ruka126053のブログ

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第五話―運命の引き金は突然に


「間違えるなよ、ザフトの英雄」
「私はお前たちに施しを受けてまで生きる気はない」

「なぜなんだ、平和になったのに」
ザフトの学生は空に舞うオ―ブへの侵略者にそう叫んでいた。
「また戦争がしたいのか」
火種はどこにでもある。
「あれはなんだ」
「ネオミネルバだ」

ティーアとて、平時のときは普通の少女である。普通に家族の元に戻る。住居を構えるロンドンにて、お目付け役で何かと貴婦人たることを命じるグ―ス夫人と可愛い飼い犬のホームズとるパンに何度目かのお見合いを命じられることとなった。
「聞いておりますか」
「ええ・・・」
扉の向こう側では、少女の面影を残すははと父の姿がある。

これが運命的な恋だというなら、なんて周到だろう。なんて残酷だろう。本来出会うはずのない2人が出会い、恋に落ちるなど。
レンは彼女を見て、そう思った。

「いいえ、レン様」
「―私が戦う場所はあなたのお傍ですよ」
「だって、ザクブレイクのパイロットだったのに」
「貴方は議員の正当な子息です。つまらぬ噂を立てるものを気にすることはありません」

フリーダムに落とされる父の機体を、留学先の学園で見た。
「戦わずに、生き残ったか」
「テロリストを打たずに」
「軍人のなおれだな」

「ティーアさん、助けてくれてありがとうございます」
「本当に貴方の親切、うれしかった」
「テオ、手を」
「お願い、手を伸ばして!!」

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