終焉の欠片 封神演義番外編23





正直な話、複雑ではあったものの奇妙に気持はすっきりしていて、周りにいる連中を
巻き込んで盛大に笑えたらいいのに、などと思っていた。

 崩れる瀬戸際なのだが。

 こんなことを言ったが最後、思いつく限りの言葉でもって説教しそうな相手を記憶の中に
見つけて、やっぱり少し笑った。









      終焉の欠片







 この星がどうなるかなど知らない。そんな未来の話にまで責任持ってたまるか。
 自分が生きてきたのは「今」までにすぎない。
 ただ一つ、今までと完全に変わるのは。

 「滅亡」が彼等の意志となること。

 強制的な揺りかごはもう存在しない。
 お前たちは既に目覚めている。
 隆盛も繁栄も何もかも、自らの手で掴み取れ。お前たちの意志で。



 「私からの自由などどうでもよかったのだ。
  自由に憧れを抱きつつも不自由を美徳とし、自由を恐れる」



 その通りだ。彼らはわしに何度も聞いたよ。
 「軍師様、次は何をいたしましょう」
 自由に焦がれながら不自由に甘んじた者たちは、抑圧を失うと不安になる。

 その通りなのだよ。
 それでも人間は、その心まで不自由なわけではない。
 絶対的な何かに知らぬまま操られ続けるのは、彼らにとっての不幸に他ならない。

 勿論。

 おぬしにとっても――――。







支配者は常に孤独。









 「――――お前はそう思うのだな」

 言うてくれるわ。昔なじみはこれだからやりにくい。
 わがまま、とくるか。
 まったく、どいつもこいつも手間を掛けさせてくれる奴らばかりだ。
 溜息すら出ない。

 ……一人は淋しいものだから。

 怒りと涙は確かに脳裏を過ぎったのだけれど。
 「ま・いっか」



 「いつまでも元気で」

 ………崩れていく体。
 ………薄れていく心。



 その熱は、母の胎、か?







*   *   *







 女のわがままを叶えるのは男の義務よ。
 昔から決まってるの。

 だから。

 わらわのわがままも聞いてちょうだい?
 ねぇ、
 太公望ちゃん――――



 「本当に、それでいいの?」












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