ruka126053のブログ

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第26章


1

帝国で死ぬということは臣民に戻ること、人間に戻ることではある。ツェイン自身、帝国の在り方に疑問はある。それが、平等な帝国の掲げる姿勢なのだ。臣民たち、人間は疑問を抱くことはない。

多くの仲間、種族というたぐいだけの他人の死体が沈黙が、通り過ぎる。壊れたおもちゃの廃棄場所のように、ずいぶんとなれた。帝国軍の本来の兵士が眉をひそめるが、僕は無視した。狂った科学者、多くが理解されない。
「・・・・生きてる」
正直目を覆いたいが、記憶魔法や黒魔術、そのすべて、マナが扱えない、劣等性な僕はこうしてパズルのように化け物の形の人間だった物体から材料を探す。
「またしてんのかよ、死体漁り」
上を見上げると鬼がいた。人間の少年にうすい茶色の肌に闇の瞳、角を生やした。
「・・・・」
「おい、無視するな」
「殴りに来ただけなら後にしてくれない、忙しいんだ」

「あんた、作戦を考えなさいよ」
「でも助けないと思って」
アリスはつめよるヴィクトリアに困ったような笑顔を浮かべる。
「まあ、いいじゃねえか、全員無事だし」

理解出来ない人物とはいるものだ。特に目の前のゴットヴァルトに対してそう。
「じゃあ行けばいいか」
ジ―クヴァルトは突進して、敵のもとに行くゴットヴァルトに口を大きくさせた。
「待てっ」
わからない。感情的なタイプ、そう一言で決めるのは形容するのは、アルバートと違い、ゴットヴァルトは難しい。即断と言えばいいか、一度決めると目標に向かう。
「少しは周りや状況を」

「・・・・誤解ですよ、ご主人様」
「私はそんな優しい人間じゃありません」
「じゃあ、側にいる理由は何なのかな」
「・・・・私は完璧な戦士でも巫女でもエルフでもありません、貴方と同じです」
「・・・」
「アールヴの里もお父様も貴方ほどではないんです」
「・・・僕だって、君のマスターでも王様ではないよ、君の望むいい奴にだって」

まあ、すぐに気づいてはいた。大体、悪魔属やら鬼属やら、さまざまなものが混ざって、アルバートとはペルソナが違う。あれを演技打のトラウマだの思えるのは。
サンタが急に残虐なファイターに、まあショックはあるがオルフェウスは長年スト―キング、いや探し続けた、前もあっていたが確認が取れなかったいとしい弟をおかんばりに気にかけている。やめなよ、相手知らないんだから。
だが、あの残念でトリッキーでダメダメな性格は気に入っているだろ、絶対。
「言ってもよかったけど、効かないだろ」
「・・・・・」
双子どころか三つ子なのか、しかしベルンホルト様、世界が広いな。
「マジなのか、あれは」
「そうだね、意外だよな」
「ありえない・・・・」
頭を抱えているが。
「まあ、いい機会だし、エリーゼと仲良くなれば」

いつかの記憶だ。だがどうでもいい記憶だ。
礼服の裾をつかんで、アンネリーゼはその庭に向かう。
「ごめんなさい、遅れて」
「え、いいよ、今来たから」
懐中時計を広げて、少年はいた。
「・・・・よかった、もう帰られたかと」
「薄情だからね、まあ」
彼のもとへ寄る。
「では参りましょう」
「うん」

夜は優しい、包み込む。争いなど遠い異国のよう。
「ここにいれば安全だ」
「ああ」
「一人だわ」
この国は平和だ、幸せだ、アウレリアヴィーナはそれが建前で実際は、バラバラだと知っている。
「・・・・ルヴァロア卿」
「あんたか」
クリスタルが自分を見てくる。デヴィッドは、ヴァイツェンに話しかけていた。
「・…それで、君はさ」
「もういいですか」
かまうな、そんな感じだ。捕まって、従うが、こちらの意思には耳を傾けない。


見ないふりは得意だ、人の意識の多くは世界という中でたやすく自分をごまかす。まだ自分の世界は元に戻る、そう何も壊れてなんかいない。
「・・・・では、悪魔崇拝しゃが消えないのは」
ハルトヴィヒ達に出会った時、家を出て、寮生活していた。13歳で魔術師の学校を卒業、ブレイヴの扉を開けた。
「発言には気をつけろという話です:」
パンドラのスナップ写真。怖いと思う。見たくないと思う。だが背筋が凍り恐怖に駆られる時、思い知る。・・・いいや、私たちは人間以外生みだせない。彼らは人間だ。

「怨むな、アルフレート、ヴォルフリートが悪いんじゃない」
好きなだけにどうにも憎しみに帰った時、激しく燃えている。かわいさ余って憎さ百倍、ではない。根底から激しく、歪んで、打がアルフレートの手に入れた事実が真実と限らない。オルグは危惧していた。
「お前の家族も知っていたわけじゃない、冷静になれ、証拠はない、大体その事実もテロリストから聞いたんだろう」
いつもなら少しは我に帰る、感情的ではないのに。
「そもそもお前はあいつが嫌いだ、少し事情知ったくらいで、同情的になるくらいではない、お前は浅い奴じゃない」
兄たちに裏切られ、姉に裏切られ、どうしていいかわからない、あまりに受け入れ難いが、カイザーを信じなくてどうする。
「・・・・お前に何がわかる・・・・、ああ、そうだな、お前は家族がまともだからな、あの男に復讐したい俺なんかわからないのだろう」
親を兄に殺された、打がアルフレートは今聞き入れないだろう。
「カイザーがそんな卑劣なことをすると本気で思うか」
「何もしていない、ああ、知らなかったんだろう、おれと同じように」
「なら・・・」
「俺とあいつが何も知らず、ただあんのんとしていた時、あいつは何をされていた」
「それは・・・・」
「あいつはくそったれだ、悪だ、最低だ、だからって、何もしていいわけではない、仕方なかったなんて、だれが言う権利がある、あいつが戦いや人殺しが好きだから?まともじゃないから、だからカイザーやあの女のために兵士を強要されていいはずがない」
「アルフレート、証拠はない、あいつはローゼンバルツァーで幸せに、エレオノ―ル様たちをだまして裏で人殺しを楽しんで、多くの人を傷つけている奴だ」
「あいつはカイザーの後についていくしか興味がない、人に興味ない、人をばかにして自分勝手で、壊れていて、わかっている」
「頭がおかしいのはあいつ一人の責任か、カイザー以外愛せないモンスターナノはあいつの責任や意思か、俺たちがそうさせたからだ」
「俺はカイザーを、ヴォルフリートを許さない、あいつを犠牲にしているのはあいつとその姉だ、壊れていくのを歪んでいくのを一番知りえる場所にいながら何もしないあいつをどう信じろというんだ」

「助けたいんです、彼を」
「何でだ、貴様にとって会ったこともない他人だろう、同じ顔だからか」
「それは・・・」
「だとしたら、あいつはカイザーどころか、お前よりも相当の詐欺師、天才になるが、あれらがすべて計略だと?」
「彼はそんなことしません」
「狂気であるなら、普通に生活させること自体、だれもさせないだろう、普通なら愉快犯、貴族の地位を狙う輩、・・・お前は今の状況があいつの不幸な人生が起因している、そういいたいんだな」
「僕は違う」
「お前は変わらないよ、お前が嫌う地位を己の力と勘違いした腑抜けたちと、一時の感情ですくい、状況が悪くならばたやすく切り捨てる、お前は出ていってほしいのだろう、邪魔なんだろう、なぜ自分を誤魔化す」

「本当に聞きたいんです?」
「えっ、いや・・・」
どうしよう、ゴットヴァルトのドキドキ体験(ただし恐怖)を聞くべきか。シエラやブレアをみる。
「まあ、いいたくないなら」
「そもそもあなたみたいなお宅の平凡男子が吸血鬼の女王に興味持たれるわけないじゃない」
「えっ、・・・・・いきなり」
なぜうれしそうなんだ、恥ずかしそうにもじもじし始めた。
「ま、まぁ、確かに地味な男子だし、友達少ないし、平凡だけども、いきなりの高評価だね」
「ごめんなさい、貴方が感性がおかしいの忘れてたわ」
「それって、同級生も女子にも見る価値もかかわる価値もない男子って意味でいいんだよね、むしろシエラさまみたいなトップ座トップに息近いのも超無礼って意味だよね」
「それはねえ、むしろ俺だろ」
「なぜ、自信満々なのかしら」
「意外と好かれているんだ、でもいきなりは困るし、心の準備させてね」
「・・・・でも、何で噂出たんでしょうね」
「うん」
「え、何で、会話を斬るのかな」
そういうところだぞ、うん、まあ、でもなんでこうスペック(ただし性格が残念)でこの思考になるんだ、その性格さえごまかせる演技力あるならなおさら不思議だ。いや、でも今日は最高にトニカクかわいいですな。
「僕に何か?」
「あー、見た目だろ、うん、後、まあ可愛いし」
「・・・・本当に不思議だわ、そもそも地味で暗い所にいそうな貴方がどう出会うの」
ツンデレにしてもそれだと気づかれないぞ、俺も好きな女の子にツンデレしてほんつに嫌われたと思われ、まあ、シエラよ、お前は笑え、見た目はいいから。
「ああ、前にいた僕の好きな人の友達だったんだよ」
「ああ、ゴットヴァルト君は好きなものは好きなんだよね、うさぎさん、犬?」
「まあ、好きな人はいろんな意味あるものね」
おおっとカップが揺れているな、動揺隠せてないぞ。でも、あれだよね、こいつお姉さんに好かれそうだもんな。
「それでまあ仲良くなって、あとはまあ、城を襲撃したり宣戦布告したかな」
思考がそういえばこいつ少年漫画だった。
「それで、まあ色々あって、いつのまにか恋人のジャンルに加入されてた、決闘申し込んだり、差し入れに蛇入れる相手に告白とか。、吸血鬼って頭おかしいよね」
「・・・えっ、料理できるの、絶対マリエルさん任せだと」
「貴方が、手作りで?それは意外というか、男性って料理しないとばかり」
「俺にしてくれよ、材料費払うし」
「・・・・・食いつくポイント、そこなんだ」

「またその笑顔」
自然を超える芸術はこの世に生まれない。ゴドウィンは陽気で、平和主義。黒髪に青紫の瞳を持つ、素材自体は美しいがのんびりとして、だらしがない表情だ。ライトニング・ヴァリアで、クルーエルエッグの保護を目的に伯爵家を捨てた21歳の青年だ。
「そうかな」
「ウソ臭い」
来ているものも青年が本来切ることのない騎士服。オレンジ色の血のような赤い空に鴉が泣き声を上げ、近くに山々、草原が見える成果ひどく幻想的で雄大だ。

「・・・・あいつは冷酷で戦闘今日だ、だから魔術組織を壊して」
「戦闘狂?お前にあの化け物、いやゴットヴァルトの何がわかる」
頭がガンガンする。
「それは・・・」
「お前は奴と同じ従士で、行動をしてきただろう、ゴットヴァルトが本当にお前のいう卑怯者で策略家なら、とっくにお前を陥落し、マリアベルから地位を奪うだろう」
「しかし、あいつは幾度を仲間を危険に」
「だが、死んだ者はいない。コウモリとして、ゴットヴァルトが持てるすべてでお前らを守ったからだ」
「それは俺達を情報源やカードにしようと、あいつがそんな」
「哀れなものよ、母親には殺されかけ、生き延び、存在を否定され続け、魔物だからと命を狙われ続け、仲間や家族を求めて、帝都に来てみれば自分の居場所にヴォルフリートが居座っていたのだからな」
「何を・・・・」
「だますものがなぜだまさなければならないか、お前は味わったことがない、想像しないらしいな、帝国に尽くし、それでもなお周囲から疎まれ、殺意や憎悪を延々と向けられ、兵士にされたのだ、ローゼンバルツァーのけがらわしい守護者たちの手によって」

13. 歪んだ星を掴もうとした
「そんなもの、あいつが周囲を利用して、同情させて、好きなようにするために」
「奴が帝都に来るまで、いたのは辺境の村にいたのだ、アーディアディトとともに」
「それは・・・」
「おかしいだろう、パンドラが人間のいる壁の仲にいたのだ、それも誰もパンドラと気付かずに11歳になるまで」
男がアルフレートのもとに資料を投げつける。
「これは」
「その孤児院は、マーガレットの夫の母方の領地だった、まあお前の希望通りに確かに反逆者や悪人、犯罪者の残した孤児ばかりが集められていた、あいつがその孤児院に来たのは9歳の時、それまではまあ、酷いな、魔物商や魔術師、さまざまな犯罪組織でまるでごみくず同然、人間扱いなど受けることもなく、なぶられ、殺人未遂まで行きそうになった、たかが9歳の子供にだ」
「やめろ、聞きたくない」

血の感触がツェンは苦手だ。いちいち囚われて、悩んで、人間が僕らを顧みるわけがない。馬鹿な奴。
「・・・・」
屋上にいると、扉が開く。
「・・・お前な、一定しろよ」
「何で君に報告する必要が?」
だが去る気配がない。
「関係なくない・・・」
「いつもいうね」
おかしいな、本当は友達を求めてきたのに。
「座るぞ」
雲雀が飛んでいる、今日は雨だろうか。
「あいつらに真実なんてねえよ、気味悪い、上辺だけ見て、期待どおりじゃないからって何さまだよ」
「人はそんなものだよ」
「お前も悪い、何でそう諦めるんだよ」
「だって、事実じゃないか、熱くなるほうがおかしい」
「受け入れて、わかったふりして、それじゃ救われない」
「君が?」
「俺はいい、ともかくお前はもう少し自分を愛せ」
こんなに大好きなのにどうも伝わらないな。
「カイザーの犠牲になる必要ないだろ、半分は兄でも」
「そうだとしても、君は僕ではないから真剣になる必要ないと思うけど、アルバート様見てれば、気楽に生きたほうがいいと思うし、他人にそこまで執着して無駄に時間過ごして、理解不能だわ」
「・・・・俺はお前と過ごすのは無駄じゃねえよ」
「おかしいな、僕かなり君に失言しているはずだけど、何マゾ?僕と関わってもマイナスになるだけだよ、うん」
「俺はある日、消えたりしねえよ、裏切ったりしない」

「お前からみて、そのようなものか?私から見れば誰かに脅迫されたとしか思えないが、お前のいう人物なら正義感のレオンハルトが止める、更生させるはずだ」
心臓が脈を打つ。
「それは・・・」
「そう、そもそもダ、あんなに家族思いのエレオノ―ルなら領地内に誘拐された娘がいるなら12歳になるまで捜索しないのも変だ、あの夫婦は仲が良い、いくらレオンハルトでも、恋人との子を自分の息子にするのはしないだろう」
「カイザーを守るために」
「そう、彼らは最初から娘とともに現れたそれがクラウド家のものだと気づいていた、気づいていて、ヴォルフリートとして迎え入れた、アリスの騎士としてな」
「・・・・・・・・・・・・・・・え」
「優しいエレオノ―ルなら哀れなあれを守るため、家族にしたと、まあそうだろうな。だが彼女は、結局実の息子たちを選んだのだ、少しでも父親の魔の手から息子たちを守るため、いけにえをささげた」

「・・・・・え、誰?」
テントをめくり、アルフレートを迎えに行けば、偉い美人がいた。
「・・・・貴方は、ブルー・メシアのご兄弟ですか」
まあ、清流の、静やかな水みたいな澄んだ声だ。
「失礼しました、ワイバァン隊オルフェウス隊従士、ゴットヴァルト・クラウドです」
「・・・ダヴェーリャの女王付き騎士、アリスリーゼ、姓はありません」
「貴方は捕虜ですか、ここにアルフレート・クラウド様がいたはずですが居場所はごそんじで」
「・・・いいえ、先ほど若い男性がいましたが、ブルー・メシアと出ていかれました」
「そう、どっちへ行ったかわかります」
「・・・いえ、私は」
ちっ、面倒な。
「何か」
「・・・・アリスリーゼさんはどこかで僕に会われませんでした」
「いえ、初対面です」
そうか、疲れているのかな。
「じゃ、私は行くので」

「っざけんなぁぁ」
「弟に何するのよ」
「ヴィント、何のつもりだ」
「与えられた運命だと、お前ふざけんなよ」
ヴィルフリートは静かな目で両者を見ていた。
「予言だと、何ふざけたことぬかしているんだ」

「フェリシア様はもういいですわ」
奇麗なものは年頃の少女には魅力的だろう。
「この後の世話はわたくしがすべて行いますわ」
お花畑の、ふわふわなお嬢様。
「でも、アニエスのような高貴な方が・・・」
下民が、幼馴染か知らないがわたくしのものに来やすく触れようなんて身分をわきまえなさい。
「・・・・やっぱり、だめですか」
だからおどきなさい、お前のような畜生がわたくしのものに触れていいわけがない。
「・・・・今日は下がります」


「・・・・君は僕が信じられないのかな」
「まさか、君の力はよく知っている」
だが横にいるフレッドは。
「ワイバァン隊では君たちの理想はかなえられないよ」
周囲の風がザワツク。
「皆平和に?」
「そうだよ」
「君の考えも夢も僕はエリックと似ていて、ルドガーと似ていて、まっすぐで優しくて」
「フロイデさんもアリスもヴォルフリートも同じだ、でも君たちは冷たいよ」
「え?」
「君は賢くて清らかで優しくて、でも僕は君が受け入れられないよ今は、僕の友達が君と同じなのに、違いなんてないのに、・・・・あ、すまない、変なこと言って」

「何だろう、なんか今おぞましいこと言われた気がする」
「お前が悪口言われることするからだろ」


「あきれたでしょう」
「いいえ・・・」
ベアトリスはきっぱりと自分の顔を見てそう言った。
「恥ずかしいことでもないわ、貴方は」
「ゴットヴァルト、貴方はアルバートより眩しくて、美しいわ」
いい方ではあるが、立派すぎるな、困ったように笑うしかできないではないか。

ブリューナクを持って、アルバートは、ヴァーヌスの民を、凶皇の腹心というべきタラスクス、レッド・レジ―ナを裏切った精鋭のチェス兵を決戦の場、妖精兵の誕生の地といわれるスモールプリンスの丘で立ち向かう。
どちらかともかく、手を上げるものがいる。両者に緊張が走る。
「かかれ――」
おおおおお、という声とともに、兵士達が戦い合う。

「いいえ、貴方は美しい」
デイジーが頬を寄せてきて、隊員が頬を赤くした。
「え、ああ」
甘えたい時期なのか、デイジーはたまにこうする。犬のじゃれあいみたいだな。
「ねえ、普通に白魔法かけないかな」
「いいえ」
おかしいな、マリエルは手をかざして、いつの間に治る魔法なのに。
「まあ、うちの隊だけだけど誤解されない」
できればみんなと同じく、ユニコーンの姿でしない?
「ゴットヴァルトッ」
振りかえると、ほらエストカラスがいた。
「何を考えているんだ、君は」
顔が真っ赤だ。まあ、僕程度が見た目美少女の従者に変なことさせているように見えるから風紀委員は許さんのだろう、マリエルはなんか耳をピコピコ動かしてにらんでいるな。

わが学園でも、姉は有名人だ。
「天使だ」
だが、その弟は英雄として名をはせているが。
「ある意味英雄の代名詞」
「近づきたくない救世主」
運命は半年前から起きていた。にわかには信じられないが、お姉さま方が教えてくれた、カイザーより先に、何で?
「・・・・・・・・・問題だ」
「ああ、ヴォルフリートか」
複雑だろうが、アレクシスは笑顔を浮かべている。
「まあ本人の意思ではないんでしょう」
フレーズ女子は優しい。何でも、非現実な事件らしい。


「へ、へぇ」
園芸部部員が微妙な顔をさらに微妙にさせ、ブレアが顔を真っ赤にしている。
「何だよ、友達も恋人もいない俺へのあてつけか、いやがらせか」
「それより、なんで君、僕のぼっちスポット把握しているんです?」
「自意識過剰だな、狭い学校なら会うことあるだろ」
「へえ、狭い・・・」
そのあたり、貴族なんだ。
「でも会う確率が高い気がするんですが」
「お前は目立つからな」
セ―ラがなぜか飛んできた。何、緊急のようでもあんの。
「行きましょう、ゴットヴァルト様」
「は?」
「二人の邪魔しちゃいけませんわ、空気読みましょう」
「え、ああ、それは悪かった」
そうか、くっついたのか。
「俺がまともに誰かと付き合えるわけないの、わかっているだろ」

「ふぁぁぁっ」
魔物商でフロイデはパンドラに永遠の絆の証のマーリンの宝物庫という儀式を見せられる。
「銀の十字架ではもっと優しいんですがまぁ、うちは」
男は笑う。
「で、少女に青年、少年と、お高いですが異界から出現したばかりのものも用意できますが」
「いや安い奴でいい、ぜいたくはできない」
「他の冒険者様はダンジョンが初の時もかなり大量にパンドラをかいますが。子弟制度に入られては?騎士団や軍隊でも家族にパンドラを迎える形でエデンやうちみたいな店から手に入れてますが」
「よくわからないが魔物をただ働きさせるためのシステムなのか」
「冒険者様、今後魔物商をお使いの場合はハーフオ―クや混じり物にはご注意を、彼らはすぐ狂った卵に変化しやすいので」
「無視するな、しかし今の映像を見ると俺達と変わらない人間に見えるが」
「パンドラは不完全な魔物ですから、それに貴方も自分と似たような存在には気を許すでしょう」
今世間で騒がれているピジョンクラウンに似ている。
「それで冒険者様、パンドラを扱う際の注意ですが」
「何だ」
「飴と鞭で、対等だと思わせてはなりません」

男たちの視線がフロイデの後ろに注がれている。
「マスター、これからどこに行くのでしょうか」
十字架と車輪を扮した腕輪を両手につけている。さすがに表に十代の、15歳くらいの獣耳と鳥のような翼があるとはいえ、それ以外人間の少女やミノタウロス種の全身傷だらけのイケメン細身筋肉の青年、天翼属【アンジェロ】の幼い少年に首輪をつけるとかどこの変態だと思う。人間に変身しているが、身体のどこかに宝石核が浮かび上がっており、関係者にはもろばれだとか。
「初心者用のダンジョンだ、お前らには俺と組んで戦ってほしい」
「イエッサ―、ではマスターを真ん中に置きますか」
「ブレーンは自分にお任せください」
「私のペルソナで敵の体を粉々にさせてみせます」
青年が指示塔、少女が二番手、幼児が一番下と決めたらしい。

「まるでカメレオンね、姿を消して敵を殺すなんて」
「まあ、おれの特技だな、修行のたまものだ」
彼女は半分の、モンスターの地を憎んでいるのか。だが生き方は野性味あふれ、自信家で自由で、ひるむところがない。
「どこかに住まないの」
「決められたくないんだよ、故郷だの、家族だの下らねえ、おれはなりたくないね、泥沼近くに住むあいつらみたいな人生なんて」
「パンドラか・・・」

アロイスは驚いたように、アリスリーゼの幼馴染を見ていた。ティファニーは首を傾けている。

「・・・・巫女様は祈られているのね」
「ああ、このところ多くの血が流れたからな」
「・・・・」

「フレッド様って好きなタイプなんです」
親友、うん、親友なので気軽に聞いていいのだろう。
「前提をつけてくれないか?急にそんなこと聞かれても」
笑顔だが、手先が震えている。なに、実家に怒られたの?
「興味がありまして」
僕の顔を二、三度見る。そこまで意外なのか。
「君が僕に・・・・」
心底意外そうだ。なんか考え込んでいるが、フレッドは口を開いた。
「それは好きな異性のタイプ?友達の好みのどっちなんだい」
「好きな女性のタイプ以外に意味があるんですか」
「ええと、そうだな僕には婚約者が、親が決めた、僕の意思がない婚約者がいるけど」
アニエスさんと痴話げんかか、まあすきあっても、勝手に決められるのは嫌、そうか。
「正直、あまり考えたことがないよ、エリックいわく僕はその手は疎いらしいから」
「ああ、すごい奥手ですからね」
「まあ、君がどうしても聞きたいなら、うん、そうだね」
「・・・気高く、優しい人かな」
予想通りどころかのろけか、恥ずかしいが極致らしく顔が赤い。
「ふうん、それ以外は、妹?幼馴染?同級生?メイド?」
親友ならオタク趣味に乗ってきてくれていいはずだ、優等生な趣味は僕が無理だし。
「・・・・僕が気になるのか」
なんか困惑が違う意味で、困っているような別の意味をとらえているような、でもいやじゃないような、確認するような、そんな表情だ。
「友達の恋愛話はそりゃ気になるのでは?」
「ごめん、少し練習で疲れているみたいだ、なんだろうな」
「ああ、気分良くないのか、じゃやめますか、保健室行きます?」
「お兄さん以外に興味持つのはいいけどさ、よく考えた方がいいよ、君は特に誤解されるから」

向けられた銃口。
それでも、ゴットヴァルトはフィリップを不思議そうに見ていた。

「・・・・・誰だ、お前は」
アリスリーゼは予言のことは、知っている。だが来たこともないし、敵国で、だヴぇーりゃは帝国と関係が薄い。故に知り合いができるはずがない。
「私はあなたを知らない、なぜ私の名前を?」
有名人になった覚えはないし、した覚えもない。とはいえ、寒く生きづらい国だ、ここに来た元ダヴェーりゃの民が話したんだろうか。
「本当にわからないのか」

「パンドラなのか、だましていたのか、僕を食う気か」
「は?」

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