*andante*

*andante*

□センパイ□

あ と ど れ だ け 想 っ た ら こ の 想 い あ な た に 伝 わ り ま す か ?


同じサークルのセンパイo

彼女が居るひとo

サークルの中で、あたしの直接のセンパイo

すごく優しいひとo

いちばん仲良しだったセンパイ。

あたしが好きになったひとo


星 の 数 ほ ど 訪 れ る め ぐ り 合 い の 中 で 

気 づ け ば こ ん な に い つ も 近 く に あ な た が 居 た よ



一番接しやすかった

性格も似ている

「ハルー」

絶対何か面倒くさいこと頼まれるに決まってたけど すぐに返事をしてしまうあたしがいた

「ばかじゃん おまえ」

なんだかんだで会うたび会うたびちょっかい出してきては馬鹿にするセンパイ

なんだかイタズラばっかりされて いじわるばっかり言われて

それでも憎めなかったセンパイ


弱 い と こ ろ も あ き れ る ほ ど カ ッ コ 悪 い と こ ろ も

全 部 見 せ ら れ る 存 在 が い た ん だ


毎日毎日顔を合わせて

毎日毎日サークル活動して

いつの間にか

毎日毎日メールしてた

「ハルは特別やけね」

そんな言葉信じないよ そう想っていたのに

彼女、居るのに ダメだってば 好きになっちゃ

甘えてた 頼ってた

それはサークルでお仕事するときだけ そう想ってた

涙も見せたし 愚痴も言った ケンカもしたね

つ ら く て く る し く て そ れ で も 頑 張 っ た の は あ な た が 居 た か ら


いつも一緒だったね

「特別」ってことばいっぱぃもらったょ 

「イチネンセイには無理よ」

そう何度言われても あなたが任せてくれた仕事だったから

あたしのできる限りで頑張ろうと 頑張りたいと

あなたにとって可愛い後輩でいたかったから

あなたに愛される後輩でいたかったから

一瞬でもあたしはあなたにとって可愛い後輩でいられたのかな?


あ な た の 全 て が 好 き だ け ど 彼 女 だ け は 好 き に な れ な か っ た


6月のミニ学祭o

その日はセンパイと彼女のイチネンキネンビo

前の晩、準備が長引いてあたしもセンパイも一人暮らしのY先輩のうちに泊まった

その夜もセンパイはそっとあたしを抱きしめて眠ってくれた

イチネンキネンビになった瞬間に一緒に居たのは 腕の中に居たのはあたしよ

そんなこと考えたあたしはずるい?

そんなこと想ったあたしは最低?

ミニ学祭当日oセンパイの彼女が来たo

「かのじょ」と照れて紹介するセンパイの顔oその横で笑う彼女の顔o

センパイ、彼女可愛くないよ

「ハルー?センパイの彼女見た?可愛くないよね?ハル勝てるよ」

友達が言ったそんな言葉もあたしにとっては何の意味もなかったよ?

だってセンパイの彼女はあの人なんだもん

センパイが一番可愛いと想うのはあの人なんだもん

どれだけ可愛くなればあなたは振り向いてくれるのですか?

唇 が そ っ と ふ れ た だ け だ っ た け ど あ の キ ス は あ た し に

あ な た と の 永 遠 を 予 感 さ せ た ん だ 好 き す ぎ て 苦 し い よ



6月の終わりにあたしたちは合宿に行った

合宿とは名ばかりの飲み合宿

飲んで酔ったあたし

飲んで酔った先輩

いつものように同じ布団に入った

いつものように抱きしめてくる腕

ささやく唇

いつもと違ったのは きっとフタリの間の距離

ねぇセンパイ あたしたち近すぎたんだよ

chu

ほんの一瞬だったけど

じゅうぶんだった

じゅうぶん過ぎた


あ の キ ス の 意 味 を 聞 い て も い い で す か ?


「別にハルとするのいやじゃないし」

「別にこれからもしてもいいよ?」

「ハルと仲悪くなるのだけはやだなぁ」

ずるいょ センパイずるい

あたしのこと好きやないんよね なのにキスするんだ

でもごめんね あたしのがずるいね いけないね

でもね でもね センパイとキスできて それがどんな意味だって

あたしは嬉しかったんだ 幸せだったんだ

だから幸せをありがとう 

今 は も う な い も の だ け ど あ の 頃 確 か に あ っ た も の

あ た し が あ な た を 想 う 気 持 ち


7月にはいってあたしたちはぎりぎりまで来た

ある飲み会の夜

あれが限界だった

嫌だったわけじゃないんだ 怖かった

優しいのがセンパイ いつも笑ってるのがセンパイ

だから あの夜のセンパイは怖かった

ごめんね?ごめんね?

泣きそうになったあたしを強く強く抱きしめてくれた

そのとき気づいたの 

センパイはこんなに強く彼女を抱いてるんだなぁって

そう思ったら余計に拒むしかなかった

ほんとはねもっともっと感じていたかったよ

センパイのあたたかさとか 優しさだとか

でもね?キレイなカンケイで終われてよかったね

もしあの夜あなたに抱かれていたらあたしはもう

あなたに笑いかけることはできなかったはずだから


な く し た も の は い ら な い も の 本 物 は 手 に 残 る


「やっぱ彼女に悪いけぇ」

そう言ってからメールも電話も 話しかけてもくれんくなったね

夏休みに入って実家に帰ったあたしはセンパイに会えないこの40日間が長くもあり短くもあった

4月から今までのあたしとセンパイの関係はこんな簡単に壊れるもんだったのかな、とか考えた

でもねきっと こんな簡単に壊れるものだったんだね

わかってたょ

最初からわかってた

あなたが彼女のこと選ぶこと わかってたから 大丈夫

そう心から思えるまではやっぱり時間もかかったよ

あなたを心の中から追い出すまでに どれだけ時間がかかったか

でもねもう大丈夫

あたしはあなたとの関係をもう一度イチから作り直そうと思う

なくしたものはいらないもの

なくならない ホンモノ を、時間かかっても作っていくよ


大 切 な も の は い つ だ っ て 目 の 前 に 転 が っ て い る


今は純粋に思うよ

あなたの可愛い後輩でありたい と


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