「って、ただの無駄足じゃん!! 何一つとして愉快じゃないよ!!」
「初っ端から国民的アニメの主題歌にケチを付けるな」
「だって悲しいでしょう? わざわざ出かけておいて何も買わずに、いや、買えずに帰ってくるなんて!!」
「そりゃまぁ…」
「うぅ~、ツイて無いですよ~」
「しかし、紅狐はホントに運が無いよね」
「自慢じゃないけど、自慢できる運はありませんよ」
「自慢できない運って何だ?」
「文字通り、友達とかに自慢できない運」
「…と、言いますと?」
「例えば『東方雅華乱舞』って知ってます?」
「えぇと…トレカ?」
「そうそう。 あれだと割と欲しいものがピンポイントで当ったりするんですよ。 シークレットとかも」
「凄いじゃん」
「でも、他に集めてる人もいないし、自慢できない…」
「そういう事か!!」

「集めてたんだ…」
「いや、そうじゃなくて、ただ『イクサのメダル欲しいな~』って回したら1発でレアの方が出るとか」
「凄いじゃん」
「でも、他に集めてる人もいないし、自慢できない…」
「判った判った」
「しかし、こんな運も遊戯王やモンハンになると全く効果無くなるんですよ~!」
「あぁ、パックもドローも引きが悪いってことね」
「逆鱗、宝玉…レア素材も一人だけ全然出ません…」
「悲しいなぁ」
「何ででしょう…?」
「でもさ、自己満足止まりとは言え、全く運が無いよりマシじゃない?」
「でもね、この運も空回りすることがあるんですよ?」
「えぇと…どう言う意味?」
「この前…ってか随分前ですが、久々にベイブレードの売り場を覗いたんですよ」
「あぁ、久々に」
「そしたら新しいランダムブースターが入荷してるじゃありませんか!」
「紅狐はランブー好きだからな」
「当りベイ格好良いし、しかも『フォックス』なんてベイ出てたのね!? とかテンション上がって4つ買ったんですよ!」
「おぉ、そしたら!?」
「当りのレア品『ジェイドジュピター』が2つも…」
「うわ…」
「懲りずにもう4つ買いましたよ!!」
「今度こそ!!」

「うわぁ…」
「何コレ!? 運は良いけど引きが悪い!?」
「空回り…なるほどね」
「ジュピター4つもどうするって話ですよ」
「パーツとして使ってあげなよ」
「うぅ、こんなんだったら一つ前のビートリンクスがダブって欲しかったですよ…」
「でもまぁ…運が無い方が紅狐っぽいよ」
「がーん」