May 13, 2004
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カテゴリ: 思想系


さて、前回のメールで、「泣き」が入る相談の予告をされてしまったわけだが、、、、

彼女は、学生時代の後輩。

この子とは、かれこれ十年以上の付き合いになる。

僕は、相手から連絡がない限り、自分からは永遠に連絡を取らない人間なので、学生時代の
友人たちのほとんどとすっかり交流が杜絶えているのだが、彼女だけは、この10年以上の間、
数か月に一度は必ず何かしらの連絡をくれる。

大切な友人だ。



しかし、やはり予告涙はニガテなので、ここは逃げの一手を決め込むことにした。

「土曜日は一日中仕事で、日曜日も朝から仕事。泣かずに冷静に話すためには、平日が一番。」

と、提案してみた。

平日なら、彼女の方も適当な時間で切り上げざるを得なくなるだろう、と読んだのだ。


すると、

「じゃあ土曜の夜はどうですか? けど、そしたら帰るの大変だから、泊めてもらえます?」


な、な、なんだか、人の話を、ぜんぜん聞いてないぞ。この子は。

というより、話がとっても違う方向に行きかけている気がするのだが・・・・。


次号につづく。(爆)








さて、「納得のいかないもの」シリーズ最終章。NHK受信料について。


NHK受信料は、ほとんど払いたい人だけが善意で払っているという現状になっている。

もちろん、テレビを持っている人は法律で受信契約を義務付けられているので、集金人は


しかし、支払わなかったからといって、罰則もないし、強制執行もされない。

また、NHKの集金人を断るのは、読売新聞の販売拡張員を追い返すのと同じくらい簡単だ。

ドアを開けずに無視してもいいし、頑なに拒否の姿勢を貫いてもいい。

いずれにしても、断固として拒否すれば、集金人は諦めて帰って行き、その後、当分の間は
勧誘されなくなる。

事実、受信料を払っている単身世帯の割合はNHKによる推計で63%(2000年3月現在)だと
いうから、実際には、50%以下といったところだろう。

自分の周囲の人間で受信料を払っている者がほとんどいないことからも推測がつく。

また、ホテルなどでは各部屋ごとにきちんと一世帯分ずつ受信料を納めているから、
そういう分を割り引いて計算し直すとNHK公表の数値とは全く異なったものになるに
違いない。


ところで、人のよい僕は、数年前、引っ越したばかりのアパートに物腰のやわらかい
お爺さん勧誘員がやってきたとき、その健気に説得する姿に動かされて、うっかり
受信契約をしてしまったことがある。

でも、まあ、1か月千数百円だ。

3千円ちょっとで35チャンネルが見られるスカパーなどに比べると
何物でもな
、ちょっと割高だが、まあ、NHKの優良な番組のために、善意で寄付して
あげたと思えばいいかな、と自分を納得させた。

その後、数か月の間は、何事もなく普通に受信料を払っていたのだが・・・。

ある日のこと、いつもどおり集金人から1か月分の受信料を徴収された後、部屋に戻り
仕事の続きをする。

しかし、集金人がバイクで去って行く音を聞きながら、ふと「何かがおかしい」と気づいた。

部屋を出て、同じ階の各部屋の玄関の周囲を確かめる。

「やっぱり・・・」

NHKと契約していることを示すシールが貼ってある部屋は、自分のところも含めて、
6世帯中2世帯だけだったのだ。

隣の部屋の窓からは明かりが漏れていて、明らかに在宅中だとわかるのに、集金人は契約を
促すこともなく、素通りして帰っていったわけだ。

こんなふうに露骨に不公平な扱いをされると、やっぱりどうも納得がいかない気分になった。

「受信契約を破棄しよう!」と決意した。

このまま不公平を甘受して従順に払い続けていては、自分のためにも加入者全体のためにも
ならない。

義憤を感じた。

しかし、一度、自分の意思で契約したものを取り消すには、ちょっと腹を括らなければ
いけないだろう、と、覚悟して、案を練る。

そして翌月、NHK集金人の来そうな時刻を見計らって、玄関のドアに以下のような
張り紙をした。






NHK の方へ

以下のとおり受信契約の無効を宣言します。

当世帯は、放送法第三十二条および日本放送協会放送受信規約第五条を、特定の思想を
保持する特定法人による契約強制であると判断し、憲法の保障する思想・良心の自由および
経済活動の自由に著しく反するものと抗議し、受信契約は無効であることを主張します。






もちろん、ハッタリである。

しかし、NHKが本気になって訴訟その他の強制手段に訴えて来てくれれば、まさに
こちらの思うツボだという計算があった。

受信料未納の件で騒ぎが大きくなればなるほど、このシステムがいかに不合理なものかと
いうことを、マスコミを通じて声を大にして世論に訴えることができるからだ。

仮に訴訟に負けたとしても、この法律には罰則がないから、こちらが失うのは受信料の
2倍の追徴金とわずかばかりの訴訟費用だけだ。

果たして、集金人は、この貼り紙をはがして持ち帰った。

以来、NHKからは、さっぱり何の音沙汰もなくなった。

集金人も来なくなったし、当然、NHKからの督促状などもない。


うーむ、やっぱり、徹底的に不公平なシステムだ、と改めて実感したものだった。

言った者勝ち、払った者の負け。

これでいいのか、公共料金。

ちなみにNHK受信料のうち実に13%が、受信料徴収のためだけに、すなわち彼ら
集金人の人件費のために使われている。



“政府は、ある者から徴収したお金を、別の者の利益のために費やす。
     そして政府が支持を請うのは、常に前者ではなく、後者の方なのだ。”

                            ―― G. B. ショー



ところで、僕は、NHKのような放送局の存在自体に関しては、反対ではない。

自主規制が行き届いており、視聴率稼ぎのために羽目を外すなどというようなことが
決してないNHKは、子どもから老人まで安心して観ることができる。

この Web サイト「Ethereal World」自体、しばしば政府の政策を辛辣に批判するという
点を除いては、まさに「NHK総合+教育」をイメージしながらコンテンツの自主規制を
しているくらいだ。(爆)

だから、その存在意義自体や番組内容自体に関しては、何の文句もない。

僕が批判しているのは、その受信料の中途半端で 不公平な徴収システム についてだけだ。

やはりNHKが国民にとってどうしても必要な国営放送なら、イギリスのBBCのように
罰則付きで強制徴収するシステムにするか、税金に組み入れてしまえばよいと思う。

あるいは、番組の多様性や厳格な自主規制の基準は現在のまま維持するという制限付きで
スポンサーを募り、民営化するという手もある。

いずれにせよ、加入義務がある国民の半分以下の善意のみを基礎として成り立っている
という現在のシステムは、まったく異常なのだ。

これほど不公平なシステムなのに、徴収金額が比較的少ないから国民はそれほど騒がないし、
マスコミ各社も、なぜかNHKに対してはほとんど牙を剥こうとしない。

このままだと、現在の不合理な徴収システムが永遠に存続してしまうことだろう。


しかし、実は、、、、白状すると。

かくいう自分も、その後、NHKと受信契約を締結し直して、現在では、毎月、口座から
NHK受信料が自動的に引き落とされている。

というのは、少し前に、当時つきあっていた子が、「今日、部屋の外でNHKの集金人っぽい
人に会ったよ。なんだか、ビクビクしながら生活しなきゃいけないみたいで、やだな・・・」と、
困った顔をして僕に訴えてきたことがあったからだ。

というわけで、早速、翌日、受信契約申込書を直接NHKに郵送したのだった。(爆)

おそるべし、NHK集金人。












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Last updated  May 14, 2004 03:16:32 AM


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