第四章


週末は地元に帰ってこないと言っていたのに急に帰ってきたらしく、
「智史も居るから友達一人誘ってきて」とメールが入ってきた。
でも今日はバレンタインが近く社長に「煙草ワンカートンでいいから」と言われ
どうにか昨日会ったメル友に買わせ、社長に会いに行く途中だった。
切符も買ってしまったので仕方なく彼氏タカの誘いは断り電車に乗り込んだ。
U駅までの10数分、やはり彼氏を選ぶべきだったと反省しつつも
何故だか社長に会うのが楽しみになっていた。
社長が駅に1時に迎えに行くと言っていたのに、社長の姿は無く、電話にも出なかった。
こんな事なら、タカの誘いを受けるべきだったと後悔した。
結局、14時過ぎまで待った。すると、社長から電話がきて「今起きた。一人で来て。」と言われ、
次のバスは14:48ですと伝えると、それに乗ってきて。15:30に仕事入れたから。と言われた。
バス停に着いたのは15:10前だった。「マドンナの自販機前で待機な」とメールで指示され
バス停から走ってマドンナまで行った。道も大して広くないのに車の量は半端無かった。
歩道も無く後ろを気にしながら時間前にはマドンナ前についた。
それなのに15:40になってもお客は現れなかった。
緊張しつつ社長にメールを入れる。
もうすぐつくって。っと絵文字も無い殺風景なメールが届いた。8分後、スポーツカーに乗った
美容師のお客さんが到着した。援助交際するなんてとても思えない位、かっこよく、性格も良かった。
お客さんは、沢山誉めてくれた。お風呂から出ると、頭を拭いてくれて
身体を拭いていると、背中の拭いてきてくれた。仕事も本番を迎えたのに小声で「痛い」と言ってしまった。普通ならお金を払っているのにと気を悪くするのに「大丈夫?」と聞いてくれた。
まるで理想の彼氏だった。だが、何となく落ち着かなかった。
時間になり、パチンコ屋までまた乗せてもらった。しばらくして、社長が歩きで迎えに来てくれた。
社長を見つけ安心して走って駆け寄った。社長の部屋で色んな話をした。
7時位になり、お腹が減ったのでご飯を食べに行くことになった。
すき屋に入り、注文をした。待っている間、今日のお客さんについて話した。
「お前の事気に入ったみたいだぞ。」と社長は喜んでいた。
つられて私も笑ったが気に入られて複雑な気持ちになったのは初めてだった。



© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: