knight of memory

knight of memory

第二章~出撃~後編


中三になるんです。え?なぜ14になるのに中三なのかって?
それは日記を見てください。話はこの辺にしておいてさぁ、
物語の始まり、始まり~


第二章~出撃~後編

 「まったくどうなっているんだ。」
 僕はまだ半分しか状況が理解していない。いや、理解したくないのだろう。夢だったら今すぐさめてほしい。僕はほおを引っ張った。・・痛い・・
 「何やってんだ?ついたぞ。」
 そうこうしたうちに例の新型の機体とやらが保管されている倉庫に来たらしい。と言っても、前に見えるのはただの廃ビルだった。僕はこのビルを知っている。小さい頃よくここで友達と探検ごっこをやっていた。
 「こんなところにロボットなんてあるわけないでしょう・・・」
 「これは表の顔だよ。それによく考えてみろ、こんな廃ビルがいつまでもここにあるわけ無いだろう?」
 確かにそうだ。このビルは僕が生まれる前からここにあったらしい。
 「まさかここが倉庫って知らなかったの!?」
 春菜が驚いたように問いかけてきた。マズイ・・・なにか返さなくては・・・
 「い・・いや本部からはどういうとこか聞かされていたんですけど、実際に見るとものすごいんで・・・」
 「そう。」
 そうかえして春菜は何事もなくほかのメンバーの話にもどっていった。
 よかった・・・僕はホッとした。
 廃ビルのドアを手で押して、かなり古ぼけたエレベーターの前にたどり着いた。
 「まず俺と大和が行くから、そのあと4人は一緒に来い。わかったか?」
 「了解!」
 僕と大介はエレベーターに入った。
 「これから押す番号を覚えておけ。入るには番号を覚えていないといけないからな。」
 大介はそう僕に言うと、エレベータのボタンを2,8,0,0,7,9,1,の順番に押した。そうすると突然エレベーターの中から声が出てきた。 「IDを言ってください。」
 「1,0,0,5,」
 「大島大介様ですね。お連れの方は誰ですか?」
 「本部から派遣されてきた戦闘員だ。」
 「了解しました。では地下倉庫に移動します。」
 声がとぎれた瞬間、エレベーターが下に移動し始めた。それと同時に、大介が僕に抱きついてきた。
 「よくやった!あとは機体を持ち帰るだけだ。」
 「え・・・でもどうやって持ち帰るんですか?」
 「ゴーストならもうこの基地に保管されている。」
 「誰が乗るんですか?」
 「今度の機体は戦闘型だから剣だろう。あ、あともし本部に行く途中敵に発見された場合はおまえも戦闘に参加してもらう。なにせ戦闘員ということになっているからな。」
 今僕は戦闘員になっていたことに気づいた。記憶の修正だけが頭に残っていて、そのことには気づかなかったのだろう。
 「え・・・でもいきなり戦えって言っても無理ですよ!第一、操作方法も知らないんですから・・・」
 「大丈夫だ。そう簡単にゴーストは見つからない。」
 「でも・・・」
 「さぁ、ついたぞ。」
 大介が言うと同時にエレベーターの扉が開いた。そこはまるで別世界だった。いろんな機械があり、たくさんの人が行き交っている。
 「俺たちが持ち帰るのはこれだ。」
 大介はそう言い、近くにある機体に近寄った。
 「カッコイイ・・・」
 おもわず僕は声を漏らした。こんなものができるのかと思った。
 「取りに来たのね。」
 後ろから声がしたので振り向くと、白衣を着た一人の女性がいた。
 「やぁ、クリス。大和、この方はクリス、この倉庫の開発主任だ。この機体を開発したのもクリスなんだ。クリス、こいつは須藤大和。本部から派遣されてきた戦闘員だ。」
 「よろしくね。大和君。」
 「よろしくおねがいします。」
 僕とクリスは軽い挨拶を交わした。
 「ところでこの機体をどうやって運ぶんだ?」
 「もうあなたの船には運んでおいたわ。」
 「そうか、ありがとう。」
 「あと、本部と連絡を取りたいんだが・・・」
 「じゃあ向こうの連絡室に連絡機器があるからそれを使って。」
 「たびたびありがとう。」
 「じゃあ大和は休憩室にででも待ってろ。ほかのメンバーもそこにいると思うから。」
 「わかりました。」
 大和はその場から離れ、休憩室に向かって行っった
 そのころ大介は連絡室で本部に連絡していた。
 「こちら第五宇宙ステーション開発基地。本部応答願います。」
 「こちら本部。どうした?」
 「あやまって一般市民に組織のことが見つかってしまったから、そちらに行って記憶修正をしてもらいたい。」
 「わかりました。市民の名は?」
 「須藤大和です。」
 「わかりました。追って連絡します。連絡先は?」
 「戦艦番号5,2,8,クリアです。」
 「わかりました。必ず連絡します。」
 大介は連絡が終わると、急いで休憩室に行った。
 大和はそのころ、休憩室でほかのメンバーからの質問攻めにあっていた。
 ここでも大和は間一髪ごまかしていた。
 「出発するぞ。」
 神の救いだった。大和はまたホッとしてメンバーと一緒に戦艦へ向かった。
 戦艦に入るのは初めてだった。・・・すごい・・・。特にブリッジがいかにも戦艦ぽくて感動した。
 「発射カウントダウン始めます。5・・・・」
 「大和振動に気をつけろよ。」
 大介が警告した。
 「はい。」
 「2・・1・・・発射どうぞ。」
 「クリア、微速前進!」
 想像以上に激しい振動が来て僕はコケそうになった。戦艦はまっすぐ宇宙に向かっていった。
 「これからこの戦艦は本部に帰還する。」
 「了解!」
 「では解散!」
 「大和、こっちへ来い。」
 僕は剣に呼ばれて、戦艦の中の休憩所に行った。
 「おまえは今日からこの船の戦闘員として俺の下に置かれる。いいな?」
 「はい。」
 「ではまずおまえが戦闘時に乗る機体を紹介する。一緒に来い。」
 僕は剣に連れられ、機体が保管されている場所へ向かった。
 「これがおまえの乗る機体、F-5080だ。かなりの旧式だが移動が速い。操作方法はこれを見ろ。」
 そう言うと剣は一冊の本を僕にくれた。中にはF-5080の操作方法が書かれていた。全部で700ページ・・・・・先が重い・・・
 「ある程度のことは覚えておけ。あとは実戦で試せ。いいな?」
 「はい。」
 「と言ったもののこんなにたくさんどうやって覚えるんだか・・・・とりあえずやってみるか。」
 僕は頭をかきながら本を開いた。・・・結構おもしろい・・・
 その日はこの本にハマリっぱなしであった・・・
 次の日、またその本を読んでいると、
 「敵機発見、敵機発見。戦闘員は出撃の準備を。」
 僕は予想外の展開にとまどった。大丈夫って言ってたじゃないか・・・そのとき。僕の部屋に剣が入ってきた。
 「速く支度をしろ!俺についてこい!」
 僕は急いで部屋にあった戦闘服を着ると剣のあとをついて行った。
 「機体に乗ったら起動して待機だ。指示があったら動け。」
 「わかりました。」
 僕は機体に乗ったあと、昨日本で見た通りに機体を起動させた。何とか起動したみたいだ。
 「H-8962、システムオールグリーン、発信どうぞ。」
 「御劔剣、出る!」
 剣の機体が外に出た。次は僕の出番だった。
 「F-5080、システムオールグリーン、発信どうぞ。」
 「須藤大和、行ってみます。」
 僕は戦艦の外に出た。すると、目の前に5機の敵がいた。少しの静寂のあと、向こうがビールライフルで攻撃してきた。すると戦艦から通信が来た。
 「大和、おまえらはこの船がここを通り過ぎるまでの時間稼ぎをしろ。いいな?」
 「了解。」
 僕は、通信がとぎれたのを確認すると、ビームライフルを構えた。
 だが・・・・撃てない。ここで攻撃して当たれば相手は死ぬ・・・
無理だ・・・僕には撃てない・・・・どうすれば・・・・


これで後編は終わりです。




























© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: