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ruka126053のブログ
第16章
1
「どちらかなんてわからなかったんだ」
ある晩のことだ。
フォルクマ―ルは、その軍人の言葉に耳を傾けていた。
「連れて行った時、それがどっちかなんて」
「あの男もか」
興味すらなかった、どちらでもよかった。
「カドナ、目が覚めたか」
「・・・・異端審問官の・・・」
手を動かし、その青年に近づこうとした時、鎖で、呪術の札が貼った札が撒きついた鎖がカドナを動かなくしていた。
もちろん、フロイデだって悲しい過去がサファイヤエルの正義への盲従、ひいては漆黒の剣の塔への不信感を招いたことは知っている。ここにいるものは正義、友情、愛、何かを失ったものたちだ。
「やめるんだ」
善人なのだ。
「お前のミスで私たちばかりか」
「ひっ」
フロイデの後ろに隠れる、臆病なウサギのように。
けれど七年後、アガットは両親の死を境に叔父のもとで、酒場の手伝いをして、母親似の中性的な容貌と燃えるような赤い短髪で、冒険者と喧嘩しながら、短期で好戦的で友達思いの少年になった。
「これがじいさんの形見か」
宝石にならない灰色の石ころをペンダントにして、はやり病で死んだ祖父母はアガットの幸福を願った。
「お前も行動の前に考えろよ、来年は本格的に塔で魔法使いの修行に入るのだからな」
「俺は詐欺しの親せきにならねえよ」
物心ついて体、皆で俺を仲間外れにする。手のつけられない暴れん坊、剣や銃何か何の役に立つんだ。じいさんたちもいかさま師の妄言信じて、かねないのに武術を習わせて。7歳だ、アガットが完璧な行動は、頭が悪ければすぐに受け入れただろう。
「俺は猟師になるんだ」
マナを持つものは魔術師になる。世界のどこでもそう。俺はなりたくないのに。
「子供にいつまでもこんな寂れた田舎の宿屋の手伝いさせられねえよ」
「何だよ、いつもこのままだとならず者になるというくせに」
応援されている、彼ら村の人間は、実際に魔法使いなんて知らない。
「お前もこんな僻地で人生終えたくないだろ」
「何でそう俺を仲間外れにするんだよ」
「・・・・失恋したのが悲しくて」
セレアは、ああまたかと思う。自分だって大変だし、いろいろあるのに。
趣味がぬいぐるみ作り、編み物、と、外にいるイメージをもたれがちだが、冒険者は完ぺきに次いでだ。
「今の声、一緒に暮らしている人?」
スイリィと話しているとイグナスが近づいてきた。
「ずいぶん若いけど、上の階?下の階?君の部屋と近いのかな」
知りたがりだな。
「まあ、姉の知り合いで、同じ家ではないです」
家族とは縁を切り、屋敷で一人住まい、情報やみたいなことしているらしいが謎が多い。イグナスはあがり症なのか何かもじもじし始めた。
「・・・ああ、彼氏か、なんだ、じゃあ君の将来の」
「その可能性はありえませんね」
「君にはどんな存在の人?なんか電話の感じだと、仲よさそうだけど」
何やら真剣だが、自分のライバルだと思っているのか、声も確かに美声だが。
「・・・専属の口うるさい家庭教師、時々ご飯をおごってくれて、泊らせてくれる人だな」
ミカエラには僕が友人らしいが、いらないよ。あんな小姑みたいな友人いらないよ。
「・・・専属?」
「泊る?」
二人が驚くがそんな変なことか。
「カールス、君は何か脅されているんじゃないか、安全な人なの?」
どうも二人には僕が不幸な環境で危ない状況だと思われている節がある。
「近所のただの厳しいお兄さんだよ」
本物ではないらしい。そして、僕は僕に聞かれる。
「君は何者だ」
疑いと恐怖、困惑。違うものをみる瞳。
―悪魔め。
―間違いだ、最初からお前など。
―いなければいいのに。
父さんはあっけなく、死んだ。崖の下に僕を抱きかかえて。
「お前はくるっている」
斧や鉈、銃、まあ、武器ではないが、僕は死ぬらしい。
「悪魔だ」
悪魔だから死ぬらしい。
「生まれてきては行けなかった、間違ったのだ」
確か、7歳。海のそばだ。怪物か、人間かどちらにしろ。彼らのいうことが正義なんだろう、だが悪魔ならなんで中途半端に半分は人間にしたのか。
「恨むなら、自分を恨め」
確かに、醜い悪魔を守り、戻ってきた父さんは殺されて、崖から落ちたのに。あんな姿で、でも僕は傷一つもない。僕が人間ならああなるのが普通なのに。
「・・・・」
とはいえだ、何で、僕のことを知りもしない、見た目だけでこの人たちのために死ぬのだ?意味がわからん。
何もしていないよな。
アルバートは、優しすぎる。バーバラスは、アル時足る道を教えながら、心配になる。柔らかな、繊細な雰囲気で、これでベルンホルトの実の息子だという。カイザーとアルバートは王宮にかかわるようになった。
「教祖様だな、しかし」
「まあ優しいからな、アルバートは」
中庭にその少年はいた。
周囲がざわめきだす。
「おい・・・」
「ああ・・・」
ア―ガンスの表情が硬くなる。後ろにいるのは、彼女の友達だろうか。
「カイザー、少しいいかしら」
「何だ」
「兄から伝言なんだけど」
「・・・・隣いいですか」
ディートリットが食堂でラインホルトと来た。
「・・・・・・・今日はあいつの近くにいないのか」
「ラインホルト様」
「ふん」
「驚きましたよ、君に双子の兄君がいたなんて」
ああ、そういう。
「運命とは残酷なものだな」
なんかゆうがに貴族の食事を始めているが、カツカレーが食べにくいのだが。
「まあまあそれくらいで」
ラインホルトがきょろきょろする。
「今日は守ってもらわないのか、あのパンドラたちに」
「学校ですよ、ここ」
「そうか、お前は兄がいなければ、護衛がいないと歩けない奴と思っていた」
嫌味なようだがまあ身分高いとそうだよね、不自然なんだろうね。
「必要ないといったんですけどね」
「まあ、仕方ないだろう、万が一マリアベルやカイザーに何かあればお前が後継ぎだからな」
「カイザー様は大変優秀で性格も問題ないですが、さぼり癖がありますしね」
「・・・・これはどういうことかしら」
シャーロットがシエラの硬質な声にしまったと思う。
大勢の女子生徒達。
「ごめん、僕が頼んだんだ」
「・・・・・そう」
「アルバートは悪くないよ、私が勝手に、シエラに友達がいる幸せ知ってほしくて」
欺くことは、ミントには当たり前のことだ。飾ることは当然だ。ほかなんてどうでもいい。たまに悲劇のヒロインのお姫様の話があるが、拒んでしまう。
「泣かすなよ」
「私は悪くありません」
「だから、なんでお前はそうも」
「やめておけ」
「・・・っ」
俺はダヴィデ・オウルが嫌いだ。いちいち癇に障る。
「行っていいか」
「そういえば、今日、新しい奴来るんだって」
「へぇ」
「でも男だって、いかにもネクラの」
すると、目の前に黒いロングヘアの少女が赤い髪の少女とともに通り過ぎる。
「あの制服、確か、貴族が通う名門校だろ」
「けっ、いやな感じ」
どこかで見たような。
「へえ、どっちも美人だな」
「まあイグナスは似合うけど、どっちも性格きつそうだしやめろよ」
「・・・・なぜ、パンドラと手を組んだんだい」
「オールコット・・・」
「いや、いい変えよう、誰を助ける気だったのかな」
雨が降っている。
「ほわぁぁぁぁぁぁ」
ジョルジュがアルフレートの前で間抜けな声をあげ、ルイ―ジとともに崖の下に落ちていく。
「下に行くか」
「ああ」
アルフレートはため息をついた。
「・・・」
いつだって見ないふりをした。カイザーがクラウド家の子じゃないと証明された時も、噂があった時も、ジ―クリンデがマナ欠乏症になった時も、姉があいつのもとに行っても。
「アルバート様だ」
騎士たちが集まる。
「カイザー様だ」
欠点といえば、アルフレートは生真面目ゆえに悪のりができないことだろう。やることなすこと、すべてまじめに捕える。そして人間的というか、情け深く、その心は慈しみに満ちている。アルフレートの家は、第一くの東側に位置をしており、高台にある屋敷。どこからみても名門貴族の屋敷。けれど、その家族が一堂に集まることは一年を通してもほぼない。朝が早く、スケジュール通り、貴族らしく振舞う。
「帰ったか」
「はい、父上」
まるで気が弱い子ウサギのようだ。それくらい、アルフレートは、父と呼ぶ当主とは立場が違う。
「ソキアとはどうなっている」
「うまくいっています」
会話はそれだけだ。このところ、不満そうな顔が多い。その原因は分かっている。
「ルーティ、そういう表情はやめなさい」
「でもさぁ、本当のことを知れば」
アルトゥル、貴方は許さないわよね。
アーディアディトはアルベルトにとって、予想外の少女だった。行動は、ゆえに扉を斧で破った時はどんな令嬢かと思った。
「大丈夫ですか」
「あ、ああ」
神様、貴方はあと何回願えば、望みは叶いますか。
罪があるなら償います。呪われた血がお嫌いなら体中抜き取ります。悪い子ならどんな罰も受けます。
「やだ・・・、パンドラの儀式ってわけ」
特魔の少女たちの胸がざわめく。
ですからお願いです。
どうかもう嫌わないで。拒まないで。私に私を返してください。
多くを望みません。
私の名前、故郷を、当たり前をお返しください。
彼の欠点は伝承や地図に弱いことだろう。人間らしいことといえばそうだ。猫にひどく嫌われていた。怖がりで嘘が嫌いで、怖い話が苦手で辛いものが嫌いで頑固でルールに厳しく、そそっかしくて。トワイライトは、静寂に満ちた目で、イシュタルのアサシンを見た。だがどこもやっている。彼が運がないのは、バルツァーの剣である自分に出会ったこと。
『マスター、どうなさいますか』
『消せ』
「・・・・了解」
そこで通信機を切った。
「お前は平気なのかよ」
ぼっちという点では同じだが、アルヴィンはダヴィデに似ていない。誠実で正義感で、汚いことや卑怯なことが大嫌いで。
「ブレアにはブレアの主義があるんだろう」
「そんな納得できるのかよ」
もちろんだが、ヘレネという令嬢は有名人だし、何より姉の一番の親友である。成績優秀で品行方正、いわゆる完ぺきなお嬢様であり高根の花なのだが、恐らく僕ごときでは知らない苦悩や恐怖、上にいるゆえの苦労や狂気やら、それはもう大変なのである。だから、少し何かあっただけで自分がくるっているんじゃないか、そう思い込むとしているのではないか、という人間力、懐の狭さ、幼稚さ、自分を責めて向上すべきである。なので、木の陰から姉を見ている光景は、姉が信用されていない証拠であろう。
「ヘレネ様」
ものすごく驚かれた。クールビューティー、冷静な令嬢がこんなに動揺するとは。
「あ、あなたがなぜここに」
「少し用事で、・・・・ヘレネ様、そんなに姉さんが信用できないのですか」
「え、いや、私はただ見守っていて」
そう書きまずそうだもんな。
「確かに姉さんは意外と自己中だし、友達思いを自負する割にわがままだし独善的だし、信用するには難しいけど、僕は悲しい」
「そんなことはないと思うけど」
「こんなところでお一人とは、変質者に狙われるかもしれませんし、少し二人で話しましょう」
「え、ええ、そうね」
視線をそらされた。
のブレス・オブリージュ。高貴なるものが下のものに奉仕する義務。
なんでも、テおドールやフレッド、ラインホルトの取り巻きには僕が苦労知らずの坊ちゃん、はかなげで繊細な男子高校生にみえるらしい。
けれどイヤホンも本も別に小さいころからなじんでいないし、誰かのために生きようとか、スーパーヒーローはブームが過ぎた。
名門の金持ち学校。上品なブルーの制服。誰かを思いやる、愛し合うのはこの世で尊いがフレッドはいう。その特権は君に比べれば何の価値もない。
セ―ラはいう。貴方を知りたいと。
姫というよりは貴人という方が似合う。少なくとも第8皇女はドレスよりも、軍服、市民達を持ち上げるために鎧に身を包んで、自由を、と叫んだ市民の革命劇は遠い過去だ。ゆえに侵略という、道を自分から先導していった。落ちないアトラスミュール。
「最低」
デヴィッドは、勢いよく騎士団の少女に怒られ、フォルトゥナ騎士団の青年とともに部屋の外に追い出された。
「何で怒られたんだ」
「・・・うん、空気読め」
要するに足止めか。ダヴィデは多くの隊員とともに敵の進撃、攻撃魔法を分散させ、この拠点を守る立場に置かれている。
「さいってい」
「うるせえ、勘違いブス」
彼女はダヴィデが嫌いだ。卑怯者で自分のことばかりで。女子全員から嫌われるのも納得だ。
イフリート隊の多くが黒狼の主要メンバーをとらえていく。
「ほんと、イフリート隊とワイバァン隊って最悪なのばっか」
サ―ニャは清楚系でたれめがちの大きなサファイヤ―ブルーの宝石のような瞳の、すでに体の方は少女より女性の領域に入っている薄紅色のおかっぱ風の髪型をした少女であるが、今はその魅力が半減している。それどころか見えない猫耳のようなものがトワイライトには見えた。双剣の使い手ありながら、本命には全く空振りである。フィお名はテレジアの傍ら、はぁぁとため息をつきたくなった。黒と紫が混ざったような、軍曹とゴスロリが混ざったような格好、いと目の前が身パッツンも困ったように笑う。はて、とフレッドは首を傾けた。
「鈍感というか」
「酷い・・・」
はては色恋ごとに関係のないミルフィーユまでやれやれと首を振る。
「そういうことじゃないと思いますが」
「?」
フレッドはアードルフの言葉に首を傾けた。あの部下の女の子も気の毒に。
「ど天然」
ぽつりと少女はそういった。
「では、間違いをそのままにする気ですか」
「イリス様」
その様子を多くいる騎士団の中、ハルトヴィヒは見ていた。
「なんだ、あの長髪」
「女の子?」
ああ、と誰かがい言う。
「国王派の秩序派だよ、貴族たちに利用されているとも知らずに」
「処刑のレイモンド」
「悪魔崇拝者の逆で、いるだろ、フォルトゥナやブランナイツでも、帝国を人間だけの世界にしてパンドラを殺しましょうって」
「リヒト」
「何だよ、また言いくるめに来たのか」
「違うよ」
ふんっ、と鼻で鳴らす。
「ただ君らしくないな、あんな卑怯な方法するなんて」
ヴィクターは幼馴染だ。小さいころから、貴族社会になじめず、注目はアレクシスやアリ―シャ。でも身近故に諦めたという点もある。
「エストの物まねなんて格好悪いよ、兄さん」
ヴィクターとアレクシスは双子のように似ている。だが血のつながりもない。ただ近所なだけだ。
ブレアの好きな男も何だが、こいつに限りは気の迷いも起きないんだよな。
「はぁ・・・、ゴットヴァルト君」
息を乱し、白い頬を赤く染め、木の陰から熱く見つめる変態・・・、違う、我らが部長だ。
「すてき・・・、家に閉じ込めたい」
百年の恋も冷めるよ、あの姿見たら。本人はあれで恋する乙女のつもりなのだから。ほぼホラ―だよ、あれ。
「くしゃみした、やだあのつば、ほしい・・・」
美人なのである、すごい美人姉妹の三女で、天才魔女で。表情筋が固いか、わからないが体をゆらし、ぼーっとしている。できれば見たくない姿だ、嫉妬ではなく。
ルドガ―はフレーヌの前で得意技を披露する。二つの精霊がルドガ―の元に集まり。
≪雷神・破壊・斬り裂け≫
その瞬間、剣から雷が標的に向かって駆け抜けて、敵の体を引き裂いた。
「て、てめえ、魔術師か」
「あんた、空気読めないよね」
いきなり、ローザリンデがぶちかましてきた。元冒険者、それも旅一座、故郷なんて何もないミゲルには、いつものことだ。顔立ちとなかなかの高身長、それに仲間内からの評判はいい。ただしがらみとか義務とか、ミゲル・セウ―の人生には存在しないのだ。
「まあね」
「反省してほしいんだけど」
「エルフリーゼ」
「言ったでしょ、アリス、私はお前の味方だって」
オーダーが飛び込んだ先にタナトスの監視下のはずの少女がいる。
「げっ、イザべラ・・・」
だがそれよりもオーダーは久しぶりにアリスを見た。五年ぶりに。愚かで弱いエリクの時の家族を。
「ヴァガット」
「あの女は殺したよ、もう自由だ」
激情に支配される、それでいいと思うが、フェニックスの巫女は彼女はヴァガットを恨んでいない。異常だった。でも自分がヴァガットを弱くした。もう壊れたのだ。
「行こうよ、僕と一緒に」
転がった少女のそれはもう彼女ではない。憎悪に包まれ、こいつを利用した奴らを、こいつを殺すのが人という情なら。ずいぶん前に縁を切った神は。誰もがわが子というなら。
「一つ聞くよ、お前の夢に魔女やパンドラの場所はあるのか」
「変なこと聞くな、穢れを新しい世界に持っていくのか」
誰もがくるっている。
監獄のようだ、ここにいる使用人も兄達も、ライバルとして見るがここに人間としての情愛はない。オナシス家の妻においては、ルードヴィッヒとのかかわりを完全に拒んでいる。敗者の息子。代わりの駒。エリザベートが来て以来、ますます見なくなった。
「中尉殿はもう少し、立場をわきまえてください、公私を分けて」
「くどくどと、家のことに他人が突っ込むな」
「・・・従士を腕の中に抱きかかえるとか」
ゴットヴァルトはうんざりしている。
「ゴットヴァルトが迷惑がっています」
「君もたいがいだけどな」
ふんっ、とオルフェウスは鼻をならす。
「部外者が突っ込むな」
「ああ、じゃあ僕ほぼ部外者何で、第二区に移っていい?」
「安心しろ、邪悪な奴からは俺が守ってやる、誘拐犯からもな、お前はボーっとしてるからな」
「・・・」
勿論、救えない、かばいきれない人間がいることも知る。マナ。魔法の力。卑怯者は嫌いだ。弱いものを虐げるのも、嫌いだ。
彼の振る舞いは卑怯者、嘘つき、権力者の下につく、自分が嫌う最低なものだ。手段も褒められたものではない。
ペルソナを殺人の手段に使い、彼の剣に正義もなく、彼の銃に譲り合う精神はない。でもただ一つ、学園でのころの彼と変わらない評価がある。
彼は傲慢で冷酷だが、好きなものには素直だ。立ち止まることなく歩み続ける。
今日も、ワイバァン隊のために危険な場所にスパイ死に言った後だ。隠蔽、情報収集、敵勢力とのつながり。でも責めるのはお門違いだ。
・・・アルバート、でも君が兄なら何で彼にこんな表情させたままなんだ。
「適当に生きましょうよ、適当に、そういう生まじめッて超個性ないですよ」
とりあえず、関わるが、根本的に性格が合わない。
「君はそのごまかす癖を直さないと、誤解されるだけだ」
ワイバァン隊に来てから、ラフォールやアルフレートはずいぶんと木を使ってくれている。アルフレートはゴットヴァルトに脅迫されたのか、と言ったが・・・彼はあの時、ああするしかなかった。秘密を知られたから、傍で監視するという考えだろう。それはわかっている。
千里眼とイ―ビル・アイ、五感を支配し、相手を支配下に置く。二コルはノアにいたずらめいた、軽い笑顔を浮かべる。くせ毛がちの巻き毛にラベンダー色の瞳、背丈は16歳の平均身長よりやや高く。女好きで悪戯好きでアホで。
「盾の魔女、お前はなぜ逃げなかった」
バーバラスの問いに、ライトグリーンの長い髪の少女は。
「処刑されることを知っていて」
「何だよ、未来予知でもみえる・・・はっ、お前告白してるのか?」
確かに俺は顔はそれなりだが。
「私が言いたいのはそこではないけど、貴方自分がわかっていてそういう発言って、心が病んでいるのかしら」
「お前こそ、俺以外に弟子がいないのはそういうところだと気づけよ」
すると、目をそらす。
「仕方ないわ、人間は貴方の言うとおり、自分より優秀な人間はいつも追い出す、愚かな生き物だもの、まあ、貴方みたいに底辺で生きている人間には天上の人間の気持ちなんて理解できないでしょうけど」
確かに絵になる。紺色の長い髪も華奢な体も。白い肌も。本当に外見が詐欺である。
「そうだな、まあ俺とおまえは赤の他人だしな、そもそも分かり合えるという方が異常だ」
「・・・それでも、人間は絆を求めるものよ」
「そうか?結構、お付き合いも友情も拘束されてて、どこにフリーダムがあるって感じだが」
「・・・そうね、私達、お互いの事知らないものね、貴方がそれでも私に劣情抱くのはすごく理解できるけど、美しいって残酷ね」
「ナルシストだな、お前」
「自分が好きじゃない人間なんていないわ、彼だって本当は・・」
あれ、と首を傾ける。こんな高慢自分勝手で意地悪な女に男がいたのか。
「自分より他人を大切にする人は幸せになるのかしら」
窓辺でたそがれ始めた。
なんだかひどく暗い濁ったものを感じた。
「らしくないんじゃねえの」
「そうかしら」
「お前はそんな都合いい女じゃないだろ、むしろ納得ないことはどんどんつきつめていくタイプだろ」
「何、その俺がわかってますみたいな、ごめんなさい、貴方のことは嫌いではないけど、男性としては少し、ごめんなさいね」
「いいから、修行に戻ろうぜ」
「・・・・ここにいるのはお前の兄の残響みたいなものだよ、亡霊だ」
「お兄様・・・」
「帝国を勝利させるために、今のふざけた三文芝居を続けさせるための、俺が存在するのはパンドラの仲間やコウモリのためだ、こいつが俺達の戦闘能力やペルソナを行かせる素養があったからな」
「ずっと、このままなのですか、そのままではお兄様は」
「ヴィルフリート・・・」
すでに赤い髪の少年は、北の大帝国の軍勢によって、雨の中、息絶えていた。ずいぶんと小柄な。
・・・・変身していたのか。
「その態度は可愛くないわ」
フィズはむっとなる。
「お前が裸同然の衣装来ているのはいつものことだろうが」
「・・・歪んでいるわね、本当」
2
「・・・・はしたない」
アデレイドが何やらにらんでいる。セシリアとしては、その中身を知るだけに、学園や上流階級の集まりでの彼は嘘だと思う。
カイザーやアルバート、アレクシスは手が届かないと女子生徒達はわかっており、そうなると近場に目がいくものだが。
ア―ガンスが意外と人気なのだ。何せ性格が極悪とはいえ、、こうスペックの持ち主だ。ゴットヴァルトは一度は人気が落ち、一般生徒扱いになった。
「きも」
「まじ引くわ」
見た目を裏切る、あの性格だ。女子の目は厳しいのだ。同級生はそうなのだが上級生からみると、欠点でしかないあの性格が大変魅力的らしい。
「あ、あんた、もう戻ってきたの」
「今日、なんかの記念日?」
手にはかわいらしいクッキーが入った袋や手紙がある。誰も狙わない、アルバートたちのついでとしてラファエルと呼んでいるだけ、セシリアはそう思っている。
「自分勝手な人たちね、あれだけ自分たちでひどいこと言っておいて」
「そうですね、あれ、メッセージカードだ、今日の放課後、体育館裏で待っています」
思っているのだが。
「やだ、決闘申し込まれたわ、名前も書いてないからこの子、心理戦仕掛けてきているな」
任務のないアルヴィンの日常は平穏であり、地味なものか。まず、アルヴィンは両親と妹が死んで、実の父にリリーシャを押し付けられ、戦司祭の寮で過ごす。
ちなみに男子寮と女子寮に分かれ、一応司祭なので、朝のお祈りはするがアルヴィンは常に一人だ。彼の性格が人付き合いが下手とか気が短いからか、不幸体質だからか。とはいえ、多くが十代なので、学校も通っている。
では、女子の戦司祭に好かれているかというと。
「誰?」
「・・・・アルヴィン・スパロウだ」
「ああ、リリーシャのお兄さんか」
天魔落ちの少年は、隊につくまでの事は覚えていない。いや正確にいえば、コウモリに入るまでは、あちこち回った思いでしかない。旅一座は結構いたし、旅商人もいた。パンドラを道具と思わない、区別しないのも自分がいつも傍観者だからだ。彼らは家族ではない、だが、いる場所だ。
「俺を切り刻まないのか」
勿論屑も正義感もどこにでもいた。だが、彼らも居場所はない。お荷物の自分をいつもはずそうとしなかった。倒すだけだ。
「何で、死にたいのか」
「俺はろくな人間になれない」
「それなら私もだよ、散々親にまわりに殴られて、仲間外れさ、いいじゃないか、何でお利口でいる必要がある」
「それはあんたが・・・」
「どうでしょう、イリス様に少し政務や軍務に関わらせては」
「馬鹿を言うな、あの子を権力闘争の中に置かないために、今の状況を作り出したのだぞ」
「お目付け役もいることですし、身の安全も十分です」
・・・なぜ、青の救世主を傍づきのナイトにさせた。天魔落ちだぞ。
似ているな、とアランを見ながら、カールスは思った。
「なんだい」
恰好からしてかなりの金持ち、満たされた生活しているなと思うが、世界には似ている人がいるから、と涼やかなその声の青年の優しいまなざしをそらした。
「いえ、クロ―ディア、行こう」
「今日は負けないのです」
死んだものは蘇らない。まして願う資格は、どこかにいるあの人の家族だけだろう。歌を紡ぐ。
罪人が神に許しを得る、あの人の歌を。
死んでも、あの人がいる天国にはいけない。会えたとしても、たぶん記憶の中のようにもう笑わない。言う言葉は分かっている。
「お前のせいで、俺の人生は終わったんだ、間違いのお前のせいで」
「家族もほかの人間もお前のせいで死んだんだ、狂えるなんて思うな、みじめに生きろ」
「孤独に憎まれながら、苦しんで醜く生にしがみつき、殺されて死ね」
死が救いだと、誰かが言った。
神が罰を下さらないからなんて他力本願だ。炎に抱かれ、侮辱され、怪我されたエマ達は、あの化け物たちは。
そんなの知るものか、人生を唐突に奪われて、そんなのは弱いからだ。
「何か」
「いや、どこの歌かなって」
なぜか悲しそうに笑う。
「ここの歌じゃないだろ、誰かの受け入り?」
「・・・かなり前に喧嘩して別れた相手の持ち歌ですよ」
ヒュウウウウ―・・・。
まるで密会のように見えたが、イングリッドにはアンネミ―ケが石造りの廊下の途中でその少年と身を寄せ合うのは奇妙に思えた。
「ミケさん?」
手をつなぎ、そばかすの少年はイングリッドを見る。
「何でもないわ、行きましょう」
「虐めるなよ、アンネローゼ」
「だって、ヴィルフリート」
二人とも他人を虐めるのが好きな傾向にある。
「うっうっ」
弱虫で泣き虫で能天気で。
「うんうん、もう大丈夫だからね」
「だって、イライラするんだもの」
「もう・・」
「あんな馬鹿な子、他にいないわ」
「ヴァンパイア・・・」
レーヴェ卿とイザべらは、部屋中に広がる新鮮な血、中央の異常に髪が伸びた男が何者か、令嬢をどうする気なのかすぐに気付いた。
赤の女王の侍女は遠征先で女王を探した。彼女は時折、従者もつかずに出かけることがある。
「下らんな、戦争で物事を解決とは」
女王は熱い中東にいるせいか、よくお湯につかる。身体は12歳の少女の体だ。
「ブリジット、お前はまだ夢の中にいるか」
ふっ、と笑う。
「見ていたくせに」
「・・・・・え」
ローザリンデは不滅の魔女の言葉にかおをあげる。
「あの子がおかしくなっていくのを最初から知っていたくせに」
一度も兄と呼ばなかった、二コルもヴィルフリートも。
・・・二コル。
ずたぼろになったごみ・・・、イヤ金ずるを拾い上げながら、らせん階段を歩く。
「金持ちのガキなら早く言えよな、モニカ」
「う・・・」
「い言うとしたけど、あんた相手にしなかったじゃない」
「・・・・ヴィント・・さん、素、それなんですか」
「以外と元気だな、結構そう攻撃されていたと思うが」
「その半分はあんたでしょ」
「とにかく、吸血鬼が探すワイバァン隊のパンドラならヒューストンも交渉に応じるだろ」
「吸血鬼に引き渡す気?」
「何だよ、いつから子供趣味になったんだ?」
「ヴィンセントに恨まれるわよ」
「実験体の一人だろ、代わりならいくらでもいるだろ」
ヒュッ。
「・・・・何?」
「ハーフヴァンパイアよ」
モニカがそういった。
ふむ、カイザー→ピンチ。僕→武装なし、今からじゃ余裕ない。目の前に風の精霊王とキングの契約をした吸血鬼狩り。最近知り合い、家族や友人いない、裏の人間。
「よし、決めた、ヴィントさん使おう、モニカさん、下がってて」
「貴様、何を」
金色の瞳が光り、ゴットヴァルトが呪文を唱え、骸骨兵を召喚する。
「武器がないから手品か?」
「ヴィントさん、僕に力を貸して」
「頭腐ってんのか、するわけないだろ」
喉に指を食いこませる。
「吸血鬼の毒性になれているなら僕にマナを吸われても問題ないよね」
「お前・・・」
飲みこまれる感覚を覚えた。光など届かない漆黒の闇だ。
それほどまでに彼の心の傷は深いのか。
モニカは自分の手を弾かせたヴィントが走り去っていくのを見送るしかできなかった。復讐は自分をなじり、虐めてきた奴らと同じ場所に落ちる行為だと言った。
街全体を見下ろせる展望台には、天使の像が置かれている。朝日はゆっくりと全体を明るく包んでいた。
「・・・・青の騎士?君が?」
「悪いか」
「イメチェン下の、なんか目つきがマフィアみたいだ」
ぶっ殺すぞ、このガキ。
「鉄剣のフロイデ、何で普通のルートで冒険者していないの?」
ピッピッと機械で冒険者リストでランク五と俺のデータを引き出す。
「ははぁ、お兄さん結構人殺してますね」
「人じゃない、魔物だ」
出会ったときに気づかなかったがどう見てもお育ちのいいお坊ちゃん、さっきから周囲の女たちがゴットヴァルトを凝視している。
「で、お前は行商でもしてるのか?さっき荷車の奴と話してただろ」
「まあ時々、で、フロイデ君は青の女王のところに行かないの?」
「フロイデ君」
おい笑うなら笑え。
「あのですね、ゴットヴァルト様、ご主人様は」
「俺が話す、ゴットヴァルト、今から話すこと真面目に聞いてくれ」
「うん?」
今度は違う意味でゴットヴァルトが俺を凝視し始めた。
「・・・大人になったんですね、あんなに奥手で姉さんからも逃げてたのに」
いや、まあ、思い出の中の俺はそんな感じがするが。
「・・・失望したか?」
村や町で僅かながら聞く青の騎士は品行方正な奴らの集まりだ。
「まさか、この国ならよくあるでしょ」
何か怖いこと、のんびりした感じで普通に言われた。
「信じるのか?お前の前にいるのは犯罪者かもしれないんだぞ」
「いやー、ないでしょー、フロイデ君襲われるならともかく逆はできないよ絶対」
「お前言葉を飾るって知っているか?」
「で、ルチアだっけ?彼女、どこにいるの、捕まえて疑惑解いてもらおうよ」
できるなら最初にするだろ。
「親切なんだな、お前に余計な不利益が降りかかる可能性もあるのに」
「君は姉さんの騎士なら罪人じゃまずいでしょ、悪いのルチア、責任持つのルチアでしょ」
つまりは本当に俺が罪を犯しても、か。
「・・・友達少ないだろ、お前、でもお前はただのガキだろ、実際どうするんだよ」
2
「助けるだと、正気と思えないな、ウルリヒ様」
「兄さんが来てくれたのは、クララのためだろ」
もちろん、兄弟に戻れるなんて思えない。兄と思っていても。ヴィントも完全に他人と思っていない。誰かを守りたい、そんなのは自己満足だ。少なくとも兄はそう思っている。
「お前の装備や今のマナじゃ、役に立たねえな」
唯我独尊、力がすべて、好戦的、冷酷。
「まあ、なんとかするよ」
「お前が?」
「ああ、してみせる」
ーなんで、知っていたのだろうか。
「ふむ・・」
ただいるだけで、皆が不幸になる。親切な女性が教えてくれた。
お前の存在が、まあ、あれですね、パンドラだしね。
つまり正解がアルバート様で、間違いが僕ね。珍しくもない。まあみんなに好かれたいとはもう思わないし面倒だ。
つまり自分は自分で愛せ、あきらめろ、普通はそういうものだ。
目の前のヴィンセント達のプレゼント。愛されるなんて薄気味悪いし。僕は僕が好きなものを愛すればいい。
これから仲良くなろうね、あれがいつまで続くかな、明日は殺意かもしれないが。
意外な特技だが、アルバートは探し物を見つけるのが得意で、かくれんぼも得意だとか。
「昔から抜け出すのは得意なんだ」
「意外だな」
マリアベルも同じ想いらしく、優しげな少年に意外そうな視線を向ける。
「シャンテ様・・・」
ルーティが天魔落ちの一人を抑えていると、豪華な馬車から美しい男が出てきた。後ろには似たような妙齢の男が一人。
「ザファルート、そこまででいいんじゃないかな」
独善、一方的な善意は暴力になることがある。シエラはおなじ部隊の少年とともに、最悪の女性に出会った。
ハートオブクイーン。彼女はすべてのあらゆるものを愛する、区別などない。アンジェロの少女達が、侵入者をあっけなく。
・・・・近い、近い。無自覚かもしれないけど、アリスさん、近いから。ブリザードかよ、わかりやすいくらい、アヴィスやサファイヤエルが氷のまなざしを俺に向けてくるんですが。
ラインハルトさん、そのさわやかな笑顔は何、威圧感半端ない。
「地図、読みにくい」
「ねえな」
腕がくっついてきた。
「変化する、神の剣・・・・」
アリスは細身の装飾が施された剣を封印された錬金術師の肉体から取り出した。
「死んでいるのよね」
「・・・・そうだ」
シュヴァルツウルフ、マルスの目、それでなくても革命の火種は各地にある。
「グラヴィーダスの名において、命じる」
兵士たちがずらりと並ぶ。
「お、おまえ」
「あら」
エレクは見ないふりをした。ティ―ア・リーヴにそういうことをしたいわけではないだろう。わざと自分の悪評を広めてないか。時折、エレクはヴォルフリートに対してそう思う時がある。
ああ、やはりと思うものとなぜという二つで思ったことだろう。エルフリーデは、オルグ達が到着するまで指揮をするものがいない集団がいかに危険かをこの目で目にする。
「あんた・・・」
壁にはワ―ウルフのペルソナが討ちこまれた跡があった。
「・・・少々遅いぞ」
「待てよ、エドワード」
ライトニング・ヴァリニアの裏社交界では、食うか食われるか、そんなものは当たり前だ。そんな世界に情熱を持てという方がおかしい。女王直属の機密情報局の特魔というべき機関。生まれは貴族だが、両親は数多い兄弟から末のエドワードを切り捨てた。
帝国軍はおかしいと聞いていたが、一皮むけばこの国の軍もおかしい。
水の女神の神殿で、ライトブルーのショートボブの姫君が、エルフリーデ達が到着した時、すでに決着をしていた。
「ずいぶんとのんびりでしたね」
傲慢で強欲、エドワードは雪深い北方の荒狼、その男が魔術戦争で勝つために焦ってこんな三時を起こしたこと、そこにバドォール家が居合わせたこと、そのすべてを数年間も帝国の人間として住み、ついには王宮騎士に近い場所まで来た。長櫃の中はすでに空っぽ、信頼できる誇り高き聖騎士の仲間とともに、国をして、帝国の人間になろうとした。
―ああ、カイザーを奪ったお前が憎いとも。
アデルはお前なんかを守るために、逃げるのをあきらめて。
・・・・どれほど、お前を憎んでいたか、ゴットヴァルト、お前は、お前を重荷に感じていたか知らないだろう。
「兄上、忘れたんですか」
「・・・ああ、そうだったね」
「俺はお前の父親じゃねえんだ、甘えるな、自分で動け」
「・・・中尉」
きっと、あいつは俺など気にも留めない。
「―イヤ、いきなり地面に伏せられても、困るんだけど」
確かにゴットヴァルトの前以外は見せないだろう。友情は真実だった。ヴィクトリアはそれでも傲慢不遜、自己中なヴィントのこんな姿はみたくなかった。
「お前の好きにしろ」
なくしたくないというのはただ単にからかう対象とかそういう意味だと思った。人間らしい一面もあるなと思った。
「お前には俺を踏んだり蹴る権利がある」
あるのだが、これは友情、対等な関係なのか?
「僕、そんな趣味ないし」
「すまなかった、だから許せ」
なおも慈悲を願っていた。
「ヴィクトリアさま、あの・・・」
子犬のぬれた目で見られても困る。
「それでまだ足りないなら、ナイフで・・・」
「汚れるから他でしてくれない?いや、そんな頭低くしないで、こすりつかれても困る」
冷酷で外道、人の心を持たない男がひたすら、慈悲を求めていた。
「何でもいいんだね」
「ああ」
ヴィントがうなずく。
「気持ち悪いから土下座やめてっ」
思いっきり頬をはたいた。
「ちょっと、あんたやりすぎっ」
「何なの、お前、僕的にありえないんですけど」
蹴った。
「・・大体、僕ヴィント様のキャラ知らないんで判定を求められても困るよ」
「俺だっててめえみたいなガキにここまでしたくないが、どうしようもないこともあるだろ」
「はぁ?」
「それで終わりか」
「え、ああ、そこまで執着ない無害な敵を追い詰める主義じゃないんで」
「俺をなめるなよ、ゴットヴァルト」
たちあがった。
「俺はお前より数千倍強いぞ、敬え」
「ええ、暑苦しいそうだから却下」
「あがるぞ」
「何で」
「俺はお前の何だ?」
「クラウドに見捨てられた戦闘のスペシャリストで人格破綻者で、知り合い以下の赤の他人だよ」
「ふん、茶はでるんだろうな」
「何、のむ気なの?」
「思い知らせてやるよ、俺がどれくらい素晴らしい人間かをな、ああ最高級の茶でもてなせよ、舎弟から傍においてやるよ、御館様?」
「歪みきってますね、ま、飽きたら殺すんでそのつもりで」
あ、出すんだ。
「世の中なめんな、ガキが」
「それがダチの誘いのつもりなら赤ん坊からやり直した方がいいのでは?というか、客室入れるのでついてこないでください」
「お前みたいな危険人物に自由があるわけないだろうが」
3
「僕は君たちを失う方が怖いよ」
フィネは誰かの言葉、ダレンの行動と迷いの中に重ねた。
オナシス家の所有する城。多くの町民が避難してきていた。
「俺が外への出口を切り開く」
「オルフェウス様、援護します」
・・・・あれが、アーディアディト。
お兄様のお姫様。清廉な少女。愛想のない少女。けれど称賛も期待もフロレンティカ自身が手に入れたものではない。彼女のダヴィデに対する感情はブラこんではない。過去への鋭い痛みだ。
奇麗な人・・・・。明るくて眩しくて。
成長するとともに称賛の声と蔑む声が同時に起こるようになった。その時まで私は友人たちと同じだと思っていた。彼女たちの言う自分がスターであり、臆病な自分とはまるで別人であることに。最愛の妹やいいライバルの兄でさえそう。
ー私の何があなたと違うというの?
凛とした微笑み、自然と身についていたけど、気づいた時にはそれは私そのものになり、取り換えができなくなった。だから、シエラには。
「あなたはいいのよ、無理に魔法使いにならなくて」
「え?」
「あなたはもう私を追いかけなくていいわ、好きになさい」
自分は勇気もないけど、あなたなら。
「クロ―ディア・・・・」
アンネローゼが珍しい客に目を大きくさせる。
へそ曲がりでわがままで甘えん坊で頭脳が高く、チェスが得意で辛い物や苦いものが嫌いでカラスが苦手な。
「また、迷ったのね」
ゴドウィンはそれでも、手を緩めることはない。へいの一団を連れて、祖国のために戦う。
「な、何だ」
完璧な奇襲だった。
困ったようにアレクシスはアリスに笑う。
「俺にも問題あるんだ」
「わかりあえるわ、だって」
「ごめんね、アリス」
ナイトハルトは、ヴォルフリートの剣の戦いの最中、観客席のイグナスの視線を感じた。人のよさそうな、善人のイグナス。
大嫌いだ、自分が正しいとでも思っているのか。
4
「黒衣のメシア・・・」
ダイアナはその表情に危険なものを感じる。いつかあいたい。
ブレイクエッグの少女は、革命家の少年を求めていた。
「止めないのか」
「はぁ?」
カイザーがエレンとともにくる。
「別にシエラの自由だろ」
「もしかして、無自覚なのか」
「俺は別にシエラがいなくても生きていけるからな」
彼と彼女の関係は。
「明確な関係なんてないか」
「あったとしても、関わる以上、歪むんだよ、どんないいj関係でも」
不思議そうな顔だが別になんてことない。いい奴何だろう。
「ヴォルフリートはいい奴だな、俺見たいのにも優しくて」
「・・・そうか、お前は彼女の」
「・・・・彼女のことはエドワード、誰も悪くない」
「だからお前が自分を縛りつけることは」
「僕の意志だよ、オルグ」
「ダヴィデか」
「あまりさ、人様のことか買わない方がいいぞ、特に第三者はな」
「友達なんだ」
「無視何でできない」
「お前は何者だ」
骸骨に見える仮面、ずいぶんと体が大きく細い。
「すぐにわかる、だが騎士よ、お前は何のために誰のために戦う」
リーゼロッテは驚いた表情をする。
「ああ、園芸部員、なんかさ、うちの兄がすべるジョーク言うんだよ」
「はぁ?」
「ゴットヴァルト、優しいのはいいけど誤解させるからやめてやれよ」
アレクシスは時折、というか最近、俺に冷たい。
「友達だと思われるだろ」
「え、まあご近所だし、本好きにうそつきはいないよ」
本好きだと思われてんのか。
「君も目立つ噂されるのは嫌いだろ」
「まあ、それは、でさ、園芸部員」
すげえな、こいつ、階級意識ゼロだもんな。
「なんかシエラさまが僕に恋してるだって、笑えない冗談だよね」
「え、ええ・・・」
「だよね、自分が恋愛激鈍いのに、やばい、また腹が・・・」
笑っているじゃねえか。
「何で俺に報告を?」
「いやいや、園芸部員、気分悪いだろうし」
「やめてあげなよ、彼は君よりは繊細なんだし」
「だから、まあ今まで通りで」
なんで、あいつ、こいつ好きなんだろうな。まあ、オルグを見てきたからだろうが。
「・・・いいのか、あいつは」
「僕のこと大嫌いだから、気にしないで、ダメだ、笑いが」
「ごめん、ゴットヴァルト、保健室連れて行くから」
5
「よくわからないな、問題がわかっているのに先送りしても無意味なのに」
無神経にも思えるけど、彼にはダヴィデもシエラも彼らのことも無関係なのだろう。
「でも、大事なものがあるよ」
「そう、ぼくにはわからないけど」
「うん、でも、学校やめないでね」
ゴットヴァルトが顔を上げる。
「ラファエル様はどこにもいかないよね」
ずっと、彼らは待っていたんだよ、多分。
「・・・・ブレアさんが気が多いとは知らなかった、まあ、カイザーは意外と学校生活好きだし、まあないよ」
「そっか、よかった、ダヴィデも喜ぶよ」
「は?何で?」
「ハーモニー」
だが、フロイデの声はタナトスの戦士には届かない。
「お前が何で・・・・」
「侵入者は殺す」
≪アリシャ・デスペルタールセ≫
アリスが、フェリクス卿、その背後のツヴァイトークの人々のピンチに能力上昇の呪文を呟き、気を放出させる。
「き、貴様・・・」
「お兄様がそんな場所へ」
第7区なんて。
「行こう」
「きゃああああ」
「馬鹿二コル」
歌劇団の新人ソプラノ歌手の少女たちは、怒りの鉄槌をに焼けた表情の二コルに繰り出す。
「・・・・哀れな姿です」
「これは」
フロイデは目を見張る。
「己の限界を知らない馬鹿の最後です」
それはいびつな美しさ、異様な。
虚飾の魔女ドレ―ヌはついさっきまで、少女の悪意に殺意に気づかなかった。ブレイヴ達はパンドラを狩ることに必死だろう。
「な、なぜ・・・・」
剣が抜かれ、剣の魔女は魔女が地面に転がるのをただ静かに見ていた。
「あいつはまた、他人を助けるために」
バン、とセバスチャンは大理石の床を叩いた。
「おい、大丈夫か、ヴォルフリート」
「ああ・・・」
隠し扉なんて、普通作るか。
「これは・・・」
思わずヴォルフリートは見上げた。
6
「悪い、関わらないでくれるか」
「にいさま・・」
テレ―ジアが目を見開く。
―これは。
「これは5年前の記憶だ」
振り返ると、屋敷の女主人がいた。
「アーディアディトと、君の」
「なくなった妹だ」
「そこが貴方の弱点、アリス、他人の痛みには敏感ででも自分の痛みは救世主の弟と同じ、ひどく鈍感・・・」
「私はそんな」
「剣をお持ちなさいな、守られるばかりのヒロインなんて醜悪にもほどがありますわ」
「全く、この屋敷は奇妙な客が多くて困るな」
アレッシオはナビゲートする戦士の後に続き、ヴォルフリートと顔を合わせる。
「というと、今夜みたいなことが昔にも」
「奪われた当家の秘宝だ」
銀の皿は屋敷の女主人の父と姉妹、長身の天魔落ちの男と猫の仮面の子供と黒髪のパンドラハンターの少女で六枚。
「何で、あんな旅芸人達を」
「そういうな、ドラテア、ここは荒野でただでさえ僻地何だ、助け合いの精神で生きていかなければ」
「招待状だってどこかから盗んだだけかも」
「―それで烙印の魔女のいどころが知りたいと」
「ええ、私たちはタナトスから依頼され、旅芸人の傍ら魔女を討伐する任務を与えられてまして」
「・・・・そんな幼子まで危険な人殺しの任務に巻き込んでもか?」
じろり、とドラテアはにらむ。
「気にしないでください、これは私の助手のようなもの、貴方達で言う従者見習いのようなもの、どうぞお気にせずに」
「ねぇねぇ、お姉さま、あの子何で仮面をつけてるの」
するとドラテアは表情をいくらか崩し、そうだなと答えた。
「今夜、同じ家を同じにするなら、悪いがはずしてくれないか、お互いの信頼のために、それに会話もしないのも失礼だろう」
「そうだな、助手よ、はずしなさい」
「ミス・ナイチンゲール」
「アレッシオ、無事だったのね」
「あぁ、お前も少し汚くなったな」
ゾフィーがナイチンゲールの後ろに隠れる。
「わけを聞いてもいいだろうか」
「・…ああ、まだ寝ていなかったのですか」
「貴方は家族を魔女に殺されたからタナトスに所属したと聞いたが、あの子は悪魔つきなのか」
「この地方ではパンドラはそう呼ばれるんですね、私の半面もそう、天魔落ちとしてトトの異界で生み出されたもの、君の妹には悪いことをした」
「・・・・・いや、妹には後で私がごまかそう、君達は恨んでいるだろうな、私たちを」
「汚いことを任せてか」
「だが、何で子供が魔女狩りを?パンドラが戦闘職に就くのは最低でも14歳からと聞くが」
いいや、生まれた時からモルモット、兵士だ。
だが男は答えなかった。
「戦場であの子と出会った、六月の紋章霊石の事件と聞けばわかるだろうか」
「・・・まさか」
「ああ、彼はその時の村の生き残りだ、両親や兄弟は彼の目の前で魔女に焼き殺され、それから助手は言葉を失った、あそこで見捨ていれば彼は死んでいた」
小雨の中、煙りが小さくなっていく死体の山、血のような大きな夕焼けの空の中、ヴァンパイア、ドロテアは赤の女王の馬に乗った姿を見た。
大勢の異形の赤の戦闘衣を着た悪魔の女王、赤い髪の少女を。
「お前が手に掛けたのか、無実の私の民を」
「少なくとも感情があるように思わなかった、だが私は己の醜さを知ったのだ、ローゼマリーやイグナス達とともに」
「何があったんだ」
「…君が知ってはならないことだ」
それきり、ドラテアは答えなかった。
「彼女は死んだ、だが赤の女王の臣下、アテナの剣は戦争主義者とともにこの国に混乱を招こうとしている」
「ドラテアさん・・・」
「ええと、黄昏の聖女様だっけ」
蔦を伝って、そばかすの15歳ほどの細身の、明るい茶髪の少年がバルコニーに入ってきた。
「あなたは・・・」
「とある方から、貴方が復讐したいという依頼をされたということで、ああもう、何で羊皮紙、貴方を正式にスリエルの騎士団に入団されることを認め、貴方を本日付で死亡していたた抱くことにしました、だーそうです、行きましょう」
「・・・・・・・いいのですか、私は貴方達を」
「お姫様を誘拐なんて、飽き飽きでしょう、だそうです、あのふざけた仮面のわが主は」
「死ぬといわれましても、私にはそれに見合うものが」
「これからもお前は牢獄の中の死人でいる気か、購えだそうで、まあ、嘘の名前にうその経歴で、多分お上品とか皆仲良しという世界はなくなりますが」
「そうで・・・、ああ、そうだな、私は私を動かす、今はそれで十分だ」
少女はそうして、少年に続き、地上へ降りていった。
「だ・・・れ?」
アリスはパンドラの少女をかばいながら、突如、見知らぬ細身の冒険者の青年に前にたたれた。ゴスペル・ハイヤル・ガード。
「ブルー・レジ―ナ、よかった・・・」
「何で、お前が」
溶岩が解けたにおいがする。オリバーもセバスチャンも、白の騎士団の精鋭を連れたディアナの陣にアレッシオに驚きの表情を浮かべる。
「アリスの判断だ」
「・・・・怪人が、罰を下った」
「・・・・・以外に抜けていた犯人か」
ジュラルドとカイザーは屋上から、その死体を見る。
ドン、とゴットヴァルトは一人の少女とぶつかる。多くの観客の中から特魔の制服を着た。
「すみません、・・・貴方、よほど暇なのね」
「は?」
「好奇心強いのはいいけど無理はだめよ」
そう笑顔で言って、立ち去る。
「誰だ、今の」
教会の扉が開く。
「・・・・うぁ・・・・っ」
パンドラの青年は腕の中に後輩の幼女のパンドラを連れていた。
司祭だ。だが、それでも、ここに戻りたかった。
「どこにいっていたんだ、遅いぞ」
「・・・・・お願いです、お願いだ、もういやだ、兵士なんて、俺は」
「入れ」
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