C カウントダウンか 近鉄 オリックス合併


- 6月14日
 近鉄とオリックスの合併話やけど、そりゃあこういう話になってくるよ。年間40億もの赤字出しとって、続けてやっていってくれっていう方が無理や。タイガースに行って2年目の正月やから去年か。それまで阪神とオリックスと近鉄と、関西3球団の球団関係者が年1回、年頭の互礼会っていうのをやっていたんだけれど、それが突然中止になって、近鉄の関係者から「そういうところまで経費カットせにゃあいかんとこまで、切羽詰まっている」というような経済状態の話を聞いとった。そして今年に入って「命名権」の売却計画とか、先月は本社の役員が決算発表の席で「売却も検討中」というような話も出しとったでしょう。もう時間の問題だつたということですよ。
 いつもいつも同じようなことをいわなきゃならんけど、球団の経営責任者も機構の責任者もプロ野球の経営、運営についての基本姿勢を抜本的に改めていかんでおったら、これからもこういう深刻な事態は次々に出てきますよ。近鉄だけやない、パ・リーグだけやない。一部の球団除いたらどこも赤字で、みんな切羽詰まった経営状態でやってきているんだから。今回の話を渡りに船と、いろいろ動いてくる球団も出てくるんじゃないかって、そっちの方が心配やないか。
 球団は本社の宣伝機関。独立採算の事業体として本気になって真剣にプロ野球というものの経営、運営に取り組んでいる球団はなんぼあるんや。もうかってもおらんのに年俸はどんどん上げて。高い契約金をぽんぽん出して1回も一軍にあがれん選手がどれくらいおるか、誰がそういうことに首をかしげて考えておるんやろうかって、いつもいつも不思議に思わんか。ドラフトやFAやっていう、自分たちの首を締めるだけやのうて球界をスポイルするおかしな悪法もほったらかしで、野球ルールの統一もはからん。メジャーに選手がどんどん出ていく時代に国際ルールもちゃんとできんでおらんでしょう。一部の球団しか儲かっていないのに、メジャーのような球界全体の「共存共栄」のための知恵も工夫も、そういう精神というものも立ちあがってこん。機構も球団もほとんどが野球を知らん天下りの年寄りたちで、何年たってもなんにも動かんままで、なにもやらんままでここまでやってきている。全体的に見ればいよいよそういうツケが回ってきたということやないか。
 そして、こういうことになってやっぱり1リーグ制へ持っていこうっていう流れになるんやろうけれど、高校生や大学生の受け皿にもなっていたノンプロ・チームが激減している今、球団が減ればいよいよ野球人口も減ってくるんじゃあないか。いい選手を育て、いい試合をしよう。野球人口、野球ファンの拡大に一生懸命になってやってきた現場の人間のひとりとして、いつも機構の人たち、フロントの人たち、経営陣に「これからはあんたらネクタイ組、スーツ組が本気にやらんかったら野球そのものが衰微していくぞ」っていろいろ憎まれ口をたたいてきたけど、今度の話にしても現場とファン、野球を志す若者や子供たちがどんなにがっかりしているか。こういうことはわかっとった事態やし、現象だから、びつくりするよりもきょうは腹が立って胸が痛いわ。だから、やっぱり、こうなった。


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