第九章


その後、ワンギリで電話がきたのでかけなおした。
「今ごろなんだよ。」と笑われた。
「お前が付き合いたいって言って俺が別にいいよっていったんだから
考えたらわかんねーの?」これは喜んでいいんだよなぁと思いつつ
「あぁ・・・ね。」曖昧な返事を返した。
「土曜は何してる?」あまり学校でつるんでる友達とは
休みの日は遊ばなかったので「空いてるよ。」と答えた。
「とりあえず仕事だから。」
付き合っていても仕事は仕事だった。
土曜日に成り、三時前にバスにのり社長の家へ向かった。
バスに乗ったところで電話をした。
「もしもし?」眠そうに答えた。
「あと20分で着くけど。寝てた?」
社長は気分やだから今日は仕事が入らない気がした。
「寝てたっちゃ寝てた。面接してた。お前来るの早いな。」
寂しかった。自分は邪魔者なんだと思った。
それに面接にはSEXも含まれている。
「とりあえず…ん~、じゃあマドンナ待機。」
「わかりました。」
冷たく答えすぐに電話を切った。
家に帰ろうかなと思ったがそのままバスに乗った。
バス停からマドンナまでゆっくり歩いた。
マドンナに着き中に入ったがうるさかったので
お客を待つ自販機前にすわり、持ってきた教科書を開いた。
もうすぐテスト…授業をさぼりがちになっていたので
志望校があやういなと思っていた。
すると髪の長い女の人が声をかけてきた。
「あ、きんぱの?」
社長の事だった。
「そうです。何でですか?」
年上に見えたので敬語を使い話をしていると
家のほう歩いて来いって言ってたよと言われたので社長の家の方向に
向かって歩き出した。社長は50m位先にいる。
ゆっくり歩いた。あまり顔を見たくなかった。
「お前、さっきの奴何歳に見える?」
自販機前で声をかけてきた女の人のことだった。
「17~19位かな。」
そっけなく答えた。
「お前と同級生だよ。」笑いながら言われ
自分も吃驚して会話にのった。
社長の家に着き二回に上がり社長の部屋に入る。
クシャクシャになっている布団を見てせつなくなった。
社長の携帯にメールがきた。
さっきの女の子からで延長希望なんですけどという内容で
社長が「お前もこの位仕事とれればなぁ。」と笑いながら
少しいやな顔をしていた。
「じゃあ仕事頂戴よ。」むきになって言ってしまったが社長は仕事を入れる気が無かった。
仕事を終えてさっきの人が戻ってきた。
「みか、ゆきちゃんと同級生なんだぁ。」にこやかに言われ
「知ってるよ、年上に見えたけど。」とそっけなく言ったが話し掛けてくる。
「みかちゃんね、パンダさん好きなのぉ。」
「そうなんだ。」天然の話にはついていけない。
ほっておいたら一人で話し始め、社長は曲を作り始めた。
夕方5時。みかちゃんは社長とバス停に向かい私は社長の部屋で待たされた。一人で居る間、自分は何してるんだろうと後悔した。
目の前で私とタメの子が同じ事をしている…凄い罪悪感にひたって
社長への想いも消えてきていた。社長が一時間位経って帰ってきた。
「お前、足でかいなぁ。ビックフット。」
笑いながら言われたが、怒る気にもなれず少し笑みを浮かべうつむいた。
「あいつラルク知らないみたい。Mステ見た?俺の先輩がラルクの後ろで
ベースやってたんだよ。それ言ったらあんまTV見ないからぁって言われて。」
冷たい態度をとっていると社長は一人で曲を作り始めた。
その後、社長家の近所に住んでるVIPのタクに地元まで乗せて貰い家に帰り考えた。
気晴らしに社長と知り合った出会い系をやった。またデリヘルの勧誘にあった。
社長のところより給料が良かった。このままデリヘルやっかなぁ…
次の日、社長にメールをした。「スカウトされたんで社長のところはやめます。」
返事はすぐにきた。「そっち捕まると困るからメモリー消しといて。」
絵文字も何も無いそっけないメール…。
「分かりました。それじゃあ。」
社長とはそれっきり…。
次のデリヘルの仕事は一度もしなかった。

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