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ruka126053のブログ
第18章
1
「何?」
オルフェウスは長身の銃を、ためらいもなくうちぬき、作戦行動以外、のんびりした顔で危険な状況を変えて、的確に自分の窮地をとらえ、自分の命が奪われる一瞬を狙い、敵を銃で殺した。
「目的達成には問題ありませんよね」
「・・・・ああ」
地面にたたきつけられた、銃を向けているが瞳が揺れていた、打が嫌悪でも軽蔑でも恐怖ではない、動揺した目だ。
「・・・・・お前たちが僕の家族を」
星空だ、青い、吸い込まれそうな深い青だ、青い目が僕を捕えている。
あの人と同じ生まれだろう青年が殺そうとしている。
「ハンドガンじゃ、僕は絶命しない」
「・・・・」
「銃をこっちに、あなたは理性的な人間だ、なら今僕を殺す前に銃を、大丈夫、息を吐いて、力を抜くんだ」
「き・・・、みは」
えらく驚いている、今日はよく見るな。
「なれないことはしない方がいいよ、信じて、僕は貴方を殺さない」
だが、彼らは自分の仲間が確かに犠牲を生む存在でもあること、みんなが言う冷酷な魔物という事実を無視する。そう、セシリアの同級生にもいたのだ悪魔崇拝しゃまで行かなくても擁護するものが。
「もう意地はやめなさいな」
「・・・・・・・・・・・・・・いやよ」
パンドラは意思がなく、魔術師に昔から実験体に扱われていた。多くの国でアテナの剣のような軍隊が出来上がる前は、ハンターの獲物で、魔術師たちの実験体が普通だ。おてんばで乱暴者だが、一方で彼女は生き物が大好きな少女だった。
「行くんだッ」
結界、ゲートの中へ、アニスを、皆をアルベルトが送り込み、むきなおし、敵と戦闘状態に戻る。
「・・・・・死ぬのか」
軍人というものをユリウスは帝国で見たことがない。数人の仲間を連れて、ローゼンバルツァーのそばを離れて。
「人間だからな、だがそれでも娘や息子が気になる」
移民が多い国、寄せ集めの国。
「長男に毒を盛られたか」
「私はあの者に王の道しか教えていない、あいつではイシュタルの支配下だろうな」
「それって、つらくないのか」
ただ命令だからと、ヴィンセントはどんなことも引き受ける。親友というなら苦しいのもつらいのも分かち合うものだ。ガキ大将ではないが、似たような立場ならある。あれは面倒も多いが、嫌いではない思い出だ。もちろん威張るだけだと思う貴族も、こうして使えればいやな奴、最低な奴もいるが大変なのだ。
贅沢なだけなら、ここではやっていけない。
カイザーは小さくて、生意気だが、なんだか弟みたいで、ヴィンセントはいいやつだ。自分の周りにいない優しくて品があって、嫌みがない。
「・・・・決まったことだよ」
そんな、あきらめられるのか、さすがに彼の父を憎んだ。けがれた血を入れたくない、そんな理由で親友の恋を。ヴィンセントは受け入れている、そういうところは魔術師だからか。
「・・・・・また、意識を失ったの」
エデンの人間だ。こんなのは異常ではないし、真剣ではない。真っ白な部屋、並べられたパンドラたち。彼らは正義だ、パンドラは悪だ。
「この子はだめね」
「使えない」
魔法陣が浮かぶ。
「だから、ヴォルフリート」
「皆のために早く死んで頂戴ね」
術式が発動する、こんなの平気だ。痛い、痛い。モンスターより人間が怖いなんておかしい。お願いです、お願いです、間違いだから。
「間違いはこの世にいちゃだめなの」
ヴィクトリアが、大型の魔獣を、ウルリヒが苦戦した敵を炎の雷で引き裂き、焼きつくす。
「おいついたわね」
「吸血鬼貴族の一人、モールが」
「勘違いするなよ、ヴィクトリア、俺が壊したんじゃない」
拳が動かない。
「お前らが、棄てた、きれいなものを壊したんだ」
「あんた、クララを見捨てるの」
「当主の依頼は受けるが自分のミスも自分でできない奴を助ける義理が?戦いをばかにするなよ」
「してないわよ、ただあんたは今作戦とか報酬よりも妹を」
「命に優劣はない、確かリーゼロッテ、オーウェンの女も言っていたな、だが本当にそうか?命に値段も下も上もない、身分もない、だが敵がお前の言葉や行動で態度を変えてくれたことはあるか」
それでも、カイザーやアルバートはマリアベルは複雑な感情があれど、バーバラスには対応ができる。血の遺伝が子供の人格にも影響が。
「貴方は何のために戦う」
立ち向かいながら、ゴットヴァルトと向かい合う。カイザーとルヴァロア家は今、休戦状態だ、アルバートは好きなようだが。
「貴方に正しさや志はあるのか」
「さぁ、観念とか概念とか、殺し合うのに必要なのかな」
「・・・」
アテナの剣か、ローゼンバルツァーでもスパイや暗殺者まがいをしていたという。暗い。この少年は性格ではない。魂が暗く、その深淵は。
「正直、今のフォース・ナイツに納得は言っていない、そんな顔だな」
「オルグ様・・・」
テオドールのさわやかな、緑を思わせる髪が揺れる。
正直オルグとしては武力主義を止めることは、フォルクマ―ルを止めることと同じだ。フォルクマーや軍のトップも、魔術師内での競争もそう。
お為ごかしの騎士団。
つまりはイリスをアーデルハイトは信用していないのではないか。
アルバートは、自分の双子の兄――というドエス系冷酷な貴族の脳内設定だ。彼は現在、侯爵家で、基本過ごしている。メイドたちがきゃあきゃあという。
上品で礼儀正しく、アルフとか言うゆる不和ウェーブのブレイヴを連れ。乱暴者で気味悪い、僕とは似ていない。
「そうですね、彼は・・・・・天と地ほど、違うものです」
「はぁ・・・・」
たまにノブレスオブリージュ的精神なのか、普段は置物なのに、侯爵夫人はお茶に誘ってくる。草原と行っていいスケールの庭園。
「ですが悲観する必要も同一視する必要もありません、貴方にはアレの憂いを軽量化する役目があります」
「はぁ・・・」
してはいないが、奥さん以外の子をそばに置くとか、貴族の感覚わかんない。ついでにクールなこの奥様もわかんない。
「・・・・カイザー、救いと呪いは別の名前があるだけよ」
シェーリぃは静かにカイザーにいう。
アズゥ・カルヴァエ―レは勝利した。多くの騎士が剣を天に掲げる。
真実の口があるなら、私は食べられるだろう。マリアベル・フォン・クラウド。本当はずっと気づいていた。それでも彼のそばにいたくて、けれど、鏡映しのような彼らを見て、身をゆだねていた世界は崩れていく。アリス、その眩しさにひかれていたのは私。アレクシス、だれもが彼を誉めたたえる。優しく、親切で笑顔がよくて。まるで臭いものを蓋にするように。私は彼の支えになるのだろうか。真実、父と向き合うこともせず、だから今日も私はその怪物が嫌いだ。
諦めと絶望、しかしありふれたことだった。
血が飛び散る。
「あ・・あぁ・・・」
けれど何度も何度も繰り返される。
誰も救えず、空虚、無能、絶望。そう、マリアベル・クラウドは負けない。けれど同時に犠牲は生み続ける。
ブラウン・ローズにいる間、ヴァイツェンは笑顔を浮かべることがない。
ここにいるみんなもそう、空虚で乾ききって、まだあきらめていないものは抵抗か、戦闘に身をゆだねるか、狂気だ。ここはある意味では一つの国、国家だ。
死があふれている。
けれどだれもが悲劇の主人公ではないことは自覚していた。
アーク隊付きの戦士。
生き残るためには、仲間を手に掛けた。だまさなければ生きていけない。
「時間だ」
その瞬間、だれもがモンスターとしての仮面をかぶる。感情を切り捨て。
ロスト、ロスト、たとえ危機的状況でも増援なんてこない。
剣が折れるまで、皆の平和のためにーー
頬に痛みを感じた。
「呆けるな、打て」
誰もが目を見開いた。ユーリヒューマン、だれもがすぐ死ぬ兵士だと思っていた、帝国の狂気の象徴。
「君は君の役目を放棄するな、生きることを選べ」
生きることへの希望が満ちた瞳。
「うるせ、わかっているよ」
その少年は劣等生だったのがうそのように驚異的なスピードでチェス兵として精鋭となっていった。
「僕達は負けない、僕達は帝国臣民だ」
力強い言葉、彼は自分たちにないものがある。英雄たちの戦いを近くで見てきたのだ。
「いい奴なんだな」
「ああ・・・」
「馴れているからね」
「お前があいつにかかわるのは好きな女のためか」
「・・・・俺が好きでしているから」
狂った月の夜、キャナルは母とともにラフォール、領主に屋敷にまぬかれる。
「神父様・・・」
「ビ―ナ、なぜイシュタルの生まれだということを隠していた」
「それは・・・」
襲撃者は、領主とその妻を殺し、使用人を殺し、キャナルは。
ブラッディ・ローズ、レッド・レジ―ナと遭遇した。
「なんだ、こんな小さいのしか生きてないのか」
シュウウウ・・・・。
「セラヴィーナ様」
「…アルトゥル、終わったのか」
巨大な怪物は消え、そこには破壊された部屋があるだけ。
「止めておきなよ、アルバート」
「え・・・」
クロノがじろりとにらむ。
「あの魔女はもう処刑が決まっているんだ、後悔なく死んだ方がいいだろう」
「でも寂しいじゃないか」
「・・・ジャック、もう行くのか」
「ああ」
薄暗い男だ。ディアボロ家は正直言噂を聞かない。命をささげるだけの価値があの少年にあると思えない。
・・・バルツァー。年下の親友。
「・・・ウロボロスの人間か、フェイトドレスの」
「モニカ・・・」
青年は驚いている。アーロンはマリウスを見る。
「これはどう治めるつもりだ」
自分は所詮、すぐ忘れ去る存在なのか。リリーシャも絡んでこない。
「もう寝るぞ」
「・・・」
あれ以来、あいつは来ない。関わってこない。切り捨てられた。酷い、今まであんなに甘えて、頼って。信じられない、こんなことをするなんて。自分もあいつがいない本部に、前に戻った場所に戻るべきだ。今度はまっとうにやさしい友を見つけ、多くのあいつ以上の仲間を見つけ、夢にまい進すべきだ。あいつに俺も関わらない。それでいいんだ。そもそもほんの半年、それくらいだ。
俺はあいつの考えが、生き方が理解できない。主義も好きなものも、ただぼっちなところが同じ。好きな子に自分の人生に夢中になるべきだ。オタクでマイペースでわがままで、凝り性で一度疑問を抱くとそれに夢中になって、他人を利用して。いつも笑顔で唯我独尊で。構われている間、ストレスを感じていた。俺は虫でも実験動物でもない、玩具じゃない、あいつの愛し方は相手を壊す。セレスティアはあいつ以外見えていない。姉はお前の妄想じゃないのか、孤児院は再建された、孤児たちは存在していないのだろう。だが知らされる。
彼はただ、現状に納得なんかしていない。自己中なくせに誰よりも自分が嫌いなんだと。
「また明日」
「ああ」
あの暗さ、人を踏み越せない感じは自分が知る彼女によく似ていた。ゴットヴァルトはああまで暗いのは、なぜか。一人が好きというのは誰かと似ていた。自分も彼も彼女も。全くもって、中途半端だ。
「・・・・幼い時の約束ね」
何でか、園芸部はやたら僕のところにくる。ここはお茶の席ではないが。
まあもう、ダヴィデが僕の部室に普通に来るのは風景の一部だからいいけど。
「うん、それで男の子には今親しい女の子がいて、とても仲いいの、ラファエル様は詳しいよね、だから教えてほしいな」
「まさか、僕なんてモテませんよ」
ブレア嬢は笑顔で冗談うまいなという。ダヴィデが睨んでくるが何だというのか。
「で、その男の子はその子と付き合ってんですか」
「それが二人とも違うっていうの、でもねはた目から見てお互い好き合っているの丸わかりで、だから私入り込めないなって」
なにその青春ラブストーリー。すごくどうでもいい。
「無自覚ですか、それでブレアさんと結婚の約束を・・・、たち悪いですね」
べただがうわ、面倒っ。まああきらめないのだろう。表情見ればわかる。
「その女の子に他の男をあてがうのはどうでしょう、その意中の相手をどうこうするのではなく」
どう見てもその男面倒そうだ。なら、そのライバルをどうにかすればいいのだろう。
「でも大事な友達だし、それに彼も」
つまり、よくわからないループか。
「ブレアさん、敵に情けはかけてはだめです、このときにも貴方の婚約者を奪った女は虎視眈々とその男から自由を奪い、自分の意のままにしようと狙っているんです」
「そんな悪い子じゃないよ、卑怯なことが嫌いな子なの」
「卑怯なことをしない女性なんてこの世にいません、貴方は甘すぎる」
「で、でも」
「貴方はその男を手にしたい、なら友情を捨て、貴方しか選択肢がないと思わせないと、後悔するのは貴方なんですよ」
「対話は難しいだろうな」
マーティンがハルトヴィヒ達にいう。
「皇帝陛下はそう変えられない」
エレンは考え込む。
「休戦はどうかしら、意見できる人といい条件があれば」
「あればもうしてるだろ」
フロイデは学園の生徒として、アリスの近くにいる。19歳なので大学部の魔法術科にいる。
「あまりふらふらするのは、アウィン先生だけにしてほしいのですが」
「イヤ、冒険者だから」
それで何で夜の不審者を俺が見張らないといけないのか。
「よ、よぉ」
基本的に僕以外、この部室に入らない。後、旧校舎であいた部室が訓練室なので基本人が少ない。そして、怪談の巣窟か、歴史が長すぎて、校舎が増築す過ぎて、ダンジョン波に広い。
鍵をかけてもいない。来客は顧問しか来ない。さすがに最初は一人で部活は無理かなと思ったが、意外にもマリアベルが学校側を説得したとか。洗脳でもされていたのだろうか。まあ、嫌いな虫を視界に入れたくないのか。まあ、それはそれだが。
「・・・何か用何ですか」
口が引きつっている、目が後、怖い。同じ学年何だろう、たぶん。ひょこひょこと歩いている。
「お前、その、遊びに行かないか、園芸部のものだけど、近所だし」
「君は?」
「ダヴィデだ、一年E組の、で、予定は」
汗ばんでいて、頬も赤い。
「僕より最寄りの警察か軍に相談してはどうでしょうか」
「は?」
「誰に脅迫されているか知らないけど、脅迫に屈してはいけませんよ、さぁ、誰に君は表情がこわばり、目が血走るまで追い詰められているんです、名前をいってください」
「・・え、その」
周囲の視線が一気に集まる。はっ、となり、イリスはあわてて自分の口を押さえた。わたくし事より今は公、帝国のみんなを優先すべき時に。
「ヴォルフリート、死ななないでっ」
意味がわからない。
「取り押さえるものをあらかじめ用意しておいて正解でしたね」
飴と鞭でいえば、暴走する時のきつい鞭役、年上の青年騎士が眼鏡を整える。
「本当にアルバートは大事なんだな」
「しかし、みんなの前で殴るとは」
カイザーは憤っているが、まあ自分が使っている駒に生意気な口叩かれたら怒る。
「でも意外だな、てっきり使用人に殴らせると思ってたのに」
「もし、虚言でないなら、家のためじゃないかしら」
「アルバート、あの時どういう状況だったか貴方ならわかるわよね」
黄金の長い髪の少女と、夜に少年は語り合っていた。
不似合だった、それゆえに記憶に鮮明に残された。
脅された少年と目を光らせる赤の女王と吸血鬼の配下達。
「女王の意のままに」
「返事は?」
「僕には君がローゼンバルツァーの家族の死を哀しんでいないように見える」
レーヴェ卿ははっ、となる。
「そうかな、これでも悲しんでいるんだけど」
男が溶岩地帯に降りてくる。
ヴォルフリートはその鋭い眼光の軍服の男に目を見張る。
心臓が脈を打つ。
「まさか・・・・」
セバスチャンは歯をかむ。
「貴方がわざわざこの地まで足を向けなくても」
部下らしい軍人が男のそばに寄るが、無視される。
《朽ちろ、雷撃の断罪≪ライトニング・コンヴィクション≫
「私にすべてお任せすると聞いていましたが」
「なに、退屈しのぎだ、貴様にしてはこの程度の兵力に大分てこずっているようだが」
「最近運動不足なもので、貴方はまさか息子を助けに?」
セバスチャンもその隣のヴォルフリートさえ目を向けず、
「ヴァルベルグラオ嬢の頼みだ、アレッシオよ、きぜんを迎えに来た」
「俺を・・・」
「本当にやさしい人だと思うよ、僕は信じる」
ヴォルフリートは首を傾ける。
「聞いたか、赤の女王に奇妙なものが侵入していると」
「怖いわね」
アリスは真剣な顔で心配している。
「ナいない、チェス兵が近づけるものか」
「無駄な夢は止めようよ」
「―応援してくれるかしら」
アロイスはその言葉に大きく目を見開かせる。
「貴方は・・・」
アリスも困ったようにアンネローゼを見る。
「それはみんなが納得していることなの?」
「吸血鬼も人間も新たに生きるべきだわ」
「・・・ミア」
「ああ、アルバート、驚かせたかしら」
「いや・・・」
「きっと大きい問題になるでしょう」
「僕は応援するよ」
少女はえ?と傾ける。
「そうだ、お前の記憶を奪おう」
「え?」
金色の少年は、青の騎士は雷炎の魔女がいきなり意味不明なことを言いだした。
「なぜ、俺をそんな目で見る」
これじゃ、まるで。
だが、悪は彼らの眼には人間で冒険者で。
スノーレディーたちの国が女王の国で建国される。オ―ガたちと手を組み。
「なぜ、わざわざ独立なんて」
交渉役の女性軍人は、そういった。
「今がその時だからです」
「まさか」
「僕は何も出来ないよ」
セレスティアは困ったようにゴットヴァルトを見る。
「でも優しくて、温かい、みんなゴットヴァルトが来ると安心するって」
「誰でもできることだよ、僕だからじゃない」
「綺麗で勉強もできるよ」
「借り物なんだよ、僕は」
2
ここはもう放棄されている。銃を手にヴァイツェン達は、敵の生き残りをせん滅する任務にその年の春、付いていた。
「お前、変わったな」
「え、ああ、君か」
背が伸びている。それにレッド・レジ―ナの近くにいるせいかずいぶんと見れるようになった。
「しかし、抵抗運動は途絶えないな」
そういいつつ、任務に集中する少年をみる。人嫌いだと聞いていたが、何というか大人になったな。
「背はとうとう越せなかったな」
「・・・ああ」
そうか、覚えていたのか。
美しい歴史と伝統、かっては花の都といわれた場所は今、がれきと煙、戦闘のための場所になる。時刻は早朝近く。
「ハルト、行くぞ」
「おお」
敵は黄金の塔を占拠している。
「・・・・・すまない、間違えた」
「じゃない、助けなさいよ」
フレーズがふふとほほ笑んでいる。
「アリシア先輩、一応聞きますがこれはなんです」
「うん、執事とメイド祭よ」
アルバートが微妙な笑顔を浮かべている。
「一応断っておきますが、アルバートは男ですよ、なぜメイドの方を」
「似合うからよ」
「まああきらめなよ、俺も諦めたし」
アレクシスが執事の格好で着た。セシリアを連れて。
「何で私まで」
建物が爆発の影響だろう、揺れている。
「あんた、美人だけど愛想がないな」
テロリスト、本人たちは革命家だろう男がヴァイツェンに近づいてきた。
「うんそんだけ美しいなら、こんなところじゃなくてお貴族様のところにいったほうがいいんじゃない」
「気易く近づくな」
ひゅう、と口で鳴らす。
「おっかね」
「イフリート隊との共同戦争だな♪」
リリーシャは喜んでいるが、同じ人間相手だ。建物が多く壊されている。捕まった天魔落ちが起こした現象らしい。
「面白い方ですね」
髪を翻し、アリ―シャがチーム名とともに現れる。
「意外だな、アールズ」
革命家があの方の協力の元、兵力やあの武器を手に入れ、ブルー・レジ―ナ達、ブラン・レジ―ナと戦うが、ウロボロスは今回動かないと、銀髪の美女は言ったのだ。
「パンドラがいるところに拷問姫が来るなんてね」
誰もが平和を、仲良しをいつも求める。アルバート、貴方はどうする気なの。
「人の命より自分を優先するんだ」
ジュリエットやヴィクトリアのまなざしには明らかな軽蔑の色がこもっていたが、エレクはそれらを相手にしなかった。
「最低」
「私を貴方は攻めているでしょうね」
「ヴィンセント・・・」
だが妙齢の美女の軍人は。
「過ぎたことだ、あの人は子供だったお前にはどうにもできないことだ」
「いいえ、いりません、それよりあなたが声をかけるべきはそちらのかっての息子ではないのですか?」
ヴォルフリートの肩が揺れる。
「ああ、残念だ、思ったよりも何の役にもたたぬクズ駒がいたのだな」
「貴様・・・ッ」
少女騎士が前に出る。
「主人の無礼をお許しください、光の騎士団に所属し、日も浅い故、どうかこの場はいさめられぬ若輩の騎士に免じて、どうか」
「何で、こんな人間の屑を」
だが少女は頭を振る、口出すなと言いたいらしい。
「―そうか、よい騎士に恵まれたな、少なくともそこの主よりは己というものをわきまえているようだ」
「ふん、お前のようなものに分からないことよ、下がりなさい」
「行きましょう」
「ああ・・・」
「姉様の記憶はまだ」
「ああ・・」
「そうか、方法はないのか」
何やら、今日は衛兵のお付きしていたヴォルフリートがランプを細工していた。
「何してるんだ」
「うん、嫌がらせの仕掛け?」
3
「兄上はさぞ幼少時も人気あったでしょうね」
アルバートではないことがばれた以上も、わがまま、大変賢い12歳伯爵はこうして、集まる機会があると、声をかけてくれる。当初はただ身分だのそれで騒がれたり嫌みを言われたりしたが、今は令嬢たちに(当然だが貴婦人だの子息は関わらない)、派手な兄たちのおかげか、僕がだめすぎるせいか、会話ではない会話だけするようになった。
いらないんだけどな、その優しさとか。
その令嬢たちは僕と同じオタクなのか、中二病なのか、頬を染め、「ま、まあ、ゴットヴァルト様でしたらそういうのも珍しくありませんね」とか「もう禁断の果実を」とか僕は今後オタク友達ができても、専用の単語を覚える必要があるのか。
「いえ、そんな」
「謙遜過ぎると、印象悪くなりますよ」
ル・パーリーはブルー・メシアを消そうと躍起になった。
奴がいる限り、吸血鬼は永遠に地上をさまよいあるく。真の幸福は訪れないのだ。
「お前たち、できるか」
「はっ」
「アルフレートは俺が討つ」
歓声が鳴り響く。
「フリッツ、お前はお前の道を行け」
無口で不器用で軍国の王族の末子ガウェインは、観衆の中、フリッツにそういう。
「アテナの剣がなく、軍の足元が崩れている今がチャンスなんだ」
「そうか」
「コウモリや黒い傘の連中が大分、動いているようね」
「オリガ」
そもそも今回は武力主義の将軍が勝手に決めた出陣だ。戦争の早期終結、確かに重要だ。
「なんか納得言ってないわね」
「今まで、帝国軍は動いていなかったからな」
最近は言った情報では。彼らはアテナの剣を最前線に、帝国軍人はまともに戦場を経験していないという。とはいえ、好き放題に勝てるかというと、青の救世主に青の騎士が来たという情報もあるから、名高い英雄を出してくると思うが。
「対話路線で穏便にいかないか」
「無理でしょ」
「そんなばっさりと」
「無理してこの場にいなくてもいいのだぞ」
「なっ」
「ここは貴様などにふさわしい場所ではない」
「ベルンホルト、あいつ本当にお前の親父かよ」
「何か聞いてたのと違うな」
「はぁ?」
「意外とやさしいんだね、あの人」
「手のひらを返したように」
「まあ、仕方ないよ」
別に出て行けと言われたわけではない。
「・・・行くのか」
「まあ、それが本分だし、いつも通りだよ」
4
「・・・・ああ、アルヴィンか」
「こそこそしやがって、かき回してお前何なんだよ」
風の精霊の聖剣のことか。
「何が望みなんだ」
「まあ、世界平和ではねえな、二番煎じになる気もねえし」
シュヴァルツパラソルか。
「・・・お前、いいのか」
少年は最後に会った時、14歳でヴァイツェンは相変わらず男のなりでいた。
「誤解されたままだぞ」
「無意味だよ」
彼は優しい人だった。仲間をパンドラを守り、いつも励まして、あきらめるなといってくれた。
「っ」
エストの指が触れようとした瞬間、オルグの前でシエラが表情をこわばらせた。
「シエラちゃん?」
「あ、ごめんなさい」
「あんまりじゃない、今まであんなに持ち上げて」
「フォルトゥテ先生・・・」
学園でも、アルバートは人気者だ。ゴットヴァルトを追いかけていた令嬢たちも。
「僕の価値なんてそんなものだよ」
「・・・ショックじゃないの」
「慣れてるからね」
「貴方の望み通りなのかしら」
「シエラ様・・・」
「私は喜ぶべきだと思う?」
「まあ、落ち着くところに落ち着いたじゃないかな、来週の行事が終わったら、そのあと、適当に考えるよ」
「それでいいの」
「アルバートの居場所を奪っていたのは僕だしね、居てもいいという人もいるけど、あの家に僕はいらないから」
「カイザーはどうするの」
「ベルンホルトの子息という点は事実だし、会えないわけでもないよ」
何なら、いろいろ裏から手を回すとかあるし。
「あの、ゴットヴァルト、私は」
「よかったじゃないか、これで余計な手間がはぶけて」
「ゴットヴァルト・・」
「マリアベル様、君との喧嘩楽しかったよ」
「今日は人気者だな、今度は君か」
「少しいいか」
5
アレクシスがじっ、と自分を見てきた。
「何か」
「君は・・・」
カイザーに向き合う。
「大丈夫、僕ならできる」
「お前はアルバートになりたかったのか」
「・・・ヴォルフリート様」
「お前は赤の女王の恋人じゃない、現実を受け入れるんだ」
「・・・何より、もう罪を重ねるな、死んだ家族はそんなことをしても喜ばない」
「新しい孤児院ができて、ちゃんと墓まである、復讐相手を探しても、アリスだって望まない、お前は生きていいんだ」
「・・・何のために?」
「え?」
「僕のためなんて言わないだろ」
「だってお前は魔女に心を壊され、赤の女王たちに利用され、十分なほど戦っている」
「アルバートがそういったの?」
「そうだよ、それが・・・」
「そう・・・、でもヴォルフリート様、僕は止めないよ」
「聖なる乙女の十槍なら俺も探す、アリスは元に戻る」
戦場でフリッツは、オルフェウス隊やアレクシスとぶつかりあう。
だがそれ以外が多くの死傷者が出た。
6
「馬鹿な、あの人が私たちを売るはずがない」
スリエルの騎士団、その登場でロザリンドとともにヴァイツェンは帝国から切られた。「ヴォルフリートが」
「フォボス、手を貸せ」
「・・・・」
「聞いたよ、お前、死神の血を引くらしいな」
バルドゥルが意地悪にほほ笑みながら見下ろす。暗殺者や戦士、スパイを育てるチェッ主猫の盾では、セラフィは天使の名前をもらったが、天魔落ちの血が薄いながら流れ、審判の女神の本当に末裔だった。
「血のようなその目は先祖の名残か」
「・・・・いえ、この探究者の朱眼が、魔術的な力があったのは遠い出来事で」
子ネズミのような心臓、白銀のハートという暗殺者はセラフィにそういった。
「なぜだ・・・」
玉座に座りながら、アンネミ―ケは考え込む。
「僕をお使いください」
「クロノ・・・」
「アリスがいないとき、僕達が動くときです」
「ブラウン・ローズはアルバート様達で助かったか」
「ヴィルフリート・・・」
「帝国の奴らはなぜ・・・」
「裏切り者が」
「黙れ、過去の遺物がっ」
7
大通りに、彼にそっくりな貴族の少年が大勢の人間に囲まれ、パンドラを帝国に渡す場面があった。
「え」
その時何かが割れる音が聞こえた。ミントは自分が其の居心地いい時間を壊してしまったことに気付いた。
「あなたが変える?」
エストは大きく目を見開き、アルバートをみる。
「みんな好きだね、でもそれはあなたの願いなの?」
「え・・・」
「誰かが幸せになって、君は本当にそれで満足なのかな」
≪グラセ・レ―ヌ≫
ずごごごご、どど・・・・ん。
「やった」
シエラは、スライムの集合体を、ドワーフとともに必殺技の一つで一気に蒸発させた。
「お前に私の何がわかるというの」
「え・・・」
「離して・・・」
「…下がりなさい」
チェス兵たち、パンドラが自分の旗の下、テントに戻っている。
「まるで暴君だな」
「しかし血に濡れて戦う姿はよい」
「下らん」
「アルバート、君は彼女の一番になれないよ」
「え・・」
「彼女は王だ、だれにも弱みは見せない」
「そういえば、ユリウス達が赤の女王のお気に入りという話は聞いたことあるな」
「でも、まあ、赤の王もそうだけど、唯我独尊で俺様タイプだろ、特別なお気に入りはいないんだ」
「まあ王様は偉いからなぁ」
「吸血鬼には俺らも人間も下等な生き物だからな、才能とか美貌とかないとだめなんだろ」
「あれだろ、女王のお近づきになるには、ブラッディ・ローズの純血の方々がいっていたけど、緋薔薇の王冠というクエストをやらされるんだと」
8
それからは、別にそこが嫌ではなくなった。彼は相変わらず、みんなに馬鹿にされ、ともに戦い。
「・・・」
水面に自分の顔を見る。髪に花をつけてみた。ヴォルフリートはどんな色が好きなのだろう。どんな服が、どんな本が好きだろう。
別にそんなんじゃない、たぶん違う。彼はドジで馬鹿で、でも彼が笑えば、世界は色がある。どんな音楽が好きなのだろう。
胸が熱い。
ねえ、貴方は怪物でも人間まがいでも傍に置いてくれますか。彼が自分を特別意識することはない。
「きいたかよ、ヴィルフリートがエデンに行くって」
「ああ」
ヴォルフリートの声だ。木の陰に隠れる。
「いいなぁ、おいらもアシュラ達と行きたい」
「アルバートは今はすごいエリート教育だし、僕たちじゃねえ」
知り合いだろうか、よこの少年は何となくヴォルフリートに似ていた。
「姉さんはまた傷つくだろうな」
「だな」
姉さん?
三人の女神がいる。
「ああ、この時間は戦闘で疲れているから宮殿の奥にいると思うわ」
「ルイ様達もあまり行かないな」
「で、何で僕を呼んだの、僕休みたいんだけど」
「君は結界を破るのが得意なんだろ」
「いやいや、女王の居城のバリアなんて殺されるじゃん」
「そういえば、よく塔に姉さんと君、金髪でアンネローゼに会いに行ってたけ」
「ときには僕の妹も仲間に入ってね」
「かくれんぼとかなんかしてたな」
「君は隠れる場所を見つけるのが得意だったね」
「あー、人が多いところが好きじゃなくて」
「血なのかな、それは」
「え?」
「ありがとう、うれしいわ」
「おお、鬼がほほ笑んだ」
「こら、ヴォルフリート」
9
「・・・・僕達は、兵士です」
「ディートリッヒ、守る対象を間違えてはいけない」
「だ、だが」
「誰かに期待するなんてもうとっくに諦めてしまいましたよ」
「機織り工房の娘が騎士になるなんてよく考えろよ、大体帝都に出てなんになるんだよ」
魔物商や冒険者ギルドのこと付き合うなんておかしい、キャナルはレッド・レジ―ナに助けられながら、忌み嫌い、何の疑問を持たない。ゆえに領地の同い年の女の子たちは彼女を嫌っていた。
「歌手とか」
「騎士だと言っているでしょう」
「もったいない、お前そこそこ美人だし、適当な奴と普通に生きれば」
その時、レミエルに吸血鬼の出没情報が流れる。
「あれがパンドラ」
「それってさすがに空気読めなさすぎじゃないか」
「あいつ、赤の女王に好意抱いているんだぞ」
「彼がかい?」
「ホラ、よく見てるだろ」
「ごめんなさい、貴方だったの」
「時間間違えたかな」
「いえ、全然」
夜の闇でヘンリーは冒険者と名乗るものたちから襲撃を受けた。
「ちくしょう・・・」
姉様・・・。
「何で、俺は」
「うん、君にアンネリーゼを外に連れ出してもらいたい」
「・・・いいのかな」
「何が」
「だって、君は」
「いやなんでも」
10
そもそも悪魔崇拝しゃとは純粋にいえば、異教、あるいは黒魔術の関係者をさす。ダンジョンや冒険者を廃止し、レベル上げと称した殺人をやめろという動きは帝国以外にもある。そもそも、異界研究では、そこは天国か煉獄のようなものであり、そこからパンドラが発生するという事実はない。故にパンドラたちが人間かはおいても、同じこの世界のものであり、彼らを借り、その財産を奪うというのは神も許さない。そう、帝国法においても、パンドラの生存権はだれにも属せず、あくまで彼らのものとされている。
アウレリアヴィーナは人間に変身する、モンスターと人間の両方の姿を持つこと自体、悪魔崇拝しゃの言うように彼らが人間であることを指していると思う。
「パンドラを隠していることを悪いと思うか」
「いいえ・・・」
銃をぎゅと握る。
誰かに自分の未来を掴まれるなんてまっぴら。
「私のことは私が決める」
「お前、エルフと悪魔属の」
エドゥアルトはアクセルとともに立ち去る直前、アルトゥルにそう言った。
戒律的で掟に縛られたエルフと鬼属やユニコーン属。
誰かの顔色をうかがうこと、優しいこと、強大な戦闘力。
戦場で、死の女神、恐怖の天使が、赤い花をまき散らしながら駆けこんで、軍国の兵士を喉元を、腹部を、手や足を切り刻んでいく。
「・・・あ」
フリッツはルカの死を目の前で目撃する。
「生き残っているぞ」
・・・美しい。
死の女王が、暴力的なまでに完ぺきな美を抱く少女が魔剣リヴァイアサン、巨剣を手にフリッツの命を狙う。
「間にあったようだな」
「クルーガ―少佐・・・」
レッド・ローズ、ブラウン・ローズからも多くの被害が出た。
「私にひけというのか、このタイミングで」
「どうか気を収めください、女王陛下」
「私は誇りを穢されたのだぞ」
「予に人間風情から逃げよというのか」
「生き残るぞ、エリザベート」
「ええ」
「ネフィリア、行くぞ」
「諦めろ、女王陛下は退陣を命じられた」
「いや、いやああ、まだ生きてる」
戦場では死は軽い。
「フリッツ、大丈夫か」
「先輩・・・」
「まだガキだもんな」
これは何のための戦いなんだ?
「今回はお前達はコウモリに迫るポジションだろ」
「自分達だけ安全圏にいる気がしますが」
マリウスは、以前ソール魔法遊撃部隊の戦闘に巻き込まれた経緯がある。死の行進【デス・パルティ―レ】、レッド・レジ―ナが帝国の声にこたえ、敵の血を多く流させるのはいずれも革命が抗争が起きやすい場所でもある。東【ソール】か西【サートゥン】か、帝国の自由と友情、愛のためについ最近まで多くの血が流れた。
アガサ・レインボウ。
ソール遊撃部隊は、アルフレートの長兄が指揮する部隊だ。軍と共同で他国のパンドラ連帯を撃墜させた部隊だ。
いうならば、エルフリーデはクリスタルのことを何も知らない。何を探しているのか。国や世界のことなんて正直無関係だと思う。強気で行動は。けれど、クリスタルはその名の通り、みんなの前では強さを見せるがどこか危うい。
クレイン家の悲劇。
他人同士でさえそうなのだ。そう壊れた関係は元に戻らない。
フリッツは、マーガレットたち、メインの軍に相棒とともに切り込む。
「続け、続け」
11
「アリ―シャ、きみは」
だがその先をハルトが尋ねるのはためられた。アレクシスが妹が言ったところで生き方を変えることはない。
「何だよ、お前」
アリスの騎士が去っていく。
「エンヴリオ・・・」
ヴィンセントは手を口に当てる。
「君が何で・・・」
王宮騎士に数えられ、クラウドの騎士でもあるヴィンセントは指揮権を持つ。数千の兵士や騎士が後ろに控えていた。
「しばらくは敵も戦闘を中断するさ」
「そうだな・・・」
「大丈夫、俺達は生きて帰れる」
「あれがクレイモアの力なんですね」
「将軍が騙し打ちされた」
「何?」
『私はあらゆる暴力を憎む』
フォボス達が帝国軍の頭がいる谷を責める。
「イリス様、命令を」
「何者だ」
「誰でもありません、白の騎士団団長」
「貴方は友人と殺し合いをしています」
「お前、気は確かか?冗談は――」
「オルフェウスぅぅ」
「ちっ」
フリッツがマナを全開にして迫る。
12
「フィーネだ、偶然通りがかったんでな」
「悪い、助かった」
ヴォルフリートに手を伸ばす。
斬りつけられるバーバラスは暗黒騎士達が骸骨であることを知る。
「馬鹿な、暗黒騎士は、青の救世主がせん滅させたはず」
「・・・冗談なのかな、何か今白の騎士団団長が味方を裏切ったって」
「そんなありえないだろう」
ゴットヴァルトは、コウモリの仲間とともに動いていた。
「女が死んでるぞ」
「この格好、スパイか何かか」
「何か今日は表情が安らかだな」
「・・・」
アレクシスはじっ、とラフォールの横で自分を見る。
「あっ、ごめ」
「いいんだ、問題は今解決したから」
「?」
「・・・お前ら、ワイバァン隊のものだな」
傷だらけの赤毛短髪が腹部を押さえながら現れた。
「敵兵ッ」
「俺を捕虜にしろ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ?」
「おい、コウモリが小隊の一部を買収して、オルフェウスの元に向かっているそうだ」
アルフレートはガウェインと剣を交わしていた。
「見つけたぞ、領民の敵が」
「誤解だ」
ウォーロックをフリッツ、オルフェウスの前でゴットヴァルトとセアドアが殺していく。
暁に黒髪がよく映えて。
「ご無事ですか、中尉」
「遅い」
「・・・・アラッド」
「何だよ、エルフリーデ、変な顔をして」
「放っておいて」
「立場をわきまえなさい」
「所詮、庶民ね」
「あはは、モテると思った?地味男の分際で」
いじめられて、からかわれていた。気位が高い女王には、アリスには優しかったが。
・・・なのに、女王の旗があるテントの中で、伝令を死に来たら。
正気を失っている。
「首をお切り」「虐殺を」
「邪魔なものはすべて壊すの」
女王の血族の呪いが発動していた。
ブラッディ・ローズが珍しくうちの部隊に伝令をまわしてきたと思ったら。
「落ち着こう、うん、落ち着こうか」
「・・・・・・・・・・・・・お前、ズタぼろね」
「イヤ、君が服を切り刻んで、今鎌で斬ろうとしたんだよ」
訴えんぞ、こいつ。
「その体全部の傷は・・・」
「僕まれにみるどじっこなんで、近づかないで、ほら、命令書」
これが魔法?妖怪に襲われた気分だ。
・・・・とりあえず、彼女に勝つのは無理そうだ。先に聖なる乙女の十槍を集めよう。
アルバートが彼女に隙を生ませるまで待とう。
「じゃあ」
引っ張られた。
「何だね?」
「私、落ち込んでるの」
「は?」
「落ち込んでるの、臣下でしょう」
「そんなの僕がパンドラナだけでしょう、じゃあ僕戦闘で疲れているんで」
誰が性悪キツネの相手するか。
「私の命令は絶対よ」
「大丈夫君ならできるよ、じゃあ寝たいんで」
なおも体を掴まれた。
「アルバートに取られてもいいというの、お前は今のチャンスを逃す気なの」
「とられるもなにも、僕は君に興味ないのですが」
むう。と頬を膨らませる。
「アリスがそんなに魅力的というの、私以上に」
「何でここで姉さんが出てくるの?」
「私の血がほしいのでしょう?」
「うん」
キ―ッとほおを引っ張られた。
「この馬鹿、節穴っ」
「イタイイタイ、何急に暴力を?」
「私は女神よ、女王の私より人間が上というの?」
「知らんがな、そんなの、だから痛いっ」
「よいか、今のあいびきは見なかったことにせよ」
「了解」
「何だ、一応王候補は考えていたんですね」
「女王の血がほしいということは、吸血鬼になる気か、本気で」
「アルバートあたりだと思っていたが」
「まあ、人格はともかく血筋や能力は問題はない、クエストの参加者に加えよ、純血が減ったところだ」
「11歳で未来の王候補か、人間世界じゃ・・・いいんですかね」
「問題ないでしょ、兄弟でも重要ではないらしいし」
「お前たちもよいな」
「・・・・まあ、貴方が言われるなら」
「女王がお久しぶりに相手を気にいられていますし、たまには変わった花も必要でしょう」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
アルバートは大きく目を見開かせた。
「は?」
「うむ、ヴォルフリート、アルバート、お前たちに緋薔薇の王冠のクエストを挑んでもらいたい」
「赤の王、何を」
「あの僕、王様になる気ないので辞退していいですか、人間だし」
・・・・僕達からじゃなくて、パンドラか。
クロノはじっと見た。
「決まったことは仕方ありません、褒美に私たちの一族となる証を与えます」
何か楽しそうだな、アルバートをじっと見ている。
「お前たち、二人を連れて行きなさい」
「勝者、アルバートッ」
「これは神の血と、堕天使の血だ」
「どちらか一つ、お前で選ぶのだ」
「残念ね」
「・・・ああ、まあ」
「落ち込んでいるでしょう、ジュースでもお飲みなさいな」
「侍女さん、いい人だな」
トマトジュースか、苦いな。
「うん?」
何か今、舌がしびれたような・・・腐ってたのかな。
「イヤ、刺激的な味だなって」
「お前のことは嫌いじゃないわ」
「そりゃ、どうも」
好きでもない子に振られたなのだろうか。
初恋は甘酸っぱいではないな。
「さっきのジュース、口に合った?」
「・・・女王陛下、あれお酒でも入れただろ、何か頭がずきずきするんだけど」
「祭りだもの、ほんの前なら子供でもワインくらい飲むわ」
「未成年に飲ませちゃいけないんだよ」
大体なんかどろり、とするわ、今はブルーハワイな味に変化しているし。
「いい夢を」
頬に冷たい唇がついた。
「じゃあね」
・・・・何か体温が感じられない、冷凍の魚にキスされた気分だった。
「セアドア、4年前の儀式の事だけど」
「うん?」
「アルバート様から聞いたけど、マルスの目が関与していたんだろ、あの時は聞かなかったけど君は彼らと客の間に何を見たんだ?」
魔術師の儀式にパンドラや使用人を使い、失敗。
「僕もアルバート様も被害は受けたけど、実はそんな恐ろしいことなかったんじゃないか、それで、あの、今の僕になったのはその事件の時じゃないと思うんだ」
確かにトラウマになる光景もあるだろうが。
「・・・君はあまり、ヴォルフリートやアルバートに近づかないでほしい」
「何だやっぱり覚えてるじゃないか、って近づくなって、僕が彼らに危害を加えるとでも?」
「聞き入れてくれ、ヘンリー、僕は君が大事なんだ」
「え、でも・・・」
青の救世主が戦場に入れられた以上、陰から助けないと。
「アーディアディトに近づいたら君は彼女の生活を壊してしまう、ヴォルフリートも」
「わかっているよ、でもさヘンリーはやめて、ゴットヴァルトにしてくれよ」
「君はそんな大層な名前よりヘンリーが似合うよ」
「知り合いに同じ名前いるから困るな、トムとかフランツでよくない?」
彼女もそうだが何で素直にブルー、グリーン、イエローにしないのか。
「君が死ぬときは僕が死ぬ時だよ、お義兄さん」
「マリアベル、まだ狙ってんのか」
「愛は世界を救うんだよ、わかるだろ?」
「・・・そういうところあるから、紹介できないんですが」
「大丈夫、侯爵家もマリアベルも手に入れて、僕と君で世界を支配しよう、絶対成し遂げて見せる」
「セアドア、一応聞くけど、友達だよね?」
「ああ、生涯の友で兄弟だよ、死がわかつまで」
多分、誰かの命令だろうな、というか信じたい、重い・・・・。
「アルヴィンを虐め倒したいなぁ」
普通の友達が恋しい。
「・・・・止めないのか」
「え?でも、いつものことですし」
シーザーもあれらもあいかわらずか。
「・・・パンドラか」
これは何のための研究なのか。
下のブロックでは、六角形の機会たちがおかれている。
「ねえ、君、暇なら実験に付き合わないか?」
「悪いが軽はずみなことはしないようにしつけられている」
他を当たれ、と視線をそらす。
「-君だけの奇跡がほしいと思わないのか?彼らはなぜ災厄の女性の名を与えられた?怪物を倒す家に疑問は盛ったことはないのかい」
「・・・・」
「君は愛がほしいのだろう?」
「秩序をお前の科学の進歩のためにゆがめる気か」
「そうかい、じゃあ今度僕の実験室に来給え、ホルト君」
「はっはっ、まあ確かに貴族様以外いだとレッド・レジ―ナは良きお客様でした」
「本当、クズだな」
まるで映画のように吸血鬼貴族は砂に消えていく。風の中流魔法は誰が?
「で、私は特魔に、異端審問官に?」
「理由を聞こう、こんなことをしなくても復讐はもう果たしたのだろう、なぜ」
だが男は森を見る。
「私は生まれつき多分常人とは違う、たぶんバドォールさんとちがい、死者としか生きる実感が得られない狂人何でしょうな、おかげで両親も妻も友も最後まで理解できませんでした、伯爵は何やら空想めいたことを言っていましたが私は面白くなりきれなかったのでしょうな」
「ただ、気の毒に思うのは菓子売りの兄妹ですねぇ、子供を殺すのは私達でもルール違反です」
「お待ちしていました、アーディアディト様」
ズォォぉン。重い賢天使の扉が開く。
学者のような格好、黒いローブをかけて魔術師の少年がアリスを待っていた。
「お願い、約束して、無理はしないって」
「…何で」
「怖いのよ、私はつらいわ」
さすがに僕も驚いた。
「辛いのも、苦しいのも貴方一人が背負えるなんて、私はいやだわ」
「・・・・貴方は、僕を憎んでいるんじゃ」
「嫌いよ、大嫌い、なんでそこだけ、カイザーと似ているのよ」
ああ、そういう・・・。
「なんかかわいい女の子泣くのって、ときめきますね」
「また隠すの、だから、貴方は」
「無理だよ、今更、僕の性格の悪さは治りようもない」
そんな簡単に捨てられる、切り捨てるものなのか。
「でも、ありがとうございます」
小指を差し出す。
「大丈夫、僕はいいかげんだから、お気楽だから」
「信じられない、うそつきだもの」
「約束、僕は無理はしないよ」
「・・・・明日はなしになってないかしら」
「悪いことじゃないですよ、明日がわからないのは」
彼女の指に自分の指をからめて約束する。
「・・・・マスターですか」
家を出て、ヴィントはブラン・レジ―ナ達のもとで修業に明け暮れていた。
「ええ、まあ、伝説ですけど」
・・・・それはどうだろうか。たとえ、もう意味離さなくてもウルリヒ達の幸福は願う。あの女やあの男はどうなろうとどうでもいいけど。
「でも、まぁ、子供向けかもしれません、そんな人いませんもの」
宿命、運命の主従、永遠に。
生きれるだろうか、誰にも、どこかに属せず、自由に、己だけで。ただ家からは解放された。不安もあるが、あんなに固執していた世界は小さく、ああばかみたいに思いつめて。英雄も神も魔王もいない。
―お前はいつか、主を守るんだ。
誰かの言葉が胸で反響したが、通り過ぎていくだけだ。
「ヴィント?」
「いえ、何でもありません」
あいつは王でもまして主役になるタイプではない。もちろんすべて否定する気はない。カイザーだけ、アリスだけ見て、自己中でオタクで、マイペースで本好きで、そうきもいが、だが平凡な性格だ。変人だろうが特出した変人ではない。結構人でなしで人を道具にしか見えない、まあ、クズだろう。さぼるしなまけるし、欠点しかない。無能のくせに、役立たずのくせに勘違いして、ウザくて、冷淡で俺よりも血も涙も情もない。痛くて、こじらせて、あれにかかわるなんて寒気が走る。関わるなんて無駄だ、こっちが頭おかしくなる。人間づき合いに臆病でびびりで。
勝手に死ね、勝手に壊れてろ。
世界中探しても、お前が求める、受け入れる奴なんていないこと知っているくせに。お前なんかいらない。
死んでいる。別にいつも通りだ。
「帰るか」
モンスターが人間になれるわけがない。復讐なんて無価値だ。馬鹿なガキだ。泣いている少年だ。カイザーはお前を利用している、アリスはお前を利用している。気づけよ、お前にはそんな価値ないことくらい。頭悪い屑が。
冷たい金属製のベッドの上で、ゴブリン属は魔術師たちを見る。人間の多くは魔物には逆らう意志などない、冷血な戦士と見ている。自分は何のために生まれたか。ゴブリンとされても、自分の村も家族もいない。戦士で実験体、獰猛な獣、自分達は最後魔獣となる、それが運命。だがその間、ただ戦うことのみに生きている、そう思うのは違う。皆全く違う一生だ。自分は知っている、どれだけぜい弱な人間といわれる人間がゴブリンよりもよほど恐ろしく冷酷で野蛮な生き物であるかを。百年かそこらで死ぬが、彼らに守る価値はない。それが自分が知る真実だ。自分は殺される。なら、最後にフォボスを思ってもいいだろう。どうかこの魔物たちに罰を、悪魔達に苦しみを、吸血鬼たちに絶望を。死すら生ぬるい。
化け物たちが、貴様らに安らぎなどあるものか。未来永劫、子子孫孫にいたるまで絶望し続けろ。
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