ruka126053のブログ

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第5話ミフューレモン来襲、双子の絆


・・・気のせいだよな。
大学生の榊穂高は高層ビルの上で友人達とともに、姉の結婚式の二次会に出ていた。いうならば、平凡の人生だが、正直特別なものがない子供時代だった。思えばヒーローになれるとか、異世界の生物と友達になれるというのは、子供だったというしかない。ある意味では幸福な時間。この年になれば、そんな夢は笑われるかばかにされる。
その生き物はゲームのやりすぎか。
心はそれでも、そんな夢物語を持ち続ける。それは博物館で見る恐竜。あるいは悪魔のようにも見えた。
「おい、どこに行くんだよ」
「ごめん、外の空気吸ってくる」
ガラスの扉が開き、そこには庭園が広がっていた。自分は中にとか、思春期は過ぎた。
炎が消えていく。穂高はその不自然な炎に近づいていく。そうだ、そういうオタクをばかにしてきたが、同時に羨ましかった。自分は恐竜や古代に関わるもの、そういう大人になりたかった。
だが、親も友も中高の女友達も彼女も馬鹿にされた。たとえ認められなくても、馬鹿にされても。だが、そこにはなにもいない。
「・・・」
疲れているのか。だが自分を笑うことはしたくなかった。
「帰るか」
そう、皆と同じ場所でいつか奥さんを見つけて、普通に生きるのだ。それが幸せだ、趣味にだけにしろ。
「・・・お台場」
いつかのお台場やあの周辺の事件は、覚えている。世界中で起きたテロ事件。あれは映画だの、なんだの、真実はわからない。自分は勉強漬けであまり興味はなかった。
新手の宗教組織だの。でも、確か、家庭教師していた小学生がいつか言っていた。
「行ってみるか」
いうなら、最後の子供としての冒険だ。さんざん後回しにして、そんな子供らしいことも置き去りにして。卒業旅行みたいなものだ。
そう、あの少女は言っていた。どのゲームかは知らない。デジタルモンスター。恐竜の幽霊。

「キウイモン、何を見つけた?」
ス謡のキウイモンを連れて、相羽七男は罠に引っ掛かった井之上京を見つけた。
「こいつは・・・」

マーメイドモンとアントモンの村を離れてから、一行は現実世界の情報を得るというミハエルの意見にのっとり、情報を知るという植物型デジモンフレーズモンとそのパートナーがいるという空の町に行くための空港を目指し、森の大通りを歩く。テイマモンはキラとスバルをみる。
「兄さん、疲れてないか?」
スバルは双子の兄、吉良が大好きだ。クールだがキラには優しく、愛情を傾けているように見える。ミフューレモンもキラのことを嫌いではないと思う。敵に襲われる時、何かとそばにいるし。
「平気だよ」
しかし、キらの弟に対する付き合い方には問題がある。デジタルワールドに出会ってから、離れて暮らしていて母親とは仲が悪いこと、傷つけあったことを教えてくれた。「俺は平気だから」
緩やかな笑顔を浮かべてキラはそう言った。
「そうか」

「やっべえ、大きいえにボールは行っちゃった」
「タクトが悪いんだぞ」
「えー」
「お前が強引にけったんだから、とりにいけよ」
蔓におおわれたクラシックな屋敷は、研究所と書かれていた。大きいもん。鉄製の柵。
「登ってみるか」
よし、と意気込んだ。


ガサガサ。
くすん。
「ん?」
「だ、だれ?」
びくりと細い肩が震える。
人形のような、整った顔立ち。
「・・・・あ、ええと、俺ボールが…お前の、君の家に」
なぜ、きょどっているんだ?


都立有数の六本木にある海王学園に、ランドセルにサッカー部のユニフォームを着たタクトが玄関で、周囲から孤立していた中学生、十字マリアに会いに来た。
「マリア、俺、決勝戦まで行ったぞ!」
「待てよ、ここ、頭がいい、名門こうだぞ、勝手に入ったら!」
「少しくらい、平気だよ」
赤い帽子をかぶったお嬢様らしい清楚な制服に身を包んだ、アッシュブロンドのロングヘアの少女が憂鬱そうな表情でタクトのほうに振り向いた。口元が微かに緩む。
「・・・・こんにちは、タクトさん」
上品で清楚な、妖精のようなほほ笑み。真っ白な、雪のような透明感のある肌。現実のものと思えない、天使のような少女。
まぶしい目で男子生徒はマリアを見ていた。
「おおっ、マリアも今日は調子よさそうだな、フォーエイトのチョコチップ食べようぜ」
「フォーエイト、クラスの子が言ってた」
「すげーうまいんだって、行こうぜ」
マリアの手をタクトは握る。
「・・・あっ」


「何で、友達と戦えるんだ」
綾那の問いに、斗蛾は答える。
「友達だからだよ」


「―確かに可愛いわ、アイドルミたい」
「というか、お人形さんですね」
「これで中学生」
携帯の画面を見ながら、弁当をドカぐいをするタクトと画面の少女を見比べる。
「なんだよ、ランドモン、それにお前らも」
「結びつかないんだけど、お兄ちゃんとこんなお姉さんが友達って」
「そうでもないだろ?」
「・・・付き合ってない・・のよね?…まあ、こんな可愛い人があんたみたいなガキんちょ、相手にするわけないけど」



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「なに人たりとも、ここへの侵入は許されません」
「クズハモン・・」
究極体、神人型デジモン。
「消えなさい」

サラの脳裏に、優しい母と優しい父の姿が思い浮かぶ。蒼い屋根の一軒家。イギリスの家屋をそのまま移送させたもので、もともとは祖母の持ち物らしい。黒い髪に赤いリボンの親友、白雪リンゴはいつも羨ましがっていた。
「うちの隣の山根さんがうらやましがりそう」
よく道の途中で、いつも喧嘩を吹っ掛けてくる大石というクラスのガキ大将がいた。
「ふん」
家が貧乏で、両親とうまくいっていないらしい。
「何よ」
「行くぞ、お前ら」

キュウキモンの剣が、上総のすぐ横の期に突き刺さる。
「・・・何のつもりなの」
紫藤舞の鋭い眼光が、上総に突き刺さる。

「・・・お姉さん、僕・・足をひねったみたいなんだ、少し見てくれないかな」
「え・・・」
ミドリがどきりとなる。



「武装を奪ったのか」
「悪いか?」
「喧嘩が嫌いな兄さんがなぜ・・・」
「いいから君も早く着替えなよ」




「ミフューレモン、覚悟!!」



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「雑魚寝なんてありえない、ありえない~!!」
サボテンモンが支配する強烈な太陽と踊り、カウボーイが支配する街でツェルブは地面で下僕のデジモンを前に暴れていた。
「ツェルブ様、ですが、そのテキ―ラホテルで十三月の月とセイバーズの特殊部隊の会議に参加する予定があるので」
「デジタルワールドにいる選ばれし子供をナビゲートするのも貴方様の御役目であるので」
その容姿は、八神ヒカリに似ていた。コンコンとノックが鳴った。ベルが微かに揺れる。カウボーイの帽子をかぶった14歳の少年とパートナーデジモン。ツェルブの横をすり抜け、飲み屋の扉を開き、はいっていく。




「椿、どうして・・・」
高石タケルの小学生時代の帽子に似た帽子をかぶるマフラーの少年、白髪の少年、紫苑・橘・フリューゲルは十三月の月のバッジを掲げる親友、椿を信じられないといった表情で見る。シオンの顔立ちはサラによく似ていた。
「悪いな、ですウォーグレイモンを倒すためだ」
「だから、十三月の月につくなんて!!」

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