離人(2001)

離人(2001)

自分が自分であることになんの疑いもなく信じられるものを羨ましく思う。
何故信じられるのだろう。何故当然のことのように考えられるのだろう。
鏡に映る自分という体が意思のままに動くからだろうか。
ならば操れることが自分であるとの証になるのだろうか。
自分の体が自分の体に思えなくても、自分の意思通りに動かせる。
それでも証になるのだろうか。
納得できない自分がおかしいのか。
時に体から剥がれ落ちる意識を紛れもない自分だと言い切れるだろうか。
抓れば痛みを感じる、切れば血が流れる。
それが証になるだろうか。
それはただそこに体があるということを証明しているに過ぎないのではないか。
自分が自分であることを信じるすべが見つからない。
だれか教えてくれないか、何の疑いも無く自分が自分であると信じられる方法を。
それを知ることができれば、少しはまともになれるかも知れない。
少しは楽になれるかも知れない。
そう信じたい。
生きている実感がほしい。



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