凍土の涯て 封神演義番外編8




   凍土の涯て=トウドノハテ=







徹底的に駄目だった。
何時だって差し伸べられる手を待ってた。

女の腕は優しくて、柔らかくて、あたたかくて。






手が。





劣等、悲観、罪悪感、単なる自己満足の為の自己犠牲。
くるんで包んで虚飾の檻に封じて、鏡は見ないで。
お願い。
本当の僕を見ないで。











シンジツカラトオクハナレテ










空っぽのイレモノ=肉体にイツワリかもしれない感情を注いで。



力はあった。中身も外見も並以上で特上。
虚像を作るなんて簡単すぎて。



―――カシッ



(罅が)





光、が。










                  そんな遙か高みを望んで貴方は。




駄目だ駄目だだめだだめだだめだだめだダメダ
















――――崩壊――――




















敵わなかった。完敗だった。…完全に、本当に負けたと思った。

                                (何故?)

視線を、手を、意識を、想いをこちらへ向けて?

(僕を救ってくれる?)




                         存在そのものが奇跡。









幾度の歓喜と幾度の絶望。
あの瞬間から感情は全て一人に支配されて。
逃げ場など、何処にもなくて。


                     悪夢を見る暇すら無い程に。



貴方がそこに居てくれさえすれば。











祈りは届く前に途切れるが定め
(ソレガセカイノコトワリ)

















これ以上の敗北があるのか。
跪いて許しを請うたところで(…一体誰に?)戻る筈もなく。
全てが失われたわけではない分、きっと質が悪い。
こんなのは。
心臓に良くない。ヒジョウに。





―――ああそうか。

もう。





どうでも良かった。
欠片で良かった。
今は良い。それでも、それが貴方だというのなら。

理屈も運命も宿命も歴史も必然も偶然も。
何でも良い。
どうなっても、良い。




ただ。

何も恐れないで。






                             (お願いだから)





何もかも捻伏せて。







最後には、貴方が勝って。





アナタノソバニ











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