・阪神ファン その一




       僕は阪神ファンだ。去年までは新聞屋さんがたまにくれる観戦チケットを手に

      よく甲子園に行ったものだ。一塁側の内野自由席、そこが僕のいつもの指定席

      だった。夕方に阪神甲子園駅に着くとまず最初にすることと言えば帰りの切符を

      買うことだ。それから球場の向かいのちょっとした路地を入ったところにあるほか

      弁屋で、桂小枝師匠にそっくりな店長から「エビフライスペシャル」を買う。

      そしてメガホン片手にいざ球場へと参るのだ。

      しかし、今年はというと、今年のタイガースは開幕から絶好調ということもあって

      か新聞屋さんも「今シーズンのチケットはちょっと厳しいですわ~。」といった感じ

      でまだ一度も行っていない。浜中・アリアス・桧山のクリーンナップを早く生で見た

      くてウズウズしている。

       僕が甲子園に行ったときのタイガースの勝率はおそらく1割にも満たない。と

      いうのも、これまで僕は甲子園でのタイガースの勝利を一度しか見たことがな

      いのだ。しかしその一度の勝利の際、某スポーツ新聞の女性記者がインタビュー

      してくれた。なんでも毎回ファンの声を載せる企画があるのだそうだ。普段は

      スポーツ新聞など買わないのだが、その時ばかりは翌日の朝に新聞を駅まで

      買いに行った。ちょっとした思い出だ。タイガースはシーズン通しての勝利数が

      もともと少ないチームだったので勝ち試合にはなかなかお目にかかれない...。

      しかし今年は違う。この快進撃!中でも月間MVPをとった今岡と井川。巨人打線

      をパシッと抑える井川に、関西弁なのか関東弁なのかよくわからない今岡。この

      二人の活躍にはかなり熱いものがある。確かにFAで入ってきた新戦力もすごい

      がファンとしてはやはり今岡や井川、浜中、関本、坪井、桧山、八木など、もともと

      タイガースにいた選手が活躍すればなお嬉しい。今岡選手いわく、「今年は去年

      までとチームの雰囲気が違いますから。」この言葉から僕は「監督の力はやはり

      偉大だ。監督が変わればチームは変わる。」と解釈してしまう。現に前阪神タイ

      ガース監督の女房はドーベルマンだったそうだ...。まあそれは冗談として、

      4年連続最下位だったこのチームが今や首位争いをしているわけである。ここま

      でのチームに仕立て上げた星野監督はまさに監督の中の監督であり、関西での

      地位を築き上げたと言っていいだろう。

       その星野監督といえば非常に厳しい監督として有名だ。中日の監督時代は乱

      闘や審判への抗議の際に鬼のように抗議するのがよくブラウン管でも見られた。

      チームがエラーをした時など椅子を蹴飛ばしたり、扇風機まで破壊していた。阪神

      に来てからはまだそういったシーンは見られないが、僕が一番気にかかるのは

      阪神ファンとの衝突だ。阪神ファンには星野監督以上に野球に厳しい人がたく

      さんいる。田淵コーチなんかが「勝ったらようやった言われるし、負けたら給

      料泥棒言われるし...。」などと阪神ファンの恐ろしさについて語っておられた。

      実際、以前タイガースが日本一になった時なんかは熱狂的なタイガースファンら

      が自ら川に飛び込んだり、近くにあったケンタッキーフライドチキンのシンボル

      であるカーネルサンダースを「バースや!バースがおる!!」と言って川に放り

      投げたりなどした。友人の話だとあのカーネルサンダース人形は一体数百万円す

      るそうだ。これはれっきとした器物損壊罪である。いや誘拐致傷も。いやいや

      あのカーネルは未だ見つかってないらしく、それなら誘拐致死だ。そしてこの事件

      以来、カーネル人形の足元部分にはドデカイ杭が打たれているそうだ。恐ろしい。

      今年もしタイガースが優勝するようなことがあれば阪神ファンは再びこの悪夢を

      繰り返すのだろうか。情報によると道頓堀川の水質はタイガース優勝の年に比べ

      非常に悪く、大腸菌が異常繁殖しているそうだ。もしも飛び込めばただじゃすま

      ない。まあ、それでも飛び込む奴はいそうだが...。こんなすごい連中と星野監督

      がぶつかった日にはそれはさぞ恐ろしいことだろう。大阪で内戦が勃発するよう

      なものだ。それを回避するためにも阪神には頑張って欲しい。(なんじゃそら。)

tora3



© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: