常緑樹14 今こそ、見すえて…


(平成13年6月号 2002/5/20)

花粉症をはじめ色々と弱点があるが、目もその一つ。
最近小さい文字が見づらくなってきた。
新聞はまだ何とか大丈夫だが、特に地図なんかが見づらい。
視力は四〇歳頃に落ちてきて近眼の眼鏡をかけだした。
若い頃ケガで目を痛めたのでモノを一つに見るのが辛くなり、手術をしたことがある。

そのせいか今でも疲れたり、アルコールが入ったりすると、視線が揺れたり、泳いだりすることがあり、相手が美人でも、見つめるのに苦労する。
さらに耳鳴りが続くので、病院に行ったら「加齢による難聴が原因だ」と言われるし、これが年をととるということかと思い知らされる場面が多くなってきた。

だから、というわけではないが、「見すえる」という言葉に憧れる。
視線をそらさず相手を視線でしばるようにじっと見つめる、物事の本質・真相などを見定める、という意味だが、強い意志で本質に迫る意気込みが感じられて好きだ。
もちろんぼんやりと視線を漂わせているのも好きだが、この世の中、釈然としない、これでいいのか、と思うことが多くなり、今は、見すえる、に辿りつき、凝っている。

「時代を見すえる研究会」略して「みす研」という会を昨年末に立ち上げた。
高齢時代の街づくりや仕組みづくりを提言し、活力のある街の実現をめざすことを目的として、月に一度勉強会を開いている。
会員の会社を借りてワイワイやっているが、そのまま飲み会にまで激論が持ち越されることもある。

仲間は、「悠悠と、」を通じて親しくしていただいている方々で、地域で活躍している方や様々な企業人、気心の知れた面白く、濃い人ばかり。
とにかく自分の言葉で発言し、同時に他の意見にも耳を貸すことができる。
権威をかさにきたり、建前や体裁だけを大事にしたり、立場を気にして発言を控えたりする人はいない。

原案では「高齢時代を見すえる研究会」としていたが、それも含め、もっと大きく声を上げるため、あえて高齢の文字を取った。
今のテーマは「DPIって?」「オゾン層破壊、子供たちにこのまま残していいの?」「緊急通報システム、何故広がらないの?」「明日の医療はどうなるの?」などなど。
まだ声明を出すまでには至っていないが、時代のスタンダードづくりを合言葉に、もっと勉強・研究して、声を上げていきたい。

前号で書いた市立札幌病院での歯科医師の医科研修問題についてのホームページができたので、可能な方は是非一度ご覧ください。
医師や歯科医師だけの特別な問題ではなく、我々自身の生活に直結する問題だということをご理解いただけると思う。
これも「見すえる」テーマの一つである。
URL http:/www.evanam.jp/izm/

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