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革人形の夢工房さんCategory
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朝覗いたら、おかんは茫々とした瞳でぼんやりと開いておりました。
呼吸音がひどく辛そうなのに、問いかけるとまるで痛みはないような曖昧な反応を繰り返します。
昨夜からずっと、そんな感じです。
なんというか、ひどく無機質化しております。10時頃になったらもう一度Y先生に連絡し、指示を仰ごうかと思いますが。
これを安定していると云えるのか、疑問です。
ただmもはや食事を摂らせることも今は無理のようで。薬を与えるコトも無理なのかも判らない…。
なので、後でY先生に指示をお願いしようと思っているのでございます。
ただ見守るしかないので、とりあえず、いつものリンパマッサージを念入りにしながら、思いつく限りの言葉を掛けてあげるだけでした。言葉と言っても、
「今日も曇りみたいだ」
「神社の梅は今年の梅祭りには満開になれないかも」
「おかんの右手、少し温かくならないかなあ」
そんな他愛のない言葉しか思いつかず、時々スンスン情けなく鼻をすすってしまうまぬけなくもです。
そのうち、おかんがしゃべりだしまして。
なにを云うかというと、年末に仕方なくしてしまった借金を次の年金で返せという。
葬式はせんでええとまでいう。
そう、それをおかんがすごく気にしていたのはくもだった気づいていた。
いや、くも自身、それを常々気にはしているのだけど。
「おかあさんが、死んだらな……」
そうやって、話し出す話を聞きたくはなかった。そして話す内容がそんな借金の話というのが、また哀しすぎる…。
「あとのこと、あんた一人っきりでもがんばりいなぁ。
いろいろやりくりがきびしいやろうけど、がんばりいぁ…。
ひとりはつらいやろうけど、
あんたには友だちが一杯おるけんが、がんばれるやろぅ?」
ともだちはみんな、遠いところにしかおらんよ、おかん。
私はひとりっきりだ。
死んでもだれも看取ってくれない。
だれも側にはいないんだよ。おかんだけなんだ…。
あんなに苦しかったおとんの看護のときも、葬式の時も、ふたりっきりでいままでがんばってきたやんか。
もっとふたりで生きようよっ。
「そんでも、がんばりぃな。だれもおらんでも、いきていかなぁ」
わかっとるよ。
なんとかやっていくから、だから今はおかん、まだ生きようよ。
「わかっとる。
わかっとうよ…」
握りしめてなでて、少し暖かくなった手で握りかえしてきてくれて…。
ひとしきり、話して疲れたのか、おかんはまたうとうとし始めました。呼吸は不規則になってきています。
時折、呼吸が乱れると、このまま止まるんじゃないかと不安になります。
すごく怖い。
まだ生きて欲しい。
このままずるずるとなんて、ありえないと願う。
──08:47記事に追記です。
あまりに苦しそうな呼吸なので、この直後9時にY先生に連絡。
すぐ来ていただきました。
Y先生、一目見るなり、「ああ、便器になんかしがみつくから、軽い風邪を引いたかも知れないな。大丈夫」
そうおっしゃって、モルヒネ等を入れた点滴をして行かれました。
明日また、通常往診に来てくださるそうです。
おかん、「痛くない」と繰り返していた癖、先生に聞かれたら「少し痛い」と素直につぶやいて…(^_^;
その後、今後はもう自力トイレではなく、ポータブル使用を先生に約束させられました。
点滴が始まって30分くらい。
少し顔色も良くなり、少しだけ目に力が戻ったような。
御飯は無理みたいだし、お茶もむせがちだけど。
思いついて、買い置きしておいたスポーツドリンクゼリーをはじめて呑ませまして。
相当喉が渇いていたらしく、美味しいと、気に入ったようです。
……よかった。
まだまだ二人で過ごせる時間が残っているのかもしれない。ご心配をかけました。
おいおいコメレスと、通常記事へと戻りたいと思います。
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