ラジェンダ エリコムリ            L'agenda d'erikomri

3月初旬ニューヨーク


寒いだろうとかなりの厚着をしていったにも拘わらず
まるで四月のように暖かい。

必死の思いで大学院の修士課程を卒業し、博士課程を受験。
数ヶ月続いた引き篭もり状態に終止符を打つべく、糸が切れたように、日本を飛び出した。

ユニオンスクエアから徒歩15分ほどの宿は、黴臭く、ついでに胡散臭い。
韓国人街と中国人街の重なる部分。
英語がうまく通じない。
ホテルを出るだけでみなぎる緊張が、ステレオタイプな「ニューヨーク」を感じさせた。

到着から数日、私はユニオンスクエアのネットカフェで博士課程の不合格を知る。
常に「そこそこでいいや」の人生を歩んできた私の、完全なる敗北。
(つまり、かなり幸せで脳天気な人生を送ってきたということ。)
呆然とした末、手帳一式はカフェに置きっぱなし。
変な色のガーベラを商店で買いんだ。
(ちなみに、そこのおじさんは常連のおばあちゃんにコーヒーを渡しながら「はい、100ドルね」といっていた。大阪?)

泣かないように、泣かないように、早足で五番街をずっと歩いた。

どうしても声がききたくて好きな男の子に電話をかけたけど、日本は深夜。
横には別れた筈の彼女がいた。












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