悲劇3<ゴールデン・サスケ>



公園を出てしばらく歩いて振り返ると、
遠くにおじいさんが大きなゴールデンレトリバーを連れて歩いていた。
おじいさんがゴールデンを。。。というよりゴールデンがおじいさんを引き連れている様子だった。
でも遠くにいるからこのペースなら追いつかれないだろうな~と思って角を曲がった瞬間、
「サスケ~、サスケ~」
と遠くでおじいさんが叫んでいる声が聞こえた。

フミオンマが後ろを振り返ると、さっきまで遠くに歩いていたゴールデンが
猛ダッシュで走ってこちらに向かっている。
慌てて次の角をすぐ曲がり様子を見ていると、そのゴールデンはキョロキョロしていた。
“ふっふっふっ…、フミオンマたちを見失ったのね”
とフミオンマが思った瞬間、そのゴールデンと目が合い、こちらに突進してきた。

フミオンマは驚きながらもフミヤを抱きかかえた。
その時フミヤはトラウマを抱えていたので、ゴールデンを見て狂ったように唸っていた。
しかし抱きかかえたぐらいではゴールデンはフミヤに近づいてしまう。
ということで、フミヤを両手に持ち天に向かって腕を伸ばし、
ゴールデンがフミヤに近づけないようにした。
それでもゴールデンはフミオンマたちの真後ろにいて尻尾を振ってフミヤを見つめている。

“飼い主はまだ追いかけて来ないの(怒)”
と思いながら振り返ると、フミオンマたちのすぐ近くで畑の草取りをしていた
おばさんがこちらを見て呆然としていた。
フミオンマがそのおばさんに“こんにちは”と言おうとした時、
そのゴールデンはフミオンマたちからそのおばさんにターゲットを変え、
おばさんに向かって猛ダッシュしていった。

おばさんは向かってくる大きなゴールデンにすごく驚いたようで、
「ギャ~~~~ァ」
とわめきながら後ずさりしていた。その時バランスを崩し片方の草履が脱げ
おばさんは畑の中に倒れてしまった。
そのゴールデンはおばさんの近くで止まり尻尾を振っていたが、
取り乱していたおばさんは近くに生えていた草をちぎり、ゴールデンに投げつけ
「あっち行け、あっち行け」
と叫んでいた。

それを見たフミオンマは笑いを必死にこらえていた。
“ターゲットも変わったし、フミオンマたちは逃げよう”
と思った瞬間、ゴールデンはまたフミオンマたちの真後ろに来ていた。
またフミオンマはフミヤを両手に持ち、両腕を天に向かって伸ばしていた。

すると。。。
「サスケ~!」
とおじいさんの声が!
おじいさんはそのゴールデンの飼い主みたいで
「どうもすみませんでした」
と一言謝り、さっさとその場からいなくなってしまった。

あのおばさんはどうなった。。。
とおばさんがいた方を見ると、片方の草履だけが置いてあった。
“おばさんは逃げたんだ。。。”
そう思い、また笑いがこみ上げてきた。。。

今回の悲劇ではフミオンマは冷静だったが、フミヤがとても怖がってずっと唸っていた。
この日からフミヤはゴールデンレトリバーも嫌いになった。

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