旅人の独白

旅人の独白

帰り道


**の駅で別れるとき、僕は「今日もう帰れないからどこかで泊まるよ」と彼女の目を見ずに言った。
「そう、大変ね。気をつけてね」と彼女は振り返りながら改札口に消えた。

僕は、どこをどう歩いたのか。途中何人もの客引きが、声をかけてきた。「外人もいますよ。カードでOKです」としつこく誘われた妙なことを今でも覚えている。

そして僕は、家に電話をかけ、仕事で遅くなりすぎたので、一人でホテルに泊まることを告げた。

それから僕と彼女の関係は、大きな発展を見せることになった。

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