The god of the wind.

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2章~旅立ち~



栄治「うわ~。いっぱい走り屋いるな~。なあ、修?」

修「ああ。いっぱいいるな。」

そこに、ある一言が聞こえた。

ギャラリー1「おい!今からあの”大村 直人”が走るってよ!!早く見に行か

なきゃ!!」

栄治「大村 直人!?まさか!」

修がびっくりしながら栄治に聞く。

修「なぁ、栄治?直人って誰?」

栄治は、あきれた。

栄治「はぁ~。おまえな~。さっき言っただろ?あの「VICTORY」のチームの

大村 直人っていわないっけか?」

修「言ってない、言ってない。」

栄治「あっそ。いいから、見に行くぞ。」

修達は、人が少ないギャラリーコーナーに来た。

栄治「こー言う人の少ないコーナーは、勝負所になる事もあるんだよ。」

修「へ~。」

バトルがスタートする。

ギャラリー2「おい!始まったぞ!」

~始まってから3分しかたってない頃~

グギャァァ!!キィィィィ!!

ギャラリー2「来たぞー!」

栄治と修のいるギャラリーコーナーに2台の車が来る。

栄治「おい!見ろ!直人さんが前だ!!」

修(ん?この前の車、俺の車と同じ動き・・・いや違う!なんでこんなにしっ

かり曲がるんだ?!」

修が不思議に思っていた時には、もうバトルは終わっていた・・・。

栄治「おい!直人さんの所へいってみようぜ!」

修「ああ。聞きたい事もあるし・・・。」

~静岡峠頂上PA~

???「スゲーナ!また勝っちまったよ!すげーなー。」

そこのは、青いBNR34そこから男が降りてきた。

直人「ああ。」

栄治「あの人が直人さんか・・・。」

修「・・・。聞いてみよ!」

9話~修の疑問~へ続く。


修が、直人の方へと走った。

修「直人さーん!!」

直人は振り向く

修「直人さん!俺、修・・佳山 修って言います!!」

直人「修・・・覚えておくよ。で、何?」

修はちょっと緊張していた。

修「直人さんに聞きたい事があるんですが、いいですか?」

直人「何が聞きたいの?」

修「俺、あそこのエボ8に乗っているんですが、直人さんのR34と俺のエボ

って、同じ4WDですよね?」

直人「ああ、一緒だがR34は、”アテーサ・イーティーエス”を搭載してるん

だ。だから、4駆なのにあまり4駆の動きに似てないんだ。」

修(だからか・・・。じゃなきゃ、あんなしっかり曲がるはず無い・・・。」

修は、思い切って直人に相談した。

修「直人さん!俺、直人さんとバトルがしたい!!」

あたりの人が修の事を鋭い目つきでにらむ。だが、修はひるまない。

栄治「お、おい!正気か!お前がかなう相手じゃないぜ!?」

修「正気だ!!ただ、今の俺が何処まで通用するか、強い直人さんに確かめても

らいたいんだ!!」

直人「・・・。わかった。勝負しよう!だけど、俺は、いつでも限界で行くよ?

それでもいいかな?」

修「はい!限界でお願いします!!」

10話~修VS直人!!~へ続く


修、そして直人・・・2人の車が並んだ。

栄治が小さな声で修に聞いた。

栄治「おい・・・お前なんでバトルなんて申し込んだ?!勝てるわけないだろ

!?それとも、何か勝てる策でもあるのか?」

修「・・・どうだろう?勝てるかな?相手が直人さんだからな・・・。ま、で

きる限り限界でやるよ!」

修は言い切った。本当に勝てるのだろうか・・・。

直人「さ・・・。はじめようぜ!修!」

修「はい!・・・あ、栄治。ごめん、スターターやってくれる?」

栄治「いいぜ。まかせとけ。」

栄治は、位置に着く。修、直人は同時に吹かす。

栄治「カウントいきます!」

直人「よし。久々に限界バトルで行くぞ!!」

修(・・・やば。緊張してるよ俺・・・。だけど、やるしかない!)

栄治はゆっくりとカウントを始めた。

栄治「5 4 3 2 1 GO!!」

グコォ!ボォォォ!プシャァ!ボォォォォ・・・!

加速では修!だが、直人のR34も伊達じゃない!すぐに修の背後へ!

修「クソ!なんて速さだ!コレじゃあ、コーナーで離した所でまたストレート

で追い上げられてしまう!」

そして、2つ目のコーナー!

キャァァァ!ゴキャァァァ!!

2つのスキール音が深夜の峠へこだまする。

修「ク!やっぱりか!やっぱりストレートで追いつかれる!」

直人「修・・・結構速いな。こんな腕を持ってる奴相当いないなぁ。」

~その頃、PA~

栄治「修・・・大丈夫かな・・・なんせ相手があの直人さんだからな・・・。

策があるならまだしも・・・あいつ何も考えて無さそうだったからなぁ」

ギャィ!グギャァァァァ!

直人「ここだな!悪いが、抜かせてもらう!」

修「やばい・・・抜かれる!!」

直人は、修と壁の狭い道を一瞬にして抜けていった。

修「く!ここまでか・・・。」

修は、諦めたかのように減速し始めたが、もう一度気力を取り戻した。

直人「ん?まだ付いてきている・・・。やるな、アイツ。」

すると修は、一気に直人の後ろへ!

直人「なに!なんて速いんだ!もう後ろにいやがる!・・・ん?」

直人は、何かに気づいた。それは、対向車だった。直人は前も横も後ろも逃げ

場が無い事に気づいた!

直人「やばい!ぶつかる!!イヤ・・・まだ逃げ場があるっ!」

そして、対向車が目の前に現れた!

修「や・・やばい!ぶつかる!」

修は、一気に減速した。

直人「ここだ――――!!!」



直人は、対向車と壁のわずかな隙間をまるで風のように抜けていった。

修「な!うそ・・・だろ!マジかよ。あんなところに逃げ道があるなんて・・

・!信じられない・・・。」

そして最後のコーナーに差し掛かった時には、もう修と直人の差は極わずかだ

った。

勝者:大村 直人

修と直人は、車から降りた。

修「ふ~。ありがとうございました!直人さん。まさかあんなところでああ

来るとは・・・。」

直人「へへ。結構修も速かったよ。俺もビックリしたよ!それにアレは、思い

つきでやったから、もう1度やれといわれたらできないな。ハハハ。」

栄治「お~い!修!!結果聞いたぞ!おしかったな~。」

修「あ、栄治か。ああ。もうちょっとだったんだけどな。ま、限界でバトルで

きたからいいや。」

直人「そうだ。君達今度からパーツ購入・チューニングなどするときは、家の

店でやってもいいからな。場所は、ここだから。」

すると直人は、修達の止まっていた場所のすぐ後ろを指差した。

修・栄治「近!!」

11話~Zeroの男~へ続く。


修そして直人の白熱としたバトルは終了した。そのバトルのおかげで、修の噂

は、たちまち他の県まで広がりつつある。

栄治が、修の家に来ている。

栄治「なぁ修?お前ってそんなに強かったっけ?」

修「ん?別にそう言うわけじゃないけどさ・・・。なんかこぉ・・・あの時

楽しくてね。つい・・・。」

栄治が、不満げそうに言った

栄治「楽しくて・・・つい?おいおい!マジ?そんなんで、直人さんと張り合

えたのか?」

修「まぁ、いいや。走りいこうぜ。」

修と栄治はそれぞれの車に乗り込んだ。

2人は、静岡峠へと向かった。

~静岡峠PA~

ワァー!ワァー!フュー!フュー!

修「何やってんだ?いったい?」

そこには、何台ものピカピカネオンをたくさん付けた改造車が並んでいた。

栄治「うわ・・・。最悪な時に来ちまったな・・・。」

そこに、その改造車軍の1人の無線に連絡が入る。

改1「ん?どうした?」

改2{おい!アイツだ!アイツが今そっちに上ってったぞ!}

そこの居た人達は、しらけるようにシーンと静まった。

修「おい。アイツって誰かな?」

栄治「俺が知るかよ!あいつらに聞けよ!」

修は、改造車軍の1人に尋ねた。

修「あの~。すみません。”アイツ”って誰の事ですか?」

栄治(おい!マジで聞きやがった・・・。)

その人は、ビックリしたように答えた。

改3「お・・お前、”アイツ”を知らないのか?!」

修「はい。知りません。」

修は、普通に答える。

改3「マジかよ・・・ん?」

その人は、いきなり修の肩をつかみこお言った。

改3「お・・お前は!あの”大村 直人”と張り合ったという奴か?確か、

名前は・・・」

修「修ですよろしく」

すると、何やら峠を上がってくる車のヘッドライトの光が見えてきた。

改軍「来たぞー!アイツだ!!!」

そこにやってきたのは、赤のNSXだった。

修「・・・あの車に乗ってる奴が強い奴か・・・。」

栄治「なに!アレは、Zeroじゃないか?!やっぱりだ!NSX-Zeroだ!」

車から男が降りてきた。

修「アイツがか!」

???「ん?あれ!修じゃん!修久しぶり!」

修「へ?・・・あ!淳兄貴か!」

修がビックリしたような口調で言った。

淳「はは!マジで久しぶりだな!元気だったか?」

修「うん。元気してたよ。」

栄治「あの~。懐かしの再開の所悪いんだけど・・・。皆さん驚いてらっしゃ

いますよ・・・。」

修・淳「・・・・あ!」

12話~淳のテクニック~へ続く。


修が、嬉しそうに淳に話しかける。

修「淳兄貴は、いつこっちに来たの?」

淳「いや・・・。前から住んでた。そっか、お前には言ってないっけな。」

修「うん。そだ!俺の家行く?母さんも喜ぶよ!」

淳が頷く。

淳「そうだな・・・。おばさんには、久々に会うもんなぁ・・・。」

栄治が、修に小さい声で話しかけてきた。

栄治「なぁ?修っていとこいたの?初めて知ったんだけど。」

修「ああ。だってお前に言ってないもん。」

栄治は、ちょっとイラついた。

修「そうだ!家帰る前に兄貴の腕前見せてもらうぜ!いいか?」

淳は、満面の笑みで答える。

淳「いいぜ!俺に付いて来れるかな?」

そして、修と淳のバトルが始まる

栄治「俺は、先に帰るぜ。」

修「なんで?まだ時間あるだろ?」

栄治は、いやそうに答えた。

栄治「いや~。お袋がね・・・『早く帰ってきなさいよ!』って言うもんで

さ・・・。すまん!」

修「仕方ないな。じゃ、また明日。」

修と栄治は、別れた。

修が言う。

修「さあ!兄貴!やるか!」

淳「ok!じゃ、始めるぞ!」

淳のバトルのやり方は、~先行後追い形式~

修と淳は、スタートした。先行は、淳。後追いは、修。

修「よし!付いて行くぞ!」

~最初のコーナー~

淳「修は、ついてきているな・・・。よし!コレは、できるかな?」

修は、次の瞬間、自分の目を疑った。

修「え?・・・マジか?あ・・ありえね~!」

淳のNSXが、ものすごい角度でドリフトをしていた!

修「なんだよ!もうアレは真横向いているぞ!」

淳「おっと・・・。今日のは、うまく行かなかったな・・・。」

そお言ったその時淳の車が急にドリフトモードから戻り、グリップ走行に変わ

った。

修「ん?急に戻ったな・・・なんでだ?」

だが、修と淳との差がどんどん広がっていく。

修「なんでだ!?なんで離れる!?」

淳「結構速いなぁ・・。こりゃあ俺もうかうかしてらんねーぜ。」

しかしこの勝負の結果は、見えていた・・・。

淳が、ゴールした。

そして、淳と5秒も離されて修がゴール。

修「あ~。負けた。やっぱ、速いな~。兄貴。」

淳「いやいや。修も速かったよ。さ、家に帰るか?」

修「うん。帰ろう。」

13話~「4WD嫌いの俊介」~へ続く。

~ここは、修の家~

修「さ、兄貴着いたぜ。」

淳「うわ~!懐かしい~!何年ぶりだろう・・・。全然変わってないし。」

修と淳は、家に入った。

修「ただいま~。母さん!懐かしい人連れて来たよ!」

修の母さんが、ゆっくり歩きながら出てきた。

母さん「お帰りなさい。あら?もしかして、淳君!?大きくなったね~!一瞬

誰か分かんないぐらい変わっちゃってたからね。」

淳「お久しぶりです。おばさん。元気そうで良かったです。」

母さん「ありがと!ゆっくりしていってね。」

修「じゃ、兄貴!俺の部屋に行こうよ!」

淳「いいよ。そうだ。おばさん今日、泊めてもらってもいいですか?なんか、

懐かしくて。」

母さん「どうぞ。何日でも居てもいいわよ。」

淳が礼儀良くお辞儀をする。

修「じゃあ、俺の部屋に泊まるといいよ!広いから・・・散らかってるけど                                    ね・・・それでもいい?」

淳「いいよ。」

修と淳は、修の部屋へと向かった。

~その頃。静岡峠~

直人「くそ!速い!なんて突込みだ!」

???「おい!ちゃんと走りやがれ!俺のFDが退屈してるんだよ!」

そいつに、直人のBNR34は、いとも簡単に抜かれてしまった。

???「へ!口ほどにもないぜ!コレだから”4WDは嫌なんだ!”」

直人「なんだ・・・。あいつは!?速い!俺に、それしかわからない・・・

なんで、あんなに速いんだ?ヒルクライムだぞ?」

そして、頂上のPA

直人が、頂上のPAに入ってきた。そこに、先ほどのFDが止まっていた。

直人「あっ。さっきの奴か?行ってみよう。」

???「ん?あの34か・・・。」

直人「あの。ちょっといか?」

???「なんか用か?」

直人「いや、用って訳じゃないんだが、その・・・名前何って言うの?」

そいつは、ちょっとダルそうに言った。

俊介「俺は、俊介・・・”明智 俊介”だ。」

直人「俺は、・・・」

直人が、自分の名前を言おうとしたら、急に俊介が割り込んだ。

俊介「知っている。大村 直人だろ?」

直人「な!?なぜ俺の名前を?」

俊介が、不気味な笑みで言う。

俊介「知ってるさ。この辺の”4駆”に乗ってる奴全てをな。」

直人「なに!?」

俊介「俺は、4駆の性能ばかり頼っている奴らが大っ嫌いなんだ!たとえ、お前は

そうじゃないとしてもだ・・・。」

直人「なに?まさか、お前が”4WD嫌いの俊介”なのか?!」

直人は、俊介をにらみつける。

俊介「おいおい。嫌いってなだけだ。別に谷底に落とそうなんて考えてないか

ら安心しろ。」

直人「ち!」

直人は、車に乗り急いで帰っていった。

直人(なんだったんだ?アイツが、笑った瞬間背筋がゾッとしたのは。)

14話~修の兄~へ続く。

~修の部屋~

淳が、突然修にこう言う。

淳「お前の兄さんは、すごくいい人だったよ。」

修「え?どうしたの?いきなりそんな話を?」

淳が修に昔話をしだした。

淳「お前の兄さんは、・・・・・」

―――今から、5年前―――

???「よし!いける」

淳「なに!そこのラインは、無理だ!死ぬ気か!?」

???「く!もう少し!」

彼の車は、淳の車と壁の間を疾風の如くすり抜けていった。

淳「マジかよ・・・。そんなのネーヨ・・!」

淳達は、頂上のPAに車を止めた。

淳「それにしてもお前のあの突っ込みには、毎度毎度驚かされるぜ・・・本当

によ・・・お前は、どう言う神経してんだ?」

彼の名は、”佳山 陽介”修の実の兄だ。

陽介「そうか?俺は、普通に走ってるだけだぜ?」

淳「おい・・・。お前いかれてるぞ?」

陽介「て、テメ~!何言ってんだよ!」

淳「ハハハ!冗談だよ!冗談!」

陽介は、ちょっとだけあせっていた。

淳「それにしても、お前のS15・・・ヤベーほど速いな・・・いったい何馬力

ぐらい出てんの?」

陽介は、考え込みながら言った

陽介「う~ん・・・370psぐらいかな?」

淳「はぁ?370?!俺のNSXよりねーじゃん!?」

陽介「腕が悪いんだよお前は!」

淳「ウザ!何様だお前!?」

陽介&淳「ハハハ!」

―――――――――――――――――――

淳「・・・・っとまあ、こんなんだったよ。お前の兄さん。」

修「へ~。兄貴と兄さんそんなに仲良かったんだ。」

淳「うん。まあ、生まれた年が近かったからね・・・。」

修と淳は、陽介との思い出を、語り合っていた。

15話~BNR34vsFD3S!!~へ続く。


~次の日~

修と淳は、その日いろいろと出かけた後、夜静岡峠へと向かった。

修「兄貴。静岡峠に、”直人さん”って速い走り屋がいるの知ってる?」

淳「ああ、もちろん知ってるさ。アイツは速いよ。R34に乗せたら勝てる相手

がいないとまで言われるほどの実力者だからな・・・。」

修「それでね、今からその人がFDの人とバトルするらしいんだ。」

そう言いながら修は、淳に自分の携帯で見ていたBBSを見せてきた。

淳「本当だ・・・。だけど、この書き込み主・・・」

淳は、黙り込み考え込んだ。

淳(こいつ!俊介だと!?やばいぞ・・・直人の奴辞めた方がいい!相手が悪

過ぎる!)

~静岡峠PA~

俊介「・・・・・まだか。」

すると、下の方から続々と改造車の軍団が登ってくる。おそらく、俊介がBBS

に書き込んだ内容を読み来たのだろう・・・。

ギャラリー「おい。BBS見たか?直人と俊介がバトルらしいぜ!」

ギャラリー「マジ?まさか、俊介とかよ!流石に直人でも勝てるかわかんねー

ぜ!?」

そこに、修・淳が来た。ギャラリー達が騒ぎ出す。

ギャラリー「お、おい・・・アイツ淳じゃないか?」

ギャラリー「やっぱりだ!淳だ!」

修「兄貴ってそんなに有名なの?」

淳「ん?ああ。確かこの前、そこらで一番速いって奴に勝っただけだよ。」

そして、直人もやって来た。そこに、俊介が近寄る。

俊介「おーおーよく来たな。直人さんよー。」

直人「ホザけ・・・負けるのは、テメーのFDだ!」

冷たい視線でガンを飛ばす俊介に対し、直人は冷静で真っ直ぐとした目つき

を向けていた。

直人「さぁ!さっさとはじめようぜ!」

俊介「ふふふ・・・。いいだろう。」

直人のBNR34・・・俊介のFD3S・・・2台はスタートラインに並んだ。

ギャラリー「では、カウント行きマース!」

2人は、睨み合っていた。

ギャラリー「5秒前! 4 3 2 1 GO!!」

16話~俊介の4駆嫌い~へ続く。


直人のBNR34が、スタートの加速で前に出る。

直人「よし。このまま・・・このまま・・・。」

俊介のFDは、少し離れたところで、直人の様子を覗っていた。

俊介「・・・やっぱり、4駆は嫌いだ・・・こんなしっかりした動きは、走り

屋としてだめだ!走り屋なら、難しい車をコントロールしないと・・・」

そうつぶやきながら俊介は、すばやく4速から2速へとシフトダウンさせ、

ドリフトをする。

俊介「ふん。追いついた。」

直人「く!速い!」

2台は、コーナーを抜ける。

俊介「・・・甘い・・・甘いな!」

俊介のFDは、直人のR34の横にいた!

直人「そんな!くそ!」

その時――FDは、加速していく!

俊介「悪いな・・・先に行かせて貰うよっと・・・。」

直人「なに!?ブレーキングで!?」

俊介は、ストレートで並んだ直人と同じスピードで走っていたが、コーナー

に進入した時のブレーキングで、直人が抜かれた。

俊介「4WDは、俺の突っ込みと同じスピードでは来れない・・・タイヤに負担

が掛かりいつ滑るか分からなくなるからな・・・。たいていの奴は・・・」

そう言い掛けた俊介はバックミラーを覗き込んだ

俊介「!!ついて来ているだと!馬鹿な!」

直人「・・・悪いが、少し舐めていたようだ・・・。本気で行くぜ!」

俊介の目の前にコーナーが見える。

俊介「や・・やべ!」

いつもより、ブレーキのタイミングが遅れた。

俊介「うわ~!」

俊介は、思いっきりハンドルを切った!

その瞬間、小さな『ゴキャ』と言う音が聞こえた。

直人「ふ~。見てたこっちがビックリするぜ!」

俊介のFDは、直人のR34の方へ向いて止まっていた。

俊介「く!悔しいが、俺はスピンしてしまった・・・俺の負けだ。」

直人は、腕を俊介の方へと伸ばす。

直人「いいバトルだったな・・・。」

17話~女の走り屋~へ続く。


ここは、修の部屋

修、栄治そして淳の3人でなにやら話している。

淳「おい。お前らは、これからどうしたい?他の峠でも行くか?」

修と栄治は答えた

修・栄治「え?他の!行く!」

淳「ホントにいいんだな?ここより強い奴がわんさかいるんだぞ?」

修「・・・ああいいよ。だけど最後に静岡峠に行きたい!」

栄治も頷いた。

栄治「そうだな。まぁ、今日が最後ってことはないが・・・」

その後、3人はすぐに家を後にした。

~静岡峠頂上PA~

そこには、直人や俊介などの走り屋がいっぱい集まっていた

その2人の話してるうちに、淳はなにやら電話をかけていた。

直人「お!来たな!」

修「へ?何で皆さん揃ってここへ?」

直人「お前らの旅立ちを祝う為にみんな集まったんだよ。」

修と栄治は顔を見合わせ栄治が言った。

栄治「でも、何で直人さんたちが知ってるんです?」

直人「修、栄治・・・お前らの後ろにいる人から聞いたんだよ。」

2人は勢いよく振り向く。そこには、笑ってる淳がいた。

修「え?兄貴が?」

淳「ああ。そうだ。」

っとそこへ一台の車が上ってくる!

その車は、ゆっくりとPAに入ってきた。

直人「・・・ER34?この辺のものじゃないな・・・。」

ER34のドアが開いた・・・出てきたのはなんと、女性だった!

彼女は、赤いバンダナ、黒のスポーツウェアをまとっていた。

俊介「おい!女!お前みたいな奴が来るとこじゃね~!帰えんな!」

彼女はちょっと怒りを込めて言った

???「お黙り・・・この、しょん便小僧・・・」

俊介は顔を赤くしていった

俊介「く!この女!俺を馬鹿にしたな!」

彼女は言った

???「ええ。馬鹿にしたわよ」

一気に怒りが満ちてくる俊介・・・だが、彼女はそんな俊介を無視して、修

の方へ歩み寄ってくる。

修「な・・なんですか?」

???「へ~。あなたが修君?なんか、想像してたのと違うな~・・・。」

修「・・・なんのようですか?」

由美「私は由美。”高田 由美”って言うの。よろしく。」

修「あっそ。あんたには他の目的がありそうだけど?」

彼女はニコっと笑った。

由美「あら?分かっちゃった?凄いね~。」

修はだんだんとイラついてきた・・・

由美「実は、あんたと勝負しに来たのよw」

修「な・・あんたと!?」

18話~由美の真意~へ続く。

彼女は、修に微笑みながら『バトルしろ』と言った。だが、修は即答で答えた

修「何言ってるんすか?あんたは女だ・・俺は、女とはバトルしない!」

彼女は、不気味に笑う・・・。

由美「ハハハ。女だからって舐めないで貰いたいわ。多分今のあなたの実力じ

ゃあ、私には勝てない!」

そこに、俊介が入り込んで由美に向かって言った。

俊介「やい!女!お前の相手はこの俺がやってやる!嬉しく思え!」

由美「あんたが~・・・弱そう・・・」

俊介は激怒した。

俊介「マジに殴るぞ・・・?女だからって、殴ろうと思えば・・・」

その時!俊介の腹部に凄まじい蹴りが入って来た!

俊介「ぐはぁ!」

それは、ウザかったのか由美の強烈な蹴りであった・・・。

由美「悪いけど、あんた見たいなゴミに用はないわ。」

俊介「orz」

修「なんてことするんですか!」

由美「ちょっと、黙らせてあげただけ。」

由美以外の走り屋のほとんどが俊介の方に集まってきた

直人「おい!大丈夫か?」

直人が俊介に声を掛けたけど、起きないどうやら気絶しているようだ。

修「・・・いいですよ。やってあげましょう。」

彼女は、手を合わせて喜びながら言った。

由美「ホント!やった~!修君と真剣バトル!」

彼女は、はしゃいだ。

栄治「・・・なあ、由美さん?俊介さんじゃなく、修って何か訳でもあるんで

すか?」

彼女は、答えた。

由美「うん。あるよ」

すかさず、栄治が聞く。

栄治「その訳ってなに?」

由美「修君のお兄さんいるでしょ?私、彼と同級生よ。」

修は、エボに乗ろうとしていたがすぐに由美に眼を向けた

修「なんだって!に・・・兄さんと同級生!?」

由美「そう。実は、私走り屋になったのは彼の影響でなったの。」

修「そ・・そうなんですか・・・なら、あなたとは勝負しません。」

修の言葉に、そこにいた人達言葉を失った。

由美「え?それ、どういう事?」

修「理由は、兄さんの友達だから。それに、俺は女の人とは勝負しない・・・

いや・・・俺達には他の目的がある。それは、兄さんを殺した奴に仕返しをす

る事だ。だから、分かってください・・・」

彼女は、ため息を吐きながら言った。

由美「はぁ~。本当にあなたは”陽介さん”に似ているわ。いいわ。この事

は、なかった事にするね。」

修「はい・・・すみません。」

その時、俊介が目覚める。

俊介「う・・・腹痛ぇ~・・・」

由美「私は、あの男が復活する前に行くね。じゃあ、またね。」

彼女はそう言って、ER34に乗って帰っていった・・・。

~数分後・・・俊介が復活してみんなが、集まった頃~

直人「よし!全員集まったな?」

直人の一声によって走り屋みんなが[おぉ~!]っと大きな活性をあげた。

修、栄治そして淳この三人が直人の前にいた。

直人「今日は、この三人の旅立ちの日だ!みんなで祝福してやろう!」

すると、さっきよりも大きな活性が広がって、山々にこだまする。

直人「さあ、一緒に思いっきり走ろう!修!」

修「はい!」

3章の~舞台は箱根!~へ続く。

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