易経日記
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【背景】47.沢水困 2爻 続リストラ戦記 1 -1~3 参照。もしもKが自分をクビにするつもりならば、転職の準備をした方がいい。Kは本当のところ私をどのように思っているのか占った。【占的】Kから会社を辞めさせられるか。会社にいられるか。【結果】雷地豫(らいちよ)4爻上六 ― ―六5 ― ―九4 ――― ×六3 ― ―六2 ― ―初六 ― ―【判断】卦も爻もいい。正直びっくりするほどよい。結論として、首にはならないと判断できる。1. 卦について(1) 豫とは、よろこびの時、楽しみの時とかいう意味。 本田先生の本では、民の心が和楽して支配者に服従するとある。(2) なぜ、よろこびの時なのか。象と彖辞から説明する(補足1)。 この卦では、九4の剛爻が五つの陰爻の応を得ている。だから九4の志が遂げられる。この意味でよろこびの時、楽しみの時である。 また、外卦と内卦との関係でも説明できる。外卦(雷)は動く、内卦(地)は順、つまり理に従うの意味を持つ。雷地は、理に従って素直に動くという意味をあらわしその点でもよろこびの時といえる。 なぜ、理に従って素直に動くことがよろこびの時なのか? 易経は、64卦で成り立つ。この64卦は、自然や人事の絶え間ない変化の過程の中の瞬間の様相を指し示す。つまり、64卦は、争いの時、喜びの時、苦しみの時等々を表彰している。そして、易の理想は、時の応じた動きをすることにある。喜びの時がいいのでも苦しみの時が悪いのでもない。喜ぶべき時に喜ぶ、苦しむべき時に苦しみのが易の理想である。(「時に中る(あたる)」として時中という)。 天地自然は、自らは計らず、理に従って素直に動く。だから月日は誤りなく運行し、四季は狂いなく循環する。しかるに、人間は、常に理に従って素直には動けない存在である。けれども豫の時においては、人は理に従い素直に動く。だから易の世界ではよろこびの時、楽しみの時となる。 人はその時、天から与えられた命に素直に従い動くことができるから、与えられたものを本当に慶び味わうことができるのだ。 では、「理に従って素直に動く」というが、どのような動きが「理に従っているのか」。 卦辞では「侯を建て師(いくさ)を行(や)るに利あり」とする。 君主を立て戦を行うのが理にかなっているという。 理にかなっているので、「刑罰は清くして民服す」としている。(3)つまりだ。 今の状況というのは、君主を立てて戦をするべき時であり、それが理にかなっている時期だというのが、易経の判断だった。Kはそのように思っている。 とはいえ、「理にかなっている」との卦については、私の心情としては、納得がいかなかった。 「殺人者め!」とみんなの前で罵倒された私の上司。睡眠薬の飲みすぎで構図かずおの漫画の登場人物のように眼球が充血し一人で階段を上がれなくってしまった私の上司の上司。ローンを抱え子供が生まれたのに鬱になって会社を辞めざるを得なくなった同僚。。。彼らの在りし日の笑顔を思い出すと「刑罰は清くして民服す」とはどうしても思えなかった。 Kが主観的にそのように判断しているとしても「刑罰は清く」とはあまりではないか?「民服す」のは怖いからではないのか?そのことにKが気づいていないとは思えないのだ。Kのガラガラポンの時のセリフを思い出す。 「まったく腐りきっている!この腐りきった根の根を絶たねばならない!」腐りきっている人たちへは、「清い刑罰」でどうなっても構わないということか?心情としては今も納得はしていない。 ただ、たしかに会社は、その当時ゲーム業界の流れから出遅れていた。前社長が体調を崩したということもあってガラ携からスマホの流れにも、ソーシャルゲームの流れにも取り残されていた。毎月後楽園人数分の会員がゴソッ、ゴソッと退会していた。 前社長以外は、前社長のカリスマに惹かれて集まった人たちばかりであり、技術はそれなりでも外部環境の変化に対してどのように対応するか決める能力も権限もない人たちばかりであった。 上場利益があるため10年分赤字が出ても潰れないほどのキャッシュはあったが、その分厚いキャッシュの壁に守られて組織としてぬるま湯に浸っていたきらいもある。 変化しなければならなかったことは確かであり、Kは、前社長から会社を受け継いで、何かを強いリーダーシップをもってやろうとしていた。 Kにとっては、それがメインであり、そのような中で、私をどうするかといったことは小さいことであることは確かだ(私にとっては一大事の話だが) 強いリーダーシップを持って危機を切り抜けようと思っていたのかもしれない。さて、そのような状況の中で、私の立場はどうなのか。会社を辞めせせられるか。会社にいられるか。 2. 爻について。(1) 爻辞は「九四は、由豫(ゆうよ)す。大いに得るあり。疑うなかれ、朋盍簪(あいあつま)る。」とある。九四、つまり第4爻は、君子の下の位であり、大臣の位。しかし、雷地豫では唯一の剛爻。君子の立場である六五は陰爻で弱く、その六五より委任されているとみる。そのため、豫(たのしみ)を得る中心的立場。しかし、九四は、偶数であり、易のルールでは偶数は陰であるべき。にもかかわらず剛爻であり不正。したがって天下のことを自分一人で引き受けているのでは疑われて危険。誠を尽くして人を疑うことなければ、同じ志の人々が一斉に馳せ参じて助けてくれるというのが爻辞。(2)これを当てはめると。。。Kが「師(いくさ)をやる」(卦辞)にあたって、それを遂行する中心的立場に立つ(「大いに得るあり」)。まあ、役員の首をほとんど飛ばし、有力な社員を飛ばしたあの時点で、いくつかの意思決定にかかわっていたのは私しかいなかった。それにKは法務というものをかなり重視する姿勢を持っていた。沢水困の卦も合わせると、自分にとっては重い話であるのだが。。。実際、私は、親会社へ一番最初に出向した。「疑うなかれ、朋盍簪(あいあつま)る。」親会社の法務では、上司も同僚もよくしてくれた。Kの好みの仕事の進め方も教えてもらったし、勉強にもなった。この卦とこの爻からはあの時点ではKはクビにするつもりはなかったのかもしれません。少なくとも業務の移管が終ってからも、リストラまでは1年近くあった。私にとっても、その時点では、ゲーム会社に入社して3年たっていなかったわけだし、転職活動にエネルギーを注いて、どっちつかずの結果になる可能性もあったことを考えれば、クビはないと腹をくくり転職活動はせず、従順に業務を移管した行動でよかったと思っている。------------------------------------補足1)彖辞「豫は、剛応じて志し行わるる。順以て動くは豫なり。豫は、順以て動く。故に天地かくのごとし。しかるを況や侯を建て師を行るをや。天地は順を以て動く、故に月日過たずして四時たがわず。聖人順を以て動けば、刑罰清くして民服す。豫の時義大いなるかな。」
2015年07月27日