風葬 封神演義番外編16










 きりきりと歯車が軋んだ音に絡みつく一筋の孤独。
 羽根と共に地に降り注いだのは数多の哀。
 多分彼はそれを信じない。

 そう、願っている。

 他でもない自分が。



 これは機械仕掛けの躯。




 分裂した未だ見ぬ欠片が耳元で囁く。全ては泡沫に消える夢幻に過ぎぬと。
 彼方の赤く染まる世界が過去にある炎の記憶に重なる。赤く赤く、体液の総てがそう、
どろどろと流れ落ちて溶かしてゆく。積み重ねられた屍を踏みつけ、やがて産声を上げる
その日まで。
 繰り返し見せられる光景を。多分。
 嗚呼それでも見つめるしかないのかと。誰かは確かに言うのに。
 断罪の叫びなど誰にも聞き届けられはしない。その業を。
 絡め、縛り付け、捕らえて離さないのは。







 一体誰であったのか。それすらも思い出せぬほどの時を越えて。
 悠久を越えて変わることない空の色に涙を一粒だけ。


 陽の沈み行く様を網膜に灼き付けて眺めるもう一つの世界。
 あるべき景色の中に存在することの出来ない自分の姿形。





 潰えた羽根を抱え、此処へ融けてゆこう。
 お前が嘗て生きたこの土に。




 風の子守唄が聴こえる。









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