☆Loui’s             Kingdom☆

☆Loui’s     Kingdom☆

入院生活・退院まで



入院した日から、Loui’は保育器の中で生活することとなった。

NICUに入院している赤ちゃんは10名程度だったが、その半数以上が早産による超未熟児や双子ちゃんなど、小さく生まれたお子さんばかり。その中で3,232グラムと標準体重のLoui’は傍目には、「なぜ保育器に?」と思うくらい、足をばたつかせ、よく泣いて、保育器が狭く見えた。

身体が真っ赤っかで、背中は毛深かった。
パパに似て色黒なのかなぁと思った。(産まれたときに身体の赤い子は、色白であるらしく、今のLoui’はやはり色白だ。)

おむつだけはいて裸んぼ。
鼻には細いチューブが通され、胸には心電図のパットが2~3本、両手には抗生剤の点滴のために針が刺されている。その針が外れてしまわないように、ギプスのようなもので腕が固定されていた。

保育器の中で

ある日、NICUへ入室すると、Loui’が入っているはずの保育器がピカピカピンク色に光っている。
「なになに?」と覗いてみると、目隠しをされている。
看護師が「黄疸の数値が上がっているので光線治療をしているんです。」NICUに入っているほとんどの赤ちゃんがやってますから、大丈夫ですよ」と説明してくれた。
そうなんだ、と思いながら、目隠しされてるのが辛かった。次の日には、数値も下がり、光線治療はストップされた。

Loui’が産まれてから私たちが気になっていたことがもう一つあり、先生の目にもとまったのが、右の手の甲にあった、赤いあざのような傷のような「かさぶた」だった。

先生は一度皮膚科に診てもらう、と言っていたが、年配の看護師が
「これは、”吸いだこ”ですよ」と言って、皮膚科の先生に診てもらう必要も無くなった。その辺は、お医者さんよりも「年の功」なのね。

そういえば、妊娠中エコーに写るLoui’はよく手の甲を口元へ持って行っていた。そうやって吸いだこを作って産まれてくる赤ちゃんもいるらしい。お腹の中でチューチュー吸っていたなんて、なんてかわいいんだろう。おっぱいを吸う練習をしていたのだ。

吸いだこ

↑吸いだこ。入院中にポロッとかさぶたがとれて、今はない。
けど、何故かここだけ日焼けをしないので、どこにあったか確認できる。

抗生剤が点滴されてから1週間後に、再度血液と髄液の検査をして、炎症の数値が下がっていたため、点滴がストップされ、鼻のチューブも外され、心電図のパットだけとなった。

入院から10日経ち、保育器からコット(ベッド)へ移った。今までは、保育器越しにLoui’に触れたり、ミルクをあげたりしていたけど、コットにでたことによって、面会時間はLoui’を抱いたり、寝かせたり、授乳したり自由にできた。

Loui’は保育器の中にいたときは、点滴の針等を外すわけにはいかなかったので、沐浴ができず、看護師に身体を拭いてもらうだけだった。そのため、身体には「体脂」という垢がポロポロと残っていた。

コットに出てから、沐浴をするようになり、パパとママもNICUの中で指導を受けた。最初の日は、看護師がやって見せてくれ、次の日にパパが体験、その次の日にママが体験した。

初沐浴
↑パパの沐浴体験。落としたら大変!とパパのおでこからは汗ポタポタ、Loui’の顔に何度も落ちた。

そんなことをしながら、どんどんNICUでの日々は過ぎていく。入院生活が続いていたのには理由があった。NICUを退院するには、一通り(脳波、聴覚、MRI、眼科検診など)検査を受け、パスしないと出られないのだ。検査の順番待ちのため、少々時間がかかった。

そして、これらの検査をLoui’は全て「異常なし」だった。

退院する2日前から、Loui’はNICUを出て、一般の新生児室へ移った。NICUの部屋はほとんど無菌の状態になっているので、退院する前に、普通の空気に慣れさせるためだった。

そのため、体重が既に4,000グラムを越えていたLoui’は、新生児室では、一際大きい「新生児」で、存在感があった(笑)泣き声も大きく、すぐにLoui’の泣き声だとわかった。私も、授乳のために他のお母さん方と一緒にLoui’の授乳をしていたが、Loui’を見る目線が「おおきい赤ちゃんだなぁ」と言っているように思えた。

担当の「S」先生から、Loui’が退院しても問題ないという説明を受け、平成16年9月29日(生後22日)、大安の日。Loui’は退院となった。

23日間の入院生活だった。

<余談>
NICU入院費・・・412,770円








© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: