがこの中でリーダー格でした。この制止は何だったんでしょう。ちょっと状況が変わってきました。あくまで警官Cが見せろというなら道交法の提示義務の要件と警察比例の原則の話を持ち出そうと思っていたのですが、警官Aがそれを制止したことで、これ以上見せるようには言って来ませんでした。
警官が5人も私に関わっていて、他の車の検問は全くできてません。恐らく15分くらいはこんな感じで言い争っていたと思います。実はこのとき警官は総勢6名だったのですが、私の周りの5名以外の1人は一生懸命旗を振って通行していた車をスルーさせてるだけでした。検問をやって検挙数ノルマを稼ぎたいのだったら私に時間をかけていても数は稼げません。検問に応ずるかどうかが任意であることと、「警察比例の原則守れよ!」という普通の人が知らないことを主張していること、私のカギを奪っているのを私が非難していること、このような状態を警察に通報していること、そして私が全くゆずらず警察に屈しないこと・・・・・どれがどのくらい影響したのかはわかりません。警官Aが再び話始めました。
警官A「こっちは飲酒の検問をしてるんだ。やっぱり警官の言う事は聞かなきゃいけないよ。」
GT 「冗談じゃない。拘束して人のカギ勝手に取るな!早く返せ!」
その18-8 そして解放へ
するとカギを差し出してきました。すかさず取り返す私でした。そして・・・・・・
警官A「検問やってるってことはこっちはお願いしてるんだ。そういうときはこういったことはしないで欲しいな」
GT 「お願い?」
警官A「そう、お願いなの。わかった?」
GT 「ま、お願いってことならね。」
警官A「じゃぁ、ま、そういうことで」
どうやら行っていいみたいです。他の警官はなおも立ちはだかる雰囲気でしたが、リーダーである警官Aが、いいからみたいな感じで指示しています。どうやら終了みたいですね。もともと早く帰りたかった私が一言。
GT 「サヨウナラ!!!!」(これは警官とのやりとりの最後の決まり文句ですからね!!??)
ブオォォォ~~~!!!!!!(走り去る)
おっと!ここで制限速度オーバーしたら今度はスピード違反で取り締まりかもしれません。ゆっくり帰ろうっと。ということで30キロでトロトロ帰って無事に家に着きました。ふぅぅぅ~。
さて、今回で思ったことの残りを紹介します。
まず1つは警官に警察手帳の提示を求めることです(←おい、GT!懲りてないなぁ!!)。今までこれを行ったことがありません。警察手帳規則により手帳の中身やどこの署の所属で名前がなんていうのか、すべて確認したいところです。警官がそれを拒否するなら「そんなニセ警官かもしれない奴の言う事なんか聞けん!」と言うこともできるでしょう。
2つ目として警察へ電話してのやりとりです。私の所有物であるカギを強制的に奪われています~、物を盗られたこととそのことは刑事事件だということをはっきりと警察に言うべきでした。そうなれば刑事事件であり、警官の行為は違法ですので別の警官が来ることになったかもしれません。
3つ目として通報先その2です。今回は119番に通報すればよかったです。何せ腕をかなり強くつかまれて痛かったですから。救急車で連れていかれて、診断書書いてもらって湿布を貼ってもらう・・・・・・と。そして湿布代を500円くらい請求されたらその請求を警察にかける、なんてこともできます。まぁ、その前に警察が私を解放する可能性が高くなりますが。でもこれをするならしっかりと記録する必要ありですね。
ということで4つ目としてデジカメを使えなかったことは反省です。使えないなら一度止まって、任意には協力しないとはっきり言った方が良かったですね。いきなり走り出す行為は警官から見れば逃走になりますから、腕をつかむなどの行動になりやすのも確かでしょう。まぁ、記録するものがなければいざというとき身を守る証拠がないということになります。これからはそれができないときは下手な動きはしないことにします。
・・・ってなことでした!!その18おしまい!!
※GTの別HPでは参考書籍・DVDについてのページ(
こちら
)があります。「悪い警察とたたかう本」「警察の警察による警察のための取り締まり」についても紹介してあります。私が行動する上で法的な知識もここから得ました。いざというときの対処法も載っていますので大変役に立ちました。お勧めですよ。参考にしてみて下さい。
その19-1
今回のシリーズでは神奈川県戸部暑のことに触れている文章を紹介します。このことを初めて知ったときは本当にまずいと思いました。人の命が失われているのですから。
では「警察官の犯罪白書」(宮崎学著、幻冬舎)のP145~P151の内容をどうぞ。
『 戸部暑事件
「誤射」か「故意」か
一九九七年十一月八日、神奈川県戸部暑の取調室で、銃刀法違反容疑で取り調べを受けていた金融業者(五十五歳)が左胸に銃弾を受け、移送先の救急病院で死亡した。当初は県警から「容疑者が署内で自殺した」と発表され、そのまま収束するはずだった。しかし、遺族が「自殺の理由はなく、死因は警官の誤射である」として、九九年二月に慰謝料などの支払いを求める民事訴訟を起こした。もともと署内では「取調室内でロシアンルーレットをしていた」という噂もあった。
九七年十二月二十五日には関係者の処分が発表されたが、事件当時の取調官である戸部暑巡査部長・長谷川行雄(五十三歳)と、拳銃を取調室に運んだとされる警部補(三十八歳)は「戒告」、署長・永田榮重が「本部長訓戒」、副署長・土屋昭三が「所属長注意」、刑事課第二課長・田場川義昭が「所属長訓戒」と、人が一人死んでいるにもかかわらず、いずれも異常に軽い処分であった。
また、遺族は二〇〇〇年三月、事件当時に被害者と二人きりだったとされる巡査部長の長谷川を特別公務員暴行陵虐致死罪で告訴したが、横浜地検は同年十月に却下した。長谷川は現在も県内某署に勤務している。
そして、民事提訴から二年九ヶ月を経た〇二年十一月二十二日の横浜地裁判決では、被害者の死亡原因を「(自殺ではなく)警察官の誤射あるいは暴発による死亡」と断定、神奈川県警側の証拠隠しなどの隠蔽工作を厳しく非難し、九百二十万円の請求に対して五百万円の損害賠償を命じた。判決の三日後に県(県警)側は控訴し、二〇〇三年現在も係争中である。』(「警察官の犯罪白書」宮崎学著・幻冬舎のP145~P146より)
その19-2
つづきということで「警察官の犯罪白書」(宮崎学著、幻冬舎)のP145~P151の内容をどうぞ。
『 裁判長も呆れる警察調書
被害者の死亡については、密室の事件のため真実の追求は難しい。だが、このケースには残されている証拠だけを見ても、警察の調書と矛盾する点が多く、自殺でないことは明らかである。
遺族側は、この証拠確保に苦労したと聞く。まず、肝心の凶器である拳銃がなかった。県警は事件後すぐに溶解処分したとして、提出しなかったのである。証拠品が残るのを恐れたわけだ。
また、被害者の事件当時の着衣を「悪用防止」を理由に遺族になかなか返却しなかった。これは民事訴訟したとたん返却されたというが、一体何に「悪用」するのであろうか。さらに、裁判で提出された写真を見ると、銃撃直後に撮影されたはずの取調室内は整然としており、飛び散ったはずの血痕もなかった。
このように、ほとんど証拠がない中で有力な手がかりとなったのは、被害者の司法解剖結果である。遺族の再三の請求に応じてようやく開示されたというそれは、警察の矛盾を証明できるに足るものであった。横浜地裁の桜井登美雄裁判長が、一審判決の際に「神奈川県警の調書には矛盾が多すぎて荒唐無稽ですらある」と断じたほどである。』(「警察官の犯罪白書」宮崎学著・幻冬舎のP146~P147より)
その19-3
つづきです。
『 司法解剖結果によると、まず、被害者本人が自分に向けて撃ったのであれば「接射」ということになるが、遺体には接射した時にできるはずの破裂創がなかった。破裂創とは、弾の発射ガスにより皮膚がめくれあがるものである。また、手には拳銃を握った時にできるはずの火傷や煤跡もなかった。これについて県警側は実験結果として「拳銃に温度変化はなく、火傷がないのは当然」としているが、発砲したら手に多少の火傷ができることは、常識の範囲である。
次に、射入角度の問題がある。被害者は左利きで、拳銃を持つのも左手だったというが、胸の中心からやや左寄りから入り、左腰の皮膚の下で止まっていた。これは図(「弾丸の射入角」、次ページ参照)にするとわかりやすいが、一般人の手の長さでは非常に難しいし、もし撃てたとしても左腰で止まることは考えられない。
また、拳銃はビニール袋に入れられ、実弾はさらに小さいビニール袋に入れてあった。二坪ほどの取調室内で、取調官の目を盗んで実弾を小さいビニール袋から出し、それを大きいビニール袋に入ったままの拳銃に装填して無茶苦茶に不自然な大勢で自分の左胸を撃った、ということになる。仮に、被害者が異常に器用だったとしても数十秒は要するだろうから、その間に目の前にいた取調官が制止できないはずはないのである。だが、県警側は「クシャクシャというビニールの音にも気づかなかった」というのである。
百歩譲って本当に気がついていなかったとしたら、この長谷川という男はプロの捜査官というよりも、人間としての能力の方に問題がある。また、かりに自殺だったとすると、三週間近い勾留中には何らかの兆候―たとえば食欲がないとか、ひどく落ち込んでいたとかーがあったはずで、プロがそれを見抜けずに危険物を手渡したのであれば、それもおかしい。』(「警察官の犯罪白書」宮崎学著・幻冬舎のP147~P148より)
弾丸の入射角については、素人の私でも明らかにおかしいと感じました。左利きの人が、自分の右側から左手に銃を持って撃つことを示す図が本に載っていました。それは相当無理な姿勢で撃つことになります。また、普通に自分に銃を向けると、体の下の方から上に向かって構えることになると思いますが、上のほうから下に向かって弾が発射されています。本人の自殺ではないという判決は当然なのでしょうね。
その19-4
つづきです。
『 そして、被害者の遺族が耳にしたという「署内でロシアンルーレットをしていた」という内部情報もおかしい。取調べ中に肝試しをする必要などない。だが、私が納得できなかったのは、判決にある「誤射あるいは暴発」の可能性という点である。
拳銃は狙って撃ったとしても命中させるのは難しいのだ。また、安全装置を外さない限り暴発もありえないし、ましてや引き金は軽い力では動かない。もし「誤射」や「暴発」があったとしても、一発で当たって死ぬ可能性は非常に低い。
さらに、被害者の逮捕は九七年十月二十二日だったが、撃たれたのは勾留期限(二十三日間)間近の十一月八日であった。一般的には、証拠調べとは、通常は逮捕してすぐに行うもので、こんなに後になって取調室に証拠品をわざわざ持ってくることはまずない。たいていは、勾留期限の数日前には起訴するかどうかも決まっているものだ。要するに、誰かが撃ったのである。』(「警察官の犯罪白書」宮崎学著・幻冬舎のP148~P150より)
この本の著者は「誰かが撃った」と断言していますね。確かにいろいろな状況を考えると、「撃った」と考えるのは自然だと思います。取調中に撃たれることがある日本の警察・・・・・・・もはや警察で何をされるかわからない恐怖を感じます。
その19-5
つづきです。
『 この事件をおかしいと思って地道に取材を続けていたのは、フリージャーナリストの津田哲也である。フリーよりカネも人手もあるマスメディアはもはや報道しようとはしない。
津田の取材や私に寄せられた情報を総合して判断すると、誰が黒幕かはわからないが、取調室に第三者が入って被害者を撃ったのだ。金融業を営んでいた被害者は、いくつかの金銭トラブルも抱えていたはずだ。たとえば、その中の一人にTという人物がいる。
県警にも顔が利くTが、勾留中の被害者に会わせろと取調室に入ってきて撃ったのではないか。
また、被害者の内縁の妻のところに取調官・長谷川の「上司」が現れ、「殺してやったのだから保険金をよこせ」と言ったというが、その女性と上司は特別な関係にあったという情報もある。もちろん、これらの分析は情報を得たうえでの推測なのだが、違うというのなら、神奈川県警はきちんと反証してもらいたいものだ。
私は、この件で関係者の「自殺」が出るかもしれないと見ている。「家族のためにも、自殺してこの事件をうやむやにしろ」と脅かすのが警察不祥事隠しの究極のマニュアルだからである。
警察はメンツのためなら何でもやると、他ならぬ警察関係者が証言している。元警官の黒木昭雄は「H刑事」(長谷川である)にこう呼びかけている。「警察は絶対に守ってはくれない。早く目覚めよ!」(『週刊アサヒ芸能』二〇〇二年十二月十九日号)。謀略史観ではなく元警官が言うのだから間違いない。
なお、民訴の一審判決は遺族側の勝利であったが、とにかく警察はなりふりかまわないから、突然警察に有利な「目撃者」が出てきたりする可能性も否定できない。油断は禁物である。』(「警察官の犯罪白書」宮崎学著・幻冬舎のP150~P151より)
ま、真相はもはやわからないですが、県警の言うことが信用できないのはよくわかりますね。裁判で警察の主張を退ける判決が出たのですから。警察は控訴したそうですが、二審の判決はいつ出るのでしょうか。公平な判決が出るといいのですが、そうならない気がします。
その19おしまい、その20につづく
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