第五章


「すんげぇ、汚い10円玉有るんですけどいいですか?」
と店員に話しかけた社長を見て爆笑していたが、
店員が女だった事に気付き少しむっとしてしまった。
その後歩いてCDショップに行った。
時計は10時を回っている。
電車も無いし、今夜泊まる場所がない。
かといって社長の家に泊まるわけにもいかない。
悩んだあげく彼氏のタカに電話をかけた。
「れいな?」
出たのはタカの先輩の智史で私は名前を偽っていた。
「レイナじゃなくてレナだしぃ~!!また間違えた!!」
智史とはタカより先に知り合い短期間だったが付き合っていた。
シンナーか薬のやり過ぎで歯が溶けて(かけて??)いて
色も緑と赤に変色しつつ有った。
私の前では薬をやらないと決めたのに何度かその約束は破られ
完全に薬が抜けるまで話し掛けても良く聞いていないので
冗談か本気なのか分からないが名前をいつも間違えた。
「今日デートじゃないんけ?」
冷やかされたように言われた。
タカと付き合っているのも、今日は他の男(社長)と遊んでいるのも
知っていたからだ。
「違うよ!たかは??」
「はい?」
タカの言い方に冷たさがあった。
「今夜泊めて?宇都宮にいるから」
同じ宇都宮でも随分距離があった。
「何時ごろ?智史もうすぐ帰るから迎えいけないよ?」
この後、また別の仕事が入っていた。
終わるのは完璧日付が変わった頃。
それを伝えると無理だなと冷たく断られた。
今まで結構バカップル並にくっついていたのに。
仕方なくCDショップに居る社長の元へ戻った。

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: